令和3年度 中野区特別職報酬等審議会答申

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更新日:2023年11月29日

令和3年度開催状況

  • 令和3年11月1日、中野区議会議員の議員報酬の額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額について、区長から中野区特別職報酬等審議会へ諮問。

第1回 令和3年11月1日

  • 23区特別職給料月額等の比較、区議会、教育委員会及び監査委員の活動状況について情報共有を行った後、議員報酬並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額の適否について審議。

第2回 令和3年11月17日

  • 区議会事務局局長及び次長、教育委員会事務局次長、代表監査委員を招いて、区議会、教育委員会及び監査委員の活動内容等について、説明を受け意見交換。

第3回 令和3年12月6日

・議員報酬並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額の適否について審議を行い、答申に向けての意見集約。

第4回 令和3年12月20日

・答申案の審議を行い答申を決定。

答申文

はじめに

 中野区特別職報酬等審議会は、令和3年11月1日、中野区長から「中野区議会議員の議員報酬の額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額について」の諮問を受けた。
 審議にあたっては、区議会議員の議員報酬及び区長等の給料の特別区比較、中野区の財政白書、主要施策の成果、特別区人事委員会勧告の概要などを基礎資料とした上で、今年度は教育委員会事務局次長、代表監査委員、区議会事務局局長及び次長から、各職の活動状況を聴取するなど、広範な角度から検討を重ね、12月20日までの間に4回にわたり審議を行った。

検討の背景

社会経済状況について

 政府発表の11月の月例経済報告は、現状の日本経済の情勢について「景気は、新型コロナウイルス感染症による厳しい状況が徐々に緩和されつつあるものの、引き続き持ち直しの動きに弱さがみられる。」としており、先行きについては、景気が持ち直していくことが期待されるが下振れリスクに十分注意する必要があるとのことである。

中野区の状況について

 区の令和3年度予算は、厳しい財政状況を踏まえ、約68億円の一般財源の減収を見込んだものとなっている。今後においても、新型コロナウイルス感染症の動向が国内外の経済に与える影響に十分注意しながら財政運営を行っていく必要がある。
 こうした中にあって、区は、区政運営の最も基本的な指針である基本構想を改定し、その実現に向けた総合的な計画である基本計画を策定した。今後、基本構想において描く目指すまちの姿の実現に向けて着実に区政運営を進めていくことが期待される。

特別区人事委員会勧告について

 本年の特別区人事委員会勧告は、月例給については、職員給与が民間給与を若干上回ったものの、公民較差が小さく、公民の給与がおおむね均衡している状況にあることから、給料表の改定を行わず、特別給(期末手当、勤勉手当)については、民間における特別給の支給状況を勘案し、年間の支給月額を0.15月引き下げることとしている。

中野区と他の特別区の報酬、給料等の比較について

 議員の報酬の額並びに区長、副区長及び教育長の給料の額は、他の特別区と比較して下位の順位に位置し、年間収入の比較においても、同様の状況にある。特に議員の報酬月額については、23中最下位に位置している。
 一方、常勤の監査委員の給料の額は、平成23年度以降、幾度かの減額や、他の特別職の給料が増額する中、据え置きとした経緯があるが、なお、他の特別区と比較して上位に位置している。

審議

議員の報酬の額及び区長等の給料の額に対する基本認識について

 議員の報酬の額及び区長等の給料の額は、職務の内容、職責の重さに応じて定められ、民間企業の従業員の給与などを考慮して決定される一般職員の給与体系とは自ずと性格が異なる。
 また、期末手当については、本審議会に対する諮問内容に含まれないが、議員報酬及び区長等の給料の額を決定するにあたって密接に関連することから、本審議会で意見交換を行い、必要に応じて参考意見を付することとした。

議員及び区長等の職責と実績について

 区議会議員は区民の代表者として、法が定める事件について議会の議決を行うだけでなく、区の行財政運営や事業の実施が適正かつ効率的に行われているかどうかを監視する役割を担っている。加えて、地方分権の進展等に伴い、複雑多様化する区民要望の実現に向けた政策形成の過程に参画するなど、活動は広範囲に渡り、その職責は重大である。
 区長及び副区長については、財務規律を順守し、事務の効率的執行の確保に向けて事務改善を図りながら、着実に区政経営を推進すべき立場にある。また、区の行政のトップとして、複雑多様化する区民ニーズに対し的確に対応するため、より高度な判断力、実行力が求められ、その職責が益々重くなっていると理解することができる。
 教育長については、区の教育行政の責任者として、教育委員会を代表する立場にあり、社会が複雑化する中で、少子化の進行とIT化の進展に対応して地域に開かれた学校運営を実現するため、その職務、職責は重大さを増している。
 常勤の監査委員については、自治体の財務に関する事務や経営に係る事業について、経済性、効率性、有効性及び合規性の観点から、書面審査、現地調査、職員の事情聴取などを通じて、適正な執行を確認し、区政に対する区民の信頼を確保していく大変重い職責を担っている。
 当審議会は、昨年度に引き続き、今年度も行政執行上大きな課題となった新型コロナウイルス感染症対応に関して、各職の職責が果たされていたことを認識した。

議員の報酬の額及び区長等の給料の額について

 当審議会は、審議にあたって、社会経済情勢、中野区の財政状況、他の特別区の報酬及び給料の状況とともに、一般職職員の特別区人事委員会勧告の内容を判断の材料としている他、新型コロナウイルス感染症の収束が未だ見通せない状況も考慮に入れた。
 審議の過程では、議会及び行政の迅速な調整により新型コロナウイルスワクチン接種を他の自治体に先駆けて実施できたことは高く評価できる、長引くコロナ禍における区民感情や社会経済情勢の不透明さ、区有施設の老朽化への対応等に伴う財政負担の増加や今後の区財政予測も考慮すべき、などの意見が出た。
 議員報酬については、区の課題解決に向けて幅広く活動している議員の報酬月額が23区最低額であることに触れ、これを解消すべきではないかという意見も少なくなかったが、現在の社会状況を考慮した場合、引き上げるということは難しいという判断が大勢を占めた。
 区長等の給料については、社会状況を考慮すると給料を引き上げるには難しい状況にあるため、一般職員と同様に据え置きが適当ではないか、といった意見が多く出された。
 以上の意見を踏まえ、現在の社会経済情勢や区の財政状況、他の特別区との比較及び過去の報酬等の改定経緯を総合的に勘案し、更に審議を重ねた結果、議員報酬については、据え置きとすべきという意見で一致した。
 また、区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料については、一般職員と同様に据え置きとすべきという意見で一致した。なお、特別給(期末手当)については、一般職員と同様に引き下げることが望ましいとの意見で一致した。

「議員の報酬の額及び区長等の給料の額」の適否

議員の報酬の額について

 議員の報酬の額については、据え置きとすることが適切であると判断した。

区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額について

 区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額については、据え置きとすることが適当であると判断した。
 なお、区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の期末手当については、一般職員と同様に0.15月引き下げることが望ましいとの参考意見を申し添える。

報酬及び給料の額について

 本答申における議員の報酬の額及び区長等の給料の額は、別表「議員の報酬の額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額」のとおりである。

おわりに

 今回の答申は、新型コロナウイルス感染症の影響から社会経済情勢が持ち直し切れていないという状況の中での答申となった。
 審議の過程では、昨今の社会状況、区の財政状況、過去の報酬及び給料の改定経緯を踏まえ、他の特別区との比較を行うなど、様々な角度から検討した。その結果、上記の措置を講じることが妥当との結論に至ったものである。
 最後に、区議会議員及び区長等の特別職に対しては、中野区発展への尽力について敬意を表するとともに、新型コロナウイルス感染症の影響を乗り越えて、区民の信頼と負託に応える区政運営に努められ、以って、区民生活が一層向上することを切望し、答申の結びとする。

議員の報酬の額並びに区長、副区長、教育長及び常勤の監査委員の給料の額

区長 1,242,400円 (据え置き)
副区長 997,300円 (据え置き)
教育長 874,200円 (据え置き)
常勤の監査委員 799,700円 (据え置き)
議長 892,400円 (据え置き)
副議長 756,100円 (据え置き)
委員長 647,900円 (据え置き)
副委員長 618,600円 (据え置き)
議員 589,000円 (据え置き)

中野区特別職報酬等審議会委員

会長 福原 紀彦
会長職務代理者 吉川 信將
委員 稲尾 公貴
委員 臼井 壯之介
委員 櫛田 正昭
委員 小林 裕子
委員 櫻井 英一
委員 袖澗 悟
委員 星野 新一
委員 宮田 百枝

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