情報公開・個人情報保護審査会答申(第54号)

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更新日:2023年8月3日

答申第54号 
令和5年2月28日 

中 野 区 長 様

中野区情報公開・個人情報保護審査会 
会長 佐藤 信行

 
中野区個人情報の保護に関する条例第33条第3項の規定に基づく諮問について(答申)

 

 下記に掲げる中野区個人情報の保護に関する条例に係る審査請求について(諮問)について、別紙のとおり答申します。

 記

・ 令和4年2月4日付け3中総総第3831号(令和3年2月24日付け2中健援第6195号の処分)

第1 審査会の結論

 本件審査請求は、認容されるべきである。実施機関は、「○○ 病院脳神経外科○○Drの返答書」及び「○○ 診療所から○○ 病院の診療情報提供書(御紹介状)」並びにそれぞれを実施機関において「受理した」記録を開示請求対象情報として、実施機関における保有状況を確認し、再度決定を行うべきである。

第2 審査請求及び審査の経緯

1 自己情報開示請求
 審査請求人は、令和3年2月10日付けで、請求に係る個人情報の内容欄に
「政府官報号外第135号(条約第28号)
 ○○ 病院脳神経外科○○Drの返答書の受理。
 ○○ 診療所から○○ 病院の診療情報提供書(御紹介状)受理。」
と記載し、請求の趣旨欄に、
「世帯台帳 H29.9/7部分
 H29.10/18部分 } 私の提出した記帳有。
 H29.10/30-2部分 → 現在の○○ クリニック:紹介状の
 250点の
 レセプト(中野区保有)」
と記載して、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)に対して自己情報開示請求を行った。

2 実施機関の決定
 実施機関は、令和3年2月24日付けで「【請求内容】政府官報号外第135号(条約第28号)」「【開示文書】昭和40年12月18日官報(号外第135号)抜粋」として、開示決定を行い、審査請求人に通知した。

3 審査請求
 審査請求人は、令和3年3月17日付けで、上記自己情報開示決定に対して、審査請求を行った。審査請求の趣旨及び理由の欄には「趣旨:処分の取り消し求める。2点不足の決定である:H29.10/18記帳の受理した「脳神経外科○○医師のご返答書」、H29.10/30-2記帳上「○○ 診療センタの診療情報提供書(○○ 病院宛)」」「理由:請求は、私の提出した受理したもの3点。」「29中健援第1801号H29.4月~10月の世帯台帳(誤認のもの)」の記帳上期日示した(受理日)もの2点不足の本件。}(3/10)本件、○○係長は、「受理」分からない回答だが、請求対する連絡欠く。」との記載がある。

4 弁明書及び反論書の提出
 実施機関は、令和3年9月15日付けで「「本件審査請求を棄却する。」との裁決を求める。」とする弁明書を提出した。これに対し、審査請求人は、令和3年10月28日付けで「自治基本条例。諮問第13号。請求書とうりの決定せよ。」との反論を記載した反論書を提出した。

5 当審査会への諮問
 区長は、令和4年2月4日付けで条例第33条第3項に基づき、当審査会に対し、本件審査請求に係る諮問を行った。

第3 実施機関及び審査請求人の主張の整理

1 実施機関の主張
 実施機関は、審査請求人が本件審査請求に係る自己情報開示請求書に記載された開示を求める情報について、「政府官報号外第135号(条約第28号)」を指しているものと解釈し、その全部を開示したと主張している。

2 審査請求人の主張
 審査請求人が提出した本件審査請求に係る自己情報開示請求書、審査請求書及び反論書にそれぞれ記載されている事柄を総合すると、審査請求人は、開示された文書(文書1)に加え、「○○ 病院脳神経外科○○Drの返答書」(文書2)及び「○○ 診療所から○○ 病院の診療情報提供書(御紹介状)」(文書3)に、審査請求人に係る個人情報が記載されており、実施機関がこれを保有しているとの前提で、それらの文書自体、又は、それらの文書の受理記録の開示を求めていると理解される。なお「○○ 診療所」は文書によっては「○○ 診療センタ」と記載されているが、同一の文書を意味すると推認される。

第4 審査会の判断

 本件において、実施機関は、本件審査請求に係る自己情報開示請求書の「請求に係る個人情報の内容」欄において、3行に渡り、
 「政府官報号外第135号(条約第28号)
 ○○ 病院脳神経外科○○Drの返答書の受理。
 ○○ 診療所から○○ 病院の診療情報提供書(御紹介状)受理。」
と記載している。そこで、それが何を意味するかが問題となるところ、実施機関は第1行目に記載されたものが開示請求対象情報であると解釈したものであるから、この判断が適切であるかが問題となる。
 そこで審査会において審査したところ、「請求に係る個人情報の内容」欄第2行目及び第3行目には、いずれも文末に「受理」と体言止めの記載がなされており、それぞれ文書2及び文書3又はその関連情報が開示請求対象情報であるか否かは、一見して判別しづらいものであることが認められる。しかし、この3行について通常の読み方をする限り、第2行目及び第3行目が第1行目を補足するものであるとは解されず、それぞれについて
 (1)文書2及び文書3そのもの、又は
 (2)文書2及び文書3を実施機関において受理した記録
のいずれかの開示を求めるものと解することが自然であると思量される。
 このような前提に立って、当審査会は、実施機関からの聴き取り調査を行ったところ、実施機関は、自己情報開示請求が行われた令和3年2月10日の段階で、既に文書2及び文書3(以下「両文書」という。)が除却されていたことを述べ、仮にその時点において、「請求に係る個人情報の内容」を上記のように理解していたとすれば、不存在決定を行うべきであったとしている。
 当審査会としても、自己情報開示請求時点で両文書が既に除却されており、本件開示請求対象情報が上記(1)であったならば、不存在決定を行うべきものであったと判断する。ただし、審査請求人の提出した自己情報開示請求書の記載によれば、開示を求める情報は、上記(2)であるとすると、それが両文書とは独立してなお存在している可能性も否定できない。
 そこで、実施機関においては、開示対象情報を(1)及び(2)のいずれかであるとの前提の下に、再度保有個人情報の確認を行い、決定を行うべきである。

第5 結論

 以上により、上記第1記載のとおり判断する。

 中野区情報公開・個人情報保護審査会
 委員 岩 隈 道 洋
 委員 岸 本 有 巨
 委員 小 池 知 子
 委員 神 山 静 香
 委員 佐 藤 信 行(会長)

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