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最終更新日 2009年12月24日
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情報公開審査会答申(第23号)

答申第23号
2001年2月23日

中野区教育委員会殿

中野区情報公開審査会
会長 井出嘉憲

中野区区政情報の公開に関する条例第13条第2項の規定に基づく諮問について(答申)

1999年12月2日付け、11中教庶第311号による下記の諮問について、2001年2月20日開催の第141回情報公開審査会において審議内容を確定したので、別紙のとおり答申します。

区政情報非公開決定処分に係る異議申立てについて(諮問)

審査会の結論

 実施機関が、請求された中野体育館1999年度改修工事の「日ごとの作業予定表」に相当する本件区政情報を非公開としたことは相当である。ただし、当審査会が職権で調査した本件区政情報における関係情報で、異議申立人に公開できるものとして本答申において示した内容は、実施機関が異議申立てに対する決定を通して異議申立人に情報提供することが必要である。

異議申立ておよび審査の経緯

(1) 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、1999年9月17日、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)7条に基づき、中野区教育委員会(以下「実施機関」または「区教委」という。)に対し、「中野体育館の1999年度の改修工事の日ごとの作業予定表」(以下「本件情報」という。)等の公開請求をした。同年9月30日付けで実施機関が本件情報に関して非公開の決定(「事業情報保護のため」を理由とする)を通知したのに対して、申立人は同年11月26日に異議申立てを行なっている。
(2) 異議申立ての審査行政庁である区教委から1999年12月2日付けで諮問を受けた当審査会における本件不服審査の経緯は、次のとおりである。
 実施機関である区教委は、2000年2月10日付けで理由説明書を提出したのち、同年7月21日および11月17日に当審査会から意見聴取を受け、その第1回の結果として同年9月20日付けで非公開理由を追加説明する補足文書を提出した。
これに対して申立人は、同年4月28日付けの意見書を提出し、同年9月29日に当審査会において口頭意見陳述を行ない、その際「意見陳述の要約」という文書を提出している。

審査会の判断

(1) 本件異議申立ての対象となる区政情報は何か

 申立人は、中野体育館1999年度改修工事の「日ごとの作業予定表」を公開請求した理由として、「トレ-ニング室の工事の中にはなんらかの工事を行わない期間があるのか、それが合理的なものか、あるいは通常より大幅に長い工事を見積っているのかを確かめるため」と述べている(意見書)。
 実施機関の主張(理由説明書)に基づき当審査会が調査したところでは、「工事工程表」は工事説明会で区民に配布されているが、日ごとの作業予定という本件情報を含む文書は、請負工事業者が区に任意提出している「実施工程表」がそれに相当すると認められ、それには「作業内容、月日、作業日数等の工事手順」(理由説明書)が記されている。

(2) 本件の法人事業情報に関する保護の必要性について

1. 実施機関は、「『実施工程表』には、改修工事の作業内容、作業員の投入手順や配置計画等が施工業者が独自に取得・蓄積したノウハウをもとに詳細に記入され…(中略)…さらに、下請けや関連業者の活用方法や組み合わせなども記載されてい」るので、「公開されると施工業者の独自のノウハウが模倣されたり、その施工技術、能力はもとより、各業種の組み合わせや経営状況、信用度も明らかになり、競争上の地位を害されたり今後の事業活動に不利益が生じ」ると主張している(補足文書)。
 また実施機関が表明したところでは(理由説明書)、トレ-ニング室の閉鎖期間は1999年10月1日より翌年2月4日まで(約4か月)であるが、同じ1階の卓球場等の工事中閉鎖期間が99年11月18日より翌年2月4日までで、全館閉鎖も99年12月20日から翌年2月4日までとなっていた。
 したがって、申立人が問題視したトレ-ニング室の閉鎖の理由は、同室自体の工事期間中に限られず、外壁吹付・廊下塗装や1階卓球場などの他箇所の工事期間とも関連していると認められる。ために申立人の請求にかかる本件情報は、全館の第1期工事の「実施工程表」の全般に亙り、それだけに施工業者の法人事業情報を、実施機関が主張するような具体的内容において問うことになると見られる。
2. 本件情報の公開に対しては、任意提出している当該法人事業者が反対意思を表明しているので、その承諾なしに公開できないと実施機関は主張している(理由説明書)。
 この点に関しては、たしかに、申立人が援用するとおり(意見陳述の要約等)、区の条例運営要綱6条によれば、関係法人の意見申出書を得て公開の可否を総合判断するものと定められている。そして当審査会の調査によれば、本件において関係法人から意見申出書が出ているわけではなく、区教委が施工業者との接触過程にあって公開反対意思を把握したのが実情である。
 しかしながら元来、法人事業情報の公開の可否は、当該法人の公開不同意のみをもって決することはできず、それは条例8条1項の公開原則に反するものと解される。これに反する実施機関の主張は採用しがたい。
 そこで、申立人が主張する後記の争点との関係において、法人情報の保護の要否は区民の知る権利に根ざす社会公共的な公開の必要との比較衡量により総合判断すべきことになる。そこにおいて関係法人の事実上の意向を斟酌することが相当であると考えられる。

(3) 本件の法人事業情報の公開をめぐる区民の知る権利との調整について

1. 申立人は、「公開に伴う業者の不利益と請求者の利益の比較」を主張している(意見書)。
 条例に基づく情報公開は、区民の知る権利を保障する制度であって(条例1条参照)、請求者個人の権利利益は区政情報の公開を直接裏づけるものではない。
 しかしながら、公の施設の改修請負工事による閉鎖期間の合理的理由を知ろうとすることは、利用者住民および納税者住民にとってその公共的な知る権利にかかわっていると考えられる。これが、本件情報に関し条例運営要綱6条3項にいう「請求理由・・・等を参考に総合的に判断」することの主旨であると解される。
 ところで、区民の知る権利と関係法人情報の保護との比較衡量的な調整に当っては、公開請求されている法人情報の具体的内容の如何が問題の焦点になると考えられる。
2. 本件請求情報について申立人は、工事施工日程や作業しない期間などが分かる情報が区政情報文書から部分公開されれば足り、業者の営業ノウハウまでを知ろうとはしていないと述べている(意見書、口頭意見陳述)。
 当審査会が職権で調査したところによると、本件の「実施工程表」は中野体育館改修工事の全工程に不可分的にまたがる一覧表を成していると認められる。そしてそこには確かに、実施機関が主張するとおり、施工業者の工事実施の技術的および経営的ノウハウが多種盛りこまれていると見られ、一般住民がこれを見てもきわめて分かりにくいが、公開されて競業者等が専門的見地から精査すれば、そうした営業ノウハウが競業者によく知られてしまうおそれを否定できない。
 そこで、本件「実施工程表」の一覧表をそのまま申立人に公開することは相当でないと判断される。
 しかしながら同時に、申立人は本件区政情報文書に含まれる請求情報を住民として実質的に知る権利を有していると解されるので、当審査会が職権調査により把握した以下の請求情報が本件区政情報文書に含まれていることを、実施機関が異議申立てに対する決定を通して、異議申立人に告げるとともに、その内容を情報提供することが、条例3条2項に照らして必要であると考える。
 本件において申立人が請求した本件情報の主旨は、上記のように、トレ-ニング室の閉鎖期間がいかなる理由に裏づけられていたのかであったと認められる(意見書)。
 本件「実施工程表」によると、トレ-ニング室そのものの本格工事期間は、1999年の10月から11月末までであったが、同年12月中には、隣接の卓球場の改修工事に加え、同じ1階の廊下の改修工事、およびトレ-ニング室を含めての防災設備工事(火災報知器、非常放送器、誘導灯設備)が行なわれていた。さらに翌2000年1月10日以降同月一杯、工事ずみ検査および備品移動が行なわれていたものである。
 かくして、トレ-ニング室を本体工事終了後直ちに供用することは技術的に不可能であって、他室の工事後に付帯防災設備工事および検査・備品準備などを一斉に行なうまで(2000年2月4日まで)の間は閉鎖せざるをえなかったと認められるのである。
 以上により、当審査会は、上記の答申結論に沿った決定を審査行政庁・実施機関が行なうことによって、申立人の知る権利の要求に適切に応えうるものと判断する次第である。

本件不服審査の処理経過

(1) 1999年11月26日、申立人は、1999年9月17日付けの公開請求に対する区政情報一部公開決定処分に不服があるとして、条例13条1項の規定に基づき、実施機関に異議申立てを行なった。
(2) 1999年12月2日、実施機関は、本件異議申立てにつき条例13条2項の規定に基づき、当審査会に諮問を行なった。
(3) 1999年12月27日、審査会は、実施機関に対して一部公開理由説明書の提出を求めた。
(4) 2000年2月10日、実施機関から審査会に対して一部公開理由説明書が提出された。
(5) 2000年3月23日、審査会は、実施機関から提出された一部公開理由説明書の写しを申立人に送付し、意見書の提出を求めた。
(6) 2000年4月28日、審査会は、申立人から意見書を受理した。
(7) 2000年7月21日、審査会は、実施機関から事情を聴取した。
(8) 2000年9月20日、実施機関から審査会に対して一部公開理由説明書の補足文書が提出された。
(9) 2000年9月29日、審査会は、申立人から意見陳述における要約を受理し、申立人から意見を聴取した。
(10) 2000年11月17日、審査会は、実施機関から事情を聴取した。
(11) 審査会は、本件異議申立てにつき、1999年12月20日、2000年1月18日、2月7日、3月14日、4月7日、5月26日、6月23日、7月21日、9月29日、11月17日、12月22日、2001年2月20日と審議を重ね、上記結論を得た。

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