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最終更新日 2017年8月16日
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自然毒による食中毒

自然界に生息している植物や動物には、有毒成分を持つものがあります。
この有毒成分のことを自然毒といい、植物や動物が本来持っている有毒成分と、食物連鎖をとおして取り込まれたものがあります。
自然毒を含む食品を誤って食べることで、食中毒が起こることがあります。
自然毒を含む食品による食中毒は、致死率の高いものがあるので、注意が必要です。
ここでは、植物性自然毒である有毒植物毒キノコ動物性自然毒であるフグ毒有毒魚貝毒、そして、カビ毒を紹介します。

植物性自然毒

植物性食中毒の原因には、有毒植物毒キノコがあります。平成28年の全国で起きた植物性自然毒による食中毒の発生件数は77件で、患者数は229名、死者数は4名でした。

平成28年の全国で起きた植物性自然毒による食中毒の発生状況

有毒植物

山菜採りなどで誤って有毒な野草を採取して食べたことにより、食中毒が発生しています。
また、庭や公園などの身近な場所にも有毒植物があり、知らずに食べて食中毒を起こした事例もあります。
イヌサフランやトリカブトなどの有毒植物の誤食による死亡事例や販売事例も報告されています。
食用と確実に判断できない植物は、採らない食べない売らない人にあげないようお願いします。

イヌサフラン

  • 中毒症状
    おう吐、下痢、皮膚の知覚減退、呼吸困難など。
    重症の場合は、死に至ることもあります。
  • 間違えやすい植物
    葉は、ギョウジャニンニク、ギボウシと似ています。
    球根は、ジャガイモ、タマネギなどに似ています。

クワズイモ

  • 中毒症状
    食後すぐに悪心、おう吐、下痢、麻痺、皮膚炎など。
  • 間違えやすい植物
    葉や葉柄が、サトイモに似ています。

スイセン

  • 中毒症状
    食後30分以内で、悪心、おう吐、下痢、昏睡など。
  • 間違えやすい植物
    葉は、ニラ、ノビルに似ています。ニラとの区別は、臭いを嗅ぐと分かります。
    鱗茎は、タマネギに似ています。
    ニラとスイセンは、近くに植えないようにしましょう。

ニラとスイセンの葉と断面の比較図
切断面を比較すると、ニラは平べったい楕円形、スイセンはブーメランのような形をしています。

トリカブト

  • 中毒症状
    食後10分から20分以内で、口唇、舌、手足のしびれ、おう吐、腹痛、下痢、不整脈、血圧低下、けいれんなど。
    呼吸不全となり、死に至ることもあります。
  • 間違えやすい植物
    葉が、ニリンソウ、モミジガサなどに似ています。

ジャガイモ

食用となっていますが、食べ方を間違えると食中毒になることがあります。
親芋で発芽しなかったジャガイモや、光に当たって薄い黄緑色や緑色になったジャガイモの表面、ジャガイモの芽や付け根に、有毒成分であるソラニンやチャコニンが含まれていることがあります。
黄緑色や緑色になったジャガイモは、食べるのをやめましょう
また、ジャガイモを食べた時、苦味やえぐ味を感じたら食べるのをやめてください

  • 中毒症状
    食後およそ30分から半日後、おう吐、下痢、腹痛、めまい、動悸など。
    重症の場合は、死に至ることもあります。
  • 学校菜園や家庭菜園で収穫したものによる食中毒が多く報告されています。

体調に異常を感じたら、すぐに医師の診察を受けてください。

ジャカイモ

毒キノコ

毎年、毒キノコを原因とする食中毒が発生しています。
食用のキノコと確実に判断できないキノコは、採らない食べない売らない人にあげないようお願いします。

カエンタケ

カエンタケは、触るだけでも炎症を起こし、食べると死亡することもあります。

  • 中毒症状
    食後30分から、発熱、悪寒、おう吐、下痢、腹痛、手足のしびれなど。
    2日後に、消化器不全、小脳萎縮による運動障害などの脳神経障害により、死に至ることもあります。
  • 間違えやすいキノコ
    ベニナギナタタケに似ています。

カエンタケ

クサウラベニタケ

  • 中毒症状
    食後20分から1時間程度でおう吐、下痢、腹痛など。
    唾液の分泌、瞳孔の収縮、発汗などの症状も現れる。
  • 間違えやすいキノコ
    ウラベニホテイシメジ、ホンシメジ、ハタケシメジに似ています。

ツキヨタケ

  • 中毒症状
    食後30分から1時間程度でおう吐、下痢、腹痛など。
  • 間違えやすいキノコ
    ヒラタケ、ムキタケ、シイタケに似ています。

ニガクリタケ

  • 中毒症状
    食後3時間程度で強い腹痛、激しいおう吐、下痢、悪寒など。
    重症の場合は、脱水症状、けいれんなどを起こします。
  • 間違えやすいキノコ
    ナメコ、クリタケ、ナラタケ、ナラタケモドキに似ています。

キノコの見分け方のウソ

野生のキノコが食べられるかを見分ける方法には多くの迷信があります。

  1. 柄が縦に裂けるキノコは食べられる
    多くのキノコは、縦に裂けます。毒キノコの柄も縦にさけます。
  2. 地味な色をしたキノコは食べられる
    色での判断はできません。
    毒キノコの食中毒の発生が多いクサウラベニタケ、ツキヨタケ、カキシメジなどは、地味な色で美味しそうに見えますが、有毒です。一方、タマゴタケのように色が鮮やかでも食べられるキノコもあります。
  3. 虫が食べているキノコは食べられる
    虫は、毒キノコでも食べます。
  4. ナスと一緒に料理すれば食べられる
    科学的な根拠は、ありません。ナスと一緒に料理して食中毒を起こした事例は数多くあります。
  5. 干して乾燥すれば食べられる
    乾燥しても、毒成分は分解されません。
  6. 塩漬にし、水洗いすると食べられる
    ほとんどの毒キノコでは、効果はありません。
  7. カサの裏がスポンジ状(イグチ類)のキノコは食べられる
    ドクヤマドリなどの毒キノコが見つかっています。


他にも、いろいろな見分け方に関する迷信がありますが、これを信じて毒キノコを食べてしまうと食中毒を起こしてしまいます。
野生のキノコは安易に食べないようにしましょう。
キノコは発生時期、発生場所などで形態が異なることも多いので、図鑑の写真や絵にあてはめ自分で鑑定するのはやめましょう。
また、食用のキノコでも、生の状態で食べたり、一度に大量に食べると食中毒になるものがあるので注意してください。
万が一、食べた後に異常を感じた時は、すぐに医師の診察を受けてください。

動物性自然毒

動物性食中毒の原因には、フグ毒有毒魚貝毒があります。

フグ毒

ふぐには、猛毒のフグ毒(テトロドトキシン)を持つものがあります。
フグ毒はよく知られていますが、全国的にフグ毒による食中毒が発生しています。
ふぐは、有毒部分を除去することにより食用にできる種類もありますが、ふぐの種類の鑑別や除毒方法は、専門的な知識と技術が必要です。
自分で釣ったふぐを調理して食べたことによる重症事例や死亡事例が発生していますので、家庭で除毒処理していないふぐを調理して食べることは絶対にやめてください

  • 中毒症状
    食後20分から3時間程度で、しびれや麻痺症状など。
    重症の場合、呼吸困難で死に至ることもあります。
  • 特徴
    フグ毒は、毒性が非常に強く、通常の調理に使う程度の加熱(300℃未満)では無毒化しません。
    フグ毒の強さは、青酸カリの1,000倍以上ともいわれています。


東京都では、ふぐ料理を出す店に、「ふぐ取扱所認証書」(ふぐ調理師がいる店)又は「ふぐ加工製品取扱届出済票」(除毒済のふぐ加工製品を調理する店)が掲示されています。(新しいウィンドウで開きます。)

万が一、食べた後に異常を感じた時は、直ちに救急車を呼んで、医師の診察を受けてください。
救急車を呼んでいる間は、人工呼吸の措置を行ってください。

フグ 

有毒魚

魚介類の中には、有毒な物質を含有し、食べると健康被害をもたらすものがいます。
食用と確実に判断できない魚は、絶対に食べない売らない人にあげないようお願いします。

シガテラ毒

シガテラ毒は、熱帯及び亜熱帯海域の、主としてサンゴ礁海域に生息する魚類に含まれています。
シガテラ毒の毒素をつくるのは、有毒魚のエサとなるプランクトンです。
このプランクトンが付着した海藻を食べることで、その筋肉や内臓にシガテラ毒が蓄積されます。
これらの毒が大量に蓄積された魚を人が食べるとシガテラ中毒を起こします。

  • 中毒症状
    食後2時間から30時間程度で、下痢、吐き気、おう吐、関節痛、倦怠感など。
    また、水に触れるとドライアイスに触れたときのような「ビリリ」とした痛みや刺激を感じる、ドライアイスセンセーションを起こします。
    重症の場合、全般的な筋肉運動調節異常、麻痺、けいれんがひどくなり、昏睡、最後は死に至ります。
    重症になると、数か月から1年以上症状が長期間続くことがあります。
  • 特徴
    シガテラ毒は、加熱や冷凍により壊れません
    また、シガテラ毒に、魚の鮮度は関係ありません。
  • 含有有毒魚
    バラハタ、大型のイシガキダイ、イッテンフエダイ、バラフエダイなど。

ビタミンA

ビタミンAは人間にとって不可欠な栄養素ですが、脂溶性のため排泄されにくく、過剰摂取により健康被害をもたらす場合があります。

  • 中毒症状
    食後30分から12時間で、激しい頭痛、おう吐、発熱、顔面のむくみなど。
    約1か月にわたり、手足などの皮がむける特異な症状を現すこともあります。
    回復には20日から30日を要します。
  • 含有魚介類
    イシナギの肝臓(1960年に食用禁止とされています)
    イシナギの肉は、食べられます

パリトキシン・パリトキシン様毒

1953年から2016年にかけて、パリトキシン・パリトキシン様毒により、少なくとも44件食中毒が発生しています。
患者総数は129名で、そのうち8名が亡くなっています。

  • 中毒症状
    食後おおむね12時間から24時間で、激しい筋肉痛、呼吸困難、歩行困難、胸部の圧迫感、麻痺、けいれんなど。
    回復には数日から数週間かかる。
  • 含有有毒魚
    アオブダイ、ハコフグ、ソウシハギ、ウミスズメなど。

ワックスエステル(異常脂質)

アブラソコムツ、バラムツ、オオメマトウダイなどの魚は、筋肉中に大量のワックス(ロウ)を含んでいます。
このワックスを大量に食べると消化できないため、食中毒を起こします。

  • 中毒症状
    食後18時間から56時間で、腹痛や下痢、皮脂漏症など。
    下痢便は特有の悪臭があり、ひどい場合には脱水症状を起こすこともあります。
  • 含有有毒魚
    アブラソコムツ、バラムツ、オオメマトウダイなど。 

貝毒

アサリやホタテなどの二枚貝は、エサのプランクトンが原因で毒をもつことがあります。
毒化した貝を食べると、麻痺や下痢などの食中毒症状を起こします。特に麻痺性貝毒はフグ毒にも匹敵するほどの強さで、重症だと死に至ることもあります。
有毒なプランクトンを食べて、毒が体内に蓄積した二枚貝を、人が食べると中毒を起こします。
毒化した貝類の見極めは、外見からはできません。また、一般的な調理加熱では毒素は分解できません。

ただし、毒化した貝は、出荷規制されて市販されることはないため、貝毒による食中毒事件はほとんど起こっていません。
潮干狩りや海水浴などで自家用に採った貝などは、出荷規制の対象外のため、注意が必要です。

麻痺性貝毒

  • 中毒症状
    食後30分程度で、軽度の麻痺が始まり、四肢に広がります。
    重症になると、言語障害、呼吸麻痺が起こり、死に至ることもあります。
  • 原因となる貝
    ホタテガイ、アカザガイ、ムラサキイガイ、アサリなど。

下痢性貝毒

  • 中毒症状
    食後30分から4時間で、下痢、吐き気、おう吐、腹痛など。
    回復は早く、通常は3日以内に回復する。
  • 原因となる貝
    ムラサキイガイ、ホタテガイ、アカザラガイ、アサリ、イガイなど。 

カビ毒

カビ毒は、カビの二次代謝産物で、人体に障害をもたらす毒性物質の総称です。食品衛生上問題となる代表的なカビ毒は、アフラトキシンです。

アフラトキシンは、発がん性が強く、世界的に農産物への汚染が広く発生しているカビ毒です。ピーナッツ及びピーナッツバターなどの加工品、トウモロコシ、ハト麦、そば粉などの穀類及びその加工品、ナツメグなど多くの食品から検出されていますが、検出されたものの大半は微量で、長い間、何度も摂取しなければ、人の健康に影響を与える心配はない量です
また、アフラトキシンは輸入食品から検出されることが多く、国産品からはほとんど検出されていません。
アフラトキシンが検出された食品は、国内に出回ることはほとんどありません。

カビ毒は熱に強いものが多く、茹でる、焼くなどの通常の調理条件では分解しません。
カビが生えた食品について、食べていいか不安な時は、食べないようにしましょう。

なお、カビの中には食品の製造に利用されている有用なカビもあります。

カビ

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