建築物定期検査報告の種類

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更新日:2023年8月3日

不特定多数の人が利用する特定建築物(国等が所有又は管理する建築物を除く)について、敷地、一般構造、構造強度及び防火・避難関係を検査資格者が毎年又は3年ごとに検査し、特定行政庁(中野区)に報告するものです。

調査項目

敷地および地盤

地盤の沈下や排水の状況、通路幅員の確認、塀や擁壁の状況などを調査します。

建築物の外部

外壁打診診断
外壁の打診調査

建築物の基礎部分、外壁の状況、サッシや窓、外壁に設置された看板等の状況を調査します。特にタイル、石ばり、モルタル等の外装仕上げ材の調査が重要です。竣工から10年を超えた建築物は、全面打診等の調査を10年ごとに行う必要があります。


屋上及び屋根


ルーフドレイン

屋上、屋根周りの劣化・損傷状況を確認します。特に防水層の劣化や破れ、屋根葺材の割れや欠損、排水溝やルーフドレイン(屋上等の雨水排水口)の詰まり、屋上設置の機器類の損傷、錆、腐食等を調査します。


建築物の内部


吹付アスベスト

壁、床、天井の劣化・損傷および、防火扉や防火シャッターといった防火設備について調査します。また、石綿(アスベスト)の使用についても調べます。東日本大震災により吊天井の落下事故があり、体育館などに設置された6m以上の天井についての調査が強化されています。


避難施設等

排煙窓
排煙窓(右下が開放ボタン)

避難通路の確保状況や避難階段の状況、防火区画、排煙窓(押ボタンで開放する専用の窓)等の排煙設備、非常用の照明器具について調査します。


その他


避雷針

避雷針・煙突等について調査します。


上記の特定建築物等について、防火設備(常時閉鎖式の防火設備及び防火ダンパーを除く)を検査資格者が毎年検査し特定行政庁(中野区)に報告するものです。

防火設備定期検査報告の創設

2013年10月新規ウインドウで開きます。福岡市の診療所で火災(外部サイト)があり、死者10名、負傷者5名の被害が出ました。被害が拡大した原因として、防火設備が正常に閉鎖しなかったこと等が指摘されています。これを受けて2016年10月に建築基準法の定期報告制度が強化され、防火設備の動作については、従来からの特定建築物の調査項目から外し、「防火設備定期検査報告」で詳細に報告することになりました。

報告を要する防火設備

対象となるもの


感知器連動式防火扉

  • 感知器(煙または熱)連動式の防火扉
  • 感知器(煙または熱)連動式の防火シャッター
  • 温度ヒューズ式(熱で留金が溶けて作動) の防火扉
  • 温度ヒューズ式 (熱で留金が溶けて作動) の防火シャッター
  • 耐火クロススクリーン(布製の防火シャッター)
  • ドレンチャー(建築物を水幕で包む防火設備 )

対象とならないもの

  • 常閉の防火扉(特定建築物の定期検査で報告)
  • 共同住宅(サービス付き高齢者向け住宅等を除く)の住戸内に設置された防火設備
  • ダクト内の防火ダンパー
  • 感知器連動式の防煙垂れ壁
  • その他

上記の特定建築物等について、建築設備を検査資格者が毎年検査し特定行政庁(中野区)に報告するものです。

調査項目

建築設備定期検査報告には「換気設備」「排煙設備」「非常用の照明器具」「給水設備および排水設備」の4つの項目があります。

*説明で用いている図版は「建築設備の定期検査報告と維持管理のしおり」より転載

換気設備

火気使用室

厨房や給湯室などにガス機器等の燃焼機器が設置されている場合、必要換気量が換気設備で排気できているか風速計で換気量を測定して確認します。必要換気量は、機器の熱量や消費カロリーによって異なります。

換気設備


無窓居室等

劇場、映画館、演芸場等の施設または窓が設けられていない居室には、換気設備による換気が必要です。火気使用室同様に風速計で換気量を測定して確認します。

排煙設備

火災時に発生する煙や有毒ガスを建築物の外へ排出し、安全に避難するために排煙設備が設けられています。排煙設備には排煙窓等の「自然排煙設備」と排煙機等の「機械排煙設備」があります。建築設備定期検査報告の対象は「機械排煙設備」です。

排煙設備


排煙設備の調査

点検では、排煙口(煙の吸込み口)の開閉、起動ボタン、排煙機等の運転状況を検査します。換気設備同様、既定の排煙風量が確保されているのかも検査します。


非常用の照明装置

火災や地震で停電となった場合、暗闇の中で避難しようとしても、思ったように移動できずに避難できない恐れがあります。停電時でも蓄電池を内蔵した非常照明が点灯していれば、最低限の明るさを確保してくれるので、より安全に避難できます。

非常照明の働き


非常照明の検査

点検では、照度計を使い既定の明るさ(1ルクス)が確保できているのか確認します。 また、蓄電池の状態も調査します。


給水設備および排水設備

給水・排水設備

定期報告の対象になっている建築物の場合、公共水道水を受水槽で受け、ポンプで加圧して高置水槽にためた水を各給水栓に供給する方式が一般的です。

給水設備および排水設備が正常に機能し、衛生的に飲料水の供給と排出がなされるよう、機器および配管等の検査をします。


全ての建築物(国等が所有又は管理する建築物を除く)のエレベーター、エスカレーター、小荷物専用昇降機および遊戯施設等について、昇降機等は毎年、遊戯施設等は半年ごとに検査資格者が検査し、特定行政庁(中野区)に報告するものです。

報告を要する昇降機

対象となるもの

  • エレベーター
  • エスカレーター
  • 小荷物専用昇降機
  • 段差解消機
  • いす式階段昇降機

対象とならないもの

  • 上記昇降機で、かごが住戸内のみを昇降するもの(一戸建て、長屋又は共同住宅の住戸内に設けられた昇降機)
  • 自動車専用昇降機等、労働安全衛生法の性能検査を受けているもの
  • テーブルタイプ小荷物専用昇降機(昇降機の全ての出し入れ口の下端が当該出し入れ口が設けられる室の床面よりも50cm以上高いもの)

お問い合わせ

このページは都市基盤部 建築課が担当しています。

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