情報公開・個人情報保護審査会答申(第16号)

ページID:203790528

更新日:2023年8月3日

答申第16号

令和元年12月13日

中 野 区 長 様

中野区情報公開・個人情報保護審査会

会 長 佐藤 信行

中野区区政情報の公開に関する条例第13条第3項の規定に基づく諮問について(答申)

下記に掲げる中野区区政情報の公開に関する条例に係る審査請求について(諮問)について、別紙のとおり答申します。

1 平成30年6月20日付け30中経行第256号(「1号事案」という。)

2 平成30年8月22日付け30中経行第595号(「2号事案」という。)

3 平成31年2月13日付け30中経行第1193号(「3号事案」という。)

⁽以下、別紙のとおり)

第1 審査会の結論

1 1号事案について
実施機関たる中野区長が、別表に記載した区政情報の公開請求について、「(1)平成27年度~平成29年度新任研修「人権セミナー」研修資料の外国人の人権に係る部分」及び「(2)平成27年度~平成29年度実務研修「人権セミナー」研修資料の外国人の人権に係る部分」を公開すべき区政情報として特定し、これらを全部公開したことにつき、審査請求人が行った審査請求を認容すべき理由は認められないから、これを棄却すべきである。

2 2号事案及び3号事案について
実施機関たる中野区長が、別表に記載した2号事案及び3号事案の区政情報の公開請求について、公開を求める区政情報を「健康福祉部福祉分野における、健康福祉部職員らの認知の「特別永住者」の法的地位の判断するもの求める。国の見解の合致する中野区のもの決定求める」(2号事案)及び「中野区人材育成上の特別永住者の特例法(平成3年法律第71号)の特段示すもの求める。」(3号事案)として、別表記載の理由を示して、いずれについても該当区政情報の不存在を理由とする非公開決定を行ったことにつき、審査請求人が行った各審査請求を認容すべき理由は認められないから、いずれも棄却すべきである。

第2 審査請求及び審査の経緯

1 区政情報の公開請求
平成30年3月30日から同年11月21日にかけて、本件の審査請求人(〇〇〇〇さん、以下「審査請求人」という。)は、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)に対して、別表記載の区政情報公開請求を行った。

2 実施機関の決定
(1)1号事案
実施機関は、同年4月13日付けで、「(1)平成27年度~平成29年度新任研修「人権セミナー」研修資料の外国人の人権に係る部分」及び「(2)平成27年度~平成29年度実務研修「人権セミナー」研修資料の外国人の人権に係る部分」を公開すべき区政情報として特定し、これらを全部公開することと決定し、審査請求人に通知した。
(2)2号事案及び3号事案
また実施機関は、別表記載のとおり、2件の区政情報の公開請求について、それぞれ不存在を理由とする非公開決定を行い、審査請求人に対してその旨を通知した。

3 審査請求
審査請求人は、同年5月1日(1号事案)、同年7月10日(2号事案)及び同年12月10日(3号事案)に、区長に対して審査請求を行った。審査請求書の「3 審査請求の趣旨及び理由」及び「5 その他(証拠書類等)」の欄には、それぞれ別表記載の主張があるほか、添付資料がある。

4 当審査会への諮問
区長は、当審査会に対し、条例第13条第3項に基づき、平成30年6月20日(1号事案)、同8月22日(2号事案)及び平成31年2月13日(3号事案)に、上記審査請求に係る諮問を行った。

5 意見の陳述及び資料の提出
当審査会は、区長からの3件の諮問に際して、それぞれ実施機関から提出された弁明書及び審査請求人から提出された反論書の提出を受けた。

第3 実施機関及び審査請求人の主張の整理

1 実施機関の主張
実施機関は、弁明書において次のように主張している。
(1)1号事案
「審査請求人から提出された区政情報公開請求書から、平成27年度から平成29年度分の「人権セミナー」研修資料の外国人の人権に係る部分の研修資料を対象の区政情報であると特定した。」「当該区政情報に、中野区区政情報の公開に関する条例第8条第1項各号に規定する非公開情報が含まれていないため、その全部の公開決定をした。」「審査請求の趣旨、すなわち審査請求人が審査庁にいかなる裁決を求めているのか不明であることから、その内容を明らかにされたい。」
(2)2号事案
「健康福祉部福祉推進分野においては、健康福祉部職員らの認知の「特別永住者」の法的地位の判断する文書及び国の見解に合致する中野区の文書について、作成及び保存をしていないため不存在とした。」
(3)3号事案
「日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関する特例法(平成3年法律第71号)」を特段示した人材育成上(研修)の文書については作成及び保存していないため不存在とした。」

2 審査請求人の主張
審査請求人は、反論書において次のように主張している。
(1)1号事案
「日本国憲法の精神違反する職員の人種差別行為。」
なお、添付書類の欄に「〇30福保生保第238号(平成30年5月23日)「不」件。」「「憲法第98条2項」則る人種差別撤廃条約・児童の権利条約、等。中野区は、東京都総務局人権部の交付冊子「みんなの人権」配布。」との記載がある。
(2)2号事案
「公務員倫理の問題事案、並びに、特別永住者の特例法の否認の処分庁。」
なお、添付書類の欄に「〇30中経人第880号(平成30年7月3日)区政情報「コンプライアンス」研修資料(1)・(2)・(3)全部。」との記載がある。
(3)3号事案
「政府官報号外第135号(昭和40年12月18日)を反論に置く。」
なお、添付書類の欄に「生活保護関係法令通知集(市販の中野区保有)の目次上数点有る第8章外国人保護全点。※平成29年9月15日東京都福祉保健局生活福祉部保護課〇〇〇総括課長代理は、中野区生活援護担当査察指導員〇〇係長へ電話上「条約第28号」示す記録開示。そもそも、〇〇係長は、ヘイトスピーチ原因の昭和29年通知一点張り。〇〇係長は、人種差別撤廃条約第4条違反示す。」との記載がある。

第4 審査会の判断

1 論点
(1)1号事案
1号事案における争点は、審査請求書及び反論書においては必ずしも明瞭とはいえないが、審査請求人による区政情報の公開請求に対して、実施機関が全部公開した区政情報たる研修資料について、審査請求人が必要と考えるものが含まれていないこと、あるいは、それが欠如した状態で行われている行政実務に疑義又は不服を有していることを主張するものと解され、それ以外の主張を行っていると解すべき根拠は認められない。よって、このような主張が本件全部公開決定に対する審査請求の理由となるかが論点である。
(2)2号事案及び3号事案
2号事案及び3号事案においては、実施機関において審査請求人が求める区政情報について作成及び保存していないとして、不存在通知を行っている点が異なるが、その点を除くと、審査請求人があるべきと考える区政情報が不存在とされ、あるいは、それが欠如した状態で行われている行政実務に疑義又は不服を有していることを主張するものと解され、それ以外の主張を行っていると解すべき根拠は認められない。よって、2号事案及び3号事案については、それぞれにおいて公開請求がなされている区政情報が存在するか否か、及び、上記のような主張が本件不存在通知に対する審査請求の理由となるかが論点である。

2 当審査会の判断
(1)1号事案
審査請求書に記載されたところを総合するところ、審査請求人は、大分地方裁判所平成21年(行ウ)8号に係る平成22年9月30日判決及びこの判決を契機として発出された厚生労働省社会・援護局保護課長の「生活保護に係る外国籍の方からの不服申立ての取扱いについて」(社援保発1022第1号平成22年10月22日)についての審査請求人の理解に基づき、その判旨及び通知の趣旨に沿った行政活動が行われるべきであり、よってその趣旨が研修資料に含まれている必要があると主張していると思量される。しかし、個別の行政活動(1号事案についていえば職員研修)がどのように行われるべきかということと、現に行われた行政活動に係る区政情報(1号事案についていえば研修資料)の公開は別の問題であることはいうまでもなく、前者について本件審査請求を手段として争うのは不適切であり、これを認容すべき理由はない。
(2)2号事案及び3号事案
2号事案及び3号事案については、まず、上で1号事案について述べた考え方が妥当するので、この点については省略する。ただし、これに加えて審査請求人の求める区政情報が不存在であるかが問題となるところ、審査請求人が公開を求める区政情報が存在していると判断すべき特段の根拠は見いだせない。

第5 結論

以上により、上記第1記載のとおり、判断する。

中野区情報公開・個人情報保護審査会

委員 岸 本 有 巨

委員 熊 田 裕 之

委員 小 池 知 子

委員 幸 田 雅 治

委員 佐 藤 信 行(会長)

関連ファイル

関連情報

お問い合わせ

このページは総務部 総務課が担当しています。

本文ここまで

サブナビゲーションここから
サブナビゲーションここまで