<ぎふ屋>人が集まる理由 ~店主が仕掛けた昭和39年の世界~(後編) 【まるっと中野】
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更新日:2026年8月5日
家族で歩んだ20年
この日の番頭さんは女将さんです。
ちびナカノさん「女将さん、どんな20年でしたか?」
「サラリーマンと結婚したと思っていたのに、突然『店を継ぐ』って言うんだもん。子どももまだ大学生だったし、それはびっくりしたよ!でもね、本当に楽しい20年だった。いろんなお客さんと出会えたからね。」
そう話す女将さんの明るい声が、お店に響きます。
「車に気を付けてね。道が狭いから、急に飛び出したら危ないよ」
カウンターの前にいたのは、待ち合わせの時間によく立ち寄るという高校生。ぎふ屋は駄菓子やたばこを買うだけでなく、ふらりと立ち寄ってひと息つける場所にもなっているようです。
日曜日の午後。店内は近所の人や、わざわざ足を運んだというお客さんでにぎわっています。
土屋さんこだわりのあたたかな照明に包まれながら、みんな思い思いに店内を眺めたり、おしゃべりを楽しんだり。そこには、どこか昔懐かしい商店の風景がありました。
「専門店」を支える妥協のない品ぞろえ
たばこのコーナーは、愛煙家のニーズに応える通好みの品ぞろえです。
手巻き用たばこは、土屋さんが店を継いだ際に置き始めたもの。無漂白や天然のりを使用したペーパー、フィルター類までそろい、専門店ならではのブレンド相談にも応じています。
「当時、手巻きたばこはヨーロッパが主流だったんだ。アニメ『ルパン三世』の次元大介が吸っているクニャクニャ曲がったたばこは、自分で巻いたたばこだよ。ルパンがヨーロッパに行った後に巻き始めたんだ」
ちびナカノさん「そうなんですね! ポケットに入れていたから曲がっているのかと思っていました(笑)」
200種類以上ある駄菓子やおもちゃの仕入れにも妥協はありません。
「昔は一か所でそろったものが、今は取り扱いがなくなるものもあってね。仕入れたいもののために問屋を10か所以上回るよ」
ちびナカノさん「不動の人気! ベーゴマあります!」
棚には「巨人V9」の文字。昭和のプロ野球黄金期を思わせます。
ベーゴマには王選手や長嶋選手、末次選手など当時のスター選手の名前が刻まれており、小分け袋には中身の選手名が手書きで記されています。
人と人をつなぐ店
個人店ならではの会話が生まれる環境づくりも、土屋さんのこだわりです。
「駄菓子を買いに来ていた子が、大人になってたばこを買いに来るんだよ。『おじさん、久しぶり!』ってね。長くやっていると、こんなこともあるんだってうれしくなるよ」
「お母さん、ベーゴマを買っていい?」
サッカーの練習帰りに立ち寄ったというお友だち。
懐かしの黒電話が置かれたこちらの台、実は勉強机にもなるんです。
「鍵っ子なんかで、学校帰りにここで宿題をやっていく子もいるよ」
土屋さんこだわりの空間は、世代を超えて人が集まる居場所にもなっていました。
ちびナカノさん「わぁ!ウルトラマンの秘密基地みたいだね!」
店内に並ぶウルトラマンたちは、近所のお母さんたちから譲り受けたものも多いそうです。
ちびナカノさん「土屋さんがウルトラマンにのっけてくれたよ!シュワッチ!」
さらに店内には、ひっそり隠れたウルトラマンの姿も。
ちびナカノさん「かくれウルトラマンもいるよ!お店で探してみてね。」
外がにぎやかだと思って出てみると……お友だちが10円ゲーム機で大当たり!
「この前も当たりを出したよ!」
「こんな店ないでしょ? ついつい来ちゃうよね」
と話す常連さんは、お子さんにパチンコゲームの必勝法を伝授中です。
ちびナカノさん「楽しかった~!ずっとここに座ってお店を眺めていたいよ!」
最後に店主の土屋さんにこれからの「ぎふ屋」について聞きました。
「20年間お店をつぶさないように必死で頑張ってきたよ。もう十分やったから、これからは地域に貢献していきたいな」
昭和39年のわくわくする世界を今に伝えながら、人と人をつなぎ続ける「ぎふ屋」。
土屋さんの“仕掛け”は、これからも新井薬師のまちに笑顔を生み出していきそうです。
ぎふ屋
所在地:東京都中野区上高田5-44-3
アクセス: 西武新宿線『新井薬師前』駅北口 徒歩約2分
TEL:03-3389-4281
営業時間:土曜日・日祭日10時00分~20時00分/平日12時00分~20時00分
定休日:月曜日・水曜日
※お支払いは現金のみとなります。
※体調不良の為不定期にてお休みする場合がございますので、お電話等でご確認の上ご来店ください。
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このページは区民部 文化振興・多文化共生推進課が担当しています。
