情報公開・個人情報保護審査会答申(第76号)
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更新日:2024年11月1日
答申第76号
令和6年6月21日
中 野 区 長 様
中野区情報公開・個人情報保護審査会
会長 佐藤 信行
中野区区政情報の公開に関する条例第13条第3項の規定に基づく諮問について(答申)
下記に掲げる中野区区政情報の公開に関する条例に係る審査請求について(諮問)について、別紙のとおり答申します。
記
令和4年12月28日付け4中総総第2817号(令和3年10月14日付け3中総総第2485号の処分)
第1 審査会の結論
本件審査請求は、棄却すべきである。
第2 審査請求及び審査の経緯
1 区政情報の公開請求
審査請求人は、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)に対して、中野区区政情報の公開に関する条例(以下、「条例」という。)第7条の規定に基づき、令和3年9月29日付で区政情報公開請求を行った。
請求情報の内容は、「別添の平成28年1月29日総管管第6号「総務大臣通知」反する中野区処分庁。行政不服審査法第84条関係(4頁の9不服申立てをしようとする者等への情報提供)について実施拒む。令和3年8/12計3回・8/13計10回の加害行為「電話切り」○○係長は、答申第29号反する不実行為(故意犯)。令和3年9/16計7~8回の加害行為「電話切り」○○係長。(区民の声の文書回答の資料請求が不存在の相反の問いに答えず電話切り繰り返す○○係長。 ″ の審査請求人への不実行為である苦情にも電話切り続行した○○係長。)○○主査は、「総務大臣通知」の啓発求めたが却下した。平成29年度審査庁○○係長~○○係長への何回となく周知求めているが、審査庁怠り、処分庁○○・○○係長反する。前提事実から、処分庁の電話切り正当化するもの求める。例えば、○○統括課長又は、○○係長の指示か?」である。
2 実施機関の決定
実施機関は、審査請求人による公開請求に対し、請求情報の内容は、「処分庁の電話切り正当化するもの」と解釈し、「ハードクレーム・不当要求行為対応マニュアル」の主に電話対応に関する部分と特定した。かかる部分を公開することを決定し、令和3年10月14日付けで同通知書を審査請求人に通知した。
3 審査請求
審査請求人は、本件区政情報公開決定を不服として、令和3年10月28日付けで、実施機関に対して審査請求を行った。審査請求の趣旨及び理由の欄には、「行政不服審査法第1条目的、自治基本条例。趣旨:処分の取り消し求める。平成28年1月29日総管管第6号総務大臣通知。理由:諮問第13号。(福祉オンブズマン委員2名の誤認)甲第1号証~甲第71号証、別添資料類。乙第1号証~乙第7号証。(世帯台帳H29.12.25CWの聞き間違えの聴取欠く)」との記載がある。
4 弁明書及び反論書の提出
実施機関は、令和4年1月25日付けで本件審査請求の棄却を求める弁明書を提出した。これに対し、審査請求人は、令和4年3月15日付けで反論書を提出した。
5 当審査会への諮問
区長は、当審査会に対し、令和4年12月28日付けで中野区区政情報の公開に関する条例第13条第3項の規定に基づき、本件審査請求に係る審査の諮問をした。
第3 実施機関及び審査請求人の主張の整理
1 実施機関
実施機関は、弁明書において、「本件処分に係る区政情報公開請求書には、「処分庁の電話切り正当化するもの求める。」との記載があり、当該審査請求に係る情報について「処分庁において、電話によるハードクレームがあった場合、当該電話を切ることについて正当化するものを求める。」を指しているものと解釈した。かかる請求情報に該当する区政情報として、「ハードクレーム・不当要求行為対応マニュアル」の主に電話対応に関する部分の公開を決定する処分を行ったと主張する。
2 審査請求人の主張
審査請求人は、正確な自己情報の隠蔽であると主張する。
第4 審査会の判断
条例第1条は、実施機関の保有する情報を公開することにより区が区政に関し区民に説明する責務を全うすることを明らかにするとともに、区政情報の公開の請求及び不服の救済についての一般的手続等を定め、もって区民の知る権利を保障し、区民と区との情報の共有を図ることにより住民自治と開かれた区政運営を推進することを目的とする旨を規定する。条例第3条は、実施機関は、この条例の解釈及び運用にあたっては、第1条の目的に沿って、保管している情報の公開の求めに誠実に応えるよう努めなければならないとする。
条例第2条第1項第2号は、公開請求できる区政情報について、実施機関の職員が職務上作成し、又は入手した情報で、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、文書、図画、写真、フイルム、電磁的記録その他の記録媒体により保管している情報である旨規定している。実施機関は、審査請求人が公開を求める請求情報の内容について、「処分庁の電話切り正当化するものを求める」を指しているものと解釈し、かかる請求情報に該当する区政情報として、行政執行情報である「ハードクレーム・不当要求行為対応マニュアル」の主に電話対応に関する部分を公開決定した。しかしながら、(1)文書の特定にかかる実施機関の判断に誤りがあるとき、もしくは、(2)他に請求情報に該当する文書、又は説明等の方法により提供されるべき情報があり、当該区政情報が不存在であるとした実施機関の判断が誤りであるときは、請求が認容されるべきである。
そこで本審査会において、実施機関の判断に誤りが認められるかを検討するため、審査請求資料及び「ハードクレーム・不当要求行為対応マニュアル」を見聞したところ、上記(1)について、当該マニュアルには、ハードクレームや不当要求行為(中野区職員倫理条例第8条)の定義及び当該定義に基づいてハードクレーム又は不当要求行為である又は疑いのある行為であると組織として判断した場合、円滑で公正かつ公平な職務の遂行を確保し、法令等に基づいた適正な手続で解決を図るために、とるべき行動や対処方法、対応原則等、組織としての方針の立て方が具体的に示されており、処分庁の電話切りを正当化する情報の特定にかかる実施機関の判断が誤りである又は不当であると認めるべき特段の事情は認められない。公開された文書の公開の方法、日時、場所等についても、特段不合理である点は認められない。
また、上記(2)の点について、他に公開されるべき文書があり、実施機関が当該文書を秘匿していると判断するべき合理的理由は認められない。また、条例第3条第2項は、実施機関は、区政に関する情報で文書等の記録媒体により保管していないものの公開を求められた場合は、説明等の方法により当該情報を提供するよう努めるものと規定する。しかしながら、実施機関において、「処分庁の電話切り正当化する」について、説明等の方法により提供されるべき区政情報をあえて不存在としたとする合理的理由はなく、説明等の方法による情報提供が欠如していたと認められる特段の事情はない。
第5 結論
以上により、上記第1記載のとおり判断する。
中野区情報公開・個人情報保護審査会
委員 岩 隈 道 洋
委員 岸 本 有 巨
委員 小 池 知 子
委員 神 山 静 香
委員 佐 藤 信 行(会長)
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