情報公開・個人情報保護審査会答申(第57号)

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更新日:2023年11月10日

答申第57号

令和5年10月6日

中 野 区 長 様

中野区情報公開・個人情報保護審査会 

会長 佐藤 信行 

 

中野区区政情報の公開に関する条例第13条第3項の規定に基づく諮問について(答申)


 下記に掲げる中野区区政情報の公開に関する条例に係る審査請求について(諮問)について、別紙のとおり答申します。


 ・ 令和4年2月4日付け3中総総第3831号(令和2年12月3日付け2中企企第1129号の処分)

第1 審査会の結論

 本件審査請求は、棄却すべきである。

第2 審査請求及び審査の経緯

1 区政情報公開請求
 審査請求人は、令和2年11月11日付けで、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)に対して区政情報公開請求(以下「本件請求」という。)を行った。請求情報の内容は、「「みんなの人権」(東京都)配布でも、同冊子上異なる中野区長は、最新の情報扱わない根拠求める。(法的根拠)」である。

2 実施機関の決定
 実施機関は、令和2年12月3日付けで、請求情報の内容を「「みんなの人権」(東京都)配布でも、同冊子上異なる中野区長は、最新の情報扱わない根拠求める(法的根拠)」とし、「請求情報に該当する文書について、企画課では作成又は保管をしていないため。」として、区政情報不存在決定を行い、審査請求人に通知した。

3 審査請求
 審査請求人は、令和3年2月27日付けで、上記区政情報不存在決定に対して、「処分の取り消しを求める」との審査請求を行った。

4 弁明書及び反論書の提出
 実施機関は、令和3年5月13日付けで、「「本件審査請求を棄却する。」との裁決を求める。」とする弁明書を提出した。これに対し、審査請求人は令和3年10月28日付けで、「法務省人権擁護局「人権の擁護」(冊子)。人種差別撤廃条約の根拠「人権と多様性を尊重するための(なかの区報No.2075)新たな条例の考え方」起案文書、並びに、参加者配布資料。」とする反論書を提出した。

5 当審査会への諮問
 区長は、令和4年2月4日付けで条例第13条第3項に基づき、当審査会に対し、本件審査請求に係る諮問を行った。

第3 審査請求人及び実施機関の主張の整理

1 審査請求人の主張の要旨
 審査請求人は、東京都が一般向けに配布している人権啓発用の小冊子『みんなの人権』の記載内容と異なる対応を行った処分庁に対し、審査請求人が「最新の情報」と考えている同冊子の内容に沿った対応を行わなかった点についての根拠の開示を求めている。
2 実施機関の主張の要旨
 実施機関は、請求情報に該当する文書について、実施機関において作成または保管をしていないために、区政情報不存在の通知を行ったものであるとし、本件審査請求についても棄却の裁決を求めている。

第4 審査会の判断

1 本件請求について
 審査請求人は、自らに対する社会保障給付に関する実施機関の補助機関との間の相談や交渉の過程において、自らの主張に沿わない当該補助機関の対応が、人種差別事案であるという存念を持つに至り、本件請求においては特に、東京都が発行・公表し、インターネット上でも無料で情報提供を行っている人権啓発用の小冊子『みんなの人権』に記載されている「最新の情報を扱わない根拠」の開示を求めているものである。
 これに対し、実施機関は請求情報に該当する「『みんなの人権』に記載されている「最新の情報を扱わない根拠」」につき、文書として実施機関において作成または保管をしていないために、区政情報不存在の通知を行った。

2 本件処分の妥当性について
 『みんなの人権』は、東京都において「東京都人権政策推進指針」や関連条例等において重要施策とされているものを中心に、人権課題を取り上げて住民に対する啓発用の資料、教材として製作し、紙媒体やインターネット上での無料の情報提供を行っている小冊子である。当審査会において『みんなの人権』を見分したところ、国内における種々の人権問題について学習資料や国や都の人権施策や立法動向、人権問題に対する公的窓口の連絡先を、一般市民向けにわかりやすく解説し、まとめた小冊子であることを確認した。
 『みんなの人権』は、東京都が発行し、確かに国民・自治体住民の人権について一定の記述をしている小冊子であるが、それゆえにその人権に関する記述は説明的・啓発的な内容を出ず、広くこの小冊子に触れた国民、住民、外国人に、国内における人権状況や人権施策について情報提供を行うことを目的としたものである。従って、人権についてきわめて一般的な啓発情報を記載したに過ぎない『みんなの人権』が、直接実施機関に対する法的拘束力を持った法令や、東京都から実施機関に対する行政上の拘束力を持つ訓令・通達に属するものということはできない。また、東京都と実施機関の関係性の観点からも、『みんなの人権』は東京都が発行者であるものの、編集を実施した東京都の機関における法解釈を、広報・啓発の観点からまとめた文書に過ぎず、独自に法令の解釈権を持つ実施機関を拘束する性質を持つ文書であると考えることはできない。
 従って、請求情報に該当する文書について、実施機関において作成または保管をしていなかったという事実に不自然な点は無く、このことから条例第3条第2項の規定の対象ともならないため、区政情報不存在の通知を行った点についても問題はない。

3 審査請求人のその余の主張について
 本件審査請求に対する実施機関の弁明書に対する、審査請求人の反論書において、「法務省人権擁護局「人権の擁護」(冊子)。人種差別撤廃条約の根拠「人権と多様性を尊重するための(なかの区報No.2075)新たな条例の考え方」起案文書、並びに、参加者配布資料。」という記述を反論として掲げている。しかし、列挙されている各文書は、法務省人権擁護局や実施機関における法解釈を広報・啓発の観点からまとめた文書・資料であるという点において、本件審査請求で言及される『みんなの人権』と同種の文書・資料であるに過ぎない。従って、これらの文書が審査請求人の言う「『みんなの人権』に記載されている「最新の情報を扱わない根拠」」と考えることはできない。
 また、仮に『みんなの人権』に関する本件審査請求と同様に、これら文書につき、実施機関がこれらに従わない根拠を開示することを併せて反論書で求めていたとしても、上記「2 本件処分の妥当性について」と同じ理由で、請求情報に該当する文書について、実施機関において作成または保管をしていなかったという事実に不自然な点は無く、区政情報不存在の通知を行った点についても問題はない。

第5 結論

 以上のことから、上記第1記載のとおり判断する。

中野区情報公開・個人情報保護審査会 

委員 岩 隈 道 洋 

委員 岸 本 有 巨 

委員 小 池 知 子 

委員 神 山 静 香 

委員 佐 藤 信 行(会長)


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