細菌性食中毒を防ぎましょう
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更新日:2024年7月11日
食品を食べたり飲んだりすることにより、下痢、おう吐などの健康被害を起こすことを食中毒といい、このうち細菌が原因となる食中毒が細菌性食中毒です。都内では年間約100件の食中毒が発生していますが、細菌性食中毒は食中毒全体の約半数を占めています。
都内における細菌性食中毒の発生件数
細菌性食中毒とは?
- 食べ物の中で増えた食中毒菌や食中毒菌が作った毒素を食べることなどで起こります。
- 食中毒菌が食べ物の中で増えていても、味も臭いも変わりません。
- 主な症状は、胃腸炎症状(下痢、腹痛、おう吐など)ですが、発熱やけん怠感など風邪のような症状の時もあります。
主な食中毒菌
カンピロバクター
特徴
カンピロバクターは主にウシ、ブタ、ヒツジ、ニワトリ、イヌ、ネコ、ハトなどの動物の消化管内にいます。 酸素が少しある環境を好み、酸素が十分にある大気中や、逆に酸素が全くない環境では増殖できません。比較的少量の菌量(100個前後)で発症します。
潜伏期間と症状
潜伏時間は、2~7日(平均2~3日)で長いのが特徴です。主な症状は腹痛、下痢や発熱(38℃以下)です。発熱、倦怠感、頭痛などから吐き気、腹痛、下痢と症状が進みます。 また最近では手足のまひや呼吸困難などの症状がでるギランバレー症候群との関連性も指摘されています。
原因食品
鶏さし、ユッケ、レバ刺しなど生で肉を食べたり、焼肉などでの肉の加熱不足が原因になります。特に鶏肉にはカンピロバクターが多く付着しています。
腸管出血性大腸菌
特徴
一般の大腸菌は人や動物の腸の中や自然界に存在し、健康に危害を及ぼすことはありません。しかし、いくつかの大腸菌は人に対して病原性をもっています。 その中で毒素を産生し、出血を伴う腸炎などを引き起こす大腸菌を腸管出血性大腸菌といいます。腸管出血性大腸菌はウシなどの動物や人の消化管内や土壌にいることがあります。感染力が非常に強く、少ない菌量(100個程度)で発症します。
潜伏期間と症状
潜伏時間は、1~14日(平均3~5日)です。主な症状は激しい腹痛と激しい血性下痢です。このほかにも吐き気、おう吐、風邪に類似した悪寒や上気道症状を示すこともあります。症状ですが、重症なものから軽症あるいは無症状で終わるものと様々です。重症な場合は溶血性尿毒症(HUS)や、脳障害を起こすことがあります。HUSになると赤血球の破壊による、溶血性貧血、血小板の減少及び急性腎不全などの症状になり、最悪の場合死亡します。
原因食品
レバ刺しやユッケなど肉を生で食べたり、焼肉などでの肉の加熱不足が原因になります。他にもサラダや浅づけ、井戸水が原因となることがあります。またトイレやお風呂、衛生管理が不十分なプールなどで人から人へ感染することがあります。
サルモネラ
特徴
サルモネラは自然界に広く存在しており、哺乳類、鳥類、は虫類、両性類などの動物や河川、下水から見つかっています。低温、乾燥に強い菌です。発症には多くの菌量(10万個程度)が必要と言われていましたが、最近では、少しの菌量(数十個)で発症することが分かってきました。
潜伏期間と症状
潜伏時間は、8~72時間(平均12時間)です。 主な症状は 腹痛、水様性の下痢、発熱(38℃から40℃)です。このほかに、おう吐、頭痛、脱力感やけん怠感を示すこともあります。
原因食品
卵や肉(特に鶏肉)を十分加熱しない状態で食べたり、うなぎやスッポン等が原因となります。また、ペットを介して食品が汚染され、感染する場合もあります。
食中毒予防の3原則
細菌をつけない
食中毒予防の基本は手を洗うことです。食中毒菌は、私たちの周りのあらゆるところに存在しています。
調理の前や、肉や魚などの生ものを触った後、トイレの後には必ず石けんを使って手を洗いましょう。
消毒効果のあるものを使えばより効果があります。簡単なことですが効果的な方法です。
細菌をふやさない
特に梅雨時や夏は細菌の増えるスピードが速くなります。
生鮮食品を買ったら室温に放置せず、すぐに冷蔵庫や冷凍庫に保管しましょう。
冷蔵庫は詰めすぎると冷気の流れが悪くなり、冷えにくくなるので注意が必要です。庫内の容量は7割程度にしましょう。
また、できた料理は早めに食べるよう心がけて下さい。
ただし、O157やカンピロバクターのように少量の菌で発症するものもあり、増えないからといって安心はできません。
細菌をやっつける
食中毒を起こす細菌のほとんどは熱に弱いため、加熱できる食品は中心まで十分に熱を通しましょう。
食器やまな板などの調理器具は汚れを落とした後、熱湯や漂白剤で消毒すると安心です。
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