中野区に茶道具の名店あり!その名は「茶道具商 荒木関」【まるっと中野】

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更新日:2025年9月22日

店舗外観とちびナカノさん

ハロー!ナカノ観光レポーターの「Kimder Garden」です。
今回は、早稲田通り沿いにある「茶道具商 荒木関」を紹介します。

エントランス

荒木関の歴史

二代目店主・荒木関 実(あらきせき みのる)さんにお話を伺いました。

創業は1966(昭和41)年。京都の老舗で修行した初代が独立し、中野で茶道具商を始めました。唐草模様の大きな風呂敷を背負い全国を回る父の姿に、幼い荒木関さんは「父は何の仕事をしているのだろう」と思ったそうです。

旧店舗-荒木関さんからお借りした画像

やがて1975年、現店舗近くの早稲田通り沿いに店を構えます。高校生だった荒木関さんは、素晴らしい茶道具に囲まれ「一代で終わらせるのは惜しい」と感じ、裏千家に入門しました。

大学卒業後は茶道具商としての修行を積むために、父子で知り合いに就職をお願いしましたが、既に業界の重鎮だった父の息子を預かるところは見つからず、結果的に父のもとで修行することになりました。

「関」の掛け軸

開店祝いに贈られた「関」の掛け軸は、千日回峰行を終えた阿闍梨(あじゃり)が書いたもの。初代がいかに周りの人々に支えられていたかを物語ります。

抹茶茶碗

建物が東日本大震災の影響を受けたため、現在のビル2階に移転。さらに新型コロナウイルス流行下ではEC販売を導入し、ネットとリアルを組み合わせた営業を展開しています。

ショーケース

荒木関の仕事

荒木関の主な業務は、茶道具の買取と販売です。
買取では、品物を最長2か月預かり、販売可能かどうかを確認後、常連客に新着情報として案内します。ECサイトにも掲載。売却が成立すれば手数料を差し引いて依頼者に支払います。
販売では、顧客に「必要なもの」を提案するのが、先代から続く流儀。高額な商品を求める客に「まだ早い」として安価な品を薦めることもあり、信頼を大切にしています。

掛け軸

修復相談には職人を紹介し、異業種からの茶道教室開設のアドバイスも行います。北鎌倉では三流派のレッスンが受けられる教室が誕生しました。

シリコン製の茶せん

また、新しい発想で茶道具の普及にも挑戦しています。子どもが安心して使えるシリコン製の茶せんを導入。

新型コロナウイルス流行下で注目された「各服点(かくふくだて)」に対応できるよう、片口茶碗も職人と開発しました。今では有名窯元も扱うほど広がっています。

※茶道における濃茶(こいちゃ)の点前(てまえ)の一種で、一人ひとりに別々の茶碗で点てる方法。

片口茶碗とナカノさん

次世代への継承

荒木関さんは講演や子どもへの指導にも積極的です。

最近は、複数の子どもが同時にお点前を披露する取り組みに力を入れています。大人はその妙技に驚き、子どもたちは互いに切磋琢磨して上達していくそうです。

荒木関さん

残したいことば

荒木関さんは、「茶道は礼に始まり、礼に終わる」と教えてくださいました。特に「ありがとうございます」と「お先に(失礼します)」を大切にしています。
「ゆくゆくは、流派がなくなるだろう」と大胆かつ柔軟な予想をする荒木関さんは、経験がなくても「お茶に関心がある」方なら大歓迎とのこと。
豊富な知識をもつ荒木関さんが丁寧に案内してくれますので、ぜひご連絡の上、お気軽に訪れてみてください。

茶道具商 荒木関

住所:東京都中野区大和町1-31-6 橋本ビル203号
TEL: 03-3330-2175
Instagram: 新規ウインドウで開きます。@huangmuguanshi(外部サイト)
営業時間:10時00分~18時00分
定休日:日曜日・祝日
アクセス:JR中央線「中野駅」北口より阿佐ヶ谷駅行き関東バス【阿45】「高円寺通り」下車、徒歩2分
JR中央線「高円寺駅」北口から徒歩8分

お問い合わせ

このページは区民部 文化振興・多文化共生推進課が担当しています。

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