【まるっと中野】<写大ギャラリー>静かな時間を過ごしたい方におすすめ!入場無料のアートスポット
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更新日:2025年6月2日
写大ギャラリーの展示室(写真提供:写大ギャラリー)
はじめまして!2025年度からナカノ観光レポーターを務めることになりました、KanaNaka と申します。大好きなアートやカルチャーを中心に、中野の気になるスポットを皆さんに紹介していきます。どうぞお楽しみに!
さて、突然ですがーー
皆さんは、写真を「上手だね」と褒められたときや、自分でも「これはいい写真が撮れた!」と感じたとき、ふと「写真家になりたい」と夢見たことはありませんか?
では、プロがつくる写真とは、どのようなものなのでしょうか?
その答えは、ここ中野区にある写大(しゃだい)ギャラリーで見つかるかもしれません。
「博物館相当施設」に指定された大学付属の写真ギャラリー
細江英公「薔薇刑」シリーズ(写真提供:写大ギャラリー)
写大ギャラリーは、日本初の写真学校である小西写真専門学校を前身とする、東京工芸大学に設置された写真ギャラリーです。
国内外の優れた写真作品約14、000点を所蔵し、2023年に東京都教育委員会から「博物館相当施設」に指定されました。
年間を通じて一般に公開されており、見応えのある写真展を誰でも無料で楽しむことができます。
ここで展示されているのは、写真家の最終的な表現媒体としての写真作品、つまり「オリジナルプリント」。
作品そのものに込められた写真家の意図や美意識を、じかに感じ取ることができます。
プロの写真家がつくる写真とは?
細江英公「鎌鼬」シリーズ(写真提供:写大ギャラリー)
2025年は、写大ギャラリー開設50周年の節目の年として、「細江英公追悼写真展」を開催。今回、学芸員の深尾さんにご案内いただきました。
展示室はふたつに分かれており、照明を抑えたメインギャラリーの扉を開けると、小説家・三島由紀夫を被写体とした代表作「薔薇刑」シリーズや、舞踏家・大野一雄を 40 年以上にわたり撮り続けた「胡蝶の夢」シリーズなど、1960年代から1990年代に制作された43作品が展示されていました。
細江英公「胡蝶の夢」シリーズ(写真提供:写大ギャラリー)
作品の前に立つと、空気が変わるような感覚に包まれます。
心を揺さぶられるような、この体験こそ「オリジナルプリント」が持つ力です。これがプロの写真家の表現力の真髄なのだと実感しました。
日本の写真史を切りひらいた写真ギャラリーの誕生
展示室1では細江英公氏にまつわる資料や記念写真を展示(写真提供:写大ギャラリー)
写大ギャラリーは 1975 年、海外でも活躍する写真家で、同学の教授を務めた細江英公氏の発案により、当時の東京写真短期大学(現在の東京工芸大学)に設置されました。大学の略称から「写大ギャラリー」と名づけられたそうです。
細江氏は、教授として着任するにあたり、写真教育の場でオリジナルプリントを直接見ることの重要性を強く訴えたといいます。その意義は、作者の視点や構成、表現の意図を読み取り、写真に対する眼を養うこと。細江氏によるこの提案は、当時の日本ではきわめて先駆的なものでした。
日本の写真教育をリードしてきた東京工芸大学だからこそ実現した、画期的なプロジェクトが写大ギャラリーなのです。
ほかに類をみない希少な写真コレクション
細江氏の海外における活躍を伝える資料(写真提供:写大ギャラリー)
細江氏の情熱と人脈により、土門拳や森山大道をはじめとする国内の写真家、そしてアメリカ人写真家をはじめとする海外の写真家たちの貴重なオリジナルプリントが、数多くコレクションされました。細江氏の退職後も収集活動は継続され、 これらの写真作品は、年 4 回ほど開催される企画展で鑑賞することができます。
展示作品について知りたいことがあれば、常駐しているギャラリースタッフに気軽にお声がけください。また、展覧会に合わせたトークイベントも開催されており、どなたでも参加できます。
なお、東京工芸大学主催の写真コンテスト受賞作品展も毎年開催されておりますので、こちらもぜひお立ち寄りください。
写大ギャラリーで写真の素晴らしさを感じてみよう
深尾学芸員との会話を通じて、写真への愛と尊敬、そして多くの方に写真作品をご覧いただきたいという思いがひしひしと伝わってきました。
皆さんも写大ギャラリーで、写真の素晴らしさを体感してみませんか?
展覧会やトークイベントの情報は、写大ギャラリーの公式ホームページで確認できます。
「細江英公追悼写真展」は6月7日(土曜)まで。
次回はアメリカの写真家、ウィン・バロックの展覧会を開催予定とのこと。なんと、写大ギャラリーで初めて開催された展覧会も「ウィン・バロック展」でした。
開設50周年を迎えた2025年、写大ギャラリーでどんな写真作品との出会いがあるのでしょうか。期待がふくらみます。
ナカノ観光レポーターKanaNakaがお届けしました。
写大ギャラリー
所在地:中野区本町2-4-7 5号館(芸術情報館)2F
アクセス:東京メトロ丸ノ内線・都営大江戸線「中野坂上駅」1番出口より徒歩7分
開館時間:10時00分 ~ 19時00分(木曜日・日曜日・祝日 休館)
※開館時間の詳細は、各展覧会ページをご確認ください
電話:03-5371-2694 (直通)
メール:shadai-gallery@t-kougei.ac.jp
ホームページ:https://www.shadai.t-kougei.ac.jp/(外部サイト)
X:https://x.com/ShadaiGallery(外部サイト)
Instagram:https://www.instagram.com/tpu_shadaigallery/(外部サイト)
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このページは区民部 文化振興・多文化共生推進課が担当しています。