情報公開・個人情報保護審査会答申(第17号)
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更新日:2023年8月3日
答申第17号
令和元年12月13日
中 野 区 長 様
中野区情報公開・個人情報保護審査会
会 長 佐藤 信行
中野区区政情報の公開に関する条例第13条第3項の規定に基づく諮問について(答申)
下記に掲げる中野区区政情報の公開に関する条例に係る審査請求について(諮問)について、別紙のとおり答申します。
記
1 平成30年6月20日付け30中経行第257号(「1号事案」という。)
2 平成30年6月20日付け30中経行第258号(「2号事案」という。)
(以下、別紙のとおり)
第1 審査会の結論
実施機関たる中野区長が、別表に記載した1号事案及び2号事案の区政情報の公開請求について、「中野区職員の懲戒処分に関する規程」を公開すべき区政情報として特定し、これらを全部公開したことにつき、審査請求人が行った審査請求を認容すべき理由は認められないから、これを棄却すべきである。
第2 審査請求及び審査の経緯
1 区政情報の公開請求
平成30年4月3日に、本件の審査請求人(〇〇〇〇さん、以下「審査請求人」という。)は、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)に対して、別表に記載した1号事案及び2号事案の区政情報公開請求を行った。
2 実施機関の決定
実施機関は、同年4月18日付けで、1号事案及び2号事案のいずれについても、「中野区職員の懲戒処分に関する規程」が公開すべき区政情報であると特定して、これらを全部公開することと決定し、審査請求人に通知した。
3 審査請求
審査請求人は、同年5月1日に、区長に対して1号事案及び2号事案の審査請求を行った。審査請求書の「3 審査請求の趣旨及び理由」及び「5 その他(証拠書類等)」の欄には、それぞれ別表記載の主張があるほか、添付資料がある。
4 当審査会への諮問
区長は、当審査会に対し、条例第13条第3項に基づき、平成30年6月20日に、上記審査請求に係る諮問を行った。
5 意見の陳述及び資料の提出
当審査会は、区長からの2件の諮問に際して、それぞれ実施機関から提出された弁明書及び審査請求人から提出された反論書の提出を受けた。
第3 実施機関及び審査請求人の主張の整理
1 実施機関の主張
実施機関は、1号事案及び2号事案に共通して、弁明書において次のように主張している。
「審査請求人から提出された区政情報公開請求書から、中野区職員の懲戒処分に関する規程であると特定した。」「当該区政情報に、中野区区政情報の公開に関する条例(中略)第8条第1項各号に規定する非公開情報が含まれていないため、その全部の公開決定をした。」「審査請求の趣旨、すなわち審査請求人が審査庁にいかなる裁決を求めているのか不明であることから、その内容を明らかにされたい。」
2 審査請求人の主張
審査請求人は、1号事案及び2号事案の反論書において、共通して次のように主張している。
「服務の原則(地方公務員法第27条~第37条):同法第32条違反の職員行為」
また、添付書類の欄に、次の記載がある。
「中野区HP上公開。
〇中野区個人情報の保護に関する条例第14条、等。(個人情報の適正管理、等)(同条例第18条1号の非該当行為もある〇〇・〇〇職員)
〇生活保護法第54条:昭和36年9月30日社発第727号-第5。(第3)」
また「福祉オンブズマン〇〇委員の調査上の〇〇・〇〇職員主張。」との記述の右に{があり、さらにその右に、以下の記載がある。
「※平成12年12月14日社援第2700号「社活第727号」「社保第117号」の観告。
※平成12年3月31日社援第824号-第1-4「社保第117号(社発第727号-第2の強化)」
※昭和36年9月30日社発第727合-第3-1(4)「昭和38年4月1日社発第246号-第11-4。」
さらに、その下に次の記述がある。
「(〇〇委員は、中野区個人情報保護条例第18条示す)
尚、不正確な個人情報の外部提供を問題無し主張(〇〇・〇〇)も、福祉オンブズマン調査上示している。個人情報の虚像作りが、処分除外の理由は、本件の規定上反する。中野区条例第14条除外規定欠く。」
なお、いずれの反論書にも、審査請求人が東京都知事を相手として提起した審査請求に係る処分庁たる東京都知事の弁明書(29福保生保第1391号平成30年3月29日)の一部等が添付されている。
第4 審査会の判断
1 論点
審査請求人は、当初の区政情報公開請求書において、「中野区福祉オンブズマンの委員の調査対象の職員が、委員の調査結果の、その後の「相違」主張始める。調査と相違転じる職員口述は、「非行」否認するもの求める。」(1号事案)、「人事分野は、中野区職員が、公務上「当該区民を強く批判」の職員行為が、「非行」否定するもの求める。」(2号事案)と述べており、その公開を求める区政情報自体が必ずしも明らかではないが、当初の区政情報公開請求書、審査請求書及び反論書並びにこれらの添付書類等を総合して主張の全趣旨を判断するに、審査請求人に関して中野区が行っている行政活動、とりわけ担当職員の行為について、審査請求人が違法性又は不当性を主張し、かつ中野区が当該担当職員を処分していないことを含め、審査請求人の主張と軌を一にする対応を行っていないことから、当該担当職員の行為が「非行」ではないとの判断の根拠となる区政情報の公開を求めているものと解され、それ以外の主張を行っていると解すべき根拠は認められない。
これに対して、実施機関は、「中野区職員の懲戒処分に関する規程」を全部公開し、さらに審査請求人は、1号事案及び2号事案の審査請求書に共通して、「趣旨:法令違反が、否認できない決定事項。又、中野区HP上公開のため、情報提供。(29中経人第2108号資料示す)」とし、また、「理由:何回もの苦情「全部の訂正終える様」を人事分野へ連絡。中野区個人情報の保護に関する条例第14条違反が、容認の人事分野。外部提供(東京都福祉保健局指導監査部指導第三課指定医療機指導担当)が、「不正確な個人情報」行う〇〇係長の未だ「不正確」放置。」として審査請求を行っているから、これに理由があるかが争点となる。
2 当審査会の判断
審査請求人は、区職員の行為について、「調査と相違転じる職員口述は、「非行」否認するもの求める。」「中野区職員が、公務上「当該区民を強く批判」の職員行為が、「非行」否定するもの求める。」として区政情報の公開を求めている。
一般に、職員の行為が違法であるか否かを判断するためには、ある行為を違法とする規範と、問題となる行為に係る事実を提示し、その当てはめを行うことが必要である。本件では、後者の問題となる行為に係る事実については、審査請求人が区政情報公開請求書において「調査と相違転じる職員口述」「中野区職員が、公務上「当該区民を強く批判」の職員行為」として示しており、実施機関はこれに対して適用されうる規範として、「中野区職員の懲戒処分に関する規程」を公開している。よって、審査請求人が行った不服審査請求を認容すべき理由は認められない。
なお、審査請求人は、本件不服審査請求において、特定の職員の行為の違法を主張するので、当審査会においても、その所管する中野区政情報の公開に関する条例及び中野区個人情報の保護に関する条例に基づく権限において判断すべき事項に関するものがないか検討したところ、これに該当するものは認められなかった。すなわち、審査請求人の主張するところは、いずれも当該行為そのものに関する不服申立てや訴訟において判断されるべきところであると考えられ、本件不服審査請求を手段として争うべきものであるとはいえないので、上記判断を変更するべき理由は認められない。
第5 結論
以上により、上記第1記載のとおり、判断する。
中野区情報公開・個人情報保護審査会
委員 岸 本 有 巨
委員 熊 田 裕 之
委員 小 池 知 子
委員 幸 田 雅 治
委員 佐 藤 信 行(会長)
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