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最終更新日 2013年12月9日
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情報公開審査会答申(第18号)

答申第18号
1999年6月11日

中野区長 殿

中野区区政情報の公開に関する条例第13条第2項の規定に基づく諮問について(答申)

1997年8月15日付、9中総総第171号による下記の諮問について別紙のとおり答申します。

区政情報非公開決定処分にかかる異議申立てについて(諮問)

1.審査会の結論

 本件の異議申立人が公開請求した「中野区道の車止めポールのカギを管理委託」している文書は、作られていないと見るべきであって、実施機関が「文書文書不存在」を理由に非公開決定をした措置は不当とはいえない。

2.異議申立ての趣旨と経緯

 異議申立ての対象は、「中野区道に設置された車止め、ガードレールなどで、鍵の施錠を含む管理を、中野区以外に委託しているものについて」の区政情報である。異議申立人(以下「申立人」という。)が、1997年5月28日、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)に基づき、実施機関である中野区長に対して、公開を請求、同年6月13日付で、中野区長から非公開決定を通知された。

 申立人はこの決定を不服として、同年6月24日、中野区長に対し異議申立てを行った。中野区長は、同年8月15日付で、中野区情報公開審査会(以下「審査会」という。)に対し、条例に基づいて諮問したものである。

 審査会の審理では、中野区長からの区政情報非公開理由説明書の提出(1997年10月20日付)を受けて、実施機関に事情聴取(1998年10月13日)を行った。また申立人の意見書提出(1997年11月28日付)と口頭意見陳述(1998年11月13日)があり、さらに異議申立てを補足するための情報公開請求を行ったあと補足説明文書(1999年3月1日付)の提出があった。

3.実施機関の主張

(1) 情報公開請求の趣旨は、区道に設置された車止め、ガードレールなどに付属する鍵の管理を中野区以外に委託している場所、委託先、委託条件、管理体制、法的根拠などを求めるものであるが、管理の委託を行っていないので、文書は存在しない。

(2) 車止めの鍵を区以外に貸与している場所は、中野区中野二丁目の一部と中野区中野四丁目の一部の2か所である。鍵を貸与するにいたったのは、道路整備によって、車両の歩道への乗り上げを防止する車止めを設置したためである。この際、沿道商店との協議により、緊急時の対応や荷さばきのため可動式の車止めとし施錠することにした。鍵は、沿道商店等からの申し入れにより、使用にあたっての条件を付して貸与している。借用書により、車止めの鍵の貸与を行っているが、委託しているものではない。

(3) 道路法では、道路の管理事務は道路管理者の権限および義務に属していて、私人に対し、道路の管理委託はできないと考えている。(口頭意見陳述)

4.申立人の主張

(1) 車止めポールの鍵の「貸出し」の必要性について見ると、商店の荷さばきなど長期的に、路面工事など例外的・短期的に、また消防車など緊急時に対応するためと考えられるが、いずれの場合も貸出しの必要性があるとはいえない。

(2) 車止めは、中野区道上に中野区が設置した道路施設なので、基本的な管理責任は中野区にある。

(3) 鍵というのは、物体そのものに利用価値があるのではなく、鍵をかけている対象を利用するために存在する。従って、鍵を貸与することは、その対象の管理を委ねていることに他ならない。

  1. 実態として、鍵の貸し出しを行うことは、管理の委任に関する事項がなければいけないはずである。(口頭意見陳述)。
  2. 鍵の使用について、委託を示す文書がなければならない。(口頭意見陳述)
  3. 中野区が実態として車止めの運用状態を管理していないことは明らかで、鍵を渡された人に「車止めの管理」が委任されている。(補足説明)

(4) 情報公開制度の本質は、行政と住民が情報を共有することによって、より良い状態を作り出すことにある。行政にとって不都合な資料も開示しなければならないのは当然である。情報公開請求に対して、文書の不存在を本来の意味でなく、責任を回避するために意図的に用いたといえるのではないか。

5.審査会の判断

(1) 審査の命題は、車止めポールが設置された区道について、実施機関が沿道商店などに道路管理の委託を行った文書が存在するか否か-その判断にある。

 双方の意見が対立する第一は、実施機関が委託の実態そのものが存在しなかったと否定、一方申立人が車止めポールの鍵の貸与が委託に当たると主張している点である。委託の存否そのものが問題となる。

 第二は、申立人が、「鍵の貸与-委託」によって道路管理が歪められていると追求し、その道路行政上の問題点を明らかにするための区政情報の公開請求であるとの論理構成をとっている点である。

(2) このため、審査は、区道管理の実態-委託の存否-委託文書の存否の順で検討することとした。

(3) まず、道路管理の実態について、申立人は、詳細な調査を行った結果、写真も添えた膨大な資料を提出して、歪んだ状態にあると指摘した。

  1. 車止めポールの開閉は実施機関と商店などの間の鍵の貸与という関係にゆだねられている。
  2. 鍵の使用は、火災、洪水など緊急時だけでなく、荷さばきなどにも認められている。
  3. ルールがないために、鍵の使用が商店などの恣意によっているのが実態である。
  4. 鍵の借用書につけられた「車止めポールは使用後すみやかに元に戻し、歩行者の通行安全に努めます」」という条件について、実施機関のチェックがほとんど行われていない。

などを指摘している。

 区道利用の体系化されたルールが定まっていないだけでなく、その管理がずさんであり、区の道路行政に問題のあることを浮き彫りにした。この申立人の観察・調査文書は、区道管理の実態を理解させるものであって示唆に富む。

(4) 次の検討事項は、委託の存否であり、これが命題につながる重要なポイントとなる。「鍵の貸与」という行為を委託と見るかどうか。

 「鍵の貸与」が実態として区道の管理委託と同じ効用をもち、管理についての実施機関の責任は免れがたいといえよう。

 しかし、「鍵の貸与」が事実行為としての委託管理に当たるとしてもなお、それをただちに法律行為としての委託管理につなげることには無理があると考えざるを得ない。

 実施機関は、「鍵の貸与」に借用書を交わしてはいるが、委託文書とは異なるとの認識をとっているからである。さらに市区町村道について、民間への管理委託は道路法上で禁止されているとの法解釈に立っている。

(5) 申立人が事実行為として管理委託と同じ日常的な状況が見受けられると繰り返し強調している点は理解し、考慮しなければならないとしても、行政行為の上では「区道の管理委託を明示する文書は不存在である。」との最終判断にたどりつく。

(6) この場合、本結論が、区道の管理委託を法律行為の形にあらわし、委託のルールを実施期間と民間の間で文書によって交わす必要性について否定するものではないことを、あえて付言しておきたい。

 この点について、実施機関は市区町村道の民間への管理委託は道路法上禁じられているとの認識にしばられているが、地方分権型社会が目前にある今日にあって、市区町村道での自らの管理のルールづくりの道が閉ざされていると考えるべきかどうか、むしろ市区町村が責任を負える形の条例、ルールづくりの道筋を探る試みこそ望ましいと考えるからである。

6.本件不服審査の処理経過

  1. 1997年6月24日、申立人は、1997年6月13日付の公開請求に対する区政情報非公開決定処分に不服があるとして、条例13条1項の規定に基づき、実施機関に異議申立てを行った。
  2. 1997年8月15日、実施機関は、本件異議申立てにつき条例13条2項の規定に基づき、当審査会に諮問を行った。
  3. 1997年8月26日、審査会は、実施機関に対して非公開理由説明書の提出を求めた。
  4. 1997年10月20日、実施機関から審査会に対して非公開理由説明書が提出された。
  5. 1997年11月6日、審査会は、実施機関から提出された非公開理由説明書の写しを申立人に送付し、意見書の提出を求めた。
  6. 1997年11月28日、審査会は、申立人から意見書を受理した。
  7. 1998年1月28日、審査会は、申立人から補足説明書を受理した。
  8. 1998年1月29日、審査会は、申立人からの補足説明書を実施機関に送付した。
  9. 1998年10月13日、審査会は、実施機関からの意見を聴取した。
  10. 1998年11月13日、審査会は、申立人からの意見を聴取した。
  11. 1999年3月1日、審査会は、申立人から補足説明書を受理した。
  12. 1999年3月8日、審査会は、申立人からの補足説明書を実施機関に送付した。
  13. 審査会は、本件異議申立てにつき、1997年8月20日、9月30日、10月29日、11月28日、12月24日、1998年1月14日、2月4日、2月12日、3月23日、4月6日、5月22日、6月26日、7月11日、8月14日、9月11日、10月13日、11月13日、12月11日、1999年1月25日、2月15日、3月5日、4月12日、5月17日、と審議を重ね、上記結論をえた。

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