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最終更新日 2020年9月7日
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令和2年(2020年)第3回中野区議会定例会区長行政報告(2020年9月7日)

施政方針説明を行う酒井区長
(行政報告を行う酒井区長)

1  はじめに

2  新型コロナウイルス感染症対策の現状と課題

3  医療・生活・経済支援対策

4  今後の財政見通しを踏まえた令和3年度予算編成

5  行財政の構造改革の推進 

6  構造改革を見据えた基本計画の策定

7  むすびに 


発言に先立ちまして、今般の新型コロナウイルス感染症の感染により、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈り申し上げますとともに、感染された皆様にお見舞い申し上げます。

また、医療・介護・保育などの最前線の現場で従事されている皆様、外出や事業活動の自粛など、長期間にわたって感染拡大防止のためご協力を頂いております区民や事業者の皆様、マスクをはじめ感染症対策物品などのご寄贈やご寄附を頂きました皆様に対し、心より御礼申し上げます。

1  はじめに 

本日は、令和2年第3回中野区議会定例会の冒頭に、行政報告の機会を頂きましたことに深く感謝申し上げます。

新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う甚大な影響は、人々の生命や生活のみならず、経済、社会、さらには人々の行動、意識、価値観にまで波及しつつあります。感染症対策は新たな局面に入り、「ウィズコロナ」を踏まえた行財政運営が求められています。当面の感染拡大防止対策や今後の医療・生活・経済支援の取組とともに、今後行うべき行財政の構造改革について、私の考えの一端を申し述べ、議員各位及び区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

2  新型コロナウイルス感染症対策の現状と課題

新型コロナウイルス感染症の感染拡大を踏まえ、区では本年2月3日に健康危機管理対策本部を設置し、東京都や医療機関等との連携を図りながら感染拡大防止に努めてまいりました。感染拡大の長期化に伴い、5月15日には危機管理等対策会議へ移行し、全庁一丸となって感染症対策に取り組んでいるところです。

緊急事態宣言解除後、都内の繁華街の飲食店における感染例が確認され、次第に家庭内における感染や重症者も増加しています。区内居住者の累計感染者数は、緊急事態宣言が解除された5月25日時点では225人であったのに対し、3か月後の8月25日現在では904人となり、感染拡大は未だ予断を許さない状況が続いています。

感染拡大の波は繰り返し起こるとされつつも、密閉・密集・密接のいわゆる「3密」を避けるとともに、手洗いや、咳エチケットの徹底など適切な予防策を講じることによって感染拡大を抑えることが求められています。

保健所による積極的疫学調査など、防疫体制の強化による新たな感染の早期把握・対応とともに、「新しい生活様式」の定着によって、まちなかで感染が拡大しにくい状況を作り出すため、区民や事業者に対する働きかけや具体的な支援を行っていくことが必要であると考えています。

3  医療・生活・経済支援対策

区では、新型コロナウイルス感染症対策の柱として、「医療など最前線の現場環境を支える」、「生活や子育て・介護などを支える」、「経済の再生に向け事業者を支える」の3点を掲げ、ひっ迫する医療・生活・経済を支援する対策を局面に応じて段階的に講じてまいりました。

第1回定例会では、区内中小企業者の皆様に対する緊急応援資金融資あっせんなどの事業、緊急事態宣言下にあった5月1日の第1回臨時会では、特別定額給付金や在宅児童・生徒ICT支援などの事業、緊急事態宣言解除後の第2回定例会では生活・経済の再開に向けた支援などの補正予算をご承認頂き、取組を進めてきたところです。区民生活に直結する予算関連の審議を最優先に考えた日程として頂くなど、議会と行政が一体となって迅速に対策を講じていくためのご配慮を賜り、区議会の皆様には厚く御礼申し上げます。

感染拡大防止の取組としまして、中野区医師会のご協力を頂き、中野区PCR検査センターを4月29日に設置しました。感染拡大の状況を踏まえて、7月以降は大幅に検査件数を増やしました。唾液によるPCR検査などの新たな手法も導入されたことから、今後は、早期の診断と適切な医療の提供につなげるためにも、地域の身近な医療機関でPCR検査を実施する方向を目指していきたいと考えています。

また、軽症者の移送時等における飛沫循環抑制車両の提供や、陽性者のうち自宅療養者に対する生活支援として食料品や日用品の提供を行っており、これらの取組については、区と包括連携協定を締結している民間事業者等と連携・協力しながら進めています。

次に、特別定額給付金についてです。8月18日に申請受付を終了するまでの間、区民活動センター及びすこやか福祉センターにおける申請書記入支援、アウトリーチチームによる個別支援などの申請支援を行ってまいりました。支給状況につきましては、当初申請書送付件数に対する支給決定件数が8月25日現在で98パーセントを超えています。

今後の対策として、日常生活はもとより、非常時に備えた感染拡大防止対策のさらなる拡充と併せて、「ウィズコロナ」のもとで誰一人取り残されることなく安定した生活を営めるよう、きめ細やかな支援策を講じるなど、迅速かつ的確に取り組んでいく必要があると考えています。

とりわけ、この冬に、新型コロナウイルス感染症とインフルエンザが同時流行することへの懸念が高まっています。これに備え、医療機関の負担の軽減を図るための取組を検討してまいります。

また、今後も良好な子育て・教育環境の実現を目指すとともに、中野のまちの文化や活力を絶やさないよう、感染拡大の防止と地域経済の再生の両立を図っていくことも重要と考えています。イベントの実施など地域活性化対策や景気対策を従来通りに行うことは難しい状況にあるため、区職員が店舗を訪れて感染防止の啓発活動を行うなど、関係団体との連携を図りながら事業継続に向けた感染拡大防止対策に取り組んでまいります。

まちの中の動きを見ますと、感染拡大防止対策を取り入れながら、徐々に活動を再開している様子が見られ、会合やイベントなどもオンラインで開催されています。これにより新たな参加者を得て、これまでになかった展開が生まれており、これからの地域社会やコミュニケーションのあり方を踏まえた施策が求められていると捉えています。

他方、社会経済情勢の先行きは不透明であり、雇用環境の悪化や感染拡大に伴う様々な影響による精神的ストレスによって支援を必要とする人々が増えていくことも危惧されるところです。基礎自治体として区民の生命と財産を守ることを最優先に取り組み、医療・生活・経済支援の3つの柱に基づいた様々な対策を講じることによって、幾重ものセーフティネットを築いてまいります。

4  今後の財政見通しを踏まえた令和3年度予算編成

先般、内閣府が発表した今年4月から6月期の国内総生産(GDP)速報値は、前期から7.8パーセント、年率換算で27.8パーセント減り、リーマンショック後の17.8パーセントを超える戦後最大の落ち込みとなりました。この期を底に回復に向かうとの見方もある一方で、基幹収入である個人住民税や、特別区財政調整交付金の財源である法人住民税等への影響を免れることはできません。感染収束の見通しが持てず、経済や雇用情勢の低迷が続くことは、感染拡大防止対策経費や扶助費などの歳出の増加も想定されるところであります。変動する様々なリスクもあり今後の財政見通しは大変厳しい状況にあります。

経済の状況についてもV字回復とはいかず、3年から5年をかけてようやく元の水準に戻るという予測もあり、極めて慎重な財政運営が必要です。財政調整基金の令和元年度末残高は279億円、そのうち年度間調整分は165億円であり、基金を活用した財源対策の限界も見えていることから、これまでのような財政規模を維持していくことは難しい状況であり、財政的な非常事態と言わざるを得ないと認識しています。

今後悪化する財政状況に鑑み、今年度については、当初予算における一部の新規・拡充事業の中止、延期を決めたところです。また、既存事業についても執行の見直しを行ったほか、区立小中学校をはじめとした区有施設の改築、改修計画の見直しを検討しています。

令和3年度の予算編成にあたっては、厳しい財政状況が見込まれる中、事業の廃止・縮小・先送りといった抜本的な見直しを行って歳出の抑制を図る一方で、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止への対応を進めるとともに、新しい基本計画の検討を踏まえながら、中長期の視点を持って編成を進めていく考えです。

次年度の一般財源は、現時点で今年度当初と比較して約92億円の減収を見込んでいます。令和3年度については、現時点における一般財源の収入見通しにより基準額を定め、これを歳出の基準として予算編成を行ってまいります。

これまで積み立ててきた財政調整基金については、取り崩しを前提とするのではなく、歳出の抑制に努めた上で、真に必要な区民サービスを実施するために、基金活用を図ることが必要です。

このことを踏まえ、令和3年度の予算編成の主な方針として、新規・拡充事業については、真に必要であり優先度の高いものとし、関連する既存事業の統合・再編、見直し等事業のスクラップにより経費を生み出していくことや、事業の評価・見直しにあたっては、事業の効果及びその原因の分析を行った上で、効果の上がっていないものについては、事業の廃止、統合、縮小、休止、執行方法の変更等について検討を行うよう示したところです。

歳出の抑制にあたっては、経常経費の削減にも踏み込んでいかなければならない状況にあり、その場合には区民サービスへの影響も避けられないと考えています。それだけに行財政の構造そのものを見直していく必要があると考えています。まずは令和3年度の予算を組んでいくことになりますが、今後の行財政の構造改革も見据えた予算編成に取り組んでまいります。

5  行財政の構造改革の推進

行財政の構造改革は、財政的な非常事態に鑑み、これからの概ね3年間で集中的に取り組み、新しい区政を展開するための体力を養い、その後については、経済や財政の回復状況を見極めながら、刷新された持続可能な区政を推進していくことを想定しています。

この財政的な非常事態を乗り切るためには、経常的な経費の歳出構造にメスを入れるとともに、中長期的に施策・施設・組織の3つの再編に取り組む抜本的な構造改革を行っていくことが不可欠です。

はじめに、施策の再編についてです。新しい基本計画の策定にあたっては、組織横断的な課題の解決を意識しながら政策を実現するための施策の統合・再編により効率的・効果的な執行体制を構築するため、政策と施策の体系を再編し、基本構想で描くまちの姿を着実に実現するための体系としていきます。

その上で、自助・共助・公助の役割分担を明確にし、基礎自治体として注力すべき公助とともに、自助・共助の促進に取り組んでまいります。

次に、施設の再編についてです。中長期的な区有施設の適正配置を視野に入れ、区民の日常生活圏域を勘案した配置を基本として検討を進めていきます。また、施設マネジメントの観点から施設の集約化や複合化、民間活力の活用、未利用地及び未利用施設の活用・処分に取り組んでまいります。

区有施設の多くは更新時期が今後集中するため、施設の改築や改修に関する財政負担は、今後の区財政に大きな影響を及ぼしていきます。当面の間は、区有施設の新規整備はスケジュールの見直しの検討を行うほか、基金・起債の活用によって財政の平準化を図ってまいります。

最後に、組織の再編についてです。施策や施設の再編に併せて、組織の再編に取り組んでまいります。当面は、新型コロナウイルス感染症対策のほか、児童相談所の開設など、主要な行政課題に注力していく必要がありますが、それと並行してウィズコロナ時代への対応や業務改善の観点からあらゆる業務、手続、施設の管理・運営方法などの効率化や省力化、デジタル化を推進して業務量を削減し職員配置を見直します。また、真に公務員が担わなければならないことを見定めて、多様な主体との協働を推進しながら、質の高い行政サービスの提供に全力で取り組むことにより、全体の適正な定数管理を実現してまいります。

こうした施策・施設・組織のビルド&スクラップを行い、構造改革を機動的に進めてまいります。また、構造改革には、職員の意識改革が大変重要です。私をはじめ幹部職員はリーダーシップを発揮し、職員を巻き込みながら全力で取り組んでいかなければなりません。その要となる推進体制を立ち上げるとともに、職員に対して従来の発想にとらわれることなく、新しい知見や技術、外部資源を活用して事業を組み立てるなど柔軟な発想で事業を見直すことを求めていきたいと思います。こうしたプロセスを通して職員に意識改革を求めていきたいと考えています。

6  構造改革を見据えた基本計画の策定

現在、中野のまちの将来ビジョンとなる新しい基本構想と、その実現に向けた基本計画の検討を進めています。新しい基本計画の計画期間となる令和3年度からの5年間は、区財政が大変厳しい期間と重なる上、新区役所の開設時期を見据えて、区民サービスの向上や業務の効率化を図るデジタルシフト、生産性の向上につながる働き方改革を進めていく必要があります。

併せて、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う社会経済情勢の変化に適応した行財政運営を実現するためには、中長期的に、先に述べた抜本的な構造改革が不可欠であり、新しい基本計画は、構造改革を見据えた計画として策定します。

7  むすびに

10年後に目指すまちの姿の実現に向けて、行財政の構造改革からスタートを切り、選択と集中によって持続可能な区政を実現しなければなりません。今後の行財政の構造改革は、大変厳しい状況の中で進めるものであり、難しい決断を迫られることも予想されますが、持続可能な区政運営のために不退転の決意で取り組んでまいります。今後も、区議会及び区民の皆さんには適時適切な情報提供と十分な説明、そして対話に努め、この難局をともに乗り越えてまいりたいと考えております。


以上、区議会議員各位におかれましては、区政運営にご理解とご協力を頂き、それぞれのお立場から区政の前進にご協力賜わりますようお願い申し上げ、結びとさせて頂きます。


(注)本文は、口述筆記ではありませんので、表現その他若干の変更があることがあります。

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