【まるっと中野】中野から世界へ、ウェブ漫画の可能性を広げる現場。「原作工房 TMS-Lab」

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更新日:2024年2月20日

こんにちは。ナカノ観光レポーターの「カミヤママドカ」です。

「ウェブ漫画」、「ウェブトゥーン」という言葉を耳にしたことはあるだろうか?
ウェブ漫画とはウェブサイトで公開されている漫画のことであり、その一種がウェブトゥーンと呼ばれている。スマートフォンでの閲覧に適した縦読み形式で、フルカラーであることが特徴。近年では漫画アプリなどで、日本式の横読み作品もそのような特徴を取り入れて掲載されるようになってきている。

ウェブトゥーンは韓国発だが、日本国内でも制作スタジオの立ち上げが活発になっている。
中野にも世界に広がるウェブ漫画を生み出している現場がある。今回は、アニメ会社のトムス・エンタテインメントが運営するレーベル「原作工房 TMS-Lab(トムスラボ)」編集長の小澤繁夫さんにお話を伺うことにした。

外観

原作工房 TMS-Labが始まったきっかけ

「実はテレビや映像配信サービスでリリースされているアニメーションは、出版社から原作を有料で借りてきて制作されたものが多いんです。そこからもう一歩発展させて、自社でIP(知的財産=オリジナルコンテンツ)を生んで育てて、ということを考えていかないと、原作の取り合いがずっと続いていき、業界全体がどんどん疲弊していってしまいます。そういった問題意識から『原作を生んで、育てていく』、原作工房 TMS-Labがプロジェクトとして始動しました」

受け手とキャッチボールしながら作品を作っていく

「作品を作っていくにあたって、出版業界がやっていたキャッチボールのシステムを上手に使えないかなと思いました。まずは主要な配信プラットフォームで取り扱ってもらい、作品を読んだユーザーとキャッチボールできる仕組みにしようと思いました。そうすることで、ユーザーの声を直接聞きながら、作品を構築していくことが出来ますよね。キャッチボールってある一定のテンポでやっていかないと成り立たないので、作品ごとのポテンシャルを考えながら積極的に取り組んでいます」

看板

デジタルコンテンツの可能性

「作品を通じてユーザーとキャッチボール出来る場所を作ろうと、プロジェクトがスタートして最初にYouTubeチャンネルを立ち上げました。その後順調に伸びていき、チャンネル登録者が50万人を突破したんです。次のステップとして、TMS-Labで作った漫画の第一話と第二話は、必ず、モーションコミックとして声をつけてYouTubeチャンネルにアップするようにしました。海外の人にも見てもらえるように英語字幕もつけています。同時にウェブ漫画のストアも開きました。今後もさらにフィールドを広げる予定です。各話ごとに配信している作品を、単行本として出せるような仕掛けも考えています」

世界に広がるコンテンツを中野三丁目から発信

「アニメーションの会社だからこそ、漫画として作った作品がアニメに直結する土台があることはアドバンテージです。だからこそ、ここで生んで作っていったものを育てていく環境が大切です。今後、ウェブトゥーンなどグローバルな展開ももちろん考えています。しかし、横読みでモノクロなウェブ漫画と、縦読みでカラーなウェブトゥーンでは、それこそカルチャーや文脈が異なります。日本の漫画を伝えるウェブ漫画、グローバル向けのウェブトゥーン、両方の良さに目を向けていくことが、世界的なヒットに繋がるきっかけになります。実はアニメとウェブトゥーンは、制作環境から親和性が高いです。モーションコミックの見せ方も、ユーザーとキャッチボールしながらブラッシュアップして、仕組み自体を育てながら丁寧に作っています。作家さんも含めて可愛い子どもたちみたいなものです」

会社内

ウェブ漫画だけでなく、小説や編集にも可能性を広げる

「TMS-LabのTMSは『テーマ、メッセージ、ストーリー』の略です。これらを作るクリエーターは歓迎ということに繋がります。それは、企画を作る人も、物語を作る人も、絵を描く人もです。これから面白いものを作れるようなクリエーターたちを見つけていくこと。それが漫画であっても小説であっても、作品に合った場所でコンテンツを配信してブランディングしていくこと。企画の種をまずは受け止めてから、育てるようにすること。つまり、『絶対、漫画じゃなきゃダメ』とはこだわらないということです。しっかりと編集者を育てていくことも大切です。 編集側のクリエイティビティが上がることで、課題点が解消されていきますから」

継続性があるものを育てるために環境を作ること

「環境から作らないと、新しい仕組みも、永続的な仕組みも生まれないと思います。中野の片隅で少しでもできることをやろうかなと。僕の中ではフェーズがあって、まず「食べてくれる人(=消費者)」とキャッチボール出来るインフラを作ること。その次に、作家持ち込みの作品だけでなく、原作から企画を作っている作品をどんどん増やしていくこと。そして作家とのコラボレーション。正直な話、漫画家が何もかも考えて作っていると思われがちですが、作家にすべてを任せることには限界があります。育てることを丁寧にやっていく環境がないと、ほとんどの子ども(作品や作家)は育っていかないです。ワンパターンではなくて、子どもによって育て方が異なります。それを枠組みがある中でも、まだまだ上手く出来ることもあるのではないかなと思います」

「テーマ、メッセージ、ストーリー」から始まること

「『キャラクターのIPを作りたい』とデザインルームをまず作る会社は多いですが、そこから先に発展していくことが難しい場合も同じように多々あります。結局、『テーマ、メッセージ、ストーリー』とセットで、『誰にどうやって届けたいのか?』を企画から作っていかないと、アートとしては成立しても、作って終わりになってしまい、そこから先の広がりが見えにくいと思います。しっかりと生まれるところからコンセプトを持って作っていけば、もっと違っていくのかもしれませんね」

中野の地域に密着することから可能性は生まれる

「中野にはたくさんクリエーターがいるからこそ、コンテンツにしていく、エンタメとして育てていくということをちゃんと考えながら、ゼロから企画してクリエイティブから一緒にやっていくことが重要です。中野を舞台にしたご当地漫画を中野のクリエーターを集めて作るとかも面白いかもしれません。地域に密着した形で、中野区自体がそういった動きをプッシュしていくような座組が作れたら、もっと面白くなりそうですね。それこそ、中野区役所を舞台にした『中野区役所の日常』みたいなストーリーも良いですね。いわゆる、外側からご当地ものを作るのではなく、別の作り方でなにかしら作っていければ、中野が持つ面白さをしっかりと発信していくような、楽しいことが出来るかもしれません」

「子どもを育てていく」という言葉に込められた小澤さんの温かい人柄だけでなく、原作工房TMS-Labに対する信念と思いがとても伝わった。ウェブ漫画だけでなく、中野から色々な世界が広がっていきそうだ。

ちびナカノさん

原作工房 TMS-Lab

公式ホームページ
新規ウインドウで開きます。https://tms-lab.jp/(外部サイト)

お問い合わせ

このページは区民部 文化振興・多文化共生推進課が担当しています。

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