<NAKANO街中まるごと美術館!アール・ブリュット>日常がアートになる1カ月(1)―街角編【まるっと中野】

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更新日:2026年5月14日

中野セントラルパークサウス1階ロビーに展示された前田貴さん作「キャリアカー」のウォールアート。中野セントラルパークサウス1階ロビーに展示された前田貴さん作「キャリアカー」のウォールアート

こんにちは!ナカノ観光レポーター・アート担当の「KanaNaka」です。

みなさん今年の『NAKANO街中まるごと美術館! アール・ブリュット ー人の無限の創造性を探求する2026ー』、お楽しみいただけましたか?『NAKANO街中まるごと美術館!アール・ブリュット』(以下「中野アール・ブリュット」)は、中野を代表するイベントのひとつ。毎年1月下旬から2月にかけての約一か月間、開催されています。

中野駅北口に直結した中野サンモール商店街。中野駅北口に直結した中野サンモール商店街

2026年『NAKANO街中まるごと美術館!アール・ブリュット』の街中MAP。2026年『NAKANO街中まるごと美術館!アール・ブリュット』の街中MAP

16年目となる2026年は「であうココロ、まじわるキオク。」というテーマのもと、1月24日(土曜)から2月22日(土曜)にかけて開催されました。中野駅周辺にある4つの商店街を中心に、全国から選ばれた多様なアール・ブリュット作家10名による作品の展示や専門学校とのコラボ企画、参加型のアートイベントなど、趣向を凝らした展覧会が行われました。

アール・ブリュットとは?

中野サンモール商店街で行われた『空中ギャラリー』。中野サンモール商店街で行われた『空中ギャラリー』

アール=芸術、ブリュット=生のまま。フランス語で「生の芸術」を意味するこの言葉は、専門的な美術教育を受けていない人々が独自の発想で生み出す芸術の概念として、フランスの芸術家ジャン・デュビュッフェ(1901-1985)が提唱しました。※1

日本では主に障害のある創り手による芸術作品を指し、2021年の東京パラリンピックを契機に障害者の文化芸術活動を支援する法整備※2も進み、アール・ブリュットへの注目はさらに高まっています。

中野アール・ブリュットを主催する実行委員会の一団体である愛成会※3のキュレーター・渡邉さんは、障害のある人たちにとって、コミュニケーションツールの一つでもある芸術活動は欠かせない自己表現の時間だと話します。

既存の枠にとらわれない多様な創造性がアール・ブリュットの魅力。作品を通して障害のある人の内面に触れることは、誰もが自分らしく自然に暮らせる街づくりにもつながっています。

※1 1967年にパリ装飾美術館で行われた大規模なアール・ブリュット展では、ジャン・デュビュッフェが収集した約700点のアール・ブリュット作品が展示され、アール・ブリュットが芸術における概念のひとつとして世界的に認知されるようになったといわれている。

※2 障害者による文化芸術活動の推進に関する法律(2018年6月施行)

※3 中野区を拠点とする社会福祉法人。2004年に障害の有無を問わず、だれでも参加できる地域に開かれた創作活動の場「アトリエpangaeaぱんげあ」を開設し、多様な人が豊かに暮らし、交わる地域づくりに取り組んでいる。理事長の小林瑞恵さんはアートディレクターとして、世界を代表するアール・ブリュット美術館「アール・ブリュット・コレクション」(スイス)と「ボーダレス・アートミュージアムNO-MA」(滋賀県)による共同企画展でアーティストの調査・発掘を担当(2008ー2009年)するなど、国内外で障害者の芸術活動を支援してきた。愛成会の詳細は記事の第3回で紹介する。

プレイベント『みんなのキオクを描こう!』(1月24日(土曜)に中野区役所で実施)。プレイベント『みんなのキオクを描こう!』(1月24日(土曜)に中野区役所で実施)

2026年は地域住民が参加できるプレイベントも開催。ワークショップ「まじわるキャンパス」では、参加者がそれぞれの好きなものや思い出を、一枚のキャンバスに描いていきました。

みんなの作品はアール・ブリュット作品に溶け込む形で展示された。みんなの作品はアール・ブリュット作品に溶け込む形で展示された

10作家のアール・ブリュット作品を巨大バナーで紹介。10作家のアール・ブリュット作品を巨大バナーで紹介

有田京子作「スフィンクス」の巨大バナー。奥には中野サンモール・ブロードウェイ両商店街の出入り口。中野ブロードウェイの電光掲示板には当展覧会の広告が表示された。有田京子作「スフィンクス」の巨大バナー。奥には中野サンモール・ブロードウェイ両商店街の出入り口。中野ブロードウェイの電光掲示板には当展覧会の広告が表示された

商店街を中心に始まった街中アートのロールモデル

中野ブロードウェイ商店街の『階段ギャラリー』では作品と作家の創作風景をポスターで紹介。中野ブロードウェイ商店街の『階段ギャラリー』では作品と作家の創作風景をポスターで紹介

中野アール・ブリュットが始まったのは2010年。日本におけるアール・ブリュット推進の草分け的存在・愛成会の呼びかけで、中野ブロードウェイ商店街を中心に第1回が開催されました。中野ブロードウェイ商店街振興組合理事長の青木さんは、アール・ブリュット作品を初めて見た瞬間に衝撃を受けたと振り返ります。

尾澤 佑貴作「ニッサンディーゼルサングレイト」。尾澤 佑貴作「ニッサンディーゼルサングレイト」

前田 貴さんの作品と創作風景。前田 貴さんの作品と創作風景

清水 千秋さんの作品と創作風景。清水 千秋さんの作品と創作風景

商店街は多様な人々が行きかう開かれた場所。こうした場での展示はアートの可能性を広げ、地域活性化にもつながります。愛成会の呼びかけは青木さんを通じて中野サンモール商店街と中野駅前南口商店街へと広がり、「街」「文化芸術」「福祉」が三位一体となって中野アール・ブリュットの幕が開きました。

日常に溶け込むアール・ブリュット

中野南口駅前商店街の入り口と中野マルイ。中野南口駅前商店街の入り口と中野マルイ

中野南口駅前商店街『看板ギャラリー』では作品と作家の創作風景をバナーで紹介。中野南口駅前商店街『看板ギャラリー』では作品と作家の創作風景をバナーで紹介

澤田 真一さんの作品と創作風景。澤田 真一さんの作品と創作風景

プレイベント『みんなのキオクを描こう!』(1月24日(土曜)に中野区役所で実施)。プレイベント『みんなのキオクを描こう!』(1月24日(土曜)に中野区役所で実施)

みんなの作品はアール・ブリュット作品に溶け込む形で展示された。みんなの作品はアール・ブリュット作品に溶け込む形で展示された

中野南口駅前商店街『看板ギャラリー』。中野南口駅前商店街『看板ギャラリー』

2020年より始まった中野レンガ坂商店会※4「坂道ギャラリー」では、作品と作家のポートレートを紹介。2020年より始まった中野レンガ坂商店会※4「坂道ギャラリー」では、作品と作家のポートレートを紹介

※4中野駅南口から徒歩1分。レンガ敷きの趣ある坂道に約30ー40軒の個性的な飲食店が隠れ家のように軒を連ね、夜はイルミネーションで幻想的にライトアップされる人気スポット。

嶋津 仁さんのポートレートと作品。嶋津 仁さんのポートレートと作品

有田 京子さんのポートレートと作品。有田 京子さんのポートレートと作品

岡本 智美さんのポートレートと作品。岡本 智美さんのポートレートと作品

西岡 弘治さんのポートレートと作品。西岡 弘治さんのポートレートと作品

阿山 隆之さんのポートレートと作品。阿山 隆之さんのポートレートと作品

買い物の合間に、ちょっと寄り道

中野マルイ『隠れ家ギャラリー』。中野マルイ『隠れ家ギャラリー』

中野マルイ2階の小展示スペースでも2020年より展示が始まった。中野マルイ2階の小展示スペースでも2020年より展示が始まった

アートはいろんなジャンルとつながることができる

西武信用金庫 本店では澤田 真一(さわだ しんいち・1982年滋賀県出身)の作品を展示。西武信用金庫 本店では澤田 真一(さわだ しんいち・1982年滋賀県出身)の作品を展示

澤田 真一作「無題」。澤田 真一作「無題」

澤田さんの作品は、鬼や龍、招き猫など多彩なモチーフの全身を緻密なトゲで覆った陶芸作品。整然と並ぶトゲの凛とした品格とどこか柔らかな表情が共存し、縄文土器を思わせる独自の世界観を持ちます。施設に通い始めた2000年頃から陶芸を始め、仲間の作品に影響を受けながら独自のスタイルへと進化。2010年頃に現在のトゲのスタイルが確立されました。その唯一無二の表現は国際的にも高く評価され、2013年のヴェネチア・ビエンナーレをはじめ、フランスの美術館や東京藝術大学の美術館など、国内外の主要な展覧会に出展しています。(紹介文キャプションより抜粋)

三井住友信託銀行 中野支店では年間を通じてアール・ブリュット作品が展示されている。三井住友信託銀行 中野支店では年間を通じてアール・ブリュット作品が展示されている

辻 勇二(つじ ゆうじ・1977年愛知県出身)作「心でのぞいた僕の街」(2016年)。辻 勇二(つじ ゆうじ・1977年愛知県出身)作「心でのぞいた僕の街」(2016年)

辻さんの作品は、紙に描かれたモノクロームの俯瞰図です。高所から街並みを眺めることが好きで、眼でスキャンするように風景を頭に記憶していきます。とりわけ好きな日本家屋の瓦屋根はじっくりと眺めるそうで、実在の街と空想を織り交ぜながら、別世界の新しい街を紙面に再創造しているかのよう。作品に人が現れないのも特徴ですが、車や船の往来が人の気配を漂わせ、街の喧騒が聴こえてくるかのようです。中学生の頃から創作を始め、手書きの質感からは太陽の温もりが感じられます。(紹介文キャプションより抜粋)

アール・ブリュット作品を見てみよう!

ポールに掲げられたお知らせフラッグ

次回「作品編」では、なかのZERO本館で行われた8名のアール・ブリュット作家による作品展をご紹介します。素材も技法も個性もまったく異なる作家たちの世界ーーどうぞお楽しみに!

NAKANO街中まるごと美術館!

お問い合わせ先:NAKANO街中まるごと美術館実行委員会 事務局

社会福祉法人愛成会 法人事務局 共創推進

住所:〒164-0001 東京都中野区中野5-26-18

TEL:03-5942-7259(平日9時00分~17時00分)

FAX:03-5942-7252

メール:kikaku@aisei.or.jp

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令和7年度中野区地域連携型商店街事業

主催:NAKANO街中まるごと美術館実行委員会

主要団体:中野ブロードウェイ商店街振興組合/中野サンモール商店街振興組合/中野駅前南口町会/社会福祉法人愛成会(実行委員会事務局)

協力団体:中野南口駅前商店街/中野レンガ坂商店会

協賛:中野区

協力:中野マルイ/学校法人織田学園/もみじ山共栄千光会/三井住友信託銀行中野支店/西武信用金庫本店/東京建物株式会社/中野セントラルパーク/株式会社YELLOW/ザワメキサポートセンター(長野県障がい者芸術文化活動支援センター)/社会福祉法人京都障害者福祉センター京都/ふしみ学園アトリエやっほう !! /社会福祉法人みぬま福祉会 工房集/社会福祉法人やまなみ会 やまなみ工房/特定非営利活動法人コーナス アトリエコーナス/特定非営利活動法人木馬工房/特定非営利活動法人結の会

後援:中野区商店街連合会/社会福祉法人テレビ朝日福祉文化事業団

お問い合わせ

このページは区民部 文化振興・多文化共生推進課が担当しています。

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