【まるっと中野】「『世界一臭い!?』を食べて、地球の未来を考えよう」全国から1,500人が東中野に集ったひと夏の思い出

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更新日:2023年10月18日

こんにちは!ナカノ観光レポーターの「てんゆう」です。
2022年8月21日の日曜日、東中野「おかのうえ公園」に約1,500人もの方々が全国各地から集まりました。
この日開催されたのは、東中野五丁目小滝町会(以下、小滝町会)が主催する「『世界一臭い!?』を食べて、地球の未来を考えよう」というイベントです。

ナカノさんとシュールストレミングのチラシ
 (ナカノさんとシュールストレミングのチラシ)

「世界一臭い食べ物」として知られるシュールストレミングをみんなで味わうという企画趣旨が話題を集め、区内外問わず多くの方が注目するイベントとなりました。
開催前に、本イベントを紹介したツイッターのツイートは、いいね・リツイート共に2万件を超えています。
今回は、大盛況となったこちらのイベントの様子を取材してきました!

背景や文化を知ることで、偏見と向き合う

11時になり、二人のスピーカーによる講演から本イベントは始まりました。
いきなりシュールストレミングを開封・試食するのではなく、まずはシュールストレミングの理解を深めていきます。
小滝町会の中西さんは、「シュールストレミングはスウェーデン北部で発祥した伝統の保存食で、『シュール(=酸っぱい)』と『ストレミング(ニシン)』を合わせた、『酸っぱいニシン』という意味を持っている。近年は海洋汚染や乱獲の影響により、ニシンの収穫量が激減しており、十分な製造も難しくなってきている。」と解説します。

小滝町会の中西さん
(「シュールストレミングから見た地球」というテーマで講演する、小滝町会の中西さん)

シュールストレミングの輸入代理店を営む三幸貿易株式会社の伊藤さんは、「現地の方から『私たちはこのシュールストレミングを美味しいと思って食べている。』と語りかけられたことがある。もしも、外国で納豆が嫌がらせや笑いの対象として使われたら、私たち日本人も嫌な気持ちになるだろう。」と話します。
異国の食文化が危機的な状況にあることや、現地の方の思いを想像することの重要性を知る機会となりました。
多くの参加者に、これから食べるシュールストレミングは、テレビで見かけるような嘲笑の対象としてはいけないものであることが伝わったと思います。「ぜひ現地の方に敬意を込めて食べましょう。口に合わなくても、『まずい』という敬意を欠いた言葉ではなく、ぜひ自分なりの言葉で感想を述べてください。」という中西さんのひと言で講演は終わり、シュールストレミングの開封の儀が執り行われました。

開封の瞬間
 (開封の瞬間を見守る参加者の皆さん)

「世界一臭い」は、お代わりの列ができるほど美味しかった

開封されたシュールストレミングを小滝町会の皆さんが調理し、参加者は順々に受け取って試食しました。
フラットブレッドの上には、マッシュポテト、たまねぎ、サワークリーム、トマトが乗っています。これは実際にスウェーデンで食べられている、現地レシピの再現だそうです。

現地のレシピを再現したメニュー
 (現地レシピを忠実に再現したメニュー)

試食した正直な感想ですが、とっても美味しかったです。
アンチョビに似た味わいで、マッシュポテトやサワークリームが口の中にまろやかに広がり、シュールストレミングの強い香りがアクセントになっていました。
参加者の皆さんも美味しく召し上がっていたようで、会場にはお代わりの列ができていました。

仲間と一緒にごはんを食べるのは、どこのまちでもできること

シュールストレミングを残さずおいしくいただいたあとは、「世界一を食べた夏の思い出」を語り合おうと、小滝町会の岸会長と仙石さんがマイクを持って参加者のもとをめぐり、順々に感想を聞いて回られました。
参加者からは、「味わい深かった」「お酒がほしくなる味」と、思い思いの言葉で感想が伝えられました。
中には、神奈川・浜松・山梨・北海道などの遠方から参加したという方々もいらっしゃいました。

岸会長と仙石さん
(「世界一を食べた夏の思い出」を参加者と語り合う岸会長と仙石さん)

閉会の際に、岸会長よりこんな挨拶がありました。
「本当は町会の30人くらいで、こじんまり食べようと思っていたけれど、このようなイベントにすることで、社会的なことを真剣に考えるいい機会になった。」
「一番言いたいのは、仲間を大切にということ。仲間を集めてご飯を食べるのは楽しく、これは誰もが自分のまちでできる簡単なこと。」
「本日参加した皆さんも、ぜひ自分のまちでやってみてほしい。」
隣の仙石さんと、にこにこしながら話す岸会長の姿に、会場は温かい雰囲気に包まれながらイベントが終了しました。

企画も運営も、それ自体が大変すばらしいイベントでした。
加えて言うなら、参加者が今回のイベントを楽しむことができた大きな要因に、小滝町会の皆さんが醸す雰囲気があったように感じます。
岸会長は「町会をかなり真面目に『ゆるく』している」と話します。
大勢の参加者が集まった今回のイベントでも、ゆるく、笑顔ながらも、締めるところは締めて運営をしている小滝町会の皆さんの姿が、多くの方にとって素敵に映ったのではないでしょうか。
実際に、「小滝町会にはどうしたら入れますか」「小滝町会のTシャツを購入したい」「小滝町会の別のイベントにも参加したい」と話す参加者も見られました。

シュールストレミングを切り口にして、スウェーデンの食文化のこと、地球の環境問題のこと、自ら体験し判断することの大切さ、地域とのつながりの大切さなど、非常に多くの学びを得るイベントとなりました。
小滝町会は、Diversity and Inclusion(多様性と包摂)を活動方針に掲げ、誰でも気軽に参加できる楽しい町会を目指しているとのこと。
今回のイベントに限らず、今後も様々なイベントの開催を前向きに検討しているそうです。ツイッターのアカウントもありますので、ご興味のある方はぜひ今後の活動をチェックしてみてはいかがでしょうか。

東中野五丁目小滝町会

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