情報公開・個人情報保護審査会答申(第58号)
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更新日:2024年11月1日
答申第58号
令和5年10月6日
中 野 区 長 様
中野区情報公開・個人情報保護審査会
会長 佐藤 信行
中野区個人情報の保護に関する条例第33条第3項の規定に基づく諮問について(答申)
下記に掲げる中野区個人情報の保護に関する条例に係る審査請求について(諮問)について、別紙のとおり答申します。
記
・ 令和4年2月4日付け3中総総第3831号(令和3年3月19日付け2中健援第6657号の処分)
第1 審査会の結論
本件審査請求は、棄却すべきである。
第2 審査請求及び審査の経緯
1 自己情報開示請求
審査請求人は、令和3年3月4日付けで、請求に係る個人情報の内容欄に「別添の甲第32号証(2中総総第4086号):東京都福祉保健局指導監査部指導第三課○○職員へ連絡繰り返す訂正した該当レセプト全科全部求める。(○○病院総合レセプト)」と記載し、請求の趣旨欄に、「同院の検査部位や検査科のもの特定欠いては、都への訂正(再三)の連絡不可能である為、決定せよ。H29.10.16世帯台帳の記帳である。」と記載して、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)に対して自己情報開示請求を行った。
2 実施機関の決定
実施機関は、令和3年3月19日付けで「該当する文書の作成及び保管をしていないため」として、不開示決定を行い、審査請求人に通知した。
3 審査請求
審査請求人は、令和3年3月29日付けで、上記自己情報不開示決定に対して、審査請求を行った。審査請求の趣旨及び理由の欄には「趣旨:処分の取り消し求める。H29.10.13の訂正した世帯台帳。」等の記載がある。
4 弁明書及び反論書の提出
実施機関は、令和3年9月15日付けで「「本件審査請求を棄却する。」との裁決を求める。」とする弁明書を提出した。これに対し、審査請求人は、令和3年10月28日付けで「個人情報不正確」等を記載した反論書を提出した。
5 当審査会への諮問
区長は、令和4年2月4日付けで条例第33条第3項に基づき、当審査会に対し、本件審査請求に係る諮問を行った。
第3 実施機関及び審査請求人の主張の整理
1 実施機関の主張
実施機関は、「請求情報に該当する文書等が不存在であることから、その旨を審査請求人に通知したものである」と主張している。
2 審査請求人の主張
審査請求人が提出した本件審査請求に係る自己情報開示請求書、審査請求書及び反論書にそれぞれ記載されている事柄を総合すると、審査請求人は、自己に係るレセプトのうち誤り訂正されたものの開示を求めていると解される。
第4 審査会の判断
本件において、実施機関は、請求情報に該当する文書等が不存在である旨主張するので、この点が問題となる。請求の内容及び趣旨を総合すると、審査請求人は、自己に係るレセプトのうち、開示を求めていることは明らかである。自己情報開示請求書上は、その範囲が不明確であるものの、審査請求書及び反論書等の記載を総合すると、「東京都福祉保健局指導監査部指導第三課指定医療機関指導担当」名で作成された「電話対応記録」で言及のあった医療行為等に係るレセプトが開示を求められているものと解される。
そこで、実施機関のいう「請求情報に該当する文書」の不存在とはどのような意味であるのかを知る必要があることから、審査会において実施機関聴取を行い確認したところ、実施機関と審査請求人の間には、審査請求人の○○病院受診をめぐって懸案となっている事項が存在しているが、審査請求人が求める「訂正されたレセプト」を実施機関において保有していないとの趣旨であるとの回答が得られた。
文書の不存在の主張については、諸般の事情を総合して当該主張の合理性を判断することとなるが、当審査会においては、実施機関の本件主張を否定すべき特段の根拠を見いだすことはできない。
第5 結論
以上により、上記第1記載のとおり判断する。
中野区情報公開・個人情報保護審査会
委員 岩 隈 道 洋
委員 岸 本 有 巨
委員 小 池 知 子
委員 神 山 静 香
委員 佐 藤 信 行(会長)
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