情報公開・個人情報保護審査会答申(第75号)

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更新日:2024年7月2日

答申第74号

令和6年6月21日

中 野 区 長 様

中野区情報公開・個人情報保護審査会 

会長 佐藤 信行 


 

中野区個人情報の保護に関する条例第33条第3項の規定に基づく諮問について(答申)


 
 下記に掲げる中野区個人情報の保護に関する条例に係る審査請求について(諮問)について、別紙のとおり答申します。


 ・ 令和4年12月28日付け4中総総第2815号(令和3年7月16日付け3中総総第1492号の処分)

第1 審査会の結論

 本件審査請求は棄却すべきである。

第2 審査請求及び審査の経緯

1 自己情報開示請求
 審査請求人は、令和3年7月5日付けで、中野区個人情報の保護に関する条例(以下「条例」という。)に基づき、請求情報の内容の欄に「令和元年12月13日答申第17号(諮問番号30中経行第257号)-第4-2 当審査会の判断の12行目 なお、~条例上の権限欠く(略)。寄って、中野区の保有から「相違無い」立証するもの求める。(裁判官の認定可のもの)」と記載して、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)に対して自己情報開示請求を行った。

2 実施機関の決定
 実施機関は、令和3年7月16日付けで、請求情報の内容を「令和元年12月13日答申第17号(諮問番号30中経行第257号)-第4-2 当審査会の判断の12行目 なお、~条例上の権限欠く(略)。寄って、中野区の保有から、『相違無い』立証するもの求める。(裁判官の認定可のもの)」とし、「該当する文書の作成及び保管をしていないため。」との理由を示して、請求を認めることができないとする自己情報不開示決定を行った。

3 審査請求
 審査請求人は、令和3年7月26日付けで、審査請求の趣旨に「処分の取り消し求める。個人情報の正確性の確保。」同理由に「答申第34号・答申第39号は、「本人情報誤認」利用是認。又、相反する答申第19号-第5結論・答申第23号-第5結論・答申第26号-第5結論。※中野区民の正確な個人情報の判断する中野区長の法的義務。(自治基本条例第7条)」等と記載し、その他欄に「法務能力高いだろう委員らの責任転換続く。」と記載して、審査請求を行った。

4 弁明書及び反論書の提出
 実施機関は、令和4年1月27日付けで「「本件審査請求を棄却する。」との裁決を求める。」とする弁明書を提出した。これに対し、審査請求人は、令和4年3月15日付けで反論書を提出した。

5 当審査会への諮問
 区長は、令和4年12月28日付けで条例第33条に基づき、当審査会に対し、本件審査請求に係る諮問を行った。

第3 実施機関及び審査請求人の主張の整理

1 実施機関の主張
 実施機関は、弁明書において開示に係る個人情報の特定について、「令和元年12月13日答申第17号(諮問番号30中経行第257号)-第4-2 当審査会の判断の12行目 なお、~条例上の権限欠く(略)。寄って、中野区の保有から『相違無い』立証するもの求める。(裁判官の認定可のもの)」との請求から、「審査庁が保管する個人情報のうち、中野区情報公開・個人情報保護審査会の答申第17号の第4の2『当審査会の判断』の正当性等に関する立証資料」と解釈した上で、当該資料を作成及び保管していない旨主張している。

2 審査請求人の主張
 審査請求人は、上記第2に述べたところに加え、反論書において「正確な自己情報の隠ペイ事件」と述べ、また「答申第34号・第39号・第42号は、調査欠く委員5名の不法行為(行政不服審査法第2条(第1条違反)違反→条例違反)」と述べている。

第4 審査会の判断

 本件は、本件審査請求人が過去において行った別の審査請求に対する当審査会の答申について、同人の不服を背景として、実施機関に対して、当審査会の答申が司法審査に耐えうるものであることを示す証拠資料を求めたものであると理解することができるところ、実施機関においては、その不存在を述べている。
 そもそも、当審査会は、法令に基づき審査庁が個別事案について不服審査を行うに際して、審査庁からの諮問を受け、専門的見地から答申という形で意見を述べるものである。審査会としては、その職権を適法かつ適切に行使するべきことは当然であるが、結果として、審査請求人において、答申に示された事実認定や法解釈が誤っていると考えることは、当然にあり得ることである。ところで、審査会の答申は審査庁の判断の基礎資料となるものであり、かつ、審査会の答申そのものに対して不服を申し立てる制度も存在しないから、誤字の訂正を除き、これを審査会の職権判断で修正することは予定されていないというべきである。これを敷衍すると、ある諮問案件に対する審査会の事実認定や法解釈は、当該答申に示されたところに尽きるということができる。
 以上に鑑みると、実施機関においては、当審査会の答申が司法審査に耐えうるものであるかについて、基本的には、当該答申に示された事実認定及び法解釈をもって理解するべきこととなる。ただし、条例第33条第3項は実施機関に対して、当審査会の「意見を尊重して裁決」することを求めており、当審査会の答申に拘束力は与えられていないから、実施機関において、当審査会の事実認定及び法解釈と異なる判断を行って裁決を行うことも可能である。このような裁決が行われた場合、実施機関において、当審査会の答申が司法審査に耐えうるものではないと考えた可能性が認められるから、当審査会の答申に係る実施機関の検討過程及び結果を示す情報を実施機関が保有していると考えるべき合理的な根拠がある。しかし、本件審査請求において審査請求人が列挙する過去の審査請求については、実施機関はいずれも当審査会の答申の結論と同一の裁決を行っていることから、実施機関が本件開示請求対象情報を作成及び保管していないと述べていることを疑うべき根拠を見いだすことはできない。

第5 結論

 以上により、上記第1記載のとおり判断する。
 なお、審査請求人において、当審査会の答申及びそれを前提とする審査庁の処分に不服がある場合、答申ではなく、当該処分自体について取消訴訟等の司法審査を求めることができることは当然であるので、この点付言する。

中野区情報公開・個人情報保護審査会 

委員 岩 隈 道 洋 

委員 岸 本 有 巨 

委員 小 池 知 子 

委員 神 山 静 香 

委員 佐 藤 信 行(会長)


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