情報公開審査会答申(第24号)

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更新日:2023年8月3日

答申第39号
2007年6月18日

中野区長 殿

中野区情報公開審査会
会長 兼子 仁

中野区区政情報の公開に関する条例第13条第2項の規定に基づく諮問について(答申)

2004年10月29日付け、16中総総第2035号による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。

区政情報非公開決定処分に係る異議申立てについて(諮問)

1 審査会の結論

 本件の請求情報について、請求当時において文書不存在を理由に非公開とした決定は、妥当である。

2 不服申立ておよび審査の経緯

(1) 異議申立人(以下「申立人」という。)は、2004年9月22日、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)7条に基づき、実施機関である中野区長(以下適宜「区長」または「実施機関」という。)に対して、中野駅周辺まちづくり調査関係での、1.中野区(以下「区」という。)と財務省との2003年5月12日および8月25日の打合せメモ、ならびに区と財務省および東京都との同年8月以降の打合せメモ、の公開を請求したところ、2004年10月6日付けで、文書不存在を理由とする区政情報非公開決定通知書を送付された。

 それに対して申立人が同日に区長への異議申立てをし、同年10月29日付けで区長が当審査会に諮問をしたものが本件である。

(2) 当審査会の審査において、実施機関・区長から2004年12月9日付けで「非公開理由説明書」(以下「理由説明書」という。)が提出され、申立人からは2005年1月21日に「意見書」が提出された。その後、申立人は口頭意見陳述の意思がない旨を表明しており、審査会は2006年4月19日に実施機関からの事情聴取を行っている。

3 審査会の判断

(1) 実施機関・区長の側では、申立人が請求した打合せメモは、区として当時作成しておらず、また財務省および東京都からも打合せメモを入手していなかったので、本件請求時点では一切「文書不存在」である、と主張していた(理由説明書)。

 それに対して申立人は、財務省からは1.の打合せメモを情報公開で入手しており、区としても打合せメモが全く存しないはずはないと主張した(異議申立書、意見書)。

 当審査会の調査によって、申立人が請求した打合せ記録は、本件の請求時点では、区が全く作成も取得もしていないことが確認された。

(2) しかしその後、2005年2月16日の中野区議会中野駅周辺・警察大学校等跡地整備特別委員会に、「警察大学校等跡地に関する中野区と財務省との打合せ記録について」および同上「打合せ記録(財務省提供のもの)について」が、ならびに同年3月22日の同委員会に、「同上(財務省提供のもの)の追加について」が、それぞれ資料提出されたことが、区内では公知となっている。

 かくして、実施機関が、本件請求の当時においては「文書不存在」だとして非公開の決定をしたことは、事実に即応していたと認められる。

(3) ところで申立人は併せての主張として、本件打合せメモを請求時点で区政情報として作成していなかったとしたら、区民参加の区政運営にとって「当然あってしかるべきもの」がなかったことになると批判している(意見書)。

 たしかに、区と財務省との本件打合せの初回から4か月余を経た本件請求の時点で、区政情報記録が不存在であったということは、申立人の主張するとおり、区の説明責任態勢として十分適正であったかという問題は存していたように考えられる。

 しかしながら、単なる区政自体の運営の記録ではなく、国・財務省および東京都という他の行政主体との打合せの内容を、いついかに公的記録として作成・共有・公表するかということは、行政上の協力関係に属する事柄であろう。したがって本件打合せ記録が、区の公的記録として、相当期間後に区議会資料として公表されるにいたったという経過について、その当否を条例上の実施機関の責務に照らして判断することは、区政の基本施策方針にかかわる問題であって、審査会として容易にはなしえないところである。

以上の審査の結果、当審査会は標記のとおり、本件の非公開決定は今日結局において妥当である、と結論する。

中野区情報公開審査会 
委員 稲垣隆一
委員 兼子 仁(会長)
委員 堀部政男
委員 桝潟俊子

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