中野ミューラルプロジェクト
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更新日:2024年4月24日
区内のさまざまな場所で壁画(ミューラル)を制作し、日常の中で触れられる芸術をまちに広げます!
【目次】
〇メインテーマ
ミューラルが人と想いをつなぐ
あなたの日常とともに対話するアート
語れるアート、語り続けられるアート
だから、ずっと途中。だから、ずっと未完成。
〇サブテーマ
多様な人と人とがつながり、物語が生まれるまち
多様な価値観を尊重し合う風土がある中野のまち。都会的な出会いと、どこかほっとする空気が漂う、昔ながらの人付き合いが同居するこのまちでは、多様な人たちがつながり、日々、物語を紡いでいます。
人と人とがつながり生まれる、色彩豊かな物語を、壁に描きます。
人もまちも変化し続ける、未完成なまち
駅前の再開発が進み、大きく変わりつつある中野のまち。でも、再開発でこのまちが完成するわけではありません。まちに生きる人がいる限り、まちは呼吸を続け、歴史の積み重ねの先に新しいことが生まれ続けます。ある詩人は言いました。『永久の未完成これ完成である』と。(※)
変化し続ける中野の、未来への途上にある未完成な姿を、壁に描きます。
※宮沢賢治『農民芸術概論綱要』より
中野区が基本構想で目指す「人と人とがつながり、新たな活力が生み出されるまち」を実現するためには、遊び心あふれる文化芸術により、まち全体ににぎわいがあふれていることが重要です。このことから、区は、多くの人が地域への親しみを感じるモチーフを壁画(ミューラル)として描く「中野ミューラルプロジェクト」を立ち上げ、区内に日常かつ身近に感じる文化芸術を広げていくこととしました。
なお、本事業は、信金中央金庫(中央区八重洲1-3-7)による、地域創生の取組みへの寄附事業「SCBふるさと応援団」の募集に対し、「中野ミューラルプロジェクト」について応募したところ、寄附対象事業として1,000万円の寄附を受けられたことから、2022年度から2023年度の2カ年にかけて、本事業に係る費用を予算化して実施するものです。
プロジェクトの実施にあたり、全体的な方向性を定めるため、学識経験者等からなる「中野ミューラルプロジェクト プロジェクト推進プラン 検討会」を2回にわたり開催しました。いずれの回も実りのある議論が交わされ、プロジェクトについて委員からは、「地域の住民が関わって絵を創り上げていくことで、まちの息づかいが感じられるようになる」、「まち行く人の足を止め、絵を眺める時間を生み出すミューラルの存在が、まちに『余白』を生む」といった意見がありました。
区分 | 氏名(敬称略) | 所属等(検討会開催時点) |
---|---|---|
学識経験者 | 岩野 雄太郎 | 織田ファッション専門学校 |
笠尾 敦司 | 東京工芸大学芸術学部デザイン学科 教授 | |
小林 瑞恵 | 社会福祉法人愛成会 | |
酒井 栄太 | 株式会社ヒャクマンボルト 代表取締役 | |
山内 佑輔 | 学校法人新渡戸文化学園 | |
観光関係団体 | 安田 一也 | 一般社団法人中野区観光協会 理事 |
オブザーバー | 小淵 康博 | 西武信用金庫 地域協創部 推進役 |
第1回検討会
プロジェクトのテーマについてフリーディスカッションを行い、議論の中で出たキーワードを核に、前掲のテーマを決定しました。
- 日時:2022年7月15日(金曜日)午後1時30分から午後4時
- 場所:西武信用金庫 本店・本部8階ホール
第2回検討会
ミューラルを描く壁面を区内から公募し、応募された壁面のうち、どの壁面にミューラルを描いていくべきか、プロモーション効果などの観点から議論しました。
- 日時:2022年9月29日(木曜日)午前10時から午前12時
- 場所:区役所4階 庁議室
制作壁面の決定
検討の結果、以下4か所を制作壁面に選定しました。2023年度には制作壁面を追加で決定し、2023年度までに区内各所(5か所)にミューラルを制作します。
壁面 | 住所 | 完成予定時期 |
---|---|---|
中野駅東西連絡通路 | 中野5丁目 | 2022年度完成 |
カサ・デ・オリーバ | 本町5-35-9本町5丁目ビル | 2022年度完成 |
MOCO POCO(帽子店) | 中野3-35-5 | 2023年度完成 |
鍋横区民活動センター | 本町5-47-13 | 2023年度完成 |
中野駅東西連絡通路
カサ・デ・オリーバ
MOCO POCO
鍋横区民活動センター
制作にあたっては、壁面周辺の地域にお住まいの方や子ども達などが各壁画のデザイン案の決定や、実際の制作に参画するワークショップを開催します。
鍋横区民活動センター/カサ・デ・オリーバ
第1回ワークショップ
- 日時:2022年10月20日(木曜日)午前10時から午前12時
- 場所:鍋横区民活動センター
- 内容:鍋横地域のテーマディスカッション、壁画制作に向けたテーマワードの選定と深掘り
鍋横地域での壁画テーマワードを選定するため、町内会や区民活動センターの運営委員などの鍋横地域にゆかりのある人を集め、地域の歴史やイメージをディスカッションするワークショップを実施。地域のイメージでは、参加者から「町会同士のつながりが強く、様々なイベントを企画運営することに興味関心がある人が多い」「まちぐるみで活動する下町っぽさがある」「多様な人がつながり、笑顔、思いやりあふれる地区にしたい」などの意見がでました。その結果、「下町」「多様性」「笑顔・思いやり」の3つが鍋横地域のテーマワードになりました。
第2回・第3回ワークショップ
- 日時:2023年8月2日(水曜日)・2023年8月22日(火曜日)
- 場所:鍋横区民活動センター
- 内容:鍋横区民活動センター壁画のデザインを考えるワークショップ。壁面の塗装体験。
壁画のデザインを考えるワークショップでは、小学4年生~中学生が、街の好きなところ、よく行くところやお気に入りの場所、楽しい思い出などをポストイットに書き出し、30年後の未来のまちの様子を描きました。小学3年生以下の子どもたちは、「みらいのヘンテコないきものをうみだそう!」をテーマに、画用紙やクレヨン、モールなどを使って個性豊かないきものたちを制作。
後日、ワークショップに参加した子どもたちによる、アート制作前の壁面塗装体験も実施しました。
中野駅東西連絡通路
- 日時:2023年1月22日(土曜日)午後1時から午後3時
- 場所:中野区役所9階 第11会議室
- 内容:アーティストと一緒に壁画のデザインを考えよう
アーティストの原画案をもとに、デザインに関してのコメントや中野のまちの情報共有を、各グループで行いました。参加者からは「ファミリーや子どもたちがいる絵がいい」「他のまちとはちょっと違う、中野にしかないもの、『隙』がのこっているまちを表現してほしい」「時間帯や見る角度によって、色んな見方ができる絵ができると面白い」など、様々な意見が出ました。最後には、参加者それぞれが思い描く中野の未来を、画用紙にことばや絵などで自由に表現し、オリジナリティあふれたアイディアを描きました。
MOCO POCO(帽子店)
- 日時:2023年8月27日(日曜日)午前9時から午後5時
- 場所:桃園会館
- 内容: ももぞのモンスターを作ろう!
「桃園にはモンスターがいる。そのモンスターは愛や桃を食べて育って、皆に愛を返してくれるよ」そんなストーリーを元に、子供たちに自由に絵を描いてもらうところから始まった壁画プロジェクト。当日は地域の子どもたちが中心に参加。MOCO POCO帽子店が元々ケーキ屋だった、というエピソードにちなみ、モンスターたちが美味しそうなパフェの周りに集うという構成のアートになりました。
なかのZERO
- アンケート期間:2024年3月8日~22日
- ワークショップ実施日:2024年3月24日(日曜日) 午後1時から午後4時
- 場所:なかのZERO
- 内容: みなさんの思う「中野色」は何色か、アンケート調査。現場塗装体験。
事前になかのZEROホール内にアンケート用屋台を設置し、みなさんの思う「中野色」を選ぶアンケートを行いました。アンケート結果は、制作スタッフが壁面に描き作品として反映。
3月24日には、現地で実際に塗装に参加するワークショップを開催。ペイント屋台で色を選び、ペンキと刷毛を受け取って、壁面の好きな場所にそれぞれ一枚のタイルを塗りました。
2022年度は中野駅東西連絡通路と、カフェ・就労継続支援事業所のカサ・デ・オリーバの2カ所で壁画(ミューラル)が完成。
中野駅東西連絡通路
作品タイトル:「SOKODOKO-Nakano-」
アーティスト:丸倫徳
中野駅周辺の過去・現在・未来を一つの風景画として描いた作品。この作品の中には実在する風景や商店街看板や、旧中野駅舎など過去にあったが今はない建物、今後完成する建設中のビルも、同じ空間に描かれています。また、お犬様からスケートボードまでゆかりの深い歴史や文化の象徴も散りばめられ、様々な時代の中でここに暮らす人々が一つのまちに集結。時代超えながら積み重なっていくまちの記憶や思いを受け継ぎながら未来に向かっていく様が一枚の絵に描かれています。
“SOKO DOKO (そこ、どこ)”という作品タイトルには、この壁画に描かれた様々なヒントをもとに、このまちの歴史や思い出を語り合い、語り継がれること、さらにこのまちの未来へ思いを馳せて欲しいという願いが込められています。
カサ・デ・オリーバ
作品タイトル:「Catch」
アーティスト:高橋鉄平
生き生きとしたラインや鮮明な色合いが、大きく広く躍動する壁画作品。道ゆく誰もがポジティブで元気な気持ちになれるように、ビルの面する中野通りを走るバスの乗客や道を歩く人々の目にも飛び込んでくるインパクトを、サイズや色彩や形によって演出しています。敢えてモチーフで具体的なテーマを語らない見る側の印象の持ち方に委ねられるような抽象的な表現は、作品の見え方を多様に変化させつづけ、鑑賞者にとって常に新鮮なものであり続けるでしょう。
日常風景の中に突如として現れた巨大壁画は、人々の生活に刺激とインスピレーションをもたらす効果があります。この作品はまさにそういった壁画の醍醐味をそのまま壁にぶつけたような、シンプルでストレートな作品になっています。
鍋横区民活動センター
作品タイトル:「鍋横のみんな」
アーティスト:アレッサンドロ・ビオレッティ
【ビオレッティ氏のコメント】
鍋横をテーマにした作品を作るということで、 そこに住む人たちを描きたいと思いました。 今回は、もし街の人たちがいっぺんに歩き出したら、 すごい楽しそうだなと思って、ワークショップで子供たちが 考えたアイディアを活かしながら、みんなで「マーチ」をしている様子を描きました。 いろんな人、生き物が鍋横の街の一部になってるように、 今回の作品も鍋横地域に馴染み、 街のシンボルになったら嬉しいです。
MOCO POCO(帽子店)
作品タイトル:「momozono monsters」
アーティスト:Takaomi Yoshida・ MAOBAB.soulart
「桃園にはモンスターがいる。そのモンスターは愛や桃を食べて育って、皆に愛を返してくれるよ」そんなストーリーを元に、子どもたちが描いたモンスター。パフェに見立てた桃の木には、大きな桃やカラフルなソース、帽子など、洋菓子店だった帽子屋さんのストーリーや桃園地域の歴史を反映したモチーフが描かれました。
美味しそうな桃の木を囲むように、かわいいモンスターが集結したポップな作品です。
なかのZERO
作品タイトル:ナカノイロ/ココノイロ
アーティスト: 檻之汰鷲
中野のとある場所で、そこにいる人が選ぶその日の気分の色。人が集まって暮らすまち。すれ違う人、出会わない人、毎日会う人、実はさまざまな人の気分が巨大なオーケストラのように色を奏でている。
大きな刷毛から流れ出すのは、なかのZEROを利用する人、駅へ向かう人など、子どもからお年寄りまで幅広い世代の方が選んだ「中野色」。
ワークショップでは自分が選んだ「中野色」を一人一枚のタイルに塗るというスタイルをとることで、延べ約800人が関わった巨大な参加型アート作品ができました。
突然現れる大きな絵描きの手と刷毛の絵は、エリアのビジュアルをストーリーづけ、なかのZEROと周辺のエリアにある空気を可視化する試みをアート作品として昇華しています。
2021年度において、本事業に先行する形で、区内事業者の提案により、中野区立鷺宮小学校の体育館と中野駅北口壁面に、著名アーティストがミューラル(壁画)を制作しました(費用は事業者等の負担)。制作した2つのミューラルは、新たな地域資源として、「中野のイメージにぴったり」と評判に。中野区内で新たなミューラル制作を希望する声や寄付による事業展開の提案などが中野区に寄せられました。これらにより、2022年度から規模を拡大し、さらに区民や区内事業者の参画を得て、中野区内でのミューラル制作実現に至りました。
中野駅北口壁面(2021年度制作)
中野区立鷺宮小学校の体育館(2021年度制作)
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このページは区民部 文化振興・多文化共生推進課が担当しています。