情報公開審査会答申(第43号)

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更新日:2023年8月3日

答申第43号
2008年3月31日

中野区長 殿

中野区情報公開審査会
会長 兼子 仁

中野区区政情報の公開に関する条例第13条第2項の規定に基づく諮問について(答申)

2007年1月4日付け、18中総総第3015号による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。

区政情報非公開決定処分に係る異議申立てについて(諮問)

1 審査会の結論

(1) 本件の請求事項である、歯科クリニックで働いている特定の女性の資格・身分(請求事項1.)について、個人情報保護を理由として非公開と決定したことは、相当である。

(2) 本件の請求事項である、関係歯科医がインプラント認定医かどうか(請求事項2.)について、請求情報不存在を理由に非公開と決定したこと、および自分以外の患者からの治療についてのトラブル・苦情があるかどうか(請求事項3.)について、存否応答拒否と決定したことは、相当である。

2 不服申立ておよび審査の経緯

(1) 異議申立人(以下「申立人」という。)は、2006年10月5日、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)7条に基づき、実施機関である中野区長(以下適宜「区長」または「実施機関」という。)に対して、請求事項1.、請求事項2.および請求事項3.についての情報を公開請求した。その後、実施機関から同年10月16日付けで、請求事項1.については個人情報保護を理由とし、請求事項2.については請求情報不存在を理由とし、請求事項3.については苦情・トラブルの有無は行政執行情報であり情報の存否を公開できないことを理由として、区政情報非公開決定通知書を送付された。

 それに対し申立人は、非公開決定を不服とし、同年12月15日に区長への異議申立てを行い、2007年1月4日付けで区長が当審査会に諮問をしたものが本件である。

(2) 当審査会の審査において、実施機関から同年3月9日付けで「非公開理由説明書」(以下「理由説明書」という。)が提出され、その後、申立人は意見書の提出および口頭意見陳述の意思がない旨を表明しており、審査会は同年11月21日に実施機関からの事情聴取を行っている。

3 審査会の判断

(1)請求事項1.について、申立人は、歯科医師が行うべきインプラントの説明や仮歯の作成などを、歯科クリニックで働いている特定の女性が行ったので、その者が歯科医師の資格を保持するか否かを確認するため、および訴訟の資料とすること、を請求理由としている。しかし、上述のような公開請求者である申立人の特定の事情は、実施機関が保管する個人情報を公開することを認める場合に該当するとは判断しがたい。よって、条例9条1項の規定に基づき非公開決定したことは相当である。

 なお、歯科医師の氏名および性別などの情報については、厚生労働省のホームページにアップされている検索システムを利用すれば容易に検索できる。

(2)請求事項2.について、実施機関が請求情報の不存在を理由として非公開決定したことは、相当であると判断する。

 なお、診療所の開設に関しては、医療法8条および同法施行規則4条により、当該診療所の所在地の都道府県知事(その開設地が保健所を設置する市または特別区の区域にある場合においては、当該保健所を設置する市の市長または特別区の区長)への届出事項が規定されているが、インプラント認定医であるか否かについては当該事項に該当しないため、請求情報は不存在である。

 また、申立人は歯科クリニックでの診療や診療報酬明細書の記載、請求方法に関して苦情・トラブルがあることを理由として請求事項2.の非公開決定に対して異議申立てをしている(異議申立書)。しかし、区政情報は不存在であるため、理由の如何にかかわらず申立人の公開請求にこたえることはできない。

 なお、社団法人日本口腔インプラント学会(以下「学会」という。)が、インプラント認定医制度を設けている。また、インプラント認定医については、学会ホームページの「学会認定医一覧」で、掲載希望者に限り、氏名、所属支部の都道府県名、電話番号が公表されている。

(3)請求事項3.について、実施機関は、苦情等の存否は、条例運営要綱別表1に規定する法人等の事業情報に該当し、かつ、別表2の行政執行情報に該当するため、存否応答拒否(条例8条の2)の規定により、当該公開請求を拒否したことは、相当と判断する。

 申立人は、区政情報公開請求書の中で、訴訟の資料とするという理由から、診療所と申立人以外の患者との間の治療についてのトラブルや、診療所に対する苦情に関する情報の公開を求めているが、上記3(1)と同様に、当該情報を公開することが相当であるかどうかについて、公開請求者である申立人の特定の事情を考慮して判断するものではない。

 異議申立書によると、申立人は存否応答拒否であることに異議を申し立てているのではなく、待合室その他の場所で同席した患者から個人的にも愚痴を聞かされていたので、診療所に対する苦情に関する情報の公開を求めるとしているが、このことを理由にして請求事項3.についての情報を公開することが相当であるとは認められないと判断する。また、当該情報の有無を明らかにすることは、公開できない相当な理由がある当該情報を公開するのと同様の結果を生じることとなるので、条例8条の2の規定により、当該情報公開を拒否とすることは相当であると判断する。

 以上の審査の結果、当審査会は標記のとおり結論する。

中野区情報公開審査会

委員 稲垣隆一
委員 兼子 仁(会長)
委員 堀部政男
委員 桝潟俊子

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