<ぎふ屋>人が集まる理由 ~店主が仕掛けた昭和39年の世界~(前編) 【まるっと中野】
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更新日:2026年8月3日
こんにちは!ナカノ観光レポーターの「Kana Naka」です。
今回の舞台は新井薬師。シンボルである新井薬師 梅照院の周辺には、昔ながらの個人商店と閑静な住宅街が広がり、どこか昭和レトロな空気が漂っています。
ここに、地元の人なら誰もが知る、たばこ&駄菓子の店「ぎふ屋」があります。
今年20周年を迎えたこのお店を取材したきっかけは、あるアートコレクターのひと言でした。
「ぎふ屋は面白いよ」
実は私自身、ぎふ屋には何度も足を運んでいます。でも、その存在があまりにも当たり前すぎて、じっくり観察したことがありませんでした。
ところが店主に話を聞いてみると、「そうだったんだ」と思うことばかり。何気なく見ていた店内のあちこちに、店主ならではの工夫や遊び心が隠されていたのです。
ぎふ屋沼の正体は、店主の“仕掛け”にありーーさあ、はじまりはじまり!
ニッチとニッチの相乗効果
「ぎふ屋」の始まりは1949年(昭和24年)。
岐阜県から上京した先代が、戦後間もなく、焼け野原だったこの地で、たばこと生活雑貨を扱う店を開いたのが始まりです。
店主の土屋さんが店を継いだのは2006年。50歳のときでした。
きっかけは先代の病でした。兄が継がないなら、自分がやるしかない――そう決意してサラリーマンを辞めたといいます。
「たばこ屋みたいな斜陽産業に何をかけ合わせたらいいかって考えてね。マイナス×マイナスはプラスだろうって。それで思いついたのが駄菓子だったんだ」
今ではすっかりおなじみの“たばこ&駄菓子”というスタイルも、土屋さんの発想から生まれたものでした。
店を継いでからの5年間は、とにかく必死だったと振り返ります。
「終電で帰ってきた人がたばこを買えるように、夜中の1時まで店を開けていたよ」
駄菓子をつまみに家飲みを楽しむお客さんも現れ、店は少しずつ地域に浸透していきました。
……おや?
カウンターには、小さなお客さんの姿が。
実は今回の取材には、中野区公式キャラクター「ちびナカノさん」も同行。土屋さんの話に聞き入っていたのは、どうやら私だけではなかったようです。
ちびナカノさん「見て見て! お店の中は、なつかしいものでいっぱいだよ!」
コンセプトは昭和39年
お店のコンセプトは昭和39年。初めての東京オリンピックが開催された1964年です。
土屋さんが大好きだった、小学校1年生の頃の世界。その記憶が、お店のあちこちにぎゅっと詰め込まれているのです。
「わくわくする時代だったよ。それをみんなに伝えたくてね」
店内に飾られているオリンピックの下敷きやポスターは、当時、小学校で先生から配られたものだそうです。
お店の片隅には、1964年の東京オリンピックで先代がたばこを販売していた時の写真と許可証も展示されています。日本専売公社が設けた販売ブースで、順番にたばこを販売していたそうです。
ちびナカノさん「わーい! ご主人が一緒に写真を撮っていいよって棚にのっけてくれたよ!」
ビートルズが来日したのも、この頃です。
お店の天井には、土屋さんが集めていたビートルズを中心とした当時のレコードや貴重な資料がずらり。中には、小学校3年生だった土屋さんがお小遣いをためて買ったものもあります。
実は、これらのコレクションを大切に残してくれていたのはお母さんでした。
「おふくろは捨てるのが好きじゃなかったからね」
五感を大切にした店づくり
店内を見回してみると、土屋さんの“仕掛け”が至るところに隠されています。
ディスプレイに使われているのは、お母さんの嫁入り道具だったというたんすの引き出し。先代の岐阜県の実家は、たんす屋さんだったそうです。
どこか近所の家に遊びに来たような、懐かしい空気が漂います。
床には木材を使用。昭和39年当時の小学校の廊下をイメージしているといいます。
「廊下を走るな!ってよく言われた床だよ」
また、今でこそ店内にはラジオが流れていますが、開店当時は昭和のCMソングを流していました。
さらに、照明にもこだわりが。ダウンライトや、光が直接目に入らないよう昼光色のバックライトを取り入れています。五感で昭和を感じてもらうための工夫です。
こうして土屋さんが作り上げたのは、昭和を「見る」だけではなく「感じる」ことのできる空間でした。
(後編へ続く)
ぎふ屋
所在地:東京都中野区上高田5-44-3
アクセス: 西武新宿線『新井薬師前』駅北口 徒歩約2分
TEL:03-3389-4281
営業時間:土曜日・日祭日10時00分~20時00分/平日12時00分~20時00分
定休日:月曜日・水曜日
※お支払いは現金のみとなります。
※体調不良の為不定期にてお休みする場合がございますので、お電話等でご確認の上ご来店ください。
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このページは区民部 文化振興・多文化共生推進課が担当しています。
