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最終更新日 2020年2月28日
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情報公開・個人情報保護審査会答申(第23号)

答申第23号

令和元年12月13日

中 野 区 長 様

中野区情報公開・個人情報保護審査会

会 長 佐藤 信行

中野区個人情報の保護に関する条例第33条第3項の規定に基づく諮問について(答申)

下記に掲げる中野区個人情報の保護に関する条例に係る審査請求について(諮問)について、次のとおり答申します。

・ 平成30年5月7日付け30中経行第130号

第1 審査会の結論

本件審査請求は、棄却すべきものと認める。

第2 審査請求及び審査の経緯

1 自己情報の開示請求
平成30年1月5日付けで、本件の審査請求人(〇〇〇〇さん、以下「審査請求人」という。)は、条例第22条の規定に基づき、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)に対して、「別添の疎明資料:東京都福祉保健局指導監査部指導第三課の通信記録の交付について、実証するもの求める。1・2 1H29.10/16のもの、2H29.12/13のもの、以上の事実関係示すもの」との自己情報開示請求を行った。

2 自己情報開示等決定通知期間延長通知
実施機関は、同年2月5日付けで、審査請求人に対して「開示請求の可否を決定するにあたり、事実認定や内容の検討などに時間を要するため」として、「平成29年10月16日に生活援護分野南部担当〇〇〇〇が東京都福祉保健局指導監査部指導第三課に電話で話した内容について、実証するもの」と「平成29年12月13日に生活援護分野生活保護担当〇〇〇〇〇が東京都福祉保健局指導監査部指導第三課に電話で話した内容について、実証するもの」の2点について、同年2月28日まで決定を通知する期間を延長した旨通知した。

3 実施機関の決定
実施機関は、同年2月27日付けで、審査請求人に対して請求の一部(上記1の1部分。以下「本件請求情報1」という。)について開示、一部(同2部分。以下「本件請求情報2」という。)について不開示とする旨通知した(29中健援第2425号)。不開示の理由は「請求に係る文書の一部が不存在のため」とされている。

4 開示請求対象文書の写しの送付
実施機関は、同年3月2日、審査請求人の求めに応じて開示請求対象文書の写しを郵送した。ただし、その後の確認によって、該当部分の一部が表示されていない写しを送付したことが判明したため、正しいものを3月15日に郵送している。

5 審査請求
審査請求人は、本件自己情報不開示決定を不服として、条例に基づき、同年3月12日付けで、実施機関に対して審査請求を行った。

6 当審査会への諮問
区長は、当審査会に対し、条例第33条第3項に基づき、同年5月7日付けで上記審査請求の審査の諮問をした。

7 口頭意見陳述及び資料の提出等
当審査会は、実施機関から同年3月30日付けで弁明書の提出を受けた。また、審査請求人から4月11日付けで反論書の提出を受けた。
また当審査会は、6月19日に審査請求人の口頭意見陳述を聴取し、同年11月20日に実施機関聴取を行った。

第3 実施機関及び審査請求人の主張の整理

1 実施機関の主張
実施機関は、「本件請求情報1については、審査請求人の世帯台帳上の10月16日に、生活援護分野や指定医療機関担当と電話連絡した記録があり、その電話連絡の内容は10月13日に○○○○病院医事課の担当と確認した内容であったため、10月13日及び16日の記録が請求情報にあたると判断した」及び「本件請求情報2については、指導第三課長から健康福祉部副参事(〇〇〇〇担当)に、審査請求人に係る事項について連絡を受け応答したが、その内容は記録しなかったため、文書不存在とした。」と主張している。

2 審査請求人の主張
審査請求人の主張は、実施機関が行った審査請求人に係る行政活動そのもの(東京都への情報提供を行ったこと自体やその内容の正確性等)について審査請求人の考える違法性ないしは不当性を述べる部分と、本件自己情報開示請求に係る違法性ないしは不当性を述べる部分が混在しており、当審査会において審査すべき後者の点については、審査請求書及び反論書においても、また意見陳述の機会の主張の全趣旨に鑑みても、必ずしも明らかではない点があるが、少なくとも、審査請求人が東京都に対して行った自己情報開示請求によって入手した文書によれば、平成29年12月13日に東京都福祉保健局指導監査部指導第三課長と中野区健康福祉部副参事が電話で話したことは明らかであり、その記録にについて不存在であるとされたことを争っているものと理解することができる。

第4 審査会の判断

1 論点
実施機関は、平成29年12月13日に、東京都福祉保健局指導監査部指導第三課長と中野区健康福祉部副参事が電話で会話をしていることは認めつつ、その「内容は記録しなかったため、文書不存在とした」と主張するのに対して、審査請求人は、自身が東京都から開示を受けた文書に対応する自己情報を実施機関が保有していないとすることの不当性を主張しており、この点が問題となる。

2 当審査会の判断
本件における問題は、職務の一環として行われた電話での会話について、その内容を記録する文書が作成されていない場合に、これを条例上不存在として開示しないとの決定をすることが違法または不当ではないかということである。 この点、中野区区政情報の公開に関する条例は、その第3条第2項において「実施機関は、区政に関する情報で文書等の記録媒体により保管していないものの公開を求められた場合は、説明等の方法により当該情報を提供するよう努めるものとする。」と規定し、文書等の形で物理的に存在していない情報であっても、提供に努めることを求めている。
他方で、本件に適用される中野区個人情報の保護に関する条例は、個人情報を「個人に関する情報であって、当該情報に含まれる氏名、生年月日その他の記述等により特定の個人を識別することができるもの(他の情報と照合することができ、それにより特定の個人を識別することができることとなるものを含む。)で、文書、図画、写真、フィルム、電磁的記録(電子的方式、磁気的方式その他人の知覚によっては認識することができない方式で作られた記録をいう。以下同じ。)その他の記録媒体に記録されるもの又は記録されたものをいう。」と定義(第2条第2号)した上で、「区民は、実施機関が保管している自己を本人とする個人情報(以下「自己情報」という。)について、実施機関に対しその開示を請求することができる。」(第22条第1項)と規定しており、「記録されるもの又は記録されたもの」ではない情報について、新たに作成し開示することを義務づけていない。
したがって、中野区個人情報保護に関する条例の下では、原則として、実施機関は現に保管している自己情報を開示すれば足りることは明らかである。ただし、条例第3条第1項は「実施機関は、個人情報の収集、保管及び利用に当たっては、個人情報に係る区民の基本的人権を尊重するとともに、個人情報の保護を図るため必要な措置を講じなければならない。」と規定しており、これに反する条例の運用は許されないこともまた明らかである。そこで、この点に鑑みると、たとえば、実施機関が、もっぱら区民から求められた自己情報の開示を回避することを目的として、あえて個人に関する情報を記録媒体に記録せず、口頭での申し送り等により行政事務を遂行するようなことはあってはならず、仮にそのようなことが行われた場合には、当該行為自体が行政権行使の濫用又は踰越であり、違法又は不当と評価すべきである。
そこで、本件においてそのような事情が認められるかが問題となるが、実施機関と審査請求人との間には、実施機関の権限行使のあり方をめぐって意見の対立があったことは認められるものの、本件のように、第三者との電話による会話であって、かつ、当該第三者から自己情報開示請求によって会話の内容が得られることが予め分かっているような場合に、もっぱら自己情報の開示を回避することを目的として記録を作成しなかったと認める根拠は極めて乏しく、実施機関が本件請求情報2について、不存在としたことについては、違法又は不当と認めることはできない。

第5 結論

以上により、上記第1記載のとおり、判断する。
なお、審査会として1点付言する。上記第4中2に記載した条例第3条第1項に反する条例の運用に関する記述は、本件を前提とする例示であって、個人に係る情報を記録として残すべき場合とそうではない場合の一般基準を示したものではない。実施機関においては、行政活動の適法性や正当性を担保するためにも、個人情報が適切に保管されるべきことに留意されたい。

中野区情報公開・個人情報保護審査会

委員 岸 本 有 巨

委員 熊 田 裕 之

委員 小 池 知 子

委員 幸 田 雅 治

委員 佐 藤 信 行(会長)

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