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最終更新日 2017年6月28日
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情報公開・個人情報保護審査会答申(第6号)

 答申第6号

平成29年6月7日

  中 野 区 長  殿

 中野区情報公開・個人情報保護審査会 

会長 佐藤 信行

 中野区区政情報の公開に関する条例第13条第3項の規定に基づく諮問について(答申)

平成29年1月16日付け、28中経行第840号による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。

  記

  中野区区政情報の公開に関する条例に係る審査請求について(諮問)

 

1 審査会の結論

 認証保育所〇〇〇〇に関する区政情報の公開請求について、中野区長が中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)8条2項の規定により、一部を公開するとした決定は妥当である。

 2 審査請求及び審査の経緯

(1)区政情報の公開請求

  条例7条1項の規定に基づき、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)は、平成28年9月13日付けで、認証保育所〇〇〇〇 に係る「認証の設置申請書のうち建物その他の設備関係及び設置者関係の資料(資金計画書及び残高証明書)並びに開設準備金の補助金交付申請等に係る提出書類一式(以下「請求情報」という。)」の公開請求を受けた(以下「情報公開請求」という。)。

(2)第三者への意見照会

  実施機関は、請求情報に請求者以外の第三者である審査請求人(一般社団法人〇〇〇〇 。以下「申立人」という。)に関する情報が記録されていたため、条例12条の2第1項の規定により、申立人に対し、電話及びメールを使用して情報公開制度における第三者照会の仕組みを説明したうえで、同年10月6日、意見照会に関する通知を郵送した。

 これに対し、申立人からは、同年10月12日及び同月25日付けで、請求情報の一部について公開に反対する意思を表示した意見書が提出された。

(3)実施機関の決定

 実施機関は、情報公開請求に対し、請求情報のうち、建物平面図は条例8条1項4号「犯罪の予防等公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれのある情報」に、また残高証明書及び法人の印影は同項2号「法人その他の団体に関する情報又は個人が従事する事業に関する情報で、当該情報を公開することにより、事業上明らかに不利益を与えると認められるもの」に、並びに個人の印影は同項1号「個人情報又は特定の個人を識別することはできないが、公開することで、個人の権利利益を害するおそれがあるもの」に該当すると考えられるため非公開とし、上記以外の文書(以下「本件公開文書」という。)については、非公開とすることに合理的な理由があると判断することができないため公開するとの決定(以下「本件公開決定」という。)を行うとともに、条例12条の2第3項に基づき一部公開決定をした旨及びその理由並びに公開を実施する日を文書により申立人に通知した(平成28年11月11日付28中子保第2296号)。

(4)審査請求

  申立人は、本件公開決定を不服として、区長に対し、同年11月22日付けで、条例13条4項に基づき、本件公開決定処分の対象とされた本件公開文書の公開取消しの裁決を求める審査請求書を提出する(以下「本件審査請求」という。)とともに、執行停止の申立てを行った。 

(5)執行停止の決定

 執行停止の申立てを受けた実施機関は、行政不服審査法25条2項の規定により、平成28年11月28日から実施機関が最終的な判断を決定するまでの間、その執行の一部を停止することを決定し、その旨を同年11月25日付けの文書で申立人に通知した(平成28年11月25日付28中経行第700号)。

(6)弁明書の提出

 実施機関からは、平成28年12月16日付けで、「本件審査請求を棄却する。」との裁決を求める弁明書が提出されている。

(7)当審査会への諮問及び審査

  区長は、当審査会に対し、平成29年1月16日、条例13条3項に基づき、本件審査請求の審査を諮問した(平成29年1月16日付28中経行第840号)。

 当審査会は同年2月13日に、実施機関からの事情聴取を行うとともに、同年3月23日に、申立人による口頭意見陳述を受けた。

 なお、当審査会は、中野区情報公開・個人情報保護審査会条例8条3項の規定により、同年4月5日付けで、請求情報に記録されていた申立人以外の第三者に対して参考人として意見陳述する機会を付与する文書を送付したが、参考人から同年4月11日付けで意見陳述をしない旨の回答があった。

3 当事者の主張と理由

(1)申立人

 申立人は、平成28年11月22日付け審査請求書、及び平成29年3月23日の口頭意見陳述において本件公開決定に反対する理由として、次の3点をあげている。

ア  本件公開文書のうち金額にかかわる部分は、法人のプライバシーにかかわるものである。

イ 事業計画や収支などは、運営最重要事項である。

ウ 申立人は、現在、本件公開文書に記載されている認証保育所〇〇〇〇 の建物の建設をめぐって民事訴訟を提起しているので、本件公開決定が執行された場合、本件公開文書が証拠として利用されるなど申立人が訴訟上不利となるおそれがある。

(2)実施機関

 実施機関は、平成28年12月16日付けの弁明書及び平成29年2月13日の事情聴取において、法人情報を非公開とするためには、条例8条1項2号に該当する必要があり、当該情報を公開することで法人の権利や正当な利益が明らかに侵害されると認められなければならないが、本件公開文書は、認証保育所の開設にあたって申立人が提出した資金計画、及び当該資金計画に基づき区が申立人に対して支出した補助金に係る資料であるから、保護すべき法人情報には当たらないと主張している。 

4 審査会の判断

(1)区政情報公開の原則

  中野区の情報公開制度は、区民の知る権利を保障し、区民と区との情報の共有を図ることが住民自治と開かれた区政運営の推進にとって不可欠の要件であるとの考えを基礎とするものであるから、実施機関は公開請求があったときは、原則として請求情報を公開しなければならない(条例1条・8条柱書き)。

(2)例外として非公開

  したがって、実施機関が請求情報を例外として非公開とするためには、条例8条1項各号の定める事由を充足する場合に限られる。

(3)法人情報を非公開とする事由

  本件公開文書は、法人である申立人が認証保育所の開設にあたって提出した資金計画、及び当該資金計画に基づき区が申立人に対して支出した補助金に係る資料、すなわち法人に関する情報(以下「法人情報」という。)である。

 法人情報は、「当該情報を公開することにより、事業上明らかに不利益を与えると認められるもの」に限って非公開とすることができる(条例8条1項2号本文)。

 「事業上明らかに不利益を与えると認められるもの」に該当するためには、法人の事業活動に何らかの不利益を与える可能性があるというだけでは足りず、法人の権利や競争上の地位、正当な利益が、明らかに侵害されると認められる高度の蓋然性が必要であり、その判断にあたっては、当該情報の内容や性質をはじめとして、当該法人の事業内容、当該法人と行政との関係、当該事業活動に対する法令上の保護の必要性等を総合的に考慮する必要がある。 

(4)申立人の理由の検討

  本件公開文書を公開することにより、申立人に「事業上明らかに不利益を与えると認められる」かについて検討する。 

ア 法人のプライバシーについて

 法的にプライバシーとは、「私生活をみだりに公開されない権利又は利益」であるから、私生活というものがそもそも存在していない法人には法的に保護されるプライバシーは認められない。したがって、本件公開文書は申立人である法人のプライバシーにかかわるものであるとの理由は、失当である。 

イ 募集要項に応募書類が情報公開の対象になることが明記

 本件公開文書のうち申立人が認証保育所〇〇〇〇 の認証を受けるにあたって中野区長に提出した応募書類については、「平成23年度中野区認証保育所A型開設事業者募集要項」の「第8 選定した応募者に関する情報の公開等」において、「認証保育所開設候補事業者に選定された応募者に関する情報(事業者名称、応募書類等)は、個人情報に該当するものを除き公開を行います。」と明記されている。 

ウ 認証保育所の情報公開義務

 東京都認証保育所事業実施要綱(平成13年5月7日付12福子第1157号)に基づき実施する東京都認証保育所の認証の手続き、保育の内容等の細目を定めた「東京都認証保育所事業実施細目」8条は、認証保育所の設置者は、次の情報を明示しなければならないと定めている。

(1)運営方針

(2)施設概要

(3)保育内容

(4)保育料

(5)年齢別の定員、開所時間、1日のスケジュール、保育目標等

(6)毎日の給食を展示するとともに、2週間以上の献立表を作成し、献立表に給与栄養量、素材等を記入する。

(7)損益計算書や貸借対照表など財務諸表

 以上各号の規定により、認証保育所の設置者は、法人の事業計画及び収支が申立人の主張するように運営最重要事項であったとしても、それらの情報を積極的に外部に公開すべき法的義務を負っているものである。 

エ 認証保育所の設置及び補助金支出における厳格性及び透明性の確保

(ア) 「東京都認証保育所事業実施要綱」5条は、認証保育所設置者の要件として、

(1)認証保育所を経営するために必要な、別に定める経済的基盤があること。

(2)本事業を継続的に健全かつ円滑に実行できること。

(3)本事業に関し、不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者でないこと。

(4)財務内容が適正であること。

(5)認証保育所を新たに設置する場合は、別に定める欠格事由に該当しないこと。

を定め、認証保育所の認証手続きが厳格、かつ透明に行われることを担保している。

(イ) 中野区が、「認証保育所の運営費及び開設準備経費について、その一部を補助することにより、認証保育所の円滑な運営及び施設整備の促進を図り、もって多様な保育需要への的確な対応及び要保育児童の受入先の確保に資することを目的」として定めた「中野区認証保育所運営費及び開設準備経費補助要綱」7条は、認証保育所が開設準備経費補助金の申請時に、

(1)開設準備経費補助事業計画書

(2)開設準備経費補助金算出内訳書

(3)開設準備経費補助事業収支予算書

(4)土地及び建物の状況が分かる書類

(5)建物の案内図及び平面図

(6)施設整備費に係る見積書等当該経費の内訳が分かる書類

(7)前各号に掲げるもののほか、区長が必要と認める書類

 を区長に提出しなければならないと定めている。これらの提出書類は、いずれも認証保育所の開設準備経費補助金の交付が厳格、かつ透明に行われることを担保するものである。 

オ 審査請求の理由・利用目的

 申立人は本件公開文書が公開されると、現在継続中の訴訟上不利になるおそれがあることを非公開の理由として挙げているが、情報公開制度は、何人に対しても情報公開請求権を認めるものであり、請求者に対して請求の理由や利用目的等の個別的事情を問うものではなく、それらの利害関係によって情報公開決定の結論に影響を及ぼすものではないのであるから、本件公開文書が訴訟上利用されるおそれがあることは、非公開の理由とはならない。 

(5) 結論

 以上のとおり、本件公開文書の内容、性質並びに法令上の保護の必要性及び申立人である法人の事業内容等を総合的に考慮した結果、本件公開文書の公開により申立人の権利や競争上の地位、正当な利益が明らかに侵害されると認められる高度の蓋然性があるとはいえないので、本件公開文書は、条例8条1項2号本文に定める「公開することにより、事業上明らかに不利益を与えると認められるもの」に該当しないと判断する。

 したがって、当審査会は上記1のとおり結論する。 

中野区情報公開・個人情報保護審査会    

委員 岸 本 有 巨

委員 熊 田 裕 之

委員 小 池 知 子

委員 幸 田 雅 治

委員 佐 藤 信 行(会長)

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