情報公開審査会答申(第29号)

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更新日:2023年8月3日

答申第34号
2005年8月24日

中野区長様

中野区情報公開審査会
会長 井出嘉憲

中野区区政情報の公開に関する条例第13条第2項の規定に基づく諮問について(答申)

2004年6月1日付け、16中総総第548号による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。

区政情報一部公開決定処分に係る異議申立てについて(諮問)

審査会の結論

 本件異議申立てについて、実施機関である中野区長(以下「実施機関」または「区長」という。)が個人情報に該当するとして一部を非公開としたことは、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)の趣旨に適合するので、申立ては棄却してよい。

不服申立ての経緯

(1) 1997年、戸塚警察署(以下「警察署」という。)から実施機関に「有印私文書偽造・同行使・詐欺及び窃盗事件」に関して、関係文書の請求があった。
 実施機関はこれに応じ「住民票等交付申請書」、「委任状」を警察署に送った。

(2) ところが、2003年11月、警察署からこの二つの書類を紛失した、という通知が実施機関にあった。

(3) 異議申立人(以下「申立人」という。)は2004年4月、この件に関する実施機関の起案文書の公開を区長に請求した。区長は、起案文書と警察署からの通知のうち、個人の名前部分を黒塗りでマスクして公開(一部公開)した。

(4) 申立人は同年5月、「非公開部分は、文脈から考えて個人情報に該当するとは到底考えられない」とし、非公開とされた氏名は、「触法者である場合には開示されるべきである」という理由で異議申立てをし、また、非公開とされた氏名は透けて見えたという事実にもあわせて言及している。

審査会の判断

 非公開部分はいずれも個人名であり、マスクが不十分で結果として氏名が判ってしまったとしても、それを理由に公開することは条例の趣旨に反する。また、法に触れた人であっても、行政が情報公開の制度によってその氏名を明らかにすることは、人権擁護の視点からして好ましいことではない。

 警察が容疑者の段階で、氏名をマスコミに発表する場合もありうるであろうが、実施機関の立場が警察とは異なることは言うまでもない。

 なお、今回の異議申立ての一因は、不十分なマスクによる一部公開という、実施機関の不手際にあると思われる。

 今後このようなことの無いよう関係者に注意を促しておく。

本件不服審査の処理経過

(1) 2004年5月17日、申立人は、2004年4月13日の公開請求に対する同年4月20日付けの区政情報一部公開決定処分に不服があるとして、条例13条1項に則り区長に対して異議申立てを行った。

(2) 2004年6月1日、実施機関は、本件異議申立てについて条例13条2項の規定に基づき、当審査会に諮問を行った。

(3) 2004年6月22日、審査会は、実施機関に対して一部公開理由説明書の提出を求めた。

(4) 2004年7月6日、実施機関から審査会に対して一部公開理由説明書が提出された。

(5) 2004年5月13日、審査会は、実施機関から事情聴取をした。

(6) 審査会は、本件異議申立てにつき、2004年6月18日、7月9日、9月10日、10月25日、11月26日、12月27日、2005年1月28日、2月14日、3月11日、4月15日、5月13日、6月3日、7月15日、8月11日と審議を重ね、上記結論を得た。

中野区情報公開審査会(五十音順)
委員 井出嘉憲(会長)
委員 岡田久枝
委員 兼子仁
委員 川島正英
委員 坂巻煕

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