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最終更新日 2020年2月13日
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令和2年(2020年)第1回中野区議会定例会区長施政方針説明(2020年2月13日)

施政方針説明を行う酒井区長
(施政方針説明を行う酒井区長)

1  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催

2  時流を敏感に捉え、地域特性を踏まえた区政の推進

3  区の将来に向けた方向性と取組

4  令和2年度の区政の方向について

5  令和2年度予算案の概要について

6  むすびに


 

令和2年第1回中野区議会定例会にあたり、本年の区政運営に臨んで私の所信の一端を申し述べ、議員各位並びに区民の皆様のご理解とご協力を賜りたいと存じます。

発言の冒頭に、今、日本国内でも感染事例が確認されている新型コロナウイルス感染症について、ご報告をいたします。

2月12日現在、日本を含め世界で28の国と地域に感染が広がりました。日本では、新型コロナウイルス感染症が、国民の生命及び健康に重大な影響を与える恐れがあるとして、指定感染症及び検疫感染症に指定され、2月1日から施行されました。

中野区においては、中野区健康危機管理対策本部を設置し、全庁的な体制をとり、区民の生命・健康を守る取組を進めているところです。

1  東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会の開催

いよいよ、東京オリンピック・パラリンピックの開催の年を迎えました。1964年の東京オリンピックでは、同時開催された第2回パラリンピックに日本選手団が初めて参加しました。日本中に夢と希望を与えるとともに、都市としてのめざましい発展や国際的な立場の向上、スポーツ文化の定着など、後世に計り知れない効果をもたらしました。今大会も、「スポーツには世界と未来を変える力がある」という大会ビジョンのとおり、スポーツの発展のみならず、社会全体にいつまでも受け継がれるレガシーを残すことが求められています。

昨年は、ラグビーワールドカップ2019が日本で開催され、「ONE TEAM」という言葉が流行語になりました。中野区では、東京オリンピック・パラリンピックの開催に向けて中野がひとつになるという意味で、「ONE NAKANO」という言葉を用いて気運醸成事業に取り組んできました。3月にギリシャのオリンピア市で採火されるオリンピック聖火は、7月18日に中野区に到着し、ランナーが区内を走りながら聖火をつなぎます。また、8月21日には、パラリンピック聖火リレーが中野区で行われます。この大会の開催を通じて、人と人とがつながり、力を合わせることの大切さがあらためて見つめ直される。そんな機会にしたいと考えています。

特に、パラリンピックの開催に向けては、大会終了後を見据え、障害者への理解促進を含めたインクルーシブ社会の実現、さらに、障害者スポーツの普及にも取り組んでいきます。

2  時流を敏感に捉え、地域特性を踏まえた区政の推進

本年1月3日、バグダード国際空港において、アメリカ軍が武力による攻撃を行ったことにより、中東情勢が一層緊迫した状況であるほか、米中貿易戦争や戦後最悪とも言われる日韓関係など、我が国を取り巻く世界の情勢はますます複雑化し、先の見通せない状況が続いています。

国内に目を向けると、東京オリンピック・パラリンピック終了後の景気減速への懸念や昨年10月の消費税増税による個人消費への影響など、区を取り巻く社会情勢を注視していく必要があります。

また、昨年は、東日本への記録的な規模の台風の上陸や、各地で発生した地震によって、人々の人命、財産は、甚大な被害を受けました。これまでの動きとは異なる、従前の防災・減災対策だけでは足りない部分が顕在化しており、大規模な自然災害や首都直下地震への備えも重要となります。

人口減少・超高齢社会を迎えるとともに、外国人住民が増加し、区内の人口構成が大きく変化していく中で、地域の活力を維持・発展させていくためには、区が持つ特徴や強み、課題等を把握・分析した上で、区民と対話し、協働・協創しながら、限られた区の資源を最大限に活用していく区政運営が求められます。

昨年は、新しい基本構想・基本計画の策定に向けた検討をはじめとして、子育て環境に対する子どもと子育て家庭の満足度と認知度を高める「子育て先進区」の基本方針や、中野区独自の子育て世帯と障害者などを含めた地域包括ケア体制の整備に向けたすこやか福祉センター圏域の見直しなど、今後の区政の根幹となる方向性の検討を進めました。また、社会の変化を捉え、多様性の尊重や協働の推進に取り組んでいく観点から、性的指向・性自認による生活上の困難の解決に向けた相談窓口を設置したほか、民間事業者等との包括的な連携の推進に係る考え方の整理等も行いました。

区内のまちづくりでは、都立家政駅及び鷺ノ宮駅周辺のまちづくり整備方針(素案)の作成や、新庁舎整備の実施設計及び施工に関する事業者選定への着手のほか、中野駅新北口駅前エリア再整備の検討を進め、本年1月に再整備事業計画を策定しました。中野駅西側南北通路・橋上駅舎等事業については、建物本体工事の着手に向け、鉄道事業者との協定を締結しました。また、広町みらい公園を開園したことや、既存の公園遊具の撤去・更新への意見募集を行い、誰もが憩い安心して利用できる快適な公園づくりを進めたほか、中野区無電柱化推進計画の策定や、弥生町三丁目地区のまちびらきなどの防災性の向上や居住環境の改善等に向けた取組を進めました。

世の中の流れに敏感でありつつ、中野区の特性を踏まえながら、これまで進めてきた区政の歩みをさらに加速させていきます。

3  区の将来に向けた方向性と取組

本年は、私が就任して以来、検討を進めてきた区の将来に向けた方向性についてさらに検討を深め、実現に向けて着実に進めていく年であると考えています。これから区が目指すべきまちの姿と、その実現に向けた取組の一端について、ご説明します。

 

(1)新しい基本構想・基本計画の策定

新しい基本構想の策定に向けた検討にあたっては、多くの公募区民、区内関係団体からの推薦された方々及び学識経験者から構成される基本構想審議会において、充実したご審議をいただきました。また、無作為抽出による区民ワークショップや区民アンケートといった新たな形式での区民参加の手法を採用し、幅広いご意見をいただくとともに、職員によるプロジェクトチームを設置するなど、多様な手法を用いて、検討素案として取りまとめたところです。社会状況が変化しても、将来にわたって活発なまちであり続けるために、中野区の最大の財産を「人」であると考え、目指すまちの姿を「つながる はじまる なかの」と表現しました。今後、区議会における十分なご審議をお願いするとともに、意見交換会やパブリック・コメント手続を実施し、幅広くご意見を伺っていきます。

また、基本構想で描く目指すまちの姿を実現するための新しい基本計画についても、策定に向けた検討を進めているところです。施設配置の見直しの方向性や、中長期的な財政見通しをお示しした上で、各領域における政策と施策を体系化し、領域を横断する重点プロジェクトも設定したいと考えています。持続可能な区政運営を進めていくために、行政評価等のPDCAサイクルとも連動させながら、実効性の高い基本計画として策定します。

 

(2)子どもの育ちを地域全体で支えるまち

子どもの未来は、中野の未来です。安心して子育てができるよう子育て家庭を支えるとともに、子どもたちが未来に向けてチャレンジしながら成長できるよう子どもの育ちを支えるまちを築いていくことが重要です。子どもの想いを大切にし、子どもの視点で考え、子ども一人ひとりに向き合っていくことで、まちに活力が溢れます。子どもがよりよく生きるための力を身に付け、変化の激しい時代をしなやかに生き、成長していけるよう、まち全体で子どもを見守り、子育てを応援していくことが、中野の未来を大きく広げていくことにもなります。

そのためには、子どもの「今」を大切にし、子どもと子育て家庭を取り巻く環境を充実するとともに、関係機関等が良好な関係のもと協力し合うことが大切です。これまで検討を進めてきた区立保育園、区立幼稚園、地域の子育て施設の配置等については、新しい基本計画の策定に向けて、具体的な内容を明らかにしていきます。

子どもと子育て家庭の満足度が高く、多くの子どもと子育て家庭から選ばれる「子育て先進区」の実現に向けた基礎づくりを着実に進めていきます。

 

(3)人生100年時代を自分らしく生きられるまち

世界的ベストセラーとなったリンダ・グラットン氏の著書『LIFE SHIFT』では、人生100年時代の生き方のひとつとして、従来の「教育・仕事・引退」という単線型の3段階で捉えられてきたライフコースを考え直すことの必要性が提唱されました。いま私たちが真剣に考えなければならないのは、人生の「長さ」そのものではなく、その「質」であると考えています。生涯現役で活躍するためには、できるだけ長く健康に過ごせることが大切です。そのために、身体を動かしやすい環境づくりや、それぞれの経験や人脈、スキルなどを生かして、就労や地域活動といった社会参加の機会を広げていく取組を進めていかなければなりません。また、高齢期を迎える前から、本業とは別に社会活動を行うパラレルキャリアを促進するなど、多様な形で社会と関わることが、高齢期の豊かな人生を紡いでいくものと考えています。

超高齢社会を支える土台として、住み慣れた地域で暮らし続けられるよう、必要となる医療・介護・福祉を地域で受けることができる地域包括ケア体制の構築は、取り組まなければならない喫緊の課題です。これまでも、町会・自治会や民生児童委員、社会福祉協議会などの関係団体の連携により進められてきた地域支えあいネットワークの取組や、医療・介護・福祉の関係機関の連携により、着実に進めているところであり、今後、それらをより有機的に機能させていくための体制の構築が必要です。住民にとって最も身近な地域活動の圏域である区民活動センター圏域を基軸に据え、アウトリーチ活動などのきめ細やかな取組を進めていくため、すこやか福祉センターの機能の充実を図るとともに地域包括支援センター等のあり方についても検討を進めていきます。

また、子育て世帯と障害者などを含めた地域包括ケアシステムの推進に向けて、本格的に取り組んでいきます。

 

(4)彩り豊かな多様性のまち

東京オリンピック・パラリンピック開催の前後は、多くの外国人が、日本を、東京を、そして中野を訪れることが予想されます。本年6月に開設を予定している中野区立総合体育館は、卓球の公式練習会場として活用されることが決定しており、世界各国のオリンピアン、パラリンピアンが集まります。今大会は、「全員が自己ベスト」「多様性と調和」「未来への継承」が基本コンセプトとして掲げられており、いずれも社会全体に通じる大切なコンセプトだと思います。中でも、「多様性と調和」の実現に取り組むことは、多様な文化や価値観が共存する中野区において非常に重要なことです。大会の開催をひとつの契機として、まちを彩る多様性をさらに息づかせていきたいと考えています。

本年1月1日現在、区内に居住する外国人は2万人を超え、全人口のうち約6%を占めています。外国人が暮らしやすい環境づくりに取り組むとともに、日本人と外国人の互いの理解を深めていく取組が欠かせません。性のあり方もまた、多様です。平成30年に開始したパートナーシップ宣誓をはじめとした取組を通じて、より一層の理解の浸透に努めていきます。中野区男女平等基本条例についても、こうした時代の変化に対応するため、改正の検討を行います。

様々な個性を受け入れあい、そこから新たな価値観が生まれていくような地域社会を築いていきます。

 

(5)つながりが広がるまち

2015年の国連サミットで、持続可能な開発目標として採択されたSDGsは、2030年までに達成すべき17のゴールと169のターゲットで構成されており、17番目のゴールとして「パートナーシップで目標を達成しよう」と定めています。「風が吹けば桶屋が儲かる」という諺がありますが、現代社会の課題は複雑に絡み合っており、ひとつの課題に着手すると他に影響を与えることもあることから、全体像を捉えて取り組んでいく必要があります。中野区においても、人口減少・超高齢社会などの人口構造の変化に伴う地域課題を全体像として捉え、多様な主体が手と手を取り合って取り組むパートナーシップで多様な課題の解決につなげていく、協働・協創という考え方は、大切なキーワードであると考えています。

中野には、よりよいまちを築くために、地域活動やボランティア活動、趣味を通じた活動など、立場を越えて力を合わせて地域で活躍している人々が多く、大きな強みであると考えています。必ず訪れる人口減少社会において、地域の原動力となるのは、単なる「人口」ではなく「活動人口」であり、活動者同士のつながりによる連鎖的な活動の広がりが、まちの底力を高めていくものと考えています。地域活動や文化芸術活動など、多様な主体同士の連携の推進等に力を注ぎ、まちの活力の核となる活動の担い手づくりを推進していきます。

人との交流の有無が健康に影響を与えることは、複数の研究結果により明らかになっています。中野のコミュニティを支える町会・自治会をはじめとした地域団体がさらに発展するとともに、これまで地域との関わりが薄かった人も、ライフスタイルや関心に応じて参加できる「ゆるやかなつながり」を築いていくための場や機会を充実することで、一人ひとりの健康で豊かな暮らしを実現し、協働・協創を育む土台をさらに持続的で広がりのあるものにしていきます。

 

(6)文化芸術施策の推進

区内の商店街を美術館に見立てたアートイベント「NAKANO街中まるごと美術館!」は、本年で10周年を迎えました。現在、中野駅周辺の各商店街などでは、アール・ブリュットの様々な作品が展示されています。

文化芸術は、まちの多様性への理解や、人と人とのつながりを広げていく、非常に大きな力を持っています。中野は、伝統的な芸能活動が盛んであり、多くの区民が様々な文化芸術活動に親しみ、サブカルチャーやアール・ブリュットなどの新たな文化が芽生えるまちです。

区は現在、区民の皆さんや区内団体に向けた文化芸術活動の実態調査を行っているところです。これらの結果をもとに、基本構想や基本計画の策定状況を踏まえて、今後の文化芸術施策を展開していきたいと考えています。

発想力豊かで遊び心あふれる文化芸術活動がまち全体に展開され、誰もが身近に文化芸術に親しみ、表現できる環境を整えることにより、区民の皆さんのより心豊かな生活と、人々が訪れ、にぎわいにあふれるまちを実現していきたいと考えています。

 

(7)安全・安心で活力ある都市の発展

都市計画の基本的な方針である中野区都市計画マスタープランは、前回の改定から10年が経過しています。人口減少・超高齢社会等に適応した持続可能な都市づくり、切迫する大地震等の自然災害から区民を守る安全・安心な都市づくり、区民や、区で活動する多様な人々と協働して進める都市づくりなど、近年の社会状況の変化や課題、区内における各まちづくりの進捗状況等を踏まえ、新しい中野区基本構想や、東京都の上位計画等との整合性を図りながら、令和3年度の改定に向けて、本格的な検討を進めていきます。

さらに、中野らしい良好な景観を形成するため、(仮称)景観まちづくりガイドライン策定に向けた検討を進めていきます。

また、東京の新たなエネルギーを生み出す活動拠点の形成に向けて、中野駅周辺まちづくりを推進します。西武新宿線沿線まちづくりについては、交通環境の改善、にぎわいと魅力あふれるまちづくりや防災性の向上に向けた取組を進めていきます。

昨年の秋、非常に大型の台風が相次いで日本に上陸し、自然の猛威をあらためて痛感させられました。気候変動の影響等により、今後は大規模な集中豪雨や大型の台風が頻繁に発生する可能性が指摘されています。また、国の地震調査委員会は、今後30年以内に70%の確率で首都直下地震が発生すると予測しており、いつ起きるかわからない自然災害に備え、物資の配備や洪水ハザードマップの充実などにより、これまで以上に力を入れていく必要があります。

中野区は、木造住宅が密集している地域が多く、他区と比較して公園や空き地が少なく、狭あい道路も多いことなどから、都市基盤の整備や、建物の不燃化、耐震化といった防災まちづくりを進め、災害に強く回復力のあるまちづくりを進めていきます。あわせて区民一人ひとりが高い防災意識を持ち、地域住民の協働により地域の防災力を向上させていくことが重要です。

区はこれまで、中野区地域防災計画に基づき防災対策等の取組を進めてきたところですが、国土強靱化に係る法の趣旨を踏まえ、より一層の防災・減災対策等を推進していくため、中野区国土強靱化地域計画を策定します。また、昨年策定した中野区無電柱化推進計画に基づき、まちの防災性の向上、安全な歩行空間の確保、良好な都市景観の創出等を進めていきます。

 

(8)ICTを活用した安定的かつ利便性の高いサービス

近年、ICTの活用により政府や自治体の業務効率を高め、新しいサービスを生み出すことを示す「GovTech」という言葉が登場しています。私たちは、仕事上でも生活上でも、当たり前のようにICTを活用しています。区は、証明書のコンビニ交付や電子申請、施設予約システムなど、区民サービスの提供におけるICTの活用を進めているところですが、まだまだ、区民の皆様から不便だという声をいただくこともあります。経済発展と社会的課題の解決を両立していく新たな社会である「Society5.0」の到来も見据え、地域情報化を総合的かつ体系的に推進していくため、中野区地域情報化推進計画を改定するとともに、更なるサービスの向上に努めていきます。

一方で、昨年は大規模なシステム障害が発生し、多くの手続やサービスに支障をきたす事態に陥り、区民の皆様には多大なるご迷惑をお掛けしました。この反省を踏まえ、このような事態に備えたICTに関するBCPを策定し、安定的で、利便性の高いサービスの提供に取り組んでいきます。

 

(9)区民との協働・協創の実現に向けた職員力の向上

これまで述べてきた様々な方向性を形にしていくためには、それぞれの施策を実行する職員の力を高めていくことが欠かせません。価値観や文化、ライフスタイルの多様化が進むこの時代において、区民一人ひとりに寄り添う行政サービスを展開していくためには、職員が地域に飛び出し、区民の皆さんや関係者と対話・協働する中で、常に新しい課題を発見し、解決に導く力を育てていく必要があります。また、限られた財源の中で最適な手段を選択し、実行するためには、常に社会の動きにアンテナを張る情報感度と、客観的な論拠であるエビデンスに基づく政策形成能力を高めることが必要です。こうした職員力の向上に努めることにより、区民の皆さんと協働・協創する自治体を目指していきます。

職員が、職員にしかできない業務にさらに注力するとともに、業務効率を高めていけるよう、新区役所の整備も見据えた働き方の見直しや、改善した行政評価の実施、AIやRPAといった新技術の活用による業務の効率化等を進めていきます。

4  令和2年度の区政の方向について

新たに取り組む施策や今までの取組を加速させる施策など、令和2年度の区政運営の方向について、ご説明します。

次年度は、「子育て先進区に向けた取組」、「安心して地域で暮らし続けられるための取組」、「区民とともに進めるまちづくりのための取組」と「3つの取組を支え、推進する行財政運営」の4つを重点に置き、区政を進めていきます。

 

(1)子育て先進区に向けた取組

はじめに、安心できる子育て環境への取組です。

子どもの命と権利を守る区を実現するために、(仮称)子どもの権利条例の制定に向けた検討を行います。

妊娠期から出産・子育て期までの切れ目ない支援を推進し、多胎児やひとり親家庭への支援などの子育て支援の拡充など、トータルケア事業の充実を図ります。

また、3歳児内科健診の一部と歯科健診について委託し、子育て世帯におけるかかりつけ医の推進や、すこやか福祉センターと医療機関の連携強化を図ります。

保育の待機児童対策については、多様な保育需要への対応及び保育定員の拡充を図るために、認可保育施設の新規開設等を進めます。また、保育園入園申込みにかかる申請手続の簡素化に向け、ICT化を進めます。

子育て支援施設については、キッズ・プラザの開設準備や子育てひろばの整備を進めるとともに、民間学童クラブの運営を支援します。子ども期から若者期の課題について支援する(仮称)総合子どもセンター、及び児童相談所の開設に向けて、他自治体の児童相談所に職員を派遣します。

子どもと子育て家庭の実態調査の結果を踏まえ、学識経験者や子ども・子育て会議等から意見聴取を行いながら、子どもの貧困対策の具体的な事業の検討を進めます。

次に、楽しく育つ地域環境への取組です。

幼児期からの木に触れる機会の充実のため、里・まち連携自治体の木材を活用した木製おもちゃを子ども施設に配置します。子どもの読書活動を推進するため、ブックスタート事業を行います。また、区立図書館に絵本等の乳幼児向け図書を充実します。

最後に、充実した教育環境への取組です。

幼児教育の充実を図るため、私立幼稚園等の保護者補助を継続し、研究会補助を拡充します。

中野区立小中学校再編計画(第2次)による学校の統合を円滑に進めるとともに、統合校の仮校舎の改修工事、新校舎の整備、体育館の冷暖房化を計画的に実施します。また、児童数の増加に伴い、普通教室の不足が見込まれる学校について、増築等の対応を図ります。

新学習指導要領の全面実施を契機として、英語教育の一層の充実を図るため、小学校英語教育アドバイザーの派遣、小学校ALT配置事業の拡充、東京都英語村での小学校英語体験プログラムへの参加などを行います。また、中学生英語検定料の補助を行います。

また、特別な配慮が必要な子どもたちの教育を充実する取組として、中学校への特別支援教室の整備や特別支援教育相談体制の強化等を進めます。

 

(2)安心して地域で暮らし続けられるための取組

はじめに、地域包括ケアシステムへの取組です。

誰もが住み慣れた地域で安心して暮らすことができる地域包括ケアを推進するために、(仮称)地域包括ケア総合計画の策定に向けた検討を進めていきます。

地域自治活動の拠点の整備として、本町四丁目用地に高齢者会館機能を併せ持つ区民活動センター等の基本設計や温暖化対策推進オフィス跡施設を改修し、区民活動センター仮施設等を整備します。

次に、健康で快適な生活への取組として、区民のスポーツや健康づくりの場を整備するため、中野区立総合体育館を開設します。総合体育館については、愛称を付ける権利を有償で募集するネーミングライツを導入します。また、区役所と総合体育館を往復する巡回車両の試験運行を行います。

受動喫煙防止については、改正健康増進法及び東京都受動喫煙防止条例の全面施行に伴い、新制度に関する普及啓発等の取組を行います。

食品ロス削減に向けた取組として、飲食店等と連携・協力し、食べきり運動等の普及啓発を推進するとともに、家庭で食べきれない食品を子ども食堂などで活用するフードドライブを実施します。

また、誰もが生き生きと暮らせるユニバーサルデザインのまちづくりを進めるため、道路・公園のバリアフリー化及び公園のトイレ改修を進めます。

さらに、新たな取組として、区民の移動の利便性向上と公共交通の補完を目的とし、都心区と広域連携したシェアサイクルを導入します。

最後に、防犯・防災対策への取組です。

防犯対策として、特殊詐欺被害を未然に防止するため、自動通話録音機貸与事業を拡充します。

防災対策では、区民の安全・安心のため、避難所用備蓄として乳児用液体ミルクを配備します。また、風水害の一時避難所に飲料水等を配備するとともに、洪水ハザードマップについては、多言語版の作製や土砂災害の情報を盛り込むなどの充実を図ります。その他、木造住宅の耐震化促進事業等の助成の拡充や、ブロック塀建替え助成を実施します。また、危険と判断されたブロック塀の所有者に対して安全指導や啓発を行います。

 

(3)区民とともに進めるまちづくりのための取組

まちづくりの取組としては、中野駅周辺各地区のまちづくりを推進するとともに、中野駅西側南北通路・橋上駅舎の整備工事を行います。中野駅新北口駅前エリアは、本年1月に策定した再整備事業計画に基づき拠点施設整備に係る民間事業者の公募・選定手続きを行います。

また、中野三丁目において実施される土地区画整理事業、中野二丁目において実施される市街地再開発事業に係る事業費を補助し、各地区の着実なまちづくりに向けた支援を行います。

西武新宿線連続立体交差事業に合わせ、新井薬師前駅・沼袋駅周辺の交通環境改善、にぎわい、防災性向上に向けた取組を継続して進めます。野方駅以西についても、各駅周辺のまちづくりの検討を進めます。

弥生町三丁目周辺地区、大和町地区においては、不燃化の促進に合わせ、無電柱化の推進などのまちづくりを進めます。

次に、多文化共生に関する取組としては、区役所や各出先機関等にAI翻訳機を導入し、在住外国人が安心して暮らせる環境づくりを行います。区政情報の多言語対応を進めるため、区報の10か国語対応アプリを導入します。性的少数者や多文化共生についての理解促進の視点を踏まえ、中野区男女平等基本条例の改正に向けた検討を行います。

最後に、被災地の継続的な支援のため、「東北復興大祭典なかの」などを通じて、復興の状況や各地の観光・文化の発信を行うことで、区民の被災地に対する意識や復興支援への理解を深め、震災の記憶が風化しないように取り組んでいきます。

 

(4)3つの取組を支え、推進する行財政運営

今、述べさせていただきました3つの取組を円滑かつ確実に進めていくため、行財政運営に効率的に取り組む必要があります。

区民に区政情報をわかりやすく的確に伝えるために、ホームページにユニバーサルデザインフォントを導入するとともに、多言語対応の質を向上します。また、区の歴史的情報資産の充実と利活用を一層図るため、地域住民と協働して、変わりゆく中野のまちや人の様子などの映像や画像を記録・収集・発信します。

収納率向上に向け、訪問による納税等の案内及び財産調査を拡充するとともに、ショートメッセージサービスを活用した納付勧奨を実施します。また、区外滞納者に対する状況調査を拡大します。

新区役所の整備については、令和6年度の移転に向けて実施設計を進め、中野体育館は解体工事に着手します。

さらに、新たに業務改善のプロセスを改善するとともに、単純・定例的業務の自動化やペーパーレスを推進していきます。

5  令和2年度予算案の概要について

次に、本定例会においてご審議いただく、令和2年度予算案の概要を述べさせていただきます。

まず、予算の規模ですが、

一般会計は、1,468億2,300万円、前年度に比べ3.5%減。

特別会計は、645億1,300万円、前年度に比べ13.7%減。

全会計総計では、2,113億3,600万円、前年度に比べ、156億1,900万円、6.9%の減となりました。

一般会計予算の歳入では、納税義務者数の増加等による特別区税の増加、昨年10月の消費税増税の影響を反映し、地方消費税交付金の増加を見込みましたが、財政調整基金からの繰入が減少したほか、投資的事業の財源である特別区債について、後年度の負担を考慮し、起債活用を抑制したことなどから減となりました。

次に、歳出では、義務的経費については、公債費が計画的な償還により減少しましたが、扶助費のうち、待機児童対策の推進に伴い教育・保育に係る給付費等が大幅に伸びたことにより、義務的経費全体は増となりました。

投資的経費では、区立学校再編整備工事、中野駅西側南北通路・橋上駅舎整備等を進める一方で、中野区立総合体育館整備費、哲学堂公園野球場改修費、広町みらい公園整備費が皆減となったこと等から、大幅な減となっています。

令和2年度予算は、新しい基本構想や基本計画など、新しい区政への展開につなげていくため、これまで進めてきたまちづくりに引き続き取り組むとともに、喫緊の課題に対応し、妊娠・出産・子育てトータルケア事業の推進、区立学校の体育館冷暖房化などの教育施設環境の改善、英語教育やICT教育環境の充実、地域の防災・安全の推進などに幅広く取り組む予算としました。

また、区の財政運営を安定的に進めるために、区の歳入については、法人住民税の一部国税化など、国が推し進めている不合理な税制改正の影響、ふるさと納税の動向等を注視しつつ、最も重要な特別区民税の確実な税収の確保に努めていきます。

今後、新しい基本構想で描く中野のまちの実現に向けて、これまでの財政運営手法を検証し、持続可能な区政運営の考え方について、新しい基本計画において、明らかにしたいと考えています。

これにより、将来の社会経済状況にも十分に対応できるよう、引き続き財政基盤を確固たるものにしていきたいと考えています。

なお、予算案の詳しい内容につきましては、提案の際にご説明をさせていただきます。

6  むすびに

私は、一昨年の区長選挙において、区民や職員の力が生かせる「対話の区政」の実現を掲げ、当選させていただきました。情報化が進み、働き方も多様化する世の中において、立場にかかわらず、社会が抱える課題に対して関心を持ち、SNS等で情報や交流が広がり、解決に向けて行動する人が増えているという実感を持っています。中野は、そのコンパクトな規模やまちの構造により、そうした人たちが集まり、つながりやすいまちであると考えています。

時代の変化は非常に速く、10年先を正確に見通せる人は誰一人いません。そうした中で、常に変わりゆく社会課題に即応していくためには、課題を共有し、ともに考え、ともに解決に向けて行動する人を増やしていくことが不可欠であると考えています。そうした「活動人口」の母数が増えることで、様々な課題が発見・共有・解決され、直接活動に参加することはできない人も含めて、区民生活全体が豊かになり、地域愛が生まれ、中野というまちが育まれていくものだと考えています。

新しい基本構想の検討素案でお示しした「つながり」や「はじまり」、「協働」や「協創」、「チャレンジ」といった言葉には、私のそのような想いを込めています。多くの皆様に共感いただき、明るい中野の未来をともに築いていきたいと思います。

以上、本年の区政運営に臨む所信の一端を述べたところです。区議会並びに区民の皆様のご理解とご協力をお願い申し上げて、令和2年第1回中野区議会定例会における施政方針説明とさせていただきます。

  

(注)本文は、口述筆記ではありませんので、表現その他若干の変更があることがあります。

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