都市計画河川
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更新日:2023年8月3日
河川は、社会通念では、「地表の水が集まって流れる水路」をいいますが、河川法でいう河川は、公共の水流及び水面で、直接一般の用に供されるものをいい、放水路、湖沼、洪水調節池も含まれます。
一般的に河川は、飲料水や工業用水の水源となるほか、都市部では雨水を速やかに流すことによる洪水防止等の役割があります。また、近年、水際空間が快適な都市環境の形成のため大切な要素として見直されるようになり、景観向上、レクリエーション空間、住民にうるおいを与えるといった役割も求められるようになりました。
東京の山の手地方を形成する武蔵野台地は、多摩川と荒川に挟まれ、東京湾に向かって扇状に広がり、その中は多くの小台地に分かれています。中野区にも沼袋、野方、中野、幡ヶ谷、落合の5つの台地があり、その台地の間を江古田川、妙正寺川、旧桃園川(現桃園川下水道幹線)、神田川、善福寺川の5つの川が流れ、それぞれ下って神田川となり、隅田川に流れ込み、東京湾に注いでいます。
近年、局地的集中豪雨などにより、都市の中小河川流域で、従来浸水が生じなかった降水量で浸水が生じる「都市型水害」が増加しています。これは、都市化の進展により河川の流域でビルや舗装道路等の不浸透域が増え、雨水が地表に一時滞留したり地中に浸透したりせず河川に直接流出してしまうことも原因であり、その対策が大きな課題となっています。
整備については、すでにその第一段階である1時間30ミリ程度の降雨に対処できる規模の整備がほぼ完了し、現在は1時間50ミリ規模の整備を進めています。また、中・上流部については、洪水対策として北江古田調節池や妙正寺川第1,2調節池など調節池を整備しています。
さらに、東京都は、環状7号線の地下を利用して、白子川、石神井川、神田川及び目黒川の4水系の洪水を東京湾まで導くいわゆる環七地下河川構想に基づき、洪水対策を目的として環状7号線地下調節池の整備を行いました。
河川 | 起点 | 終点 | 決定年月日 | 告示番号 | 幅員(メートル) | 延長(メートル) |
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神田川 | 台東区柳橋一丁目(隅田川合流点) | 杉並区久我山三丁目(三鷹市境界) | 昭和22年11月26日 | 戦復院第122号 | 44~16 | 22,800(中野区流域3,400) |
平成2年 1月26日 | 都第86号 | |||||
妙正寺川 | 新宿区下落合二丁目(神田川合流点) | 杉並区清水三丁目(井草川合流点) | 昭和22年11月26日 | 戦復院第122号 | 19~15 | 9,700(中野区流域5,898) |
昭和45年12月22日 | 都第1349号 | |||||
善福寺川 | 杉並区和田一丁目 | 杉並区善福寺二丁目 | 昭和22年11月26日 | 戦復院第122号 | 20~11 | 10,860(中野区流域410) |
昭和45年12月22日 | 都第1349号 |
神田川の整備
神田川については、昭和22(1947)年幅員16~44メートルに都市計画決定され、昭和53(1978)年に1時間当たり30ミリメートルの降雨に対処する整備が完了、また、高田橋より下流は、昭和56(1981)年に1時間当たり50ミリメートルの降雨に対処する整備が完成しています。
東京都は、神田川の護岸改修を下流より順次進めて来ていますが、中野区内は、平成7(1995)年度末までに淀橋まで終わっています。さらに平成3(1991)年から長者橋までの事業承認を得て事業を着手していました。
平成5(1993)年8月、台風11号により、淀橋上流地域を中心に約3千戸にも及ぶ大きな浸水災害が発生しました。都はこうした水害に緊急に対処するため、さらに長者橋から新橋までの 700メートルを合わせた約1400メートルについて、国に対して「河川激甚災害対策特別緊急事業」(通称:激特事業)の指定を申請し、平成5(1993)年11月に採択を得て事業着手、平成12(2000)年3月完了しました。また、平成16(2004)年5月から、新橋~寿橋間にかけての事業承認を得て事業に着手しています。
淀橋 → 長者橋
事業承認 平成3(1991)年5月31日・建設省告示第1228号
事業期間 自・平成3(1991)年5月31日 至・平成10(1998)年3月31日
長者橋 → 新橋
事業承認 平成6(1994)年8月12日・建設省告示第1791号
事業期間 自・平成6(1994)年8月12日 至・平成13(2001)年3月31日
新橋 → 寿橋
事業承認 平成16(2004)年5月24日・関東地方整備局告示第208号
(変更) 平成21年3月31日・関東地方整備局告示第176号
事業期間 自・平成16(2004)年5月24日 至・平成26(2014)年3月31日
妙正寺川の整備 「河川激甚災害対策特別緊急事業(激特事業)」
中野区内の1時間50ミリの降雨に対応する改修については、調節池群との組み合わせにより進めることとされており、妙正寺川は平成3年度より新宿区境から新井橋下流までの区間の改修が行われてきました。
調節池については、江古田三丁目の北江古田調節池(貯留量1.7万立方メートル)、松が丘一丁目の妙正寺川第一調節池(同3万立方メートル)、同第二調節池(同10万立方メートル)、上高田五丁目の上高田調節池(同16万立方メートル)、新宿区中井一丁目の落合調節池(同5万立方メートル)が完成しています。
平成17(2005)年9月4日の大規模な集中豪雨で甚大な被害を受けたことから、都は激特事業の採決要望書を国土交通省に提出し、平成17(2005)年11月18日に採択されました。
事業期間 自・平成17(2005)~平成21(2009)年度
事業区間 落合調節池~環七地下調節池取水施設
環状7号線地下調節池
現在神田川においては、1時間50ミリの降雨に対応する改修工事を実施中ですが、その完了にはかなりの期間を必要とするため、上流域の洪水対策として、環状7号線地下に調節池を整備しました。
第1期事業(杉並区和泉四丁目~梅里一丁目)
- 都市計画決定 昭和61(1986)年12月22日
- 工事期間 昭和63(1988)年10月~平成12(2000)年3月
- 施設規模 延長:2.0キロ、内径:12.5メートル、貯留量:約24万トン
第2期事業(杉並区梅里一丁目~中野区野方五丁目)・都市計画決定 平成2(1990)年1月26日
- 工事期間 平成5(1993)年7月~平成20(2008)年
- 施設規模 延長:2.5キロ、内径:12.5メートル、貯留量:約30万トン
河川に関する問い合わせ先
・計画決定 東京都建設局河川部計画課中小河川係 5320-5414 ※事前に電話が必要です。
・事業決定/既存 東京都第三建設事務所工事第2課測量係 3387-5372
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