情報公開審査会答申(第38号)

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更新日:2023年8月3日

答申第25号
2002年5月24日

中野区長殿

中野区情報公開審査会
会長 井出嘉憲

中野区区政情報の公開に関する条例第13条第2項の規定に基づく諮問について(答申)

2001年6月25日付け、13中総総第167号による下記の諮問について、別紙のとおり答申します。

区政情報一部公開決定処分に係る異議申立てについて(諮問)

審査会の結論

 本件情報について、委嘱を見送る理由を非公開とする内容の一部公開決定にしたことは妥当ではなく、公開すべきである。

異議申立ての趣旨および経緯

 異議申立人(以下「申立人」という。)は、2001年5月21日、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)第7条の規定に基づき、実施機関である中野区長に対して、「1999年度区政協力員募集選考結果について、委嘱見送りとした通知(1.除く、Aさん、推薦団体宛。2.除く、個人識別部分)」の区政情報の公開を請求した。区長は、この公開請求に対し、委嘱を見送る者の氏名及び見送る理由については、個人情報であるとともに、人事上の選定・評価にかかわる情報であるため公開できないとして、同年6月1日付で当該部分を除く一部公開の決定を通知した。
 申立人は、この決定を不服とし、氏名(個人識別情報)以外は公開とする決定への変更を求め、2001年6月14日区長に対して異議申立てを行った。そして、同年6月25日付で、区長から当審査会に対し、条例第13条第2項の規定に基づく諮問がなされたものが、本件である。
 当審査会の審査において、区長から2001年9月7日付で「一部公開理由説明書」が提出され、これに対して申立人は、同年10月31日付で「意見書」を提出するとともに、2002年2月22日に当審査会に対する口頭意見陳述を行った。

審査会の判断

(1) 本件情報は、個人情報であるか

 実施機関は、本件情報は個人生活情報であり、委嘱を見送った者の人数と居住地区に非委嘱事由を重ねた場合、特定個人を識別できると主張し、申立人は、本件情報は公募した者の情報であり、地区名から特定個人を識別できるような情報ではないと主張している。
 確かに、申立人の主張のように、公募か推薦かによって識別性に差はあり得るが、本件の場合、非委嘱事由などから特定個人の識別性は相当程度あり、個人情報に該当するものであると認められる。

(2) 個人情報を公開する理由があるか

 実施機関は、本件の公開請求には公益上の必要性は認められないとし、個人情報を公開する理由はないと主張し、申立人は、選考の透明性の必要を強調している。
 そこで判断するに、区政協力員制度の仕組みそのもののあり方からみて、区民の参加を前提としている以上、申立人の主張するように、選考の透明性を確保することが要請されており、できるだけ選考の基準・経過を公開することが、区民と区との信頼関係を高めるために必要であると考える。

(3) 人事上の選考評価に関する情報として、非公開とすべきか

 この点につき、実施機関は、本件情報は人事上の選考・評価に関する情報であり、これを公開すれば行政と住民・地域などの信頼関係に影響を与える上、区政協力員非委嘱の理由は、本人にとっては不利益な評価に当たり、本人から公開に対する苦情が来るおそれもあると主張する。
 これに対し、申立人は、区政協力員は「気軽に誰でもいつでも参加ができる」制度であって、人事上の評価とは本来無縁であり、区は「地域・年齢・性別などのバランス」を考えて選考したのみであるとし、そもそも本件文書は2人に対して同文の通知であり個別性もなく評価的な記載はないと思われること、既に本件の区政協力員の任期は終了し制度そのものも廃止されたので行政執行への影響はないこと、などから、非公開事由に該当しないと主張する。
 本件非委嘱事由を見ると、人事上の選考の評価に関わる記載はなく、むしろ公募委嘱の公平性確保から委嘱を見送ったものであり、本件情報を公開しても本人にとって不利益になるとは考えられない。
 また、実施機関の主張する行政執行への影響は、具体的なものではなく、区政協力員制度そのものが廃止された以上、行政執行への影響はないと判断する。

本件不服審査の処理経過

(1) 2001年6月14日、申立人は、2001年6月11付の公開請求に対する一部公開決定処分に不服があるとして、条例第13条第1項の規定に基づき、区長に対して異議申立てを行った。
(2) 2001年6月25日、区長は、本件異議申立てについて条例第13条第2項の規定に基づき、当審査会に諮問を行った。
(3) 2001年8月1日、審査会は、区長に対して一部公開理由説明書の提出を求めた。
(4) 2001年9月7日、区長から審査会に対して一部公開理由説明書が提出された。
(5) 2001年10月2日、審査会は、区長から提出された一部公開理由説明書の写しを申立人に送付し、意見書の提出を求めた。
(6) 2001年10月31日、審査会は、申立人から意見書を受理した。
(7) 2002年1月25日、審査会は、実施機関からの事情を聴取した。
(8) 2002年2月22日、審査会は、申立人からの意見を聴取した。
(9) 審査会は、本件異議申立てについて、2001年7月27日、9月28日、10月23日、11月30日、12月21日、2002年1月25日、2月22日、3月22日、4月26日、5月24日、と審議を重ね、上記結論を得た。

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