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最終更新日 2013年12月9日
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情報公開審査会答申(第47号)

答申第47号
2010年4月5日 

中野区長 殿

中野区情報公開審査会
会長 兼子 仁

中野区区政情報の公開に関する条例第13条第2項の規定に基づく諮問について(答申)

2005年9月27日付け、17中総総第2249号による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。

諮問事項

中野区区政情報の公開に関する条例に係る異議申立てについて(諮問)

1 審査会の結論

 職員カード(名札)に表示された職員顔写真の写しの交付を求める公開請求に対して、「個人生活に関する情報」性が併存することを理由に非公開決定を維持することが妥当である。

2 不服申立ておよび審査の経緯

(1) 異議申立人(以下「申立人」という。)は、2005年6月17日付けで、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)7条に基づき、「上鷺宮地域センター副所長の顔写真(最新のもの一葉)」について、実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」または「区長」という。)に対して公開請求を行った。これに対し実施機関は、同年8月5日付けで、個人情報保護を理由とする区政情報非公開決定通知書を申立人に送付した。

 申立人は同決定につき、同年8月31日付けで区長に異議申立てをし、区長が同年9月27日付けで当審査会に不服審査の諮問をしたものが、本件である。

(2) 当審査会の審査手続において、実施機関から2006年3月30日付けで非公開理由説明書(以下「理由説明書」という。)が提出され、これに対し申立人は同年5月2日付けで意見書を提出した。

 その後、当審査会は、申立人の事情にもかんがみて手続の進行時期を図った結果、2010年1月13日に、申立人の口頭意見陳述および実施機関の事情聴取を行うに至っている(申立人はその際に、同日付けの陳述書を提出している)。

3 審査会の判断

3-1 本件公開請求の対象の特定をめぐって

 本件の公開請求における区職員の顔写真は、申立人が条例に基づく公開請求の対象にしたのである以上、「区政情報」として実施機関が公的に管理しているものであると解される。

 実施機関もこの点を前提とし、請求対象を「中野区職員の職員バッジ及び名札に関する規程」に定める職員カードに表示された顔写真(総務部人事担当が撮影したもの)であると認めた(理由説明書)。

 ところが実施機関は同時に、その職員顔写真は下記の争点における「個人情報」であるとの見解に立って、申立人に請求理由を問う補正の求めを行った(2005年7月4日付け。条例9条1項に基づくと解される)。

 それに対する申立人の回答書(同年同月22日付け)によって、請求理由にかかる情報使用目的が、申立人の参加した区教委主催「ことぶき大学院」の「手づくり地域新聞をつくる」という学習テーマとのつながりで、グループ編集による地域新聞に、地域センター副所長の講話記事にともない顔写真を掲載することであったと明らかにされている。

3-2 本件職員顔写真は「個人生活に関する」個人情報か

(1) 中野区の条例における「個人情報」は、たんに特定個人の識別情報ではなく、「個人生活に関する情報」でなければならないと規定されている(2条3号の定義)。

 申立人はこの点、本件顔写真は、公務上名札表示されているもので「公務員の職務に関する情報であり、個人の生活に関する情報には該当しません」と主張している(異議申立書、前記回答書)。

 それに対して実施機関は、いわゆる「肖像権」に関する裁判例を引用しながら、職員名札表示の顔写真にも個人生活情報性があり、その個人情報の公開に際しては本人の意思が十分に考慮されなければならないと主張する(理由説明書、事情聴取)。

(2) ところで、個人識別情報型でなく個人生活情報を「個人情報」と定義する条例にあっては、公務員職務に関する個人識別情報と個人生活情報との区分には十分な検討が必要であって、その両面が重複する範囲もありうるように解される。

 ここで、職員の名札(職員カード)における個人氏名の表示は、職務関係の公表情報であるが、顔写真となると、たしかに「肖像権」保障との関係で個人生活情報性が伴なう可能性があろう。

 「肖像権」に関する判例はいまだ十分に確定されていないが、情報公開条例の解釈運用にあたって、「肖像権」保障にかかわるとされる個人写真の公表に関する本人の利益というものが、公務員に関しても顧慮されてしかるべきところと解される。

 したがって、本件の請求対象である名札表示の顔写真には、職務関係の行政情報と人格権にかかわる個人生活情報性とが併存し、「個人情報」の側面をも有していると当審査会は判断する。

3-3 職員カード(名札)表示の職員顔写真の「公開」は妥当か

(1) 職員顔写真は、「肖像権」保障として問われうるその人格権性からして、その個人情報公開には、たしかに慎重を要するであろう。

 条例に基づく個人情報の「公開」にあっては、結局は何人にも請求公開されうる結果となるため、当初的な請求理由および本人意思の確かめは、実施機関の慎重な判断の資料として位置付けられえよう。

(2) 本件の経緯において、顔写真の職員本人が別写真の提供を望んだということが実施機関から主張されている(理由説明書)。

 もっとも申立人は、当時実施機関からその旨を伝達された事実はないと主張しており(意見書)、この点は今日の事実調査になじまないと認められる。

 ただし、本件をめぐって申立人が、当時もし、職員顔写真という個人情報の「外部提供」を個人情報保護条例に則って求めていたならば、職員本人の同意の有無が問われたはずである。しかし申立人はあくまで、「区政情報」の「公開」請求を行ったのであって、その理由は、前記の生涯学習事業への参加の延長上であったと説明している(回答書および口頭意見陳述)。

(3) そこで当審査会の本件審査は、条例に基づく公開として、「個人情報」性のある職員カード上の顔写真の写し交付を求める請求の当否を判断すべきことになる。

 申立人は、本件で職員顔写真の写しが公開されても、不特定多数人でなく地域関係者に配布される地域ミニコミ新聞に掲載するのにとどまると主張している(回答書、口頭意見陳述にともなう陳述書)。

 しかし上記のとおり、条例に基づく「公開」は無条件の一般公開を意味するしくみであるから、個人情報保護条例に基づく限定的な「外部提供」の場合とは異なり、利用目的を限定するわけにはいかないのである。したがって、本件における名札顔写真そのものの写しの公開を肯んじない職員本人の意向は、個人情報公開の当否を判断するうえで、顧慮に値いするように考えられる。

 以上を総合して当審査会は、職員カード(職務上の名札)に表示された職員顔写真の写しの交付を求める公開請求に対しては、「個人生活に関する情報」としての個人情報性が併存することを理由に非公開決定を維持することが、結局妥当であると判断するものである。

中野区情報公開審査会
委員 稲垣隆一
委員 大塚孝子
委員 兼子 仁(会長)
委員 堀部政男
委員 桝潟俊子

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