情報公開・個人情報保護審査会答申(第80号)
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更新日:2025年10月8日
答申第80号
令和7年7月23日
中 野 区 長 様
中野区情報公開・個人情報保護審査会
会長 佐藤 信行
中野区区政情報の公開に関する条例第13条第3項の規定に基づく諮問について(答申)
下記に掲げる中野区区政情報の公開に関する条例に係る審査請求について(諮問)について、別紙のとおり答申します。
記
・令和6年7月16日付け6中総総第1072号(令和4年1月11日付け3中総総第3512号の処分)
第1 審査会の結論
本件審査請求は、棄却すべきである。
第2 審査請求及び審査の経緯
1 区政情報公開請求
審査請求人は、令和3年12月27日付けで、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「公開条例」という。)に基づき、請求情報の内容の欄に次のように記載して、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)に対して区政情報公開請求を行った。
「疎明資料の別添の自治基本条例と関連のある条例・規則・要綱等(第1回審議会(5.19)資料7の1・2・4は総務部・健康福祉部へ引継ぐ為、下記の請求行う。
令和元年12月23日答申第26号-第5結論 2018年2月28日第380号-11頁(3)>は、保護条例第18条第1項第4号の審議会の意見を聴いて、実施機関が公益上特に必要と認めるとき除外可能分かるもの求める。※手引き上:第18条第1項第4号「具体的かつ明確な説明が必要」(原則:区民の自己情報誤りを外部提供可能か判断するもの)答申第34号・第39号・第42号は、他条例の判断逃げる。」
なお、欄外には、次のような記載もある。
「生活保護制度上は、個人情報正確(原則)義務負う。寄って、世帯台帳作成の訂正した。その為、〃作成誤る義務違反。又、作成基準「正確性の担保」。 答申無効か。」
「訴訟沙太は、公益性なのか?むしろ、被告区長は、組織全体影響大。」
「保護条例第14条(手引の運用)は、「危機管理ガイドライン」示す。左記同ガイドライン上の訴訟予防反する本件請求化。」
2 実施機関の決定
実施機関は、令和4年1月11日付けで、請求情報の内容を「令和元年12月23日答申第26号-第5結論 2018年2月28日第380号-11頁(3)>は、保護条例第18条第1項第4号の審議会の意見を聴いて、実施機関が公益上特に必要と認めるとき除外可能分かるもの求める。※手引き上:第18条第1項第4号「具体的かつ明確な説明が必要」」として、「個人情報保護制度の手引(第8次改訂版) 該当頁 34頁」を公開する旨の区政情報公開決定通知を行った。
3 審査請求
審査請求人は、令和4年3月23日付けで、請求の趣旨及び理由の欄に「諮問第13号。趣旨:処分の取り消し求める。理由:事例示す再度の請求した3中総総第4062号(令和4年2月7日)「区政情報不存在通知書」答申第26号-第5結論の関係。「正確な自己情報の隠ペイ事件」(保護条例違反)(3中総総第2791号・第3390号・第4037号の弁明書全件の反論書全件の疎明資料一覧表(証拠類)の全点:一部抜粋。)」と記載し、さらにその他の欄に「〇3中総総第4062号(令和4年2月7日)「区政情報不存在通知書」※保護条例第18条の手引き34頁は、本件不当とした再請求したもの。本件相反する決定事項。」と記載して、審査請求を行った。
4 弁明書及び反論書の提出
実施機関は、令和4年11月1日付けで「「本件審査請求を棄却する。」との裁決を求める。」とする弁明書を提出した。そこには処分の理由として次の記載がある。
「本件処分に係る区政情報公開請求書には、「保護条例第18条第1項第4号の審議会の意見を聴いて、実施機関が公益上特に必要と認めるとき除外可能分かるもの求める。」との記載があり、実施機関は請求情報について「中野区個人情報の保護に関する条例(以下「個人情報保護条例」という。)第18条第1項第4号の審議会の意見を聴いて、実施機関が公益上特に必要があると認めるときの具体例が分かるもの求める。」を指しているものと解釈し、請求情報に該当する区政情報を公開することを決定したものである。」
「本件審査請求に関して審査請求人から提出のあった一連の請求書及び添付書類から総合的に判断するに、審査請求人は、2018年2月28日付け○○○○中野区福祉オンブズマンによる調査回答第380号11頁に記載されているように、生活保護事務に関して、区が誤った個人情報を東京都へ伝えたことについて、個人情報保護条例上の正当性を示す文書を求めているものと思われる。
個人情報保護条例は、第3条に実施機関の責務として、個人情報に係る区民の基本的人権を尊重するとともに、個人情報の保護を図るために必要な措置を講じなければならないことを規定しており、また、第14条には、実施機関が個人情報の適正管理のために講じなければならない事項を列記している。
これらの規定に照らせば、区が誤った個人情報を他の機関に伝えることはあってはならず、仮にそのような事態が発生してしまった場合には、誤った個人情報を伝えた機関に対して連絡をし、直ちに誤りを訂正しなければならないものである。
本件審査請求にあるように、区が誤った個人情報を正確なものとすることなく他の機関に伝えてしまうという事態が発生してしまったことについては、審査請求人にお詫びするとともに、個人情報の適正管理について、職員に対する一層の注意喚起を図る所存である。」
「なお、本件処分については、請求情報に該当する区政情報を公開し、それ以外のものは存在しないのであるから、本件審査請求には理由がない。」
これに対し、審査請求人は、令和5年4月6日付けで「審査請求書とうり。」とする反論書を提出した。
5 当審査会への諮問
区長は、令和6年7月16日付けで公開条例第13条第3項に基づき、当審査会に対し、本件審査請求に係る諮問を行った。
第3 実施機関及び審査請求人の主張の整理
1 実施機関の主張
実施機関の主張は、実施機関が提出した弁明書に記載されているとおりである。
2 審査請求人の主張
審査請求人は、審査請求書において、当審査会の答申第26号(令和元年12月13日)を示して、処分の取消しを求めている。
第4 審査会の判断
そもそも、中野区個人情報の保護に関する条例(以下「保護条例」という。)第18条第1項は全4号にわたって、保管している個人情報を外部提供できる例外を定めているところ、その各号は、第1号「法令の定めがあるとき。」、第2号「外部提供をすることについて、本人が同意しているとき。」、第3号「区民の生命、健康又は財産に対する危険を避けるため緊急かつやむを得ないと認められるとき。」、第4号「前3号に掲げるもののほか、審議会の意見を聴いて、実施機関が公益上特に必要があると認めるとき。」である。
ここで、本件審査請求に係る原請求である区政情報公開請求においては、請求情報の内容の欄に「令和元年12月23日答申第26号-第5結論 2018年2月28日第380号-11頁(3)>は、保護条例第18条第1項第4号の審議会の意見を聴いて、実施機関が公益上特に必要と認めるとき除外可能分かるもの求める。※手引き上:第18条第1項第4号「具体的かつ明確な説明が必要」」との記載があるところ、実施機関が「請求情報について「中野区個人情報の保護に関する条例(以下「個人情報保護条例」という。)第18条第1項第4号の審議会の意見を聴いて、実施機関が公益上特に必要があると認めるときの具体例が分かるもの求める。」を指しているものと解釈し、請求情報に該当する区政情報を公開することを決定した」ことについては、請求情報の特定等について問題があるとは考えられない。
他方で、本件の背景には、上記引用した実施機関の弁明書記載の複雑な関係が存在していることから、これを併せて検討すると、自らの個人情報が外部提供された者であれば誰であっても、その法的根拠を明らかにするために、条例のみならず実施機関の考えを知りたいと考えることはごく自然なものであって、それに関して、区政情報公開請求の手段を用いることもまた自然なものである。
そこで、当審査会においては、上記「保護条例第18条第1項第4号の審議会の意見を聴いて、実施機関が公益上特に必要と認めるとき除外可能分かるもの求める。」に関して、既に実施機関が示したもの以外に公開できる資料が存在しないかを調査した。とりわけ、審査請求人の個人情報を東京都に外部提供するに際して、保護条例第18条第1項第4号に基づく「審議会の意見を聴く」手続が行われていた場合には、当該情報が公開すべき区政情報となる可能性があることから、この点について確認したところであるが、そのような手続はとられていない。
以上を総合すると、実施機関において、本件区政情報公開請求に対して、条例の解釈運用についての具体例を記載した文書を公開したことについて、誤りがあるとはいえない。なお、審査請求人は、当審査会の答申第26号を示して審査請求を行っているが、そこでは、仮定的な問題として、区政情報公開請求ではなく保護条例上の開示請求が求められた場合を念頭に付言として、実施機関に対して「個人情報開示を手段として適用法令の開示を求められた場合の対応について、引き続き検討されたい。」としているものである。本件審査請求は、区政情報公開請求に係るものであるから、この付言の述べたところと関係するものではない。
第5 結論
以上により、上記第1記載のとおり判断する。
中野区情報公開・個人情報保護審査会
委員 岩 隈 道 洋
委員 岸 本 有 巨
委員 小 池 知 子
委員 神 山 静 香
委員 佐 藤 信 行(会長)
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