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最終更新日 2009年12月24日
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情報公開審査会答申(第21号)

答申第21号
2000年8月1日

中野区長殿

中野区情報公開審査会
会長 井出嘉憲
 

中野区区政情報の公開に関する条例第13条第2項の規定に基づく諮問について(答申)

1998年3月23日付け、9中総総第590号による下記の諮問について、2000年7月21日開催の第137回情報公開審査会において審議内容を確定したので、別紙のとおり答申します。

区政情報非公開決定処分に係る異議申立てについて(諮問)

 

審査会の結論

本件の異議申立人が公開請求を求めた「区民協議会委員の住所、年齢、職業」について、実施機関が非公開決定としたことは妥当である。
 

 

異議申立ての趣旨および経緯

 本件異議申立人(以下「申立人」という。)は、1998年2月10日、中野区区政情報の公開に関する条例(以下「条例」という。)に基づき、実施機関である中野区長(以下「区長」という。)に対し、「中野区都市計画マスタープラン区民協議会区民委員の住所、年齢及び職業について」の区政情報の公開を請求したが、同年2月23日付けで、区長から非公開決定を通知された。申立人はこの決定を不服として、同年2月27日、区長に対し異議申立てをした。そして、同年3月23日付けで、区長から中野区情報公開審査会(以下「審査会」という。)に対し、条例に基づく諮問がなされたものが本件である。
 審査会の審理において、区長は1998年5月18日付けで区政情報非公開理由説明書を提出し、1999年5月17日、審査会に対し意見陳述を行っている。
 これに対して申立人は、1999年9月6日、審査会に対し口頭意見陳述を行っている。
 

申立人の主張

当審査会は1999年9月6日申立人より事情聴取を行った。その結果の要旨は次のとおりである。
 異議申立てをした理由は、選任の方法について感情的に釈然としないことと、個人情報の非公開基準に該当しているとの判断について疑問があったためである。
 感情的に釈然としないことの理由は、中野区都市計画マスタープラン区民協議会の区民委員(以下「区民協議会委員」という。)の選任は、地域センターごとの地域協議会委員として参加して来た委員の中から、各地域センターごとに1名を地域協議会委員の互選等の方法によって選ぶと思っていたが、沼袋地域センターの区民協議会委員については、区が一方的に選任したのに、いつまでもだれが委員になったかを発表しないでいたのは、地域協議会委員として参加した人に礼を欠いていると考えたからである。
 それと、区民協議会委員がどのような職業の人達によって、どのような世代で、どのような地域で、どのような環境の人達によって構成されているかを知ることは、今まで地域協議会委員として参加して来た人には知る権利があるし、沼袋地域センターから区民協議会委員に選ばれた人に整合性があるかを知りたかったからである。
 何が個人情報にあたるかを考えるとき、個人情報によって保護されるべき内容と、個人情報を公開しないことによって起こる区のダメージを考えることが必要であり、一般的には情報を公開することによって、区が間違った決定をすることを防ぐことになるのではないか。
 次に、個人情報について、区が非公開とした理由の中に、公開できる個人情報は「一定の合理的理由がある場合」と記載されているが、まちづくりは全区的な問題であり、まちづくりのためのマスタープランをつくる区民協議会委員は区民とのパイプ役になるべきで、区民協議会委員がどのような構成になっているかを知りたいと思うのは「一定の合理的理由がある場合」に該当すると考えたからである。
 それと、区民協議会委員はボランティアで行うのではなく、区が任命し、区の予算を使って行う協議会なので、請求した情報を公開しても個人情報を侵害することには当たらないはずである。
 また、第一回の都市計画マスタープラン区民協議会の会議で、委員の住所、電話等は公開をしないと決定したので、実施機関は公開できないと主張しているが、都市計画マスタープラン区民協議会の会議で決定したことで、委員本人から公開しないことについて同意を取ったとは言えないのではないか。
 最後に、職業に関する情報が存在しないとしているが、区が区民協議会委員を選任するときに、バランスを取って決めるべきなのに職業を収集しないで決めることは、選任の方法としてはおかしいと考えたからである。
 

実施機関の主張

当審査会は1999年5月17日実施機関より事情聴取を行った。その結果の要旨は次のとおりである。
 都市計画マスタープランは、区民参加を得ながら策定したいと考え、まちづくりに関心の高い区民15人を区民協議会委員として選任することにし、全区的なまちづくりに関心が高いと考えた地域協議会に参加している区民から、男女別、年齢構成等を考慮して選考することにした。
 地域協議会の委員からだれを推薦するかは、各地域センターにまかせ、個別に推薦をしてもらった。沼袋地域センターからは、6名の実行委員が推薦されたので、その中から一人を選任した。選任した人は、沼袋3丁目の地区計画の区域内の人でまちづくりに非常に関心の高い人だと考えている。
 情報公開請求の趣旨は、区民協議会委員の住所、年齢及び職業について公開を求めるものであるが、すでに区民協議会委員名簿は公開しているので、新たに住所、年齢を公開することは、個人が識別できる情報になってしまうので、個人情報に該当すると考えている。
 個人情報を公開するには、1.法令の定めがある場合、2.本人の同意がある場合、3.人の生命、健康又は財産に対する危険を避けるため緊急かつやむを得ない場合など、「一定の合理的理由がある場合」にかぎられているが、本件の公開請求に関する個人情報については、1.公開することについて法令に特段の定めはない。2.第一回の区民協議会で委員の住所、電話、年齢等は公開しないと決定しているので、本人の同意があるとは言えない。3.また、人の生命、健康又は財産に対する危険を避けるため緊急かつやむを得ない場合にも該当しないと考え非公開としたものである。
 最後に、職業については、情報を収集しておらず、区民協議会委員としての情報として存在していないため非公開にあたる。
 

審査会の判断

(1)区民協議会委員の選任について

 区民協議会委員は、学識経験者5人と15人の区民委員の20人で構成されている。区の構想では、区内15の地域センターから、地域協議会のメンバーの1人を区民委員として推せんしてもらうことにしていた。
 ところが、沼袋地域センターでは推せん人を1人に決定することなく、6人を区に推せんした。このため区は、その中の1人を区民委員とした。
 その選任に際して、区の手続きに問題があったとはいえない。

(2)個人情報であるか否かについて

 申立人は、区民協議会委員の住所、年齢、職業の公開を請求している。
 しかし、区民協議会委員の名簿はすでに公開されている。これに加えて、住所、年齢、職業を公開することは、特定個人が識別できる情報の公開にあたると、実施機関が判断したことは、条例上妥当である。

(3)公開すべき公益上の必要性の有無について

 「区民協議会委員は、まちづくりを考える協議会の委員であり、参加する委員は区民とのパイプ役となるべきである。例え、個人情報であっても住所、年齢、職業などを公開すべきだ。」という申立人の考え方も一応は理解できる。
 しかしながら、区民協議会委員は、中野区全体を視野に入れた、都市計画マスタープランを作成するもので、特定地域の区民の代弁者、パイプ役にとどまるものではない。
 特定地域の区民と区当局とのパイプ役的役割を担っている委員には、民生委員法による民生・児童委員がある。当然、住所、氏名は公開されている。
 しかし、本件で取り上げられている区民協議会委員と、福祉分野における民生・児童委員とでは、その役割も、性格も異なっている。
 区民協議会委員の個人情報を公開すべき公益上の必要性は、本件の場合、個人情報保護の理念を上回るものではない。
 従って、本件の個人情報を非公開にしたことは、条例上妥当である。

(4)区民協議会自身の決定について

 区に設置されている、いくつかの附属機関においては、それぞれの設置目的により、会議や会議録の公開、非公開を決めている。本件の区民協議会も、第一回の会議で住所、年齢、電話番号及び発言者の氏名は公開しない、と決定している。
 この区民協議会の決定については別の考え方もありえようが、本決定をもって条例の精神に反しているとは言いがたく、本件の場合には、区民協議会の主体性を考慮することが妥当であろう。

(5)職業の公開について

 委員選任の際に、職業を配慮すべきだという申立人の意見も理解できるが、現実には、実施機関が職業に関する情報を収集しておらず、文書不存在による非公開としたことは妥当である。

(6)行政の透明性について

 これからの地方自治行政は、区民の積極的な参加が不可欠の要件である。その意味で、区が選任する様々な区政にかかわる委員については、その情報を極力、区民に提供することが区政に対する一般区民の関心を高めるよい機会になりえよう。その選任に際しては、第三者である区民が十分に納得できるような基準、あるいは理由が明らかにされることが、区政の透明性を高める上で望ましいことである。

本件不服審査の処理経過

(1)1998年2月27日、申立人は、1998年2月10日付けの公開請求に対する区政情報非公開決定処分に不服があるとして、条例13条1項の規定に基づき、実施機関に異議申立てを行った。
(2)1998年3月23日、実施機関は、本件異議申立てにつき条例13条2項の規定に基づき、当審査会に諮問を行った。
(3)1998年4月6日、審査会は、実施機関に対して非公開理由説明書の提出を求めた。
(4)1998年5月18日、実施機関から審査会に対して非公開理由説明書が提出された。
(5)1998年5月22日、審査会は、実施機関から提出された非公開理由説明書の写しを申立人に送付し、意見書の提出を求めたが、後日、申立人から意見書は提出しないとの回答を受けた。
(6)1999年5月17日、審査会は、実施機関からの意見を聴取した。
(7)1999年9月6日、審査会は、申立人からの意見を聴取した。
(8)審査会は、本件異議申立てにつき、1998年4月6日、5月22日、6月26日、7月11日、8月14日、9月11日、10月13日、11月13日、12月11日、1999年1月25日、2月15日、3月5日、4月12日、5月17日、6月14日、7月2日、7月12日、9月6日、10月22日、11月26日、12月20日、2000年1月18日、2月7日、3月14日、4月7日、5月26日、6月23日、7月21日と審議を重ね、上記結論を得た。

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