支援が必要なすべての人を対象にした地域包括ケア体制

ページID:256973389

更新日:2023年12月13日

はじめに

中野区では、これまで主に高齢者を対象として進めてきた地域包括ケア体制をさらに発展・充実させ、支援が必要なすべての人を対象にした体制を構築します。

中野区では、高齢者の方が可能な限り住み慣れた中野区で尊厳を保って最後まで生活することができるよう、平成29年(2017年)3月に「中野区地域包括ケアシステム推進プラン」(以下、「推進プラン」という。) を策定し、地域包括ケアシステムの構築を推進するために行政と区内の関係団体が一体となってこれまで様々な取り組みを進めてきたところです。

しかしながら、個人や家庭が抱える課題は複雑かつ複合化しており、これまでどおりの相談体制・制度では解決が難しくなっています。

そのため、現在の推進プランから対象者や取組みを広げた「中野区地域包括ケア総合アクションプラン」(以下、「総合プラン」という。)を策定しました。この総合プランは、現在の推進プランと同様に行政と区内関係団体が一体となって取り組みを進めるための計画です。

総合プランの全文は次のとおりです。

総合プランは随時更新していきます、現時点の関係機関や地域団体等の取り組み事例の一覧は「中野区地域包括ケア総合アクションプラン掲載団体等について」をご覧ください。

国が目指す地域共生社会の実現=区が進める「すべての人を対象とした地域包括ケア体制」の構築

一方、国では、制度や分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域の多様な人々が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、区民一人ひとりのくらしと生きがいをともに創る「地域共生社会」の実現を目指しています。

これは、区が進める「すべての人を対象とした地域包括ケア体制の構築」と理念を同じくするものです。

このページでは、総合プランの策定に向けた区の動きや国の考え方、地域共生社会などについて、区民の皆さんにお知らせしていきます。随時、内容を更新してまいりますのでご確認ください。

地域共生社会とは

「できることからはじめよう!『オールなかの』の地域包括ケア」

地域包括ケアの仕組みを、高齢者中心のものから支援が必要なすべての人に広げていくにあたり、スローガンを決めました。

「できることからはじめよう! 『オールなかの』 の地域包括ケア」

区民の皆さん一人ひとりが、できることから始めることによって、支援の「受け手」「支え手」の垣根を越えて、誰もが役割と生きがいを持つ社会の実現を目指します。

より多くの区民、団体が地域包括ケアの取り組みを始めたり、すでに取り組んでいる活動をより推進していくために、総合プランを活用していただくことで、地域包括ケアを『オールなかのに広げていきます。

『オールなかの』とは、区と区民、区内の団体等、取り組みに関わる「中野区のすべてのひと」を表します。

今後、地域包括ケアの理念を共有するために、シンポジウムを開催するなど様々な機会をとらえて発信していきます。

総合プランの計画期間

総合プランの計画期間は令和3年度(2021年度)から令和7年度(2025年度)までとします(これまでの推進プランは2016年度から2025年度まで)。

総合プランの対象

中野区内で居住する支援が必要なすべての人であり、高齢者だけでなく子供と子育て家庭、障害者、生活困窮者、その他支援が必要な人を対象とします。

総合プランの取り組みの主体

支援が必要なすべての人を対象とした地域包括ケアに資する取り組みを行う、区内の関係機関及び団体とします。なお、行政の取り組みは、策定中の中野区基本計画における重点プロジェクトや地域福祉計画に沿って推進していきます。

暮らしの状況と意識に関する調査

令和2年(2020年)12月~1月に行った「暮らしの状況と意識に関する調査」の結果・分析を踏まえ、見えてきた課題を解決する取り組みを総合プランに掲載していきます。

【調査結果の分析(抜粋)】

  • 他の人から孤立していると「常に感じる」人は4.8%、「ときどき感じる」人は23.7%、合計では28.5%であり、3割弱の人は日常的に孤立感を感じている。
  • 自宅以外に居住地域内で居場所が「ある」人は38.7%、「ない」人は59.9%であった。年齢別にみると、20歳代の約半数に居場所があるが、50歳代後半では3割に満たない。
  • 「心配事や愚痴を聞いてくれる人がいない」かつ「相談する相手・相談機関がない」人(=SOSを発信できないリスクが高い人)は全体の6.2%で、その3分の2は男性であり、年齢を問わず男性の方が多かった。
  • リスクが高い人が居住地域で利用することが多い場所は、「スーパーマーケット」(84.8%)「コンビニエンスストア」(76.7%)で、薬局、医療機関など、その他の施設の利用率は4割に満たず、地域とのつながりが薄いことを示唆している。
  • 現在、自分の知識やスキル、経験などを地域のために「生かしている」人は全体の4.6%にとどまっている。しかし、「地域のために生かせる知識やスキルはあるか」については、「ある」人は全体の72%であり、潜在的な担い手は多い。

目指すまちの姿及び重点取り組み事項

区の地域包括ケアが目指すまちの姿は以下のとおりです。

  • 本人の意思と権利が尊重され、安心して暮らせるまち
  • 『オールなかの』による多様なサービスが常に生み出され、重層的で包括的な支援が提供されるまち
  • それぞれの人が望む形で必要な支援につながり、誰もがいきいきと地域で暮らし続けられるまち
  • すべての人に多様な居場所があり、無理なく支えあえるまち

そして、その姿を実現するために特に取り組むべき事項は次のとおりです。

  • 社会的孤立をなくし、支援を必要とする人を一人残らず支援につなげる。
  • 孤独で苦しむ人をなくす。
  • 地域包括ケアの取組を『オールなかの』に広げる。

総合プランの8つの柱

総合プランでは、以下の8つの柱ごとに取り組みを記載しています。取り組みの内容によっては複数の柱にまたがるものもあります。

総合プランの8つの柱

8つの柱

課題

柱1

本人の選択/権利擁護

(1)権利擁護の推進と理解促進

(2)虐待の防止

(3)区民が望む在宅療養生活の実現

柱2

住まい・住まい方

(1)居住支援体制の推進

(2)在宅生活が困難な場合のケアを行う施設の確保

(3)バリアフリー・ユニバーサルデザインのまちづくり

柱3

健康・社会参加・学び・就労

(1)健康的な生活習慣の定着支援、健康づくり、感染症対策

(2)就労や地域活動を通じた社会参加の促進

(3)生涯学習の機会の充実

柱4

地域の見守り支えあい

(1)地域における見守り支えあいの推進と、交流の場や機会の創出

(2)避難行動要支援者への避難支援

柱5

生活を支えるサービス、生活を豊かにするサービス

(1)生活支援サービスの質・量の確保

(2)住民主体サービスの拡充、民間サービスとの役割、コーディネート機能

柱6

地域医療

(1)在宅医療、地域での医療提供の充実と多機関連携の一層の推進

(2)かかりつけ医、かかりつけ歯科医、かかりつけ薬局の推進

柱7

セーフティネット

(1)包括的な自立支援の推進

(2)貧困対策、自雑対策、犯罪被害者等支援、再犯防止

柱8

子どもと子育て家庭、障害者及び高齢者特有の課題

(1)子どもと子育て家庭特有の課題

(2)障害者特有の課題

(3)高齢者特有の課題

シンポジウムの参加者から寄せられた意見

令和3年(2021年)11月に開催した中野区地域包括ケア推進会議での議論等を経て作成した「中野区地域包括ケアシンポジウム」を開催しました。

シンポジウムの参加者からは、以下のような意見が寄せられました(アンケート結果)

  1. 団体の良い取り組み事例を発信してほしい。情報発信をどのようにしていくのかが課題である。
  2. 「オールなかの」の理念は理解できるが、具体的な取り組みが見えにくい。「オールなかの」で進めるために、身近な地域での取り組みの大切さも発信が必要ではないか。
  3. 重複的な支援をどのような仕組みで展開していくのか。区がその仕組みをつくる一方で、特に地域の中で様々なコーディネーター(住民も含めて)の活用で「オールなかの」を目指してほしい。
  4. 医療・介護のみならず、福祉・保健・子育て等の横のつながりがさらに増えることを期待している。

これらのご意見を踏まえるとともに、区民に皆さんに活用していただけるように関係機関や地域団体の取り組み例をコラムとして掲載したり、地域資源をすこやか福祉センター圏域ごとに地図上に示すなどした「ダウンロードのリンク 新規ウインドウで開きます。総合プラン(案)(PDF形式:11,303KB)」を作成しました。

その後に開催した中野区地域包括ケア推進会議で協議を行い、総合プランを策定しました。

今後の主な取り組み

総合プラン策定後の主な取り組みとしては、総合プランの周知に努める中で、あわせて地域包括ケアの考え方を区民の皆さんにより知ってもらうとともに、地域団体等の活動への支援を図るため、以下の取り組みを行います。

  1. 情報の更新
    関係機関や地域団体の活動情報を収集し、総合プランの柱ごとに取り組み事例を追記することで、本ページ上で総合プランを随時、更新していきます。現時点での取り組み事例の一覧は「中野区地域包括ケア総合アクションプラン掲載団体等について」をご覧ください。
  2. 意見交換会の開催
    活動状況等の情報交換や交流の場を設けるため、圏域ごとに活動団体等の意見交換会を定期的に開催します。
  3. 総合プランの周知のための方策
    中野区地域包括ケア推進会議において総合プランの進捗管理を行い、その結果を本ページに掲載します。また活用本としての機能をより果たすため、総合プランの概要版を作成して配布します。

関連ファイル

お問い合わせ

このページは地域支えあい推進部 地域包括ケア推進課が担当しています。

本文ここまで

サブナビゲーションここから