情報公開・個人情報保護審査会答申(第52号)

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更新日:2023年8月3日

答申第52号 
令和5年1月31日 

中 野 区 長 様

中野区情報公開・個人情報保護審査会 
会長 佐藤 信行

 
中野区区政情報の公開に関する条例第13条第3項の規定に基づく諮問について(答申)

 

 下記に掲げる中野区区政情報の公開に関する条例に係る審査請求について(諮問)について、別紙のとおり答申します。

 記

・ 令和3年9月10日付け3中総総第1820号(令和2年8月31日付け2中健援第2728号の処分)

第1 審査会の結論

 本件審査請求は、棄却すべきである。

第2 審査請求及び審査の経緯

1 区政情報開示請求
 審査請求人は、令和2年8月17日付けで、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)に対して区政情報公開請求を行った。この際、請求書の「請求情報の内容」の欄には、次のように記載されている。
 「中野区情報公開審査会・個人情報保護審査会の答申上、「中野区情報公開条例第2条・第3条」示した別の情報公開請求、新たな情報公開請求とする第4審査会の判断。※但し、職員は、実施機関として、請求受付した。
◉令和元年12月13日答申第15号-第4(1)1号事案
 別の情報公開請求する当該職の請求事項求めて、保有から、請求特定可の情報提供せよ。(請求の調整)『若者』定義分かるもの。『国の若者定義16歳~39歳』(内閣府)
◉令和元年12月13日答申第22号第4-2(1)・(2)
 中野区の見解求める新たな情報公開請求示す為、レセプト全点検(令和元年12月13日答申第19号-第4※第5)有っても、「レセプト」無知故の誤認した○○・○○係長・○○係長の正当性求める。」
 また、欄外上部には次の記載がある。
「『若者』定義分かるもの。※内閣府定義異なる中野区のもの。
『レセプト』否認の正当性分かるもの。
※頭部検査の誤認が「偏頭痛」医療不要。
※医療扶助の継続を医療不要の見解。」

2 実施機関の決定
 実施機関は、令和2年8月31日付けで、請求情報の内容を「レセプト全点検有っても、「レセプト」無知故の誤認した○○・○○係長の正当性求める。」とし、「請求された情報を作成及び保管していないため」として、区政情報不存在決定を行い、審査請求人に通知した。

3 審査請求
 審査請求人は、令和2年9月18日付けで、上記区政情報不存在決定に対して、「処分の取り消しを求める」との審査請求を行った。

4 弁明書及び反論書の提出
 実施機関は、令和3年1月5日付けで、「「本件審査請求を棄却する。」との裁決を求める。」とする弁明書を提出した。これに対し、審査請求人は令和3年6月25日付けで、「2018年2月28日第380号 2019年3月6日394号 ○○委員の職員(○○・○○)聴取は、「レセプト不知」とあり、当院問答:誤認の外部提供(都)。」とする反論書を提出した。

5 当審査会への諮問
 区長は、令和3年9月10日付けで条例第13条第3項に基づき、当審査会に対し、本件審査請求に係る諮問を行った。

第3 実施機関及び審査請求人の主張の整理

1 実施機関の主張
 実施機関は、弁明書において「本件処分に係る区政情報公開請求書は審査請求書に添付のとおりであるところ、実施機関は請求情報について、「レセプト全点検有っても、「レセプト」無知故の誤認した○○・○○係長の正当性求める。」を指しているものと解釈した。しかし、実施機関は、当該請求情報に該当する文書等の作成又は保管をしておらず、当該文書等が不存在であることから、その旨を審査請求人に通知した。」と主張している。

2 審査請求人の主張
 審査請求人は、審査請求書の審査請求の趣旨及び理由の欄において、「地方自治法。社援第2700号-第5。社援第2393号(基準)。」「趣旨:処分の取り消し求める。」「理由:2018年2月18日第380号:レセプト疑義あるもの限定。(一部のみ点検)2019年3月6日第394号:レセプト全部全員の点検。(全員点検)相違。本来、レセプト点検は義務であり、又、レセプト点検基づいた疑義にあるもの。台帳H29.10.13は、「レセプト不知」やり取り中野区。レセプト(総合レセプト)の判断欠如が、レセプト否認行為及ぶ。」と主張している。

第4 審査会の判断

 審査請求人の審査請求書及び反論書に記載されたところを総合すると、審査請求人は、実施機関におけるレセプト点検の方法に違法性がある旨主張し、また、その点検結果に関連する審査請求人に対する実施機関の対応に不服を述べていることが認められる。そして、具体的には、「『レセプト』否認の正当性分かるもの。」(区政情報公開請求書欄外記載)又は「レセプト全点検(令和元年12月13日答申第19号-第4※第5)有っても、「レセプト」無知故の誤認した○○・○○係長・○○係長の正当性求める。」という区政情報開示を求めているものである。
 これに対して、実施機関は、「レセプト全点検有っても、「レセプト」無知故の誤認した○○・○○係長の正当性求める。」が指し示す区政情報を作成及び保管していないとして、不開示決定を行っているところである。
 要するに本件は、実施機関の行政活動について違法性があるとの立場に立つ審査請求人が、それを前提として区政情報公開請求を行っているのに対して、実施機関がその前提に基づく区政情報は存在していないと応答しているものであって、係争の本質は、実施機関による行政活動の適否である。
 ところで、当審査会は、区の情報公開条例に基づく処分について審査を行うことを任務としている。本件では、情報公開条例ではなく他の法令上の根拠に基づく行政活動に関連して、実施機関がある法解釈を採用した結果、他の法解釈に基づく区政情報が存在しておらず、結果として区政情報不存在決定がなされているのであるが、このような場合においては、当審査会は、一般的には、実施機関の法解釈に係る判断を含む行政活動そのものについて審査するべきものとはいえない。もとより、実施機関において殊更に情報公開条例の趣旨を潜脱すること等を目的として、当該他の法令の解釈を歪め、区政情報不存在決定が行われているといった特段の事情が認められる場合には、例外的に当審査会において、その是正を求めることも考えられるが、本件においては、そのような特段の事情は認められない。よって、本件審査請求は、棄却するべきものと認められる。

第5 結論

 以上により、上記第1記載のとおり判断する。
 なお、区政情報公開請求書には「『若者』定義分かるもの。『国の若者定義16際~39歳』(内閣府)」及び「『若者』定義分かるもの。※内閣府定義異なる中野区のもの。」との記載があり、これも開示対象の区政情報であると解されるところ、実施機関は、これを開示対象の区政情報であると理解せず、不開示決定の対象ともしていない。この点についても論点となり得るところであるが、審査請求書及び反論書においては、この点について何らの言及がないことから、当審査請求の範囲に含まれていないものとして、判断をしないこととする。

 中野区情報公開・個人情報保護審査会
 委員 岩 隈 道 洋
 委員 岸 本 有 巨
 委員 小 池 知 子
 委員 神 山 静 香
 委員 佐 藤 信 行(会長)

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