情報公開審査会答申(第61号)
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更新日:2023年8月3日
答申第61号
2016年3月25日
中野区長 殿
中野区情報公開審査会
会長 兼子 仁
中野区区政情報の公開に関する条例第13条第2項の
規定に基づく諮問について(答申)
2015年1月8日付け、26中経経第2880号 による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。
記
中野区区政情報の公開に関する条例に係る異議申立てについて(諮問)
1 審査会の結論
本件請求に対し実施機関が不存在通知をしたことは、妥当と認められる。
2 不服申立て及び審査の経緯
(1)異議申立人(○○○○さん、以下「申立人」という。)は、平成26年12月9日付けで、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)7条に基づき、条例の実施機関である中野区長(以下適宜、「実施機関」又は「区長」という。)に対し、平成21年度から平成26年度までの間に中野区福祉事務所から生活保護費用として、宿泊施設法人あて支出・送金をしたことに関する区の生活援護推進担当による決裁文書、及び施設保護担当による出金依頼文書等の公開請求を行った。
これに対し実施機関は、同年12月19日付けで、「区政情報不存在通知書」を申立人に送付した。
申立人は同上の決定通知につき、平成27年1月5日付けで、区長に対する「異議申立書」を提出し、区長が同年1月8日付けで、当審査会に不服審査の諮問をしたものが、本件である。
(2)当審査会の審査手続において、実施機関から平成27年2月12日付けで「理由説明書」が提出され、それは申立人あてに送付されている。
その後、申立人が中野区から他市へ転出した事実が確認され、申立人は意見書等の提出をしていない。
3 当審査会の判断
(1) 審査会が本件について検討したところ、申立人による「異議申立書」及び実施機関の「理由説明書」を対照することによって、争点はすでに明確であると判明したので、合議のうえ以下のとおり判断するものである。
(2) 実施機関・区長は本件の「区政情報不存在通知書」の理由欄に、「当該金銭の支出及び送金は、被保護者の委任に基づくものであるため、請求された文書等は不存在」と記載していた。
ついで実施機関の「理由説明書」において、本件請求にかかる生活保護費から支払われるべき金銭の送金は、「被保護者の委任に基づく」ため、区の「生活援護分野において決裁を行っているわけではない」こと、及び「同分野施設担当が同分野生活援護推進担当に対して、出金依頼をしているわけではなく、・・・・担当ケースワーカーが生活援護推進担当から受領しているものである」と記されている。
そして当審査会の調査によっても、被保護者の本件宿泊施設費の支払いは、被保護者の委任状を根拠とする、生活保護費からの区による代理送金であるため、区の実施機関内の公文書決裁には因らない手続であると認められた。したがって、申立人が請求する区政情報は公文書として存在しないことに、理由があると判断する。
(3) 申立人は「異議申立書」において、上記の区政情報不存在を争う際に、本件請求が生活援護推進担当の保管文書を求めているのに、決定通知で施設保護担当が区政情報不保有の回答を行っているのは失当であると主張している。
しかしながら、条例に基づく公開請求は、実施機関である区長の権限で決定対応するものであって、本件の不存在決定通知に施設担当者の名が示されていることに問題はないと解される。請求されている区政情報の存否は、実施機関である区長部局の全体を通して問われ、その内で正当な所管担当が決定にかかわってよいはずだからである。
以上により、本件に対し当審査会は標記のとおり結論するものである。
中野区情報公開審査会
委員 兼子 仁(会長)
委員 岸本有巨
委員 幸田雅治
委員 佐藤信行
委員 府川繭子
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