危険な「カンピロバクター食中毒」!加熱不十分な生肉(鶏さし、鶏わさ、鶏レバー等)は食べないで!

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更新日:2024年8月27日

飲食店において、鶏肉のさしみや鶏わさ、鶏レバーを提供しているお店が増えています。加熱不十分の鶏肉を食べると、カンピロバクターによる食中毒になる可能性があります。肉、レバーの中までしっかり火が通ったものを食べましょう!
また、その他気を付けるべき食中毒菌やウイルスについての情報や、テイクアウトや配達で食品を提供する際の注意点についてまとめました。

カンピロバクター食中毒について

現状

令和5年は東京都で食中毒が137件発生しています。このうち、29件がカンピロバクターによるものでした。

 

主な発生原因

生の鶏肉や、加熱不十分の鶏肉料理(鶏肉のさしみ、鶏わさ、鶏レバー)などが多いです。
また、焼肉、バーベキューなどでの肉の加熱不足によるものもあります。
そのほか、生の鶏肉を触った手指や生の鶏肉を扱った包丁やまな板から、他の食品にカンピロバクターがつく二次汚染による食中毒も発生しています。

特徴

家畜等の消化管によくいる常在菌で、特に「鶏」の保菌率が高く、食肉処理後の市販の鶏肉は高率でカンピロバクターに汚染されています。
また、数百個の菌数で食中毒が発生する非常に感染力の強い菌であり、新鮮な生肉ほど増殖しやすくなります。「新鮮な肉だから安全安心」は間違いです。

症状

症状としては下痢、腹痛、発熱、また症状が治まった後、難病のギランバレー症候群を発症することがあります。(ギランバレー症候群とは呼吸困難や、手足にしびれ、顔面麻痺、歩行困難などの神経症状のことを言います。)
この菌はお腹の中で増えることで発症する菌であるため、症状が出るまでに時間がかかります。2-7日後に症状が現れます。
症状が現れた場合、速やかに医療機関を受診するようにしてください。子供や高齢者の場合、症状が重症化しやすく注意が必要です。

予防方法

生肉の取扱いについて

・肉やレバーは中まで十分に加熱しましょう。(中心部が75℃に到達してから一分以上)
・生の鶏肉料理は食べるのを避けましょう。また、簡単に表面のみ火を通した肉は生肉であると認識し、食べないようにしましょう。「新鮮だから生でも大丈夫」は間違いです!
・生肉を触ったあとは必ず石鹸を使って丁寧に手洗いを行いましょう。
・使用したまな板、包丁は洗剤で洗った後、熱湯や消毒剤を用いてきちんと消毒しましょう。
・まな板や包丁などの調理器具は生肉用と他の食品用でしっかり使い分けましょう。

未加熱の食肉を飲食店等で提供する場合(飲食店でお客さんとのコミュニケーション例)

お客様が自ら生肉を調理する場合(焼肉、鍋物等)

(肉の加熱について)
・「中まで十分に加熱して肉の色が完全に変わったことを確認してから喫食してください」
(生肉からの二次汚染について)
・「生肉を扱う際は生肉専用のトングを必ず使用してください」
・「肉の付け合わせの野菜は十分加熱して喫食してください」

メニューにない生肉料理(鳥刺し等)を注文された場合

・「当店では肉の鮮度に自信を持っていますが、新鮮な肉でも食中毒菌が付着しているようです。
 お客様の健康をお守りするために、当店では肉を生や半生でお出ししておりません。」
(お客様の中に子供や高齢者がいる場合)
・「お子様やご高齢の方の中には、生や半生の肉を喫食したことで重症の食中毒になられる方がいらっしゃいます。肉は十分に加熱してください。」

その他気を付けるべき食中毒菌・ウイルスについて

黄色ブドウ球菌

黄色ブドウ球菌による食中毒について
特徴 ・人の皮膚や粘膜などに存在しています。
・食品中で増殖する際に、熱に強い毒素(エンテロトキシン)を産出します。
毒素は100℃30分の加熱でも分解されません。
主な原因食品 おにぎり、寿司、弁当、生菓子、乳製品など
症状 平均3時間でおう吐、吐き気、下痢
予防法

・手指の手洗い、消毒を行いましょう。
・手指に手荒れや切り傷がある人は食品に直接触れたり、調理をしないようにしましょう。
・調理後の食品は低温で保存するようにしましょう。
・調理の際には、帽子、マスクをつけましょう。

ウエルシュ菌

ウエルシュ菌による食中毒について
特徴 ・人や動物の腸管内に存在しています。
・熱に強い芽胞を作ります。芽胞は加熱しても生き残ります。
・飲食店や仕出し弁当屋、旅館や給食施設などで多く発生する傾向があります。
主な原因食品 カレーやシチュー、煮物など。
前日に大量に調理され、室温で放冷されていた食品で発生しやすくなります。
症状 平均10時間で下痢や腹痛
予防法 ・前日調理は避け、加熱調理したものは早く提供しましょう。
・大量の食品を調理した時には室温で放置せず小分けして急速に冷却・冷蔵しましょう。

セレウス菌

セレウス菌による食中毒について
特徴 ・土壌に多く存在しています。
・おう吐型と、下痢型に分類されます。
・熱に強い芽胞を産出します。
主な原因食品

おう吐型:チャーハン、ピラフ、スパゲッティなど
下痢型:食肉、野菜、弁当、プリンなど 

症状 おう吐型:30分~6時間で吐き気、おう吐、腹痛
下痢型:8~16時間で腹痛、下痢
予防法 ・一度に大量の米飯や麺類を作り置きしないようにしましょう。
・加熱調理したものは早く提供しましょう。
・大量の食品を調理した時には室温で放置せず小分けして急速に冷却・冷蔵しましょう。

腸管出血性大腸菌

腸管出血性大腸菌による食中毒について
特徴 ・動物の腸管に分布しています。
・少量の菌数(100個程度)でも発症します。
・ベロ毒素を産出します。
主な原因食品 肉(主に牛肉)、生野菜、井戸水など汚染された水
症状 4~8日で激しい腹痛、血便
小児や高齢者はまれに溶血性尿毒症症候群(HUS)を引き起こし、死亡することがあります。
予防法 ・生肉は中心部までしっかり加熱をしましょう。(中心部75℃、1分以上)
・生肉を扱う調理器具は専用のものを使用しましょう。
・生野菜はよく洗い、必要に応じて消毒しましょう。
・生肉を扱った手はその都度洗浄しましょう。
・調理器具は洗浄と殺菌を行いましょう。

ノロウイルス

ノロウイルスによる食中毒について
特徴

・感染しても症状が軽い場合や、まったく症状が出ない場合(不顕性感染)がある。
・少量のウイルスでも発症します。
・原因の大半がノロウイルスに感染した調理従事者から食品にウイルスが移ることで発生している。

主な原因食品 感染した人が汚染した食品、二枚貝(カキなど)
症状 24時間~48時間で吐き気・おう吐・下痢
予防法 ・トイレの後、調理の前は必ず手を洗いましょう。(二度洗いをしましょう。)
・体調がすぐれない時には調理を控えましょう。
・食品は中心部までしっかり加熱しましょう。
・生野菜はよく洗い、必要に応じて消毒しましょう。
・調理器具は洗浄と殺菌を行いましょう。

食品のテイクアウトについて

テイクアウトや配達で提供される食品は店内で提供される食品と比較して喫食までの時間が長くなること、特に夏季は気温や湿度が高くなることから食中毒のリスクが増えます。正しい衛生管理のもと、安心安全な食品を提供しましょう。

お問い合わせ

このページは健康福祉部 生活衛生課(中野区保健所)が担当しています。

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