平成16年度 第2回中野区都市計画審議会会議録

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更新日:2023年8月3日

日時

平成16年7月23日(金曜)午後1時30分

場所

中野区役所 4階 区議会第2委員会室

次第

1.報告事項

(1)中野区用途地域・地区及び日影規制の決定について

(2)中野駅周辺まちづくり計画について

出席委員

渡邉委員、森委員、田代委員、勝木委員、石川委員、堀委員、佐々木委員、萩原委員、加藤(ま)委員、宮川委員、米田委員、篠 委員、飯島委員、かせ委員、伊東委員

事務局

服部都市整備部都市計画担当参事

幹事

  • 那須井区長室まちづくり総合調整担当部長
  • 石井都市整備部長
  • 尾崎都市整備部土木担当課長
  • 上村都市整備部交通安全対策担当課長
  • 斎木都市整備部公園緑地担当課長
  • 佐藤都市整備部建築・住宅担当参事
  • 岩井都市整備部地区整備担当課長
  • 豊川都市整備部中野駅周辺整備担当課長

会長

 ただいまから、平成16年度第二回中野区都市計画審議会を開催いたします。
 審議に入ります前に、このたび警視庁の人事異動に伴いまして、委員に変更がございました。6月28日付で委嘱を受けました委員の方をご紹介いたしたいと存じますが、本日、あいにく所要のため御欠席ということですので、事務局のほうからご紹介をお願いしたいと思います。

事務局

 それでは、私のほうでかわりにお名前を御紹介申し上げます。
 各委員におかれましては、お席に第15期中野区都市計画審議会委員名簿がございます。その区分の一番下段にございます行政機関の真ん中に警視庁中野警察署長の、大変難しいお名前でございますけれども、「明利 彊(めいり つよし)」さんでございます。きょうはあいにく欠席でございますけれども、残りの任期はもうわずかでございますが、今回から御参加ということでございます。よろしくお願い申し上げます。
 以上でございます。

会長

 本来ならばごあいさつをちょうだいいたすべきところでございますが、御欠席ということでまたの機会にでもごあいさつをちょうだいいたしたいと思います。
 それでは、審議に入りたいと思います。本日は、先日御送付申し上げました議事次第のとおり報告事項が2件でございます。
 まず、中野区用途地域・地区及び日影規制の決定についてという事項から説明をお願いいたしたいと思います。それでは、事務局お願いいたします。

事務局

 それでは、私、都市計画担当参事のほうから報告申し上げます。
 この件につきましては、ちょうど2年前、平成14年7月、東京都から原案作成依頼がありました今回の用途地域・地区の見直しでございます。これにつきましては、当審議会の中でも何回となく御審議いただきまして、少し経過を振り返りますと、平成14年7月の東京都の原案作成依頼を踏まえて、一昨年、平成14年8月に中野区都市計画審議会に区のほうから諮問をさせていただきました。そして、その間、何回となく御審議いただきまして、昨年、平成15年2月に用途地域・地区見直し素案、きょう封筒にこれまでの時系列と申しますか、なかの区報特集号等を入れてございます。今、少し申し上げましたなかの区報の平成15年2月23日号、これは当時の素案のとりまとめでございました。これをもとに地域説明会もさせていただきました。その内容でございます。また、続きまして平成15年5月にそういう経過を踏まえて当審議会の中で原案についての答申をいただいてございます。それを踏まえて、中野区として平成15年6月に中野区原案として決定いたしまして、同7月に東京都に中野区原案をお送りさせていただきました。そして、封筒に入ってございます平成15年8月24日号、これが2つ目の特集号でございました。これが中野区用途地域・地区の見直し原案でございます。その後東京都は区及び関係機関との調整を経て素案策定を行い、素案の公告・縦覧をし、東京都の原案を決定してございます。同時に、区においては、防火、準防火地域及び高度地区の原案の公告・縦覧をし、中野区の原案を決定してございます。そして、本年の3月、当審議会に諮問いたしました。同4月に中野区都市計画審議会で答申いただいて、原案どおり了ということで都に回答いたしてございます。そういう経過を踏まえて、本年6月24日に東京都で告示・施行してございます。それが、きょうお配りしてございます平成16年6月27日のなかの区報の特集号でございます。これが、6月24日から施行してございます新しい用途地域・地区の内容でございます。
 なお、参考として拡大でございますけれども、6月24日告示・施行の中野区用途地域・地区及び日影規制指定図、それから建築安全条例等々の資料もお送りさせてもらってございます。御参考にしていただければ幸いでございます。なお、もう1点、都市計画概要図もあわせまして封筒の中に入れておりますので、御参考としていただければ幸いでございます。
 そういったところでまとめまして、6月24日の告示・施行で用途地域・地区の決定を見たところでございます。同時にまた、用途地域・地区の変更に伴いまして日影条例の一部改正も行われまして、日影規制指定についても6月24日付で変更となってございます。これもなかの区報の特集号でもそう記載してございます。
 最後でございますが、当審議会でも用途地域・地区の御審議の中では何点かの附帯意見をいただきました。それを踏まえて、6月27日のなかの区報特集号の表頭のところにもございますように、今後の課題として合計6点挙げてございます。そういったことも含めて、区といたしましても受けとめて、こういった方向で課題認識をもち取り組んでいきたいと考えてございます。
 以上、この項、中野区用途地域・地区及び日影規制指定の決定につきましての報告でございます。以上でございます。

会長

 ありがとうございました。
 大分前にこの場で議論をしていただいたわけでございまして、細かい点は記憶されているかどうかわかりませんけれども、正式に6月24日に決定を見たということでございます。これに関して何か御質問は。

加藤(ま)委員

 お伺いします。
 日影規制とかは私たちの生活に本当に影響のあることで、なんとかダウンゾーニングの方向になっていかないかということは、大分意見を申し上げたんですが、現状維持ということで残念ではあります。ただ、緩和されなかったということは、まだよかったなと思っています。そして、事務局のほうから最後につけ加えていただいた今後の課題のところですけれども、個人的にはこの幹線道路の後背地ということが気になります。個人的なことはさておき、この6点について見直しは一応、終わったということだけれども、5年後を待つのではなくて、今から次の作業に入るということなのですが、このことについては、担当の方は何人ぐらいいて、これからどのような作業を進めようとしているのか。また、これからのスケジュールがあるのであれば、示していただきたいと思います。

事務局

 この課題につきましては、従前、特集号の中でもこの審議会の原案作成の段階でも同じ表明をさせていただきました。大変重たい課題と思ってございます。今、委員のほうからもありましたように、幹線道路の後背地の関係についても、現に審議会の中でも議論いただきました。現段階で区として取り組んでございますことにつきましては、こういった課題認識を持って日常業務を行っていますし、また具体的に動きつつある地区計画とかまちづくりにつきましては、その辺の支援を進めていきたいと思ってございます。現に上鷺宮地区につきましては、そこの課題<4>にありますように土地区画整理事業を施行すべき区域の扱いを、区といたしましても地区計画という手法を通しまして地域整備を進めていきたいと思ってございます。近々に継続的にそういった地域の話し合いができるような形の検討会の立ち上げを考えてございます。そういったたぐいでございまして、順次できるところから進めていきたいと思ってございます。
 また、この審議会におかれましても、こういう関連する課題につきましても御論議いただきたい、そう思ってございます。

加藤(ま)委員

 志というか、意志は伝わってきたんですけれども、もう少し具体的に、担当の方が何人いて、これをどう立ち上げようとしているのかとか、今後のスケジュールを都市計画審議会にお示しいただくとか、そういう具体的なことが伺いたいと思ったんです。
 それで、例えばさっき申し上げた後背地については、私は現場をよく知っています。宮川委員もよく知っていると思います。そういう現場を知っている人間のほうから担当の方にお話をすることで、より具体的なよい解決策というものが出るのではないかと思います。その辺も含めて、担当の方をお教えいただけたらと思います。

事務局

 現時点でこの地区計画とか、こういった地域まちづくりを支援する都市計画分野の担当は、現在6名でございます。そのうち、先ほど例示で申し上げました上鷺宮につきましては、3名の職員を担当として配置して、住民の方々との話し合いの支援、あるいは材料御提供、そういったことをやっていきたいと考えてございます。もっとも、都市計画分野の3人だけで上鷺宮の地域についてのまちづくりはなかなか難しゅうございます。それにつきましては、当然ながら地域センター等々の協力を得ながら進めていきたい、そういうことでこれからやっていこうと思ってございます。なお、必要ならば、こういった上鷺宮地域におきますまちづくりの関係のお話も次回以降、適当なときに進捗状況等につきましても報告すべきことと考えてございますので、その際に御説明させていただきたいと思ってございます。
 以上でございます。 

会長

 よろしいでしょうか。

佐々木委員

 この新しい用途地域・地区計画が決まるという3行目ぐらいから、「これは、おおむね5年毎に行う一斉見直しによるもので、東京都が各区市町の「見直し原案」を、広域的な立場から調整しまとめたものです。」ということは、中野区の原案を出して、東京都のビジョンと我々の考え方や今までの考え方の違い、これを調整していく必要があるだろうというのは何回も申し上げたんですが、その意味で、東京都との間に私ども原案を一応、この形でということにした原案とのことに関して、何らかの調整の文書の交換はありましたか。あるいは、そこで協議という場が東京都との間でありましたか。そこの議事はどういう形のものがあったんでしょうか。これがまず1点の質問です。
 それから、中野区都市計画マスタープランのあとに東京都の新しい包括的なまちづくりビジョンが発表されたことにより、中野区都市計画マスタープランをつくった広域都市計画の状況と、今、違ってきておるわけです。これを中野区都市計画マスタープランに反映させるべきかどうかといった新しい作業が必要であるという点も御指摘してあったわけです。その部分を、今回は間に合わないということで、一定の対処をいたしました。それはこちらに書いてあるとおり、今後の課題として残して、次を待つことなくやっていこうということになっておりました。私ども経済団体としては、都市計画マスタープランの前回の積み上げのあり方については、幾つかの点で全体的な都市を動かしていくマスタープランづくりの過程になっていない反省的もあるのではないかということで、もう一度その辺のつくり方を含めて、データに基づくつくり方であるといったものも含めて、新しい中野区の土地利用のあり方ということでの再議論が必要になるのではないかと思っております。それに対する御見解をお聞きしたいと思います。

会長

 2点ほどありますけれども、よろしくお願いします。

事務局

 まず1点目ですけれども、用途地域・地区の見直しに絡みます都とのやりとりの関係を御紹介してほしいというお話がございました。これも先ほど概略御説明させていただきましたけれども、まず、昨年の6月の段階で中野区の原案を当審議会の審議を踏まえてつくったわけでございます。それを同7月に文書をもって東京都のほうに中野区原案としてお送りしてございます。普通ならば、特に問題なければ都との詳細な協議はありません。今回は、中野区の原案がそのとおり最終的に決定してございますので、そういったところではいわば調整とかすり合わせは必要なくなったわけでございます。なお、本年の3月、4月も、中野区の原案を踏まえて東京都の原案をつくりました。そして、東京都の原案を中野区のほうに最終的に意見照会で参った経過がございます。その際、この審議会の中でも御審議いただいた経過がございますけれども、その中でも都の原案、つまり中野区の原案を踏まえた都の原案を了としていただいていますので、そういう意味では全体が整合してございますので、突合しない部分、あるいは整合しない部分についての協議・調整は今回につきましては必要なかったというところでございます。そういった経過で扱った内容でございます。
 それから2点目でございますけれども、都市計画マスタープランの関係でも、この審議会の中でも2月・3月の段階で相当集中的に御論議いただきました。当時の段階といたしましては、具体的な表現も参考にしながら検証させていただいて、その段階では2000年3月策定の都市計画マスタープラン、その後につくりました今回の新しい都市づくりビジョンとの整合・突合がどうかというところでは、一応、その時点では問題ないという判断で御了解いただいて、その後の用途地域・地区の見直しについての全体の整合といいますか、御理解いただいた経過がございます。ですから、その時点ではそういう方向で判断してございます。
 なお、都市計画マスタープランも繰り返し表明いたしてございますけれども、社会状況の変化等々をとらまえて、必要な範囲で見直していくということは、これまでもこの都市計画マスタープランの中でも記述していますように、また私のほうもこの場でその旨、表明してきてございますので、そういう状況変化、あるいは中野区内の全体の変化等々があれば、必要な範囲で見直しをしていきたい、今後ともそういうスタンスでいきたいと思ってございます。

佐々木委員

 そういう総花的な、どこもみんなよかったという議論になっちゃっていいのかなと思うわけです。ここにも載っておりますけれども、東京の新しい都市づくりビジョンの中では水と緑の都市環境再生ゾーンという、そんな地域でございます。ところが、そうであるにもかかわらず、逆にそこには中高層住宅地を主として誘導を図るということになっているわけです。現実上、我々の用途地域があるのは今のところ従来のものを踏襲して、その地域ゾーンにあるにもかかわらず、低層住宅地域という形を保持するということで、あくまでそこに対立点はあるんです。だから、これでいいということになったのか、今回、すぐに方向性を示したビジョンを、今回の用途地域の指定に関しては順次変えるということは必要ないということになったのか。それは、これでいいということを今の都市づくりビジョンに合っているという方向では、現実的なところが違っているわけです。そこをどうとらえるべきかというのは、あんまりいいかげんにすべき問題じゃないと僕は思うんです。だから、ビジョンは将来像ですから、現時点での5年のこの時点での問題としては、こういう用途地域でいいという形で東京都は中野区原案を認めたんだと、僕はそういう認識ではないかと思っている次第です。
 ですから、ある意味で言うとそこはこれからも東京都と調整しながら、どうやって快適な住宅地域をつくるべきか、緑と水の再生をすべきかというのは、東京都の都市計画部に聞いてみたんですが、我々のこの事態に対してあまりしっかりとした、こうやって誘導していく、こうやって実現するんだという青ビジョンを向こうも持っていないと言っているんです。だから、これはそこの地域自体もかかわって、そういうまちづくりをどうやったらできるだろうかというのを、広域行政を扱う東京都も一緒になって、これから真剣に考えていかないといけないという認識なんですけれども、今のお話だとそのときに、我々の出した案でよかったんだという、それが東京都ビジョンとも合っているし、都市計画マスタープランとも合っている。何かそういうように聞こえたんですけれども、今時点での用途地域指定ということと、ビジョンの方向を調整していくということは、課題として残るのではないんですか。

事務局

 御説明の仕方が不十分だったのはおわび申し上げます。私のほうで御説明したかったのは、本年6月に今回の用途地域・地区の見直しを決定させていただきました。それは当然ながら、この審議会の中での御論議を踏まえて中野区のを決定して、それを都の原案に生かすといいますか、そういう方向で手続をしてまいりました。その間にさまざまな課題、あるいは御意見をいただいてございます。区といたしましても中野区が安心して安全に暮らして生き続けるまちといいますか、そういう区政、あるいは中野区のまちは必要と思ってございます。そのための住まいのあり方とか、あるいは環境とか、中野のまちの活性化といいますか、産業面とか、そういった総合的な観点は欠かせないと思ってございます。その意味で、先ほど来御紹介いただきました新しい東京の都市づくりビジョンも当然ながら踏まえて、今回の用途地域・地区の見直しに至った経過でございます。ただ、区といたしましてもこれであと5年間、何もしませんということは決してございません。その間にさまざまな環境、あるいは社会状況の変化をとらえてどうしていくのか。一つの方法としては、地区計画の手法によります見直し、それに結果として用途地域・地区の見直し、そういったところで進めていく方法もありますし、そういった状況変化をたえず踏まえて、これからも取り組んでいきたいというところでありまして、6月27日のなかの区報にもございますように、今後の課題として中野区の基本的なスタンスを表明した経過でございます。その辺、御理解いただきたいと思ってございます。

佐々木委員

 わかりました。

会長

 それでは、この件につきまして、今までの流れの中で決定を見てきたわけでありますが、繰り返して申し上げますけれども、今回の決定の中で非常に重要なことは、原則、地区計画を全域についてやるんだということでありまして、これは大変重い決定をしたわけであります。必ずしも用途地域制度自身を云々するというよりも、その地域の地権者、住民、その他、皆さん方のお考えによっては、さまざまなまちづくりの具体化をきちんと制度としてつくり上げていこうと、こういう大変重要な決定もここに含まれているということを、ひとつ御認識いただければと思います。
 それでは、次に移ってよろしゅうございましょうか。――よろしければ、もう一つの事項は中野駅周辺まちづくり計画の進捗状況等も含めまして、御報告をちょうだいいたしたいと存じます。どうぞよろしくお願いします。

中野駅周辺整備担当課長

 それでは、ただいまから、報告事項の(2)中野駅周辺まちづくり計画について御説明させていただきたいと思います。
 本日は資料を2種類お配りしてございます。まず中野駅周辺まちづくりの考え方という冊子でございます。もう一つは、中野駅周辺まちづくりの考え方(概要)というA3判2つ折りの両面コピーのもの、きょうはこの2つの資料を中心にいたしまして、これまでの検討の経過、それから今後の予定などを中心に簡単にお話をしたいと思っております。よろしくお願いします。
 まず前回、4月15日の当審議会におきまして、私のほうから昨年度開かれました中野駅周辺まちづくり調査検討委員会の内容の報告をさせていただきました。現在、中野区ではその調査検討委員会の検討結果をたたき台、検討素材といたしまして、中野駅周辺まちづくり計画について検討している段階でございます。前回も申し上げましたが、エリアとしては、今、前に写っております青い太い点線のエリア、約50ヘクタールありますが、このエリアでまちづくりを考えておるところでございます。
 この中でやはり一番大きな比率を占めますのはいわゆる警察大学校跡地でございますが、当然、中野駅の問題、既存のブロードウェイ、サンモールなどのまちづくり、サンプラザ、区役所、あるいは駅の南側、こういったものをすべて含んだ総合的なまちづくりとして検討しているというところでございます。
 それで、まずこのまちづくりの考え方の本編、冊子のほうでございますが、こちらをごらんいただきたいと思います。これは現在のところ、中野区が考えておりますまちづくりの考え方をまとめたものでございます。まず目次を開いていただきまして、全体の流れはこういった、今ごらんのような章立てで構成しております。まず前置きといたしまして、中野駅周辺まちづくりの着実な整備に向けて、順に第I章として中野駅周辺まちづくりの基本的考え方、第II章として土地利用及び基盤施設の整備の考え方、第III章といたしまして環境整備計画の考え方、第IV章といたしまして安全・安心対策の考え方、第V章といたしまして産業振興への貢献に係るまちづくりの考え方、第VI章といたしまして各地区の整備計画及び事業手法の考え方、第VII章といたしまして事業推進化方策の考え方、それから最後に事業推進化方策の考え方という構成になっております。では、順次内容にいきたいと思います。
 3ページをごらんいただきたいと思います。この3ページにつきましては、駅周辺の位置づけですとか、まちの考え方の位置づけですとか、背景の説明をしております。これは前回説明の際に説明しておりますので省略させていただきたいと思いますが、基本的にはこれまであった土地利用転換計画案の見直しを図りながら、今後、新たな推進案をつくるということが主眼かと思います。
 4ページをごらんいただきたいと思います。ここでこの中野駅周辺のまちづくりの基本的な考え方といたしましては、賑わいの心というふうなことで基本的には考えたいと。それに加えまして、当然、このみどりやオープンスペースの確保など、環境面にも十分配慮したいと。加えて中野区役所一帯の広域避難場所としての機能も、これまでどおり確保するということが大きな柱かと思います。
 それから次のページに行きまして、6ページをごらんいただきたいと思います。6ページの下のほうに街づくりのコンセプトというのがお示ししてあります。ここにコンセプトとして1行示しておりますが、にぎわいと環境が調和したまちを目指すということでございまして、具体的には<1>といたしまして、にぎわいの心の育成・整備を図りたいということでございます。これは中野駅周辺の特色である界隈性などを生かしながら、今後も多くの人が集まり、新たな創造性や情報の受発信性に富んだまちとなることにより、活力や競争力を向上させることが趣旨でございます。
 <2>といたしましては、多様な交流を生む様々な昨日の複合・連携を図りたいと。これは次のページに内容が書いておりますが、さまざまな都市機能の複合・連携ですとか、文化・教育交流機能の向上などを目指しておるところでございます。加えまして、良好な住居機能の確保、あるいは産学連携や国際交流の活発化なども進めていきたいと考えております。
 <3>といたしましては、人にやさしく地球にやさしいまちの形成ということでございまして、ヒートアイランドの緩和ですとか、環境負荷の軽減、あるいは防災や防犯性の向上、ユニバーサルデザインの取り組みなどが示してあります。
 それで、その7ページの下にまちづくり指針というものをお示しいたしました。こういったコンセプトに沿ったまちづくりを進めるためには、以下、丸ゴシックで示したような指針的なものをお示しをしてあります。
 それから8ページでございますが、上から2行目あたりに段階的なまちの整備ということでお示しをしてございます。これは、これだけ広いエリアのまちづくりでございますので、すべてのエリア内を一気にということはなかなか困難かと思います。したがいまして、このエリア内でも段階的にまちの整備が進むのかなと考えています。これは例えばの例でございますが、始動期といたしまして、5年後ぐらいには警察病院の開院、区画街路の一部整備、それから10年後、これは仮に創設期と呼んでおりますが、これは警察大学校跡地の開発が進む。それから中野二丁目駅の南口の供給公社の敷地を中心とした再開発が進むであろうと。15年後、これは仮に発展期と申しておりますが、サンプラザ、区役所跡地の開発、駅の整備などが進むかなと考えているところでございます。
 その下の第II章でございます。土地利用及び基盤施設の整備の考え方でございます。まず土地利用計画の考え方につきましては、そこに列挙しておりますが、主なものを申し上げますと、まず中野駅周辺を構成する各地区につきまして、これだけ広いエリアですので、それぞれの地区の個性がございます。そういったことから、それぞれの個性を生かしたまちづくりを行いたいということでございます。あわせて、個性と魅力を持った活気ある商店街の保全育成を図りたいということでございます。それから、警察大学校跡地周辺には新たな都市機能を導入いたしまして、商業、業務、医療、交流、教育、居住、行政サービス、そういった機能が融合した、にぎわいのある安全で快適な複合市街地を形成したいと思ってございます。あるいは、中野駅周辺の土地利用計画に当たっては、いわゆるインフラの容量なども十分に配慮していくと。それから、特に跡地の土地利用に関しましては、周辺との調和に配慮します。そういったことから、高度利用にいたしましても、跡地全部を高度利用ということじゃなくて段階的に、例えば西側から東側に向かった高度利用したらどうかというようなこともお示ししております。
 それから次、8ページ下のほうに交通基盤整備の考え方がございます。まず<1>として中野駅及び周辺の整備でございます。これは、この中野駅周辺まちづくりにとりまして中野駅はいわば最も重要な要となる部分でございます。ですから、こういった駅、駅前広場の整備は最も重要なことかと思われます。そういったことから、そこにお示ししてありますようにJR、関係機関などと協議をしながら、中野区駅相互の整備改善、あるいは駅前広場の整備、そういったものを進める必要があると考えているところでございます。
 次に<2>道路でございます。これはこういったまちづくりの進展にあわせて、早稲田通りや中野通りの拡幅整備、早稲田通りはもう既に環七から中野通りまでは拡幅整備計画が決まっておると聞いておりますが、こういった整備を進めるとともに、その他の都市計画道路も順次整備を進めるということをお示しております。
 それから、地区内においても区画街路等の整備によりまして地区内の円滑な交通処理の関係の改善を図りたいと。あるいは、歩行者空間も快適な空間を確保したいと考えております。
 それから<3>にございますが、公共交通機関につましても、これは公共交通機関を十分利用していただきたいという立場から、例えばそこにお示してありますバスルートや停留所の位置などのまちづくりとの整合、あるいは利用自由度の高い新たな公共交通機関、こういったものも検討したいと考えております。
 10ページでございます。<4>の自動車駐車場及び自転車駐車場の整備でございます。これはそこにもお示ししてありますように、当然、新たな自動車・自転車の駐車需要が発生するかと思いますが、これに関しましても過度の集中を避けるような適切な配置をしたいと。あるいは駐輪場にいたしましても、駅近接に再整備をしたいと考えているところでございます。
 それから3番、供給処理施設整備の考え方でございます。これに関しましても、そこにありますとおり新たな土地利用計画に適合した処理能力が満たされるように整備をしたいということ、あるいは資源リサイクルやごみゼロ運動といったものとも連動いたしまして、「ごみ・ゼロ都市中野」のモデル的地区としたいということを考えております。あるいは、供給処理施設の整備に当たりましては、大気、水質等に環境、良好な景観に十分配慮した整備をしたいと考えております。
 その下、4番の公共公益施設の整備でございます。それは、そこにお示ししてありますとおり歩行者の回遊性ですとか、利便性向上、そういったものを主眼に整備を進めたいと考えております。
 それから次のページでございますが、上に大学・大学院等とございます。これも現在の想定でございますが、例えばこの警大跡地の西側のほうにこういった大学とか大学院のようなものを誘致できたらどうかということで、現在、検討しているところでございます。
 その下の住宅につきましても、良質の住宅をこの地区内で供給したいと考えております。
 それから、その下の第III章、環境整備計画でございます。これはそこにお示ししてありますとおり、環境負荷の軽減、ゆとりや快適さの創出により、持続可能なまち、そういったところがキーワードかと思います。それからあとは、公共交通機関相互の乗り換えの利便性向上によりまして、自動車の発生交通量を抑えるということも課題になると思います。
 その下の主な施設整備の考え方でございますが、これは緑道、公園、そういったものを結んだ「都市の広場」、あるいは駅前広場の整備によります公共交通機関の利便性向上、そういったものが主な点と思います。この主な施設整備の考え方の4番目にお示ししてありますが、この「都市の広場」を整備する場合、現在のところとにかく跡地に関しましては、道路とか公園につきましては開発者負担ということを考えておりますが、これも必要な場合には国庫補助の導入を図ったり、区のほうでも負担するということも考えておるところでございます。
 それから、3番の景観計画・環境保全の考え方でございます。これに関しましても、良好な景観の形成に努めたい。あるいはまちのにぎわいにも配慮しつつ、可能な限りみどり豊かなまちなみの形成に努めたいと考えておるところでございます。
 第IV章でございます。安全・安心対策の考え方。これは行数としては少ないですが、かなり重要な内容かと思います。現在、区役所一帯が広域避難場所として指定されております。この機能を引き続き維持できるように、土地利用を誘導することも必要かなと考えております。あるいは防犯面での配慮も必要かと考えております。
 次、第V章でございます。産業振興への貢献に係るまちづくりの考え方でございます。これは、そこにありますとおり中野駅周辺は中野の目指す「質のある産業集積」の拠点となるまちづくりを目指したいということで、以下、<1><2>と書いてありますようなことをテーマに考えておりまして、<1>といたしましては、集客性を高める商業基盤施設や教育・文化・娯楽施設等の整備、2番目といたしましては、中野に相応しい都市型新事業の集積・立地促進及び育成を図りたい。次のページにいきまして、そういった内容でこの賑わいの心の産業振興を図りたいということでございます。
 それから13ページの真ん中から下でございます。規制・誘導施策でございます。これは都市計画的な手法による規制・誘導を図るとか、あるいはそこにありますような事業手法で規制・誘導を図る、あるいは産業振興施策、場合によっては構造改革特区、そういった面も検討したいということも考えておるところでございます。
 それから14ページの3、にぎわいのための具体的なまちのつくり方でございます。これは、今申し上げたようなことを具体的にお示しするとすれば、こんな内容になるかということでお示しをしてございます。
 それから次の第VI章でございます。各地区の整備計画及び事業手法の考え方でございます。これまで述べたことは、この中野駅周辺50h全体にかかわることをお話しいたしましたが、これからは各地区のいわば各論にお話を進めたいと思います。
 まず1番、警大跡地地区整備の考え方でございます。この項に関しましては、概要版の中を開いていただきますと、各地区の略図的なものがございます。これをあわせてごらんいただければと思います。
 本文に戻りまして、まず1番の警大跡地地区整備の考え方でございます。整備方針といたしましては、中野の新たな顔となる拠点をつくりたいと。それから次には、公園と空地からなるオープンスペースの確保を図りたいということでございます。
 15ページに移りまして、土地利用といたしましては、まず現在の区役所及びサンプラザの敷地に関しましては、中野のにぎわいの中心となるような再整備をしたらどうかと。それから警大跡地につきましては、多様な都市機能が形成されるような複合的な土地利用をしたらどうかというところでお示しをしてございます。それから<3>の事業手法でございますが、これは基本的には地区計画、都市計画制度などによりまして、民間事業者の規制誘導を行うということが主な考え方でございます。それから、先ほど少し申し上げましたが、この跡地内の道路・公園、こういったものは原則として開発者の負担によりまして整備をするということを考えております。
 それからその下の資金計画ですが、先ほども若干申し上げましたが、例えば公園などの基盤整備につきましては、場合によっては国庫補助導入も検討したいということも考えております。
 それから次に、15ページの2番、既成市街地整備の考え方でございます。まず<1>の囲町地区、これは概要版の警大跡地の下に若干図がありますが、あわせてごらんいただきたいと思います。これは囲町地区は御存じのとおり警大跡地の南側に隣接する既成市街地でございますが、ここは都市計画道路221号線が通っておりまして、この整備ということも必要かと思います。こういったことから、地区の実情に合わせまして適切な計画事業手法によりましてまちづくりを進めたいということを考えております。
 それから次に16ページに行きまして、<2>のサンモール、ブロードウェイ地区でございます。これは概要版の右上に概略の図がお示ししてございます。これは現在、もうかなり十分なにぎわいを持っている繁華街、商業地区でございますが、一方、防災上の問題、あるいは荷さばき施設等商業活動を支える機能の不足、そういったものが指摘されております。そういったことから、そのような機能を何とか確保したいということをお示ししております。あるいはこの概要版の中に、大変見にくくて申しわけありませんが、サンモールの憩い空間、これはサンモールのアーケード商店街の中にちょっとした広場を設けて、そういった、ここへ来た人たちがちょっと休めるようなスペースを確保したらどうかということでお示ししているところでございます。こういった回遊性の確保というものも、この地区においては重要な要素かと考えております。
 それから本文に戻りまして、16ページの中ほど、<3>の南口地区でございます。これは概要版の右下にお示ししてございますが、これは中野駅の南側で現在、住宅供給公社の団地があるところについては、その周辺の敷地を一部含みました市街地再開発事業を推進したらどうかということでお示ししてあります。あるいは、それ以外につきましても、南北・東西方向の動線の確保ですとか、中野通り沿道商業ゾーンの活性化、中野五叉路の道路拡幅・街区整備、そういったこともお示ししてあります。
 それから16ページの一番下の<4>、駅及び駅周辺地区でございます。これは概要版の絵では中心のやや下側にお示ししてあります。この<4>の地区は、中野駅そのもの、それからその周りの地区のところでございますが、ここでお示ししてありますのは、まず駅の南北自由通路の整備、現在、中野駅はいわゆる高架構造ではなくて盛土構造という性格上、南北方向に自由に行ける動線が中野通りの歩道しかございません。そういったことから、その辺は南北方向の、特に歩行者動線を確保したいということも考えておるところでございます。
 それから次の17ページでございますが、まず何と言っても中野駅そのものの整備・改良、そういったものをJRと協力しながらする必要があると考えております。あるいは、駅前広場ですが、現在、中野駅北口広場、これは非常に狭くて混雑しております。これは皆さん十分御承知のとおりかと思いますが、中野駅北口広場から中野通りを挟んで西側の現在、駐輪場になっておりますエリア、これが都市計画で広場として決定されております。ですから、今考えておりますのは、この西側の現在、駐輪場などに使っている広場をバスターミナル、あるいはタクシー乗り場、そういった交通結節点として整備をしたい。それから、現在の北口広場はそういったバスやタクシーということではなくて、歩行者を優先とした空間にしたいと。それで、この現在の北口広場と新しく整備します西側の広場につきましては、デッキとか、そういったもので結んだらどうかということをお示ししてあります。その辺の絵がちょっと見にくくて申しわけないんですが、中野駅北口広場のイメージということでお示ししてございます。
 それから本文に戻りまして、17ページでございますが、第VII章の事業推進化方策の考え方でございます。こういったかなり大規模かつ広範なまちづくりが必要な地区におきましては、やはり大きな方針が必要かと思います。それで、方針として3つ掲げてみました。まず<1>番が区民参加のまちづくりが必要であるということでございます。これは、これまで区民の方々や学識経験者によりまして調査検討委員会で検討してまいりました。現在は、区民検討会あるいは区民と区長の対話集会、こういったものを実施いたしまして、皆様方の御意見・御議論などを経まして、現在、案を固めつつある段階ということでございます。あるいは既成市街地におきましても、まだすべての地区ではございませんが、幾つかの地区におきまして勉強会なども開始しているところでございます。
 それから基本方針の<2>番目でございますが、公開によるまちづくり、これはこれまでの調査検討委員会、区民検討会などは、すべて公開を原則といたします。そういったことから、計画策定の公平性、透明性を確保したいと考えております。
 それから、<3>民間活力の活用によるまちづくりでございます。これは先ほど警察大学校跡地のところで申し上げましたが、開発者負担という原則にのっとってまちづくりを進めたいと考えております。これは現に土地区画整理事業といったものでも実績がある手法でございます。
 それから18ページでございます。こういった事業を推進するための基本的な考え方といたしましては、そこに4つお示しをいたしました。まず、区民の方々との議論や検討を継続的に行う必要があるということでございます。それから2番目といたしましては、これは事業もできることは速やかに着手すると。使えるところは早く使うと、そういった対応も必要かと考えております。3番目といたしましては、事業化への柔軟な対応、これもそれぞれの立場を越えて柔軟に対応する、そういったことが事業化にも必要だと考えております。最後は、行政、民間、住民の役割でございます。まちづくりは例えば行政だけ、あるいは民間だけでできるものではありません。こういった3者がそれぞれの役割を十分果たしながら、お互いに関与していくと、そういったことが必要かと思います。そこにお示ししましたとおり、行政では全体計画のコントロール及び一部基盤整備、民間は民間活力ノウハウの提供及び跡地内基盤施設の負担、住民の方々は計画への参画、そういったことが必要かなと思います。
 以上、長々と御説明いたしましたが、そういったことで現在、まちづくりについて検討を進めているところでございます。
 それで、今後の予定でございますが、実はこの中野駅周辺まちづくりにつきましては、
現在、中野区で検討中の改定作業に着手しております基本構想と密接な関係がございます。
ですから、中野駅周辺まちづくりに関しましても、その基本構想の策定スケジュールをにらみながら、現在の予定ではおおむね今年の11月末ぐらいを目途にこのまちづくりの計画を固めたいと考えているところでございます。
 以上、雑駁ではありますが、御説明させていただきました。

会長

 ありがとうございました。警大跡地の開発整備計画に関連して、中野駅周辺まちづくりの計画が今、どういう方向に向かっているかという説明をちょうだいいたしました。
 これについて、いろいろ御意見がおありだろうと思いますので、質問・御意見等も含めてお願いいたしたいと思います。

加藤(ま)委員

 この駅周辺のこと、それから特に警大跡地のことは、今後の中野区の形というものを大きく変えていく大変重要なことだと思います。それを諮問を受けてどうであるということを話し合うこの審議会の場というのは、大変責任があると自覚しています。こうやって途中経過を伺っているわけですけれども、それだけではなくて、より多くの情報をいただいて、またその中から審議会の立場から、ただ、いい・悪い、または差し戻しということだけではなく、審議会という場が提案ができる、建議ができるということがたしか15年に決まったと思うんですけれども、そういうこともできるのであれば、この場でより深い議論というものをしておく必要があるだろうと思っています。もちろん検討委員会というものが今ありますから、そこを無視するようなことはもちろん考えていませんけれども、都市計画の立場から準備をしておくというか、審議会として十分機能を果たすようなことをできればなと思っています。差し出がましいというか、あれなんですけれども、今まで考えていたことなどを私なりに論点をまとめまして、昨日、事務局にお届けしました。渡邉会長のほうに見ていただきたいということでお願いしてあります。あと、委員の皆様にも配っていただきたいということでしたが、それはできないということなので、終わってから、まだお渡ししていない方にぜひ見ていただきたいと思っています。
 ここまでは前置きなのですが、まず最初にさっき佐々木委員のほうからも出ましたけれども、都市マスの扱いというのが大変重要だと思っています。都市マスができて何年かたっていて、内容を変えていく必要があるかもしれませんけれども、都市マスの中では賑わいの心とみどりの拠点ということははっきりと分けてありまして、その分けた線というのは、この後ろにあるけやき通りだったと聞いています。また、そのときには中野区には超高層はふさわしくない、必要ないという立場でまとめられたと聞きました。まず事務局にこのことを伺いたいのですけれども、警察大学の跡地には防災公園をつくるという計画があったと思います。都市マスにはそれが書いてありますけれども、この周辺まちづくりには防災公園ということは書いていないように思うのですけれども、その辺の整合性があるのかどうか、お知らせください。

会長

 いかがでしょうか。ここでは防災拠点という御説明がございましたけれども、公園というものとは、どういう関係なのでしょうか。

事務局

 それでは、都市計画担当のほうからお答え申し上げます。
 今の都市計画マスタープランの関係の内容との整合はどうかという御質問でございます。都市計画マスタープランは2000年にまとめてございます。そこの中で中野区の駅の周辺の取り扱いがこう書いてございます。先ほど来、担当の課長からも説明いたしてございますが、賑わいの心の育成と整備でございます。区の中心的な地区の育成として、この中野駅周辺の賑わいの心としては、区の代表的な商業業務地区として、地区の状況に応じた多様な手法を活用して、土地の高度利用と建築物の適正な更新を進め、商業業務施設などの集積や行政・文化施設の充実を図るとともに、都市型住宅の供給を誘導し、中心市街地を形成するなど、求心力や集客力を高める。また、都心に近く、新宿副都心に隣接した利便性を生かし、情報サービス業やデザイン業などのソフト産業の立地を誘導し、事務所兼用住宅の供給など、職住近接のまちづくりを推進するという下りを書いてございます。また、今、委員のほうから引用された(仮称)中央防災公園の関係につきましては、都市計画マスタープランもいわば警大跡地の土地利用転換計画との整合をとりながら進めていくということで書いてございます。したがって、その時点の土地利用転換計画の中には、防災公園あるいは清掃工場があったわけでございます。そういったところの整合をとりながら、今、私が引用して申し上げましたにぎわいの心の育成整備、そういったところで挙げてきてございます。したがって、こういう表現をさせていただければ、全体としては区の中心的な地区の育成という観点では、先ほど来、担当課長のほうから御説明させてもらってございます現段階での駅周辺のまちづくりの考え方の基本的なところでは相違がないという感じを持ってございます。ただ、それぞれ表現の違いとしては、ニュアンスはあろうかと思ってございますけれども、基本的なところとしては、今、引用させていただいたところで見れば、大きなぶれはないのかなと思ってございます。
 先ほど来、御答弁してございますように、この都市計画マスタープランもそういった社会経済状況の変化とか、あるいはまちづくりの進捗状況を踏まえながら、当然、必要に応じまして、的確に見直しを行うということを表明してございますので、それはそれでまた、そういった時点がまいりました段階では、見直しを行っていきたい、そういうつもりで区は考えてございます。

加藤(ま)委員

 防災公園と書いてあると思うんですが、それはいかがなんでしょうか。都市マスのほうには、ないですか。

事務局

 (仮称)中央防災公園ということで書いてございます。それで、まちづくり方針も括弧してそういう記載がございます。それで、先ほど説明させてもらった部分では、土地利用転換計画の整合をとりながらということでもありますので、全体としてはそういった警大跡地のありようと見合いながら進めていくというところでは、そういう認識でございます。

加藤(ま)委員

 都市計画マスタープランというのは、私は詳しいことはよくわからないのですけれども、都市計画の中で上位の計画であると聞きました。それに合わせて、整合性を持っていくということがこれからの計画にも必要なのであれば、この周辺まちづくりについてもこれに合わせていかなければいけないと思います。時期が来たら見直しを考えるとおっしゃっていましたけれども、基本構想が11月ごろには形が出るということであれば、それに合わせて都市計画マスタープランのほうも見直されて終了してしかるべきではないかと思います。前にも申し上げましたけれども、この都市計画は中野区の場合は住民が参加して、ある意味、大変よい形ででき上がったマスタープランだと思うんです。それには長い時間をかけています。これをまた変えていくということであれば、それも中野区の真ん中の重要な部分で変えるということであれば、それなりの手続が必要だと思いますし、その手続をどういうふうにするのか、時期をどうするのか、どういう手続をするのか、また、それには法律的にどういうことをして決めていかなければいけないのかということを教えてください。

事務局

 先ほど来申し上げてございますように、この都市計画マスタープラン、今、委員のほうもお話が出ましたけれども、まちづくりの基本的な方針でございます。まちづくりに関します中野区内では最上位な計画方針でございます。なお、先ほど委員からも出ましたように、中野区で現在、策定を目指して検討してございます基本構想が、区全体で見れば最上位の方針でございます。ですから、その基本構想とも当然、整合をとりながら、都市計画マスタープランの位置づけ、それからまた個別計画も都市計画マスタープランと照らし合わせながら進めていくべきと考えてございます。したがって、貴重な御意見としては承りますけれども、まだ具体的にどの段階でということでは考えてございませんけれども、先ほど来申し上げていますように、総論的に申し上げれば、時代状況、社会経済状況の変化とかまちづくりの進捗状況を踏まえながら、見直しを進めていくということの基本的な考えでございます。ですから、現段階、いつ何時に改定ということまでは考えてございません。そういった全体、整合をとるということでは必要という認識を持ってございます。

加藤(ま)委員

 でも、11月にはこれが決まろうとしているわけですよね。それなのに、時期が来たらというのはちょっとのんびりし過ぎているんじゃないかという気がします。それと、基本構想のほうが上位のものであるとしたらば、基本構想で内容が変わってしまえば、下のものもオセロゲームみたくころころと全部変わっていくというような受けとめ方もできるのですが、いかがなのでしょうか。私が聞きたいのは、この都市計画マスタープランを変えるための手続とその方法、法律的なこと、その辺はどういうふうにしていくとできるのかということを聞いているんです。

会長

 私、議長の立場を離れまして一つ申し上げたいと思うんですけれども、今、11月に区のほうでおつくりになろうとしている基本構想というのは、多分、自治法に基づく総合計画の基本構想だろうと思います。違うのですか。

事務局

 11月は駅周辺のほうの整備計画となっています。

会長

 では、ここのところをちょっと説明してくれる。

中野駅周辺整備担当課長

 では、先ほどの私の説明が若干不足しておりましたので、もう少し説明させていただきます。
 先ほど現在、基本構想を改定作業中というお話をいたしました。それと今回の中野駅周辺まちづくり計画の連動という話を申し上げました。基本構想自体は、大体、来年の3月を目途に策定しているということでございます。ただ、その前段といたしまして、例えば10月、11月ぐらいにはおおむねの骨格案のようなものができ上がるということでございます。それを受けて、中野駅周辺まちづくり計画はことしの11月ごろを目途に策定をしたいと考えているところでございます。

萩原委員

 きょうはまちづくりの考え方という総論的な方針の説明でありまして、この内容そのものはみんなどこでもこんなような内容ではなかろうかということでありますが、問題は、これから国有地なんかを売却するわけですけれども、その買い受けた業者というか人は、経済原則ですから最も有効に開発して利用していくということになります。そうすると、この「にぎわいと環境が調和したまちづくり」という副題がついていますけれども、よほどきちっとした規制誘導施策をつくらない限りは、経済原則に従った開発が行われてしまうということでありまして、通常のこの13ページに書いてあるような規制・誘導の手法に書いてあるような開発許可制度ですとか、街並みデザインの誘導だとか、このような内容というのは現在の制度ではほとんど緩いものでありまして、この考え方に示しているような内容を規制するというのは、よほどしっかりしたきめ細かい規制をしない限りはできないということが考えられるわけです。例えば開発許可なんかでは、緑地の面積なんていうのは敷地の1割ぐらいでよろしいというふうなことでありますけれども、実際、民間だとかがぜひ良好な中野に進出したいと思っているような場合には、緑地の面積というのは思い切って敷地の4割とか、5割ぐらいを取るような、そういう考え方をとらない限りは、なかなか中野という魅力あるまちにはならないということであります。そのためには、やはりきちっとした地区計画、規制・誘導を決めて、そのかわり、逆に言いますと高層化を認めるというふうな、そういう方向にいかないと難しいんではないか。例えば、このまちづくりの考え方で、駅の南側は公社住宅なんかの低層のがありますけれども、あの低層の住宅を再開発するわけですけれども、今、高さ100mの共同住宅なんかはちっとも珍しくないような状況でありますから、そのかわり、逆に緑地を広げてオープンスペースを広げるような、そんな計画をつくる必要もある。これが、総論ではこのような書き方で書いてありますけれども、きょうの段階では具体的な規制内容は全然示されていないということですので、実際に蓋を開けてみると、非常に開発者、建てる側が自由過ぎるような計画になる可能性もあるので、ぜひ今後の計画、規制についてはしっかりした、きちっときめ細かい、きょうの文書に書いてあるようなものが十分実現できるような計画になされるということを意見としてお話ししておきます。
 以上です。

会長

 ありがとうございました。ほかにございますか。

佐々木委員

 これで駅周辺の基本的な考え方が去年の審議会でこんなふうにまとまってきていますという中途報告の状態になるかなと思っておりますけれども、一つだけちょっと別の観点から申し上げておきたいと思うのは、ここで示されていらっしゃる5地区ぐらいに分けての全体の50haを一緒にしての開発計画は難しいというのはよくわかるのですが、逆に言うと、それをあれして、まずできちゃうところはできちゃうところだけで開発をしてしまおうと。区と国が話し合いがつけば、そこはもうそこだけでやっちゃいたい。囲町は囲町だけでやっちゃいたい。五丁目のサンモール街はそこで話し合いを地区計画でつけてください。南口は都と詰めるところと、もう少し周りのところで話がつくところは、やっちゃいますと。いわゆるありていに言ってしまえばそういう分割されたことになっているんですけれども、私は前のこの都市計画マスタープランのつくり方でも申し上げましたけれども、やはり土地の利用の仕方というのは民間地がかんでいる以上、そこの地主、地権者とか利用権者というものの意向が、そのまちづくりが変わっていくには、とても大事なのです。これは勝手に描いているような場で言っていますが、国有地の上にこれをつくりたい、あれをつくりたいということは見えているけれども、国はだれよりも早く時価で売ってしまいたいという意向のようなのです、私どものほうでは。そうすると、その中にどういう施設をつくられるところで配慮すべきだろうかというのが今の萩原委員のお話なんですが、それは逆に言うと経済原則というのを悪く考えなきゃいけないんで、もしそれを行政の方向で、経済性に見合わないものをつくっちゃった場合に、どういうことが起きているか。一般の施設だけつくればいいというものではなくて、そこで地方のいろんなプロジェクトが開発という名前のもとに大きな損を残すということに、確かになっているケースもあるのです。ですから、要はそこでつくられているものが実際につくられたコストを賄って、その目的の用途にうまく使われていくかということが、非常に重要なのです。ただ、これは開発者負担というので考えていますから、区はほとんどそれに対して責任を負わないのです。要は、それを出してもらって、つくってもらっちゃうとか、区の公園も下手したらば全部、お金を出さないでつくってもらっちゃうという考えのように聞こえます。そういう中で地区計画を進めるときというのは、実際、そこで建議になっている、持っている人たちがどういうまちにしていきたいのか、どういう駅周辺にしていきたいのか。普段も大きな団地を持った、そこで実際の商売をやっていらっしゃる方とかいうのは、どうしたらそこで再整備のための投資を行うんだろうかといった観点も、非常に大事なのです。ところが、その意見聴取というのを、僕も周りの事業者、行動豊富な利用を図っていらっしゃるところの方々にいろいろ聞いていますが、つい最近、地区単位の商店街とか町会とかを中心にした形で行われている地区で、もう少し大きな地権者とか云々が、どういうものだったらば、柔軟な事業のサイクルだといえば、いつか再投資しなきゃいけないんですね。答申のタイミングと合わせながら、いい方法でのまちづくりに参画してもらえるか。これがどう今の都市計画マスタープランをその地域の大きな再投資をする人たちが全然知らない中でつくられていっているということが多いんです。これじゃ、本当にそのまちづくりがいい方向であっても、そのまちは実現されていかないのです。現実に起きているのは、細分化が起きている。一体とか云々のほうは。全く逆のほうに、理想にした部分は低層住宅地にしたところがあまり素敵な街区になっていかないというのは、我々経済界の理事といいますか、委員が初めから申し上げているんです。それは学者の方々とか住民の方々の意見を聞くのもいいんですけれども、今の民間というのを動かしていくのは、その要素を入れながら、うまく投資を誘導していかないと、道路もいつまでたってもできませんよと。税金もなくて、財政を破綻させてしまった区が、ある程度、自分らのお金でできますか。そこまでしたが、どうしてなっちゃったんですかという反省に基づいていない。民間の方々にまちづくりに、そういう方向に投資をしていただけるように誘導する。そのためには、一体どうしたら動きやすく売り出せるかという観点が、どうもこういうものを考える前のデータとか意見聴取とかいう段階で完全に欠落しているというケースが多いです。東中野の開発、それから中野坂上の五差路の周りの地権者の方々に対する次のまちづくりのビジョンに対する意向聴取、そういったものも起きていないから、そこだけの開発で終わっちゃっている。その辺をやはりまちづくりに生かしていかないと、みどりもできないし、いいビルもできないし、いい商店街もできてこない。その観点をぜひ入れていただきたいと思います。

会長

 御意見として承りました。
 ほかに何かございませんでしょうか。

飯島委員

 事務局にお願いしておきたいことが幾つかあります。正確に、明確に、的確にお答えいただきたい。わけのわかったようなわからないようなことをぐだぐだ言わないでいただければなと思っています。基本構想の改定中だから、できる・できないの問題ではなくて、そもそも都市計画マスタープランには改定の手法は規定されていないんです。どうやったら改定するか、何年で見直しをするか、これは決められていない。先ほど都市計画担当参事がおっしゃったように、状況を見てという極めて漠とした要素で見直し規定があるだけです。しかも、マスタープランというのは実は20年というスパンを持って決定されていて、この基本構想は10年間です。したがって、都市計画マスタープランのほうが長い物差しをもってものを考えている。どっちが上位か云々という以前に、有効性において都市計画マスタープランのほうが実は中野区にあっては長い時間を有している、こういうことを承知しておいたほうがいいと思います。
 そういう意味では、どうすればどうだというのは、マスタープラン、それ自体が改定を持っていませんから、それはどんな形であれ、発意すれば改定作業に入れるということは間違いありません。それは決めればいいことです。どこが決めるのか。2つの決め方があると思います。それは、区長さんが言い出すか、あるいは都市計画審議会の建議があるか。要するに、意見具申ができることになったというけど、オールマイティーではないわけです、これは。この都市計画審議会の持っている権限の範囲の中の、いわゆる意見具申ができるような都市計画審議会に改定をされたというだけであって、現実には大きな部分は区長の諮問に答えるということが主たる任務ですから、そういう任務の範囲の中において意見具申ができると考えたほうが素直なんだろうと僕は思っています。
 それからもう一つ、萩原さんでしたか、おっしゃったけれども、まさにどういう地区計画を承認するかが、ここの権限なのです。ですから、どういう原案に対して、どういう意見を申し上げるか、それはまさにこの権限にかかわってくるだろうと思ったりしていまして、事前に加藤さんからペーパーをもらいましたが、細かいですね。うちのファクスは縮小されたので、よく読めませんでしたけれども、通例、よく伺っているようなお話だと思っていますので、そういう流れを御理解した上で、いろいろおっしゃっていただいたほうがいいかなとは思っています。
 だから、この前のときに私が申し上げたように、いわゆる都市計画マスタープランの解釈の範囲で現行の中野区の基本構想が組み立てられるとするならば、そういうことなのでしょう。都市計画マスタープランを改定しなければできないことをしようとしているのであれば、文字どおり憲法と自衛隊の関係みたいな話もありますけれども、どこまで運用や解釈でできるという、その許容範囲を越えているとすれば、それは手をつけなければならないだろうと思っています。ただ、今大事なことは、ここをどう位置づけるのか、このことが大事なので、東京都が緑と水の再生ゾーンと言ったって、中野区全体がそんなふうになっているわけではないわけです。それから都心の商業・業務集積地だって、公園を持っているのは当たり前なのです。地べたでみんな緑や水になっているわけではなくて、主張としてそういうところによって、中野駅周辺がどういう位置を持つのか。当然、そうなってくると、今、区側が考えているように、にぎわい、あるいは商業の集積、住宅、そして環境、防災、こういう視点が必要になるだろうということだから、そういうしゃくし定規に物を考えないで、我々がこの場所をどうするかは、考えていくんだという視点でお考えになることがいいのかなと思っていますし、事務局もぜひ、基本構想がいつ決定されると、そんなのはわかりません。議会で議決しなければ決まらないわけだから、素案をつくるのはいつだという時期の説明をされておいたほうがいいし、そんなに都市計画マスタープランが動かなければできないものをつくっているというほどのものではないのじゃないかと。だって、基本構想の有効期限というのは10年間しかないのですから。おおむね20年間の考え方を示したものですから、まあ7、8年かかっているから、リンクしているといえばリンクしているのかもしれませんけれども、そういうことを踏まえてよく説明していただかないと、うまくないんじゃないのかという気がさっきからいたしておりました。意見というか、発言として言いましたが、あとで会長に何か。
 済みません。あえてちょっと流れが違うことになると、都市計画審議会でこういうことが報告されているという意味合いはやはりちゃんと踏まえておくべきだと思うし、そういう節度は必要だろうと思います。

会長

 NHKの解説委員よりちょっと上手な解説だったように思いました。どうもありがとうございました。
 いずれにしましても、今、飯島委員が言われたように都市計画マスタープランを改定するとか、改正するとかという概念がまずないんです。部分的ということもありませんけれども、見直しを適宜しますと。その適宜というのは、おおむね5年間ぐらいでしょうと、この程度のことしか言っていないのです。
 それから、加藤委員の御指摘の、この中野駅周辺まちづくりと中野駅周辺についてマスタープランで土地利用の方向づけをしている文言及び概念図を重ねてみますと、そこには若干、解釈でそごを来すような部分がないわけではない。例えば、先ほどけやき通り云々とおっしゃいました。あの概念図では確かに点線があそこのところに入っているのです。だけれども、この絵では地区として西のほうにずっと拡大しています。これは非常に具体的な話です。マスタープランでは極めて概念的な方向づけを示しているので、あの点線とこの区画の点線は必ずしも同じ次元で議論されるべきものではないと思います。しかし、その土地利用の方針という精神、あるいは理念と、これを今度は具体的につくろうとするこういう具体案との整合は、当然、図るべきものでありますから、先ほど事務局の説明ではにぎわいとか心とか、あるいは産業とか商業の活気とか、そういうものは主として東のほうであって、何となく西のほうに行くにしたがって、そういう静かな区域を想定しましょうと。何かそこのところで若干、ぼかした部分が説明としてあったように思います。恐らくそれがここの警大跡地国有地、それから実は公園と書いてあるところも、あれはまだ財務省の国有地だったと思いますけれども、この辺はほとんど空いているところは国有地なのです。その国のほうがどういう方針で処分するか。それに対して積極的に中野あるいは区民としてこうしたいということは、当然言うべきで、その協議が、今ずっと進行している過程だろうと思います。この具体的な計画が恐らくだんだんと見えてくるというのは、国の基本方針というのがほぼ決まってはいると思いますけれども、だんだんと絵として出てくる。そういうときにいろいろ議論がもうちょっと深まって、しかもマスタープランで堅持している理念とこの具体案とのすり合わせというのが見えてくるんじゃないかと思います。

加藤(ま)委員

 私がこの場をちょっと違う方向に引っ張っているのかという感じもしますけれども、この場でもっと多くの情報が欲しいという気持もあります。それはどういうことかというと、例えば区議の皆さんはほかの特別委員会とかの場で説明を聞いたりとか、御質問されたりとかということができるわけです。私は今までそこまで興味がなかったのでしませんでしたけれども、最近になって特別委員会を傍聴させていただくとか、いろいろしていまして、この審議会で区議の皆さんがあまり意見をおっしゃらないのは、ほかにそういう場があるからなのだということを感じました。でも、区議の皆さんが考えていることもほかの審議会の委員の方たちにもみんなに聞いてほしいし、区が持っている案だけじゃなくて、区民がいろんなことを考えているということも皆さんに知っていただいて、いろいろな選択肢があるかもしれないということも踏まえていただいた上で、諮問されるものに対してここで話し合いができたらということが私としては一番の目的です。
 それで、都市マスにだけこだわっているつもりはないんですけれども、都市マスについては渡邉会長がまとめ役をなさった。そのつくられた時点ではみどりの拠点とか賑わいの心という言葉を使われて、ある程度の緩やかな区分けをされた。そして、中野駅周辺には超高層は必要ないのではないかということが下敷きにあってこのプランができたと聞いていますので、その辺のところで渡邉会長がどう考えているのかということも私はちょっと聞いてみたいと思います。

会長

 それはまたこの場ではなくて、後ほど意見を申し上げるときがあろうかと思います。ここはあくまでも審議会でございますので、差し控えさせていただきたいと思います。

事務局

 きょう報告させていただいてございますこういった中野駅周辺整備のまちづくりに関する情報提供も、この審議会の中で御要望いただきました。つまり、先ほど来、飯島委員のほうから言われています、まさにこの審議会の役割もありますけれども、関連する情報として聞きたいという御要望がくり返しございました。それを踏まえて適宜こういう途中経過をやらせてもらってございます。ですから、そういったところでは情報提供を今後ともやっていきたいと思ってございます。趣旨はそういうことでございます。基本としては、飯島委員がまとめていただきました諮問に対する区の考え方、方針に対する意見具申、あるいはそれに対する可否を問うていただく場面でございます。そのほかにも進捗状況、あるいはこの中野駅周辺整備ですと、中野区でも最も大きな計画でもございます。そういったところをこの審議会の皆様方にも適宜お伝えいたしたい。その気持でこれまでやってまいりました。今後ともそれはそれで適宜続けていこうと考えてございます。

会長

 ほかに。

佐々木委員

 審議会ということは、私は中野区都市計画審議会だと思っておりますので、単に区長の諮問したこの地区計画はこれでいいかというだけの問題ではなく、都市計画全般に対して審議をして、また区に対してアドバイスをする場でもあると考えております。その中で言うと、審議の材料は、みんな何か始めると、私に対するデータがない、資料が少ないというのはあるんですが、審議会の審議委員である以上は、自分のほうでもできる限り自分の範囲の中で調査を行う。あるいは区に自分の知りたい調査データを提供していただくようにお願いすることは委員としてさせていただけることではないかと考えています。先ほど申し上げたこの駅周辺の地権者の意見というのは、ある程度のこういった案を示した上で、どのようにこのまちづくりの中に参画する御意向がありますかという意向聴取、単に説明会としてやることではなくて、そこに権利を持っていらっしゃる方々の参加をできる限りスムーズに導き出せるまちづくりプランというのが、本来の地区計画というのは、そこの人たちがつくるものでありますから、そういうところが非常に大事だと思うんです。
 先ほど申し上げた、この分断された地区計画というのは、もっと広域の地区整備を行う場合は、換地という問題が非常に大きいんですが、この形は換地の部分というのを、相当大きな範囲を地区計画対象地域というか再整備の検討地域にしている割には、換地によって一つのもっと総合的な駅周辺をつくり上げるという観点があまりないのは、その辺の大きな地権者さんが換地をしていただく中で用地をつくり出していく、経済落差を利用する、これは地区計画的には全然違うんです。もう、今、未利用地になっている公共の公有地、それからもう完全に民間の敷地が分割されて、そこで商業が営まれて、商圏も生じちゃっているところ、それから南口のほうに行きますと、古い店舗、古いビルを持った大きな建物が案外幾つかあるということで、性格的に全然違う再整備に関する問題を抱えた地域なのです。これを全部、個別にやるという言い方にだんだんなっていっちゃっている。そのほうが簡単なのです。簡単だけれども、これはやっちゃったらおしまいですよ。ある意味でいうと、その中での換地ということも考えながら、その一つの誘導をつくっていかないと、もう地価が動かなくなっちゃっているところと地価が低く抑えられているところを、これを全体的に大きく広くとられてやったのが全く生かされていないように見えますという御意見を申し上げておきますので、まちづくりに非常に重要な大規模な土地の所有者の方々、あるいは地権者の方々の意向ぐらいは、建物というのは建てかわっていくものですから、再投資は必ずあるわけです。そのときが来たら、少し早めてもらうとか、云々してもらえば、まちづくりが相当スムーズに進むだろうということが、事業をやっている者としては、非常にわかるんです。私はここにいませんけれども、商売をやって従業員を食わせている方々がそこにいらっしゃるんだということを考えると、そういったあたりを図面の上だけで考えないでもっと聞き取った中で、何とかまちづくりができる方法は何かという手法が欠けている。みんなの希望を聞いてやった今度の都市マスタープラン、本当に会長がまとめられたのか、ちょっと失礼かもしれませんけれども、やはりそれだけでは動いていかない。実際にまちづくりのダイナモをつくり出していく要素を持ったマスタープランづくりを今後はしていかないと、今のような経済状況の中ではまちが本当に変わっていかないで、思ったのと違った方向に変わっていっちゃうようになっていませんか。そこをぜひ取り入れた、次に学んで、僕は絶対に住民から聞くべきだと思っていますけれども、もう一つ進めた経済概論が働くようなまちづくりのプランづくりというのがどうしても必要だと思っているんで、それを御理解願いたいということです。

会長

 こういった都市マスをベースにしたまちづくりであるとか、例えば中野駅周辺、あるいは何々地区のそういうまちづくりが具体的に展開してくる。そういう中で、佐々木委員の御提言のようなものが恐らく地域住民の自主的な御努力によって成立する。これが本当の地区計画であろうと思いますので、期待をしております。
 ほかにございませんでしょうか。

田代委員

 私も都市計画審議会の役割は非常に重要だと思いますし、また、先ほど諮問の範囲の中で答えるのが大きな仕事だということがありましたけれども、諮問に答える答え方の中にさまざまな主張ができるのではないかと思っておりまして、その答える答え方をどういうふうにするかというのは、今後審議すればいいと思います。
 私はちょっと質問がありまして、先般、景観緑三法が通りまして、立体公園であるとか景観地区であるとか、いろんな新しい手法が用意されたと聞いているんです。このような具体的な施策が国のほうで用意されたことを、区としてこの中野駅周辺まちづくりという具体の場でああいう新しい制度をどうやって生かしていくことを考えたのか。私はあの制度を見ると、非常にきめ細かくよくできているんです。そうすると、新しい手法を展開することがもし可能であるとすると、今までの状況の中でつくられたプランそのものだけで進めていっていいのか。もう少し事業手法とか、いろいろな可能性が含まれたものがあるんだと思うんです。ですから、その辺についてどのようにお考えになっているのか。ただこれは審議会として報告事項ということで御説明を受けているだけなので、どこまでお聞きできるかわかりませんが、ぜひそこはお答えいただきたいと思います。

会長

 いかがでしょうか。これに関連したことでは、答えることができる人はいるの。景観三法はちょっとどうかな。

事務局

 手前どものほうも詳細、まだ読み込みが足らない部分がありますけれども、趣旨は、新しいそういった整備手法を当然、活用しながら進めていく。それも大変大事な手順と思ってございます。したがって、今言われたこういう国が示す景観三法の関係、これは緑やそういったものを計画的、あるいは緑の保全とか緑化、景観の向上の観点から挙げてきてございますけれども、そういった関連の手法を鋭意検討しながら、具体的にこれが適用できるかどうか、そういうものも今後、区全体で検討していくべきものと考えています。
 また関連いたしまして、財源関係もそうですけれども、さまざまな財源見直しといいますか、三位一体等々の動きもございます。そういったことも絡めながら、より有効な方法、あるいは整備手法も幾つかの選択肢の中に入れ込みながら検討していくべきもの、あるいは検討している最中でございます。

会長

 これは今、検討中だそうですが、どうですか。

田代委員

 お答えの範囲では非常に抽象的で、何をお答えになったのかよくわからないんですけれども、ぜひそれはお調べになって、次回で結構ですので、この現在進められているまちづくりの考え方との関連性とか工夫とかについて御説明いただければと思っております。

会長

 景観三法とこの周辺まちづくりの具体案について、お互いにどういうような協力関係の中にありそうか、それを見定めるのは大変難しいだろうと思いますけれども、例えて言いますと、あそこで言っている緑とか緑地というのは大体、市街化調整区域ないしは白地のようなところです。ところが、ここでもって非常に大事なのは、電線の地中化であるとか、それに附属してスカイラインをどうつくっていくとか、建物の形態、あるいは街並みの壁面とか、それについてはかなり根拠を地方行政庁に与えてもらえるわけですから、あれは使いようによれば、この地区計画の中での街並みの性状には大変使えるだろうと。ただし、お金をくれるわけではございませんので、そういうようなところは事務局のほうで大いに勉強をしていただいて、また情報提供してもらえるんじゃないかと思っております。

田代委員

 今、ちょっと誤解があったようですけれども、緑は郊外のほうの話だと。あそこで言っている緑地の話は確かに保全系の話だと思うんですが、景観地区とか立体公園ということで、同時に都市公園法の部分を見直しているはずです。したがって、従来型の平面だけで考える都市公園のあり方から、立体的な有効利用ということも含めた制度に変わってきているし、もう一つは屋外公告物のあり方について規定していますので、そういったまちをきれいにしていくということについて、かなり具体的に踏み込んでいるはずですし、また都市計画と連動しているはずですので、その辺で、今、会長もおっしゃったような地下埋の話等も含めて、おそらく絵としてかなり具体的なことがあり得ると思うんです。ですから、そういうふうなことがもし全く関係ないと言えば関係ないと区がおっしゃるのであれば、そうかもしれませんが、おそらく使えるのはぜひ使っていったほうがいいだろうと思うんです。
 それともう一つは、何かそういう意味でいうと新しくつくっていくにぎわいの中に、ここで考え方に説明されている緑というのを具体的にどう考えるか。もう少し的確にしたほうがいいんではないか。抽象的な緑というのは、表現に書いていないほうがいいと思います。ですから、どういう緑をというふうなことを明確にしていった上で、その手法を展開されていったほうが混乱がないと思います。

会長

 御注意ありがとうございました。それはそのとおりですね。次回、また御説明する機会には、もうちょっと具体的なわかりやすい緑と、それからそれの整備について、今、どういうような制度的枠組みができて、それがどういうように中野区にとって有利に利用できるか、その辺も研究していただくようにお願いしたいと思います。
 ほかにどうでしょうか。

伊東委員

 この先、この中野駅周辺まちづくりについて、この都計審にいろいろ諮問という形、あるいは報告という形であると思うんですけれども、それを事前に整理しておく意味でお尋ねしたいんですが、今、これによりますと検討素案がこの先、出てまいりますけれども、それを受けて区案が作成され、またそれに沿う形で地区計画が入って、いつの時点で国から売却が行われるか。民間の活力ということが出てくるわけですから、当然、地区計画等にも民間の考え方、負担と受益というものが当然、盛り込まれなければ、絵にかいたもちの地区計画に終わってしまう可能性があると思うんです。ですから、その辺の一連の流れ、最終的にはこれは開発許可ですとか地区整備という形になってくると思うんですけれども、それを次回でも結構ですから、大まかな流れという形でこの都計審が、どういう時点でどういう関与をされるべきかというものを、ちゃんと資料としていただきたいと思います。これはきょうのところじゃなくて結構ですので、要望ということでお願いしたいと思います。

かせ委員

 話が戻っちゃうかもしれませんけれども、都市計画マスタープランですが、これについて先ほどの話ですとおおむね20年のスパン、それから必要に応じて区長なり都計審で発議をして改正することができるというような説明がありましたけれども、そもそもこの都市計画マスタープランというのは、どういうものだったのか。たしかいわゆる乱開発というか、そういったものを防止するために、長期的な展望も持ってまちづくりを考えていこうということで取り組まれたものかなと思っているんです。それで、当区においても大体、2年ぐらいかけてそれぞれの地域センターごとに委員を募集して検討されて、それぞれの地域の計画がつくられて、それで全体の計画をまとめ上げると。渡邉会長がその労をとっていただいたということなんですが、こういうそもそも都市計画マスタープランというのは、何だったのかということを少し教えていただけますか。

事務局

 基本的なところですけれども、当区が目指します安全で快適なまちの実現に向けまして、これは都市計画法第18条の規定によります都市計画まちづくりの基本的な方針、先ほど御説明してございます。その作成する方針がいわば都市マスタープランでございます。それが先ほど申し上げましたように地域まちづくり、あるいは中野全体のまちづくりの都市計画に関します最上位の基本的な方針でございます。そのために、地域協議を経て全体の区民協議会を経まして、2000年にまとめた計画でございます。したがって、20年スパンというところで長いスパンですけれども、さまざまな今、委員の御指摘のそういった開発の関係のことも含めて、全体として区民の皆さん方が安心して住めるようなまちをつくっていく基本的な軸としてのまとめとして理解してございます。

かせ委員

 そうしますと、最上位であるということで、それとそごする場合が出てきたら、それは変えればいいんではないかということが通ってしまうと、それが何のためのものだったかわからないです。やはりそれが現在で言えば都市計画マスタープランというのは最上位のものであって、最大限、尊重されなければならないと。これは区長がかわろうと、担当がかわろうと左右されてはならないものだと思うんです。そういう位置づけでよろしいのですね。

事務局

 今私が申し上げました都市計画におきます最上位な計画の概念といいますか、整備の方針でございます。したがって、先ほど来、別の項で御答弁してございますけれども、中野区の区政全体で見れば、基本構想が区政運営の最上位の構想、考え方でございます。当然、それとの連動は欠かせない観点でございます。したがって、都市計画分野におきます最上位の方針でございますが、当然ながらいわゆる基本構想の縛りは受けていくものと考えてございます。

会長

 御質問がよく理解できなかったので、失礼せざるを得なかったんですが、いわゆる俗に都市マスと言っているものは、中野区全体あるいは中野区を幾つかの区域に分けて、そこでこの区域あるいはここの地域はおおむねこういうような土地の利用の仕方を前提にまちづくりを考えましょうと。ですから、具体的に個別的に出てくると、そこの文言と理念とどういうように合っているか、外れているかというのは、かなり具体的な問題と照らし合わせないと、なかなか理解することは難しいと思います。書いてあるのは理念なのです。あるいは方向づけなのです。しかも、個別ではなくて、かなり広い範囲でやっております。例えばこのまちづくり、中野周辺で言いますと、一つの区域としては、上はもう新井薬師のほうまで入っているわけです。それから南は鍋横ぐらいまででしょうか。かなり広い範囲で、これが中野の中心ですと。ここではにぎわいの中心として、かつ、安全で緑豊かな安定した生活ができるような地区として考えましょうと、この程度のことなのです。今度は具体的になってくると、これとバッティングするかどうかというのは、皆さんそれぞれのお立場があって、意見が違うこともありながらも、それを何か一つのよりどころにして合意を形成していく、そのよりどころがいわばマスタープラン、こういう測地的なマスタープランという理解でよろしいのじゃないかと私は思っております。

かせ委員

 よくわかりますというか、わかっているんですけれども、それにしても、ここで第1番に掲げたというのは、やはり先ほどの議論がありますけれども、いかに中野のこの地域を安全で快適なまちにするかということで、第1番のコンセプトは中央防災公園という言葉に出ていますけれども、そういった機能だろうと思うんです。まだいろいろあるけれども、それはぼやっとしたものだけれども、この辺にはこういう機能があるだろうということですけれども、これは現在ある中野の特徴、特質であるとか、そういったものを生かして発展していくんだということと、それはまた別に警大跡地のところでは、二度と手に入らない地域だから、安全のために中央防災公園をつくるというのは、やはりこれは一番のものだと思うんです。今、そのことが問われていると。あとで私の意見を表明する機会もあると思いますけれども、非常に重要な争点が区民の中にはある。その辺のことなのです。だから、例えば4haが全体で公開空地も含めて2haになってしまったのはなぜかとか、その辺の説明がもう少し欲しいと思うんです。

会長

 その4haが2haになったというのは、まだこれから若干変化してくるんじゃないでしょうか。だから、その辺はもうちょっと具体的な御報告のときにまた議論してみたらいかがでしょうか。何か加藤さんのほうが関連することでしょうか。

加藤(ま)委員

 私は個人的に公園が欲しいと思っています。そのことをこの場で言っていくのは、すごいわがままを通しているふうに受け取られているのかなと思うと、ちょっと心外なんですけれども、別にないものを欲しいと言っているのではなくて、平成13年度の警察大学校等跡地土地利用転換計画では4haの防災公園ということが言われているわけです。あと、焼却施設については2haあったものが白紙になったというのは理解できるんですけれども、この13年度の計画案というものは現行のものであると聞いています。それなのに、それをないもののようにして新しい計画を今、策定しようとしているということが、私には理解できないんです。
 それで、杉並区と東京都と3者でつくった計画であって、そのことに対して杉並区では相談を受けていないということを中野区が杉並区に説明会をしたときに、杉並区の担当者がおっしゃっていたということを聞いています。ですから、その辺もあわせて、別にないものねだりをしているわけではなくて、もともとあった計画をどうしてちゃんと実行しようとしていないのかということを、私は聞きたいと思っているわけです。
 それで、お金がないとか財政難とかいろいろありますけれども、お金がないから安全を後回しにしていいということではないと思います。先ほど田代委員のほうから景観緑三法のことが出ていましたけれども、それとあわせて社会資本整備重点計画というものが昨年の10月に閣議決定されています。この中では、一定の水準の防災機能を備えるオープンスペース(だれもが簡単にアクセスできて永続的に担保される法的空間)となっています。これは1都市、区も含めてですけれども、1つの行政単位に1つは必要である。それも20万人以上のところでは、10haのものが必要であると出ています。この辺もあわせて一度、調べて検討してみていただきたいと思います。
 そして、私がここで今、とても期待しているのは、東京の新しい都市づくりビジョンです。これがあるから、まちをこの地域は中高層化しようということが決まった。それがきょうの最初の議題であったと思います。その中では、一方では中高層化する。けれども、もう一方ではちゃんとした大規模公園をつくるということを中でうたっています。そのことももう一度あわせて読んでみていただきたいと思います。それは、私たちがことしの1月30日にあった都市計画審議会のときの資料の1ですとか3ですとか4ですとかに書かれていることです。その中には、警察大学校等跡地は都市公園として整備するということが書かれているわけです。それはあとでページをお見せしますから、一度確認していただきたいと思います。それが東京都のほうであるのならば、その辺のことはどういう形でこれから調整していくのかということを聞きたいのです。
 そして、その都市づくりビジョンの中で、これは引用ですけれども、大規模公園など防災面から緊急を要する公園、都市の顔として欠かせない公園などは、国よりの積極的な財政支援を確保しながら整備を進めていくべきである。これは東京都が言っていることなのです。東京都はお金がない、国はお金がない、区もない、だからできないというのは、おかしいと思います。いろんな方法を考えてやっていけるのではないのでしょうか。東京都がこうやって言っているんです。これは別に特別なものじゃなくて、インターネットから出しただけのことなのです。どうぞ検討してみてください。

まちづくり総合調整担当部長

 御意見ということだと思いますが、一つ誤解があってはいけないのでお答えをさせていただきますけれども、杉並区との関係です。確かに私どもが杉並区で説明会を行ったときに、杉並区の課長さんがいろいろ情報が中野から入っていないというお話はありました。ありましたけれども、現実には昨年度、このまちづくりの調査を本格的に始めるときに、これは文書で私どもがきちんとこういった検討についてやりとりしています。その後もいろいろ検討会の資料等を杉並区に送っています。ただ、杉並区はほとんどが中野区ということと、それから清掃工場がなくなったということで、積極的に参画しようという体制にはなかったと私どもは思っております。
 それからもう一つ、安全を後回しというご発言がありましたけれども、私どももきょう御説明したまちづくりの考え方の中でも、この安全については広域避難広場の機能をきちんと確保していくということで、防災公園かどうかということではなくて、安全はきちんと確保していきたいと述べておりますので、この点だけ明確にしておきたいと思います。

加藤(ま)委員

 疑うわけではないのですけれども、今、最初におっしゃった点、杉並区とのやりとり、文書を公開していただけたらと思います。
 それと、確保していくつもりはありますとおっしゃいますけれども、広域避難場所として何万人がここに集まれるというだけのことではないと思うんです。防災公園というのは、その後の災害が発生したあとの救援の拠点ということに使われるべきもので、中央であるということは、区役所が近くて、そのために大変重要な位置にあるということも踏まえて、防災公園ということでお話ししています。東京都のほうに書いてあるのが、都市公園ということであれば、おのずから広さというものも決まってくる。何ha以上というものがあるはずだと思います。その辺もあわせてお伝えしておきたいと思います。

佐々木委員

 今、防災公園の話がありましたけれども、阪神大震災のときに95%の方はほとんど圧死なのです。圧死と、圧死のあとで生じた火災による死者なのです。1日過ぎてからの死者というのは少ないのです。けがもそうです。そうすると、僕らはどっちかというと、今、防災の議論に入っているんですけれども、広域避難場所という問題には果たしてどのくらい、この防災対策で重要なのかというのは、今、議論の真っ最中です。はっきり言って、建てかえ促進派じゃないのですが、老朽化した木密集地における被害が一番大きかったわけです。サンモールと似たような商店街が壊滅的な影響をそこで出しています。そういう実態を見て、実際に防災対策というのは一体何なのかということも考えなくちゃいけない。
 前の区長とは個人的に話したことがあるんですが、こういう駅前にごみ処理場をつくるとなったら、大変なことになるのです。ですから、真ん中のほうに寄せて、真ん中にごみ処理場をつくったあとは、周りは公園で緩衝地帯にするしかない。そんな広い土地を取れるところは、江古田の森かここしかないという話の中で、隣の高円寺北一丁目のほうからは、ごみ処理車が通るのは嫌だというような反対運動が起きながらも、東京都と杉並区の了解を得てそういうプランを各区の処理原則を守るためには、そこしかないという形の中で出てきた、区としても駅前の使い方としては最高の使い方ではないけれども、今の状況では仕方がない。私もたしかそのときの都市計画部長からも個別にはそういうお話を聞いておりました。ですから、そこで計画であったからどうだ、こうだという問題ではなくて、もっとその駅周辺というのは、どういうふうに使えるか、あるいは国有地というのをどういうふうにやって、そのあとのメンテナンスは国からお金が全部出てくるのか。国立公園とか都立公園といいますけれども、区立公園はやはり区から出さなきゃいけない。そこに10ha以上の公園を持てるかどうか。そういったことがどれだけ区民のためになるだろうかということを考えて、都市計画という将来像を見てやらなきゃいけないんじゃないのですか。今、これが上位だ、下位だと言っている、だからこっちでというやつも、いわゆる我田引水というか、これをこうしたいから、こういう法律があると言ったら、上位は東京都の都市づくりビジョンだから、中高層にしているという話になっちゃうじゃないですか。ですから、似たような論理をここだけで取るという議論ではなくて、先んずれば実現するけど、じゃあ現在はどのようにしていこうか、防災はどんな内容かという議論が一番大事だと思います。

飯島委員

 事務局はちゃんと言ってほしいという話をさっき言いましたけれども、この警大跡地に関する土地利用計画案なんですよね。計画じゃないんです。要するにまだ案の段階のものをどうするのか、これはやはりちゃんと手じまいをするなら手じまいをする、条件変更がありましたから手じまいをしますという、そういうプロセスはやはりどこかでお示しをしなければいけないだろうと。案だからそのままでいいと。何も決めたわけではありません。文字どおりこの土地利用計画案がこの都計審にかかって、計画になっていれば、もうこれはがちがちです。そうすると、それはもう変えようと思えば変更手続をしなければならない。しかし、案ですから、どうなのだと非常にダークゾーンにあるというとはやはり事実だし、僕は加藤さんのおっしゃっていることについて、100%賛成とは思いませんし、0%とも言っていません。それはおっしゃること、十分そうだなと思う部分もありますし、同時にちょっとそれは違いますと。情報も誤っているなと思うこともあります。杉並との関係なんか特にそうだし、我々も憤慨しているぐらいで、杉並の区長さんはなんだと思ったりすることもありましたが、まあ、それはそれとして、ただ、事務局もちゃんと、今あるものが何なのだということをお示ししないといけないし、それからもう一つは、田代委員がおっしゃったことは非常に大事なことで、渡邉会長はちょっと肩すかしをくらわしていましたけれども、実はそうじゃなくて、例えば立体のいわゆる都市公園に関するいわばありようを認めたということは、十分ここでは適用する場所があるはずなのです。それからお金も、予算的についているものも実はあったりとかするんですが、景観法そのものを受けとめて、何かするところのセクションは非常にあいまいで、どこが所管なのかはっきりしないという問題があります。特に緑の問題は、多分、公園緑地法が本来考えなくちゃいけないことなのだろうと思ったりして、事務局があとで渡邉会長からしっかり怒ってもらって、もっとしっかり勉強しなさいということはあるんだろうと思ったりします。どうもちょっときちっとしたことをおっしゃらな過ぎることが、かえって事を見えなくしているような気がするんで、2回も同じようなことを申し上げて申しわけありませんし、具体的な中身についてはおっしゃるように、僕らは特別委員会がありますから、ここでものを申し上げるのはいささかあれなのだろうと思って、具体的なことは御遠慮しますが、情報をたくさんという意味は、正確にきちっと言っていただくということが前提でしょうから、勉強不足なら、ちょっとまだわかりませんとかと言ったほうがわかりやすいのかなと思ったりいたしておりまして、そういうこの土地利用転換計画案というのは、今言ったようにどういう位置づけで、どうしていくものなのかみたいなことはちゃんとお話をされたほうがいいと思います。

会長

 ありがとうございました。
 お約束していたかどうかわかりませんが、おおむね3時半に会を終了したいと考えておりましたので、若干時間が過ぎてしまいました。お許しください。
 ただいま何人かの委員さん方から、都市計画審議会のあり方、あるいは何をここで議論すべきか。あるいはそれに対して、どういうような正確な情報が提供されるべきか。多々御意見をちょうだいいたしました。これについては事務局が真摯に受けとめまして、これに対する答えということではございませんけれども、次回、またこういった計画案の御説明をする際に、各委員に対して誤解のないようなお答えを用意させていただきたい、かように事務局にお願いして、今回の第2回審議会を終了させていただきたいと思います。
 その前に、その他事項が1件あったのでしょうか。次回の会議はいつですか。

事務局

 それでは、今、会長のほうから御指示いただきましたように、きょうは資料説明等々が十分できなかった項目も含めて、次回改めて御説明させてもらいます。また、別途数件、報告事項を考えてございますけれども、次回の審議会の日程につきましては、9月上旬の9月3日金曜日の午後1時半ではいかがでしょうか。ちょうど9月は定例区議会等が始まりますので、その前にと考えてございます。繰り返し申し上げます。次回の審議会日程でございますが、9月3日、金曜日の午後1時半から開会を予定したいと考えてございます。よろしく御検討のほどをお願い申し上げます。

会長

 9月3日、午後1時半、場所もここでよろしいのでしょうか。

事務局

 はい。

会長

 何か重大なことがない限り、場所は中野区役所である、こういうことでお願いいたします。
 それでは、次回は9月3日ということでお願いいたします。どうもありがとうございました。

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