結核は日本の重大な感染症です
正しい結核の理解を
- 目指せ「結核低まん延国」
- 早期発見が大切(高齢者の結核の特徴)
- こんな時はすぐ病院へ(病院の探し方、医師の届出義務)
- 若い世代もご用心(感染とは?、発病とは?、排菌とは?)
- 気になるときは保健所に相談を
- 結核早期発見のための健康診断(受診義務、エックス線検査のメリット・デメリット)
- 結核の治療方法・医療費
- 結核を予防するために心がけること
パンフレット
外国語版パンフレット
東京都版
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参考
結核研究所版
- 英語(English)・中国語(Chinese)・韓国(ハングル)語(Korean)・インドネシア語(Indonesian)・モンゴル語(Mongolian)・ポルトガル語(Portuguese)・タガログ語(Tagalog)(新しいウィンドウで開きます。)
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外国語版動画(東京都福祉保健局)
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目指せ「結核低まん延国」
2020(令和2)年に日本で結核を発病した方は12,739人(結核予防会疫学情報センター 年報)、結核で亡くなった方は1,909人でした(同 月報)。この死亡数は、新型コロナウイルス感染症で亡くなった方(3,466人)、感染性胃腸炎(ノロウイルス症など)で亡くなった方(2,131人)に次いで感染症による死因の3番目で、結核は今でもなお最大級の感染症と言えます(人口動態統計月報(概数)2020年12月 表番号12-7)。
2020年(令和2年)の結核罹患率(人口10万人当たりの結核患者数)は、日本が10.3で、ベトナムの176、中国の59などアジア諸国より低いですが、ドイツの5.5、アメリカの2.4など先進諸国より高い状態です。
2020年(令和2年)の結核罹患率を日本国内でみると、東京都は、全国で10番目に高い11.3でした。
中野区で新たに結核を発病した方は41人(結核罹患率は12.0)で、結核が原因で亡くなった方は1人でした。
1人ひとりが結核についての正しい知識をもち、早期発見だけでなく、予防にも心がけることが、これからも大切です。
- WHO 結核について(ファクトシート)(新しいウィンドウで開きます。)
- 厚生労働省 結核に関する特定感染症予防指針(新しいウィンドウで開きます。)
- 2020年 人口動態統計 下巻第8表(新しいウィンドウで開きます。)
- 東京都結核予防推進プラン(新しいウィンドウで開きます。)
- WHO Tuberculosis country profiles(English)(It will open in a new window.)
早期発見が大切
「まさか結核とは思わなかった」診断された患者さんからよく聞く言葉です。
結核を発病したときの初期症状は、風邪に似たもので見過ごされがちです。知らぬ間に感染し、医療機関を受診しても診断されず、結核と気づかないまま放置していたことで重症化し人に感染させる状態になると、本人は結核患者として結核病棟へ入院して治療しなければなりません(感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(以下「感染症法」)第19条・第20条・第26条・第26条の2)。2020年(令和2年)に中野区では18人(結核を発病した人のおよそ40パーセント)が、人に感染させる状態だったために、入院して治療されました。
「私が結核になったことは内緒にしてほしい」これも患者さんからよく聞く言葉です。
結核は潜伏期間が長いため、患者さんと接触した周囲の方も、発病していないことを確認するための健康診断(接触者健診)を、最長3年間続けなければなりません。また、感染拡大を防ぐために、感染経路の調査もしなければなりません(感染症法第15条)。2020年(令和2年)の中野区の入院患者は18人ですが、その35倍の630人の方が接触者健診を受けることになりました。
医療従事者や公務員には守秘義務があるので、患者さんの個人情報は公開しませんが、健康診断や調査の過程で、その相手方が察してしまうことを完全に防ぐのは困難といえます(参考:法務省 主な人権課題)。
結核は、早く発見すれば、他人に感染させる可能性もほとんどなく、薬も良く効き治りやすい病気です。年1回の健康診断や、早めに医療機関を受診することは、結核を早期発見するためにも、とても大切です。
高齢者の結核の特徴
かつて結核がまん延していたときに生きていた65歳以上の方は、65歳未満の方に比べて5倍以上結核を発病しやすく、発病のしやすさは、年齢とともに高くなります。
高齢者の結核は、呼吸器症状(咳・痰)がない場合が多い、全身症状(不定愁訴・微熱・体重減少・ADL低下など)がある場合が多い、のが特徴です。さらに、認知症などで症状を訴えない場合がある、ことも含めて、診断が遅れると死亡につながりやすいといわれています(高齢者の結核の現状と治療の実際(日本老年医学会誌 2010,47,165-173)(PDF形式:2,402KB))。
参考
- 東京都
高齢者施設における結核対策の手引(2020.3)(新しいウィンドウで開きます。)
特別養護老人ホームにおける結核集団感染の発生について(2019.6.28)(PDF形式:452KB)(新しいウィンドウで開きます。)
- 結核予防会結核研究所 高齢者施設・介護職員対象の結核ハンドブック(2016.7)(新しいウィンドウで開きます。)
こんな時はすぐ病院へ
次の1から6のどれかの症状がありましたら、すぐに医療機関を受診しましょう。
- 2週間以上長引く咳(せき)
- 痰(たん)
- 長引く微熱
- 長引く倦怠感(体がだるく、活力が出ない)
- 胸が痛い
- 体重が減った
長引く咳が症状の結核以外の他の疾患
ぜん息、アトピー性咳嗽、副鼻腔気管支症候群、胃食道逆流症、感染後咳嗽、COPD、肺腫瘍、マイコプラズマ肺炎、百日せき、ACE阻害薬(血圧を下げる薬の1種)の副作用
病院の探し方
- 東京都医療機関案内サービス ひまわり に接続(ここをクリック)する(新しいウィンドウで開きます。)
- 「医療機関をさがす」にカーソルを合わせて表示される「診療科目でさがす」をクリックする
- 希望する「医療機関の場所」を入力する
- 「診療科目」の「科目B」の「呼吸器科」にチェックを入れて、「検索する」ボタンをクリックする
- 医療機関の一覧が表示されるので、希望の医療機関に、電話などで「呼吸器科の受診方法」を確認をして受診をする
医師・病院の届出義務(感染症法第12条・第53条の11)
結核を診断した医師の方は、直ちに届出をお願いします(東京都感染症情報センター 届出基準・発生届(東京都独自様式))。
届出方法
- 平日の午前8時30分から午後5時15分
まず、中野区保健所結核予防担当(電話03-3382-6577)まで、電話連絡をしてください。
電話連絡の後、必要事項を記入した結核発生届を、中野区保健所結核予防担当(ファクス03-3382-7765)まで、ファクスしてください。 - 上記1.以外の平日夜間および休日
まず、東京都保健医療情報センター(ひまわり医療機関専用ダイヤル03-5272-0326)まで、電話連絡をしてください。
電話連絡の後は、必要事項を記入した結核発生届を、上記1.同様、中野区保健所結核予防担当(ファクス03-3382-7765)まで、ファクスしてください。
届出をいただくことで、結核の発生や流行を探知することができ、まん延を防ぐための対策や、医療従事者や区民への情報提供をすることができます。
また、結核(潜在性結核感染症を含む)医療費の公費負担の開始は、保健所が結核医療費公費負担申請書を受理した日(保健所にファクスが届いた日)からとなります。医師の記載する診断欄を記入のうえ、患者の不利益とならいないよう即日に発行くださいますようお願いいたします。
2016(平成28)年、遺体解剖にて結核を発病していたことが判明したのに届出が行われず、対策に遅れが生じたことがありました(東京都 結核の集団感染の発生について(PDF形式:561KB))。亡くなった方の届出について疑義がある場合は、下記このページについてのお問い合わせ先 中野区保健所結核予防担当まで、お問い合わせください(厚生労働省通知
感染症法12条6項の適切な運用について(PDF形式:90KB))。
また、病院の管理者の方は、結核患者が入院したとき、結核患者が退院したときは、入退院結核患者届出票(PDF形式:15KB)に必要事項を記入して、下記このページについてのお問い合わせ先 中野区保健所結核予防担当まで、届出をお願いします。
参考
- 厚生労働省
感染症法に基づく医師の届出のお願い(新しいウィンドウで開きます。)
結核と診断した場合の届出は直ちに最寄りの保健所へ(PDF形式:523KB)
結核の院内感染にご注意ください(PDF形式:364KB)
- 結核予防会結核研究所 結核医療の国際基準(ISTC)(新しいウィンドウで開きます。)
- 国立感染症研究所 感染症発生動向調査週報(IDWR)(新しいウィンドウで開きます。)
- 東京都 医療機関における結核対策の手引き(2021.3)(新しいウィンドウで開きます。)
若い世代もご用心
結核は、排菌患者の出す咳(せき)のしぶきや、しぶきが乾燥して空気中に漂っている結核菌を、肺に吸い込むことによって起こる(=飛沫核感染、空気感染する)感染症です。結核というと、高齢者の病気と思われがちですが、40歳未満の発病者が多いのが、最近の都会の結核の特徴です(中野区では2020年(令和2年)年の発病者のおよそ3人に1人(41人中15人)が40歳未満)。
感染とは?
体内に菌やウイルスがいる状態を「感染」といいます。人間の体には、外部から体内に侵入した菌やウイルスに対する抵抗力が備わっています。結核菌が体に入っても、およそ10人に7人は結核菌を体から排出できるので感染しません。さらに、感染しても、およそ10人に9人は発病しません。
ただし、若い世代の大半は、結核に感染したことがないため、結核菌を吸い込むと感染しやすく、感染した10人に2人以上が発病した事例もあります(結核予防会 結核Q&A)。
結核は、結核を発病して排菌している人が咳やくしゃみをした時に周囲に飛び散った結核菌を含んだしぶき(飛沫感染)や、結核菌を含んだしぶきの周りの水分が蒸発した状態で空気中に漂っている結核菌(飛沫核)を吸い込むことによって感染します(飛沫核感染=空気感染)。したがって、密室や換気の不十分な場所で感染しやすいと言われています。最近では、マンガ喫茶、インターネットカフェ、カラオケボックス、音楽スタジオ、ライブハウス、パチンコ店などで感染する事例が出ています。
なお、「感染した」だけ(=発病してない)なら、周囲の人にうつる(=感染する)ことはありません。
空気感染する感染症
感染源が、しぶきなら患者の周囲1~2メートル、飛沫核(=しぶきが乾燥して空気中に漂っている病原菌・ウイルス)なら患者から5~10メートル離れていても、感染が広がります。結核のように遠くまで感染する感染症には、麻しん(はしか)、水痘(水ぼうそう)、レジオネラ症などがあります。また、しぶきで感染する(=離れていれば感染しない)感染症には、インフルエンザ、風しん、百日せきなどがあります(昭和大学 薬と学ぶ2015年夏号「飛沫感染と空気感染の違いって何だろう?」(PDF形式:369KB))。
ただし、上記の距離の目安は換気が良好な場合の話です。換気が悪いと、空気中のしぶきが濃縮してきて、しぶきでも空気感染する(=離れていても感染する)ようになります。
発病とは?
結核菌が体内で活動を始めて病巣を作り、咳(せき)などの症状が出た状態を「発病」といいます。結核は、インフルエンザや肺炎とは違って、感染してもすぐには発病しません(=潜伏期間が長い)。多くの結核は、感染して半年から1年ぐらいたってから発病します。ただし、若い世代では数か月で発病することがあります。過労や睡眠不足、不規則な生活習慣、無理なダイエット、過度のストレスなどは、体の抵抗力を弱めるので、発病のもとになります。
昔の日本は結核まん延国であり、発病はしなかったものの、結核に感染した人は大勢います。発病しなかったのは、その人の抵抗力が強かったからですが、実は結核菌はその人の体内で休眠状態にあり、死滅したわけではありません。したがって、体温の低下、加齢、不適切な食事、運動不足、過度のストレス、免疫抑制剤・ステロイド剤の使用、透析、コントロール不良の糖尿病などにより抵抗力が弱くなると、昔感染した結核菌が休眠から目覚め発病することがあります。
なお、発病しても症状が軽く、排菌していない状態なら、周囲の人にうつす(=感染させる)心配はありません。したがって、通院で治療できます。
感染させる心配のない人
紛らわしいですが、次の1~6の人からは、他人にうつりません。
- 結核治療中だが、保健所から入院を勧告されていない人(=排菌していない)
- 潜在性結核感染症で治療中の人(=発病していない)
- 肺結核後遺症と診断された人(=結核は治った。ただし、肺に後遺症がある)
- 陳旧性肺結核と診断された人(=結核は治った。ただし、肺に痕跡が残っている)
- 結核接触者健診の対象になっている人(=発病していない)
- 非結核性抗酸菌症と診断された人(=そもそも結核ではない)
排菌とは?
結核を発病して症状が進むと、菌が増殖して病巣の外にあふれ出します。あふれ出した菌が、咳(せき)や痰(たん)と共に空気中に吐き出される状態を「排菌」といいます。排菌している状態では、周囲の人にうつす(感染させる)心配があります。したがって、排菌が収まるまで、入院して治療しなければなりません。
なお、結核菌は紫外線に弱く、体外に排出された菌は日光に当たると数時間で死滅します。排菌していた患者がいた部屋は、室内の空気を1、2日入れ替えれば、使って構いません。また、室内の消毒や、患者が使った衣服や食器類の消毒も必要ありません。普段と同じ要領で掃除をすれば大丈夫です。
気になるときは保健所に相談を
- 保健所には、医師・保健師などの医療専門職がいて、結核の相談、療養支援や、結核の正しい知識の普及啓発を行っています。1人ひとりが、結核について正しく知る、自分や周囲の健康を気遣う、それがまん延防止の第一歩です。
- 結核は治る病気ですが、決められた期間、中断なく薬を飲むことが大切なため、中野区薬剤師会の協力を得て、身近な薬局での服薬支援(服薬の確認や、病気・薬ついての相談など)を行なっています(感染症法第53条の14)。
- 「職場で結核の人がでたが、自分は大丈夫だろうか?」などといった相談も寄せられます。最近は結核の感染の有無が血液でわかる新しい検査方法が普及してきており、結核を発病した方と接触した方の健診なども、必要に応じて行っています(感染症法第17条)。
- 結核の治療が終わった方には、再発しやすい治療終了後の最低2年間、支援を継続しています(感染症法第53条の12・第53条の13、同法施行規則第27条の7~9)。
相談先
- 結核療養支援は、原則として患者・接触者など人の住所を管轄する保健所が担当しています。最寄りの保健所の住所や電話番号は、感染症疫学センターのホームページ(新しいウィンドウで開きます。)で検索できます。
- ただし、「勤務地の近くがよい」など例外はありますし、相談は全国どこの保健所でも受けられます。お気軽に、下記このページについてのお問い合わせ先 中野区保健所 結核・感染症予防係までご相談ください。
参考
結核療養のお手伝い(PDF形式:189KB)
結核患者支援フローチャート(PDF形式:157KB)
結核の入院制度について(PDF形式:210KB)
結核の接触者健康診断の手引き(改訂第5版)(PDF形式:620KB)
東京都結核接触者健診マニュアル第三版(平成31年4月一部改正)(PDF形式:2,108KB)
結核早期発見のための健康診断
- 自分自身の健康を守るため、また、家族、友人、同僚などへの感染を防ぐためにも、早期発見が重要です。結核を早く発見することは、重症化を防ぐだけでなく、大切な家族や職場への感染を防ぐためにも重要です。
- 結核の発病は、胸部エックス線検査で調べられますので、年1回の胸部エックス線検査による健診は早期発見に役立ちます。
- 中野区で実施している健診の詳細は、区民健診のご案内にお進みください。
- 中野区保健所で実施する令和3年度の健診は終了しました。
- ただし、咳(せき)が2週間以上続くなど症状がある場合は、定期健診を待たないで、すぐに医療機関を受診してください(病院の探し方)。
- 私立学校・社会福祉施設・介護老人保健施設が実施した定期結核健診については、東京都の費用助成制度があります。詳しくは、東京都福祉保健局 結核予防費都費補助金(新しいウィンドウで開きます。)をご覧ください。
受診義務(感染症法第53条の3)
- 65歳以上の方は、1年に1回、胸部エックス線検査を受けてください。
- 高等学校以上の学校(専門学校、各種学校をも含む)に入学する方は、入学年度に1回、胸部エックス線検査を受けてください。
- 学校、医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設で働く方は、1年に1回、胸部エックス線検査を受けてください。
なお、学校、医療機関、社会福祉施設、介護老人保健施設の管理者は、上記1~3の対象者への健診の実施と、健診実績の報告が義務付けられています。詳しくは、結核定期健康診断の実施と報告のお願い にお進みください。
参考
- 文部科学省 学校における結核対策マニュアル(新しいウィンドウで開きます。)
- 厚生労働省
結核院内(施設内)感染対策の手引き(平成26年版)(PDF形式:529KB)
- 東京都 医療機関及び高齢者施設における結核対策の手引き(令和3年3月)(新しいウィンドウで開きます。)
エックス線検査のメリット・デメリット
結核の治療方法・医療費
結核は薬を飲めば治ります
- 結核菌は、1日に1回活動する(=細胞分裂する)菌や、1か月に1回活動する菌、2か月に1回活動する菌など、さまざまな菌があるので、結核は、良くなったり悪くなったりを繰り返しながら、病気が進んでいきます。
- 結核の薬は、結核菌が活動しているときしか効きません。また、特定の薬が効かない結核菌も、結核菌10万個から1千個に1個はあるといわれています。
- そのため、結核の治療は3種から4種の薬(=抗結核薬)を併用し、半年から9ヶ月程度服用します。
結核は、薬をきちんと服用すれば確実に治る病気です。しかし、薬を飲まない日が続いたり、薬がまだ残っているのに飲むのを止めてしまったりすると、再発や、薬に抵抗力のある結核菌(=耐性菌)になることがあるので、本人ばかりではなく周囲の人にとっても非常に危険です(会社の健診にて結核の疑いと診断されました~患者さんの声~)。 - 入院が必要な場合の入院期間は、おおむね1~3か月程度です。ただし、退院後も、結核菌が活動している間(半年程度)は通院での治療(薬の服用)が必要です。なお、耐性菌や、薬の副作用が強い場合などは、入院期間も治療期間も長くかかります。
- 咳(せき)や痰(たん)に結核菌が出ていない人は、周囲に感染させる危険性がないので、職場や学校などに行きながら、通院で治療できます。
服薬期間が長いので、症状がなくなったり、生活が不規則だったり、転居したりすると、服薬を忘れることもあると思います。全国の保健所は連携し、1人ひとりにさまざまな支援をしながら、結核療養のお手伝いをしています(気になるときは保健所に相談を)。
参考
- 厚生労働省
令和3年10月18日「結核医療の基準」の一部改正について(PDF形式:253KB)
平成26年1月29日「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律における結核患者の入退院及び就業制限の取扱いについて」の一部改正について(新しいウィンドウで開きます。)
厚生科学審議会(結核部会)(新しいウィンドウで開きます。)
結核の治療費は、ほとんど国や自治体が負担します
感染症法令には、結核で治療を受ける方の医療費負担の軽減と、安心して適正な医療が受けられることを目的として、結核指定医療機関で医療を受けた場合、国や自治体が医療費を負担する制度(公費負担制度)があります。ただし、世帯の所得状況や、入院と外来通院の違いなどによって、自己負担がかかる場合があります。詳しくは、医療費の助成 にお進みください。
なお、結核(潜在性結核感染症を含む)医療費の公費負担の開始は、結核医療費公費負担申請書を保健所が受理した日からとなります。結核の診断を受けたら、その日のうちに医師に結核医療費公費負担申請書の診断欄を記入してもらって、速やかに、中野区保健所2階5番結核予防担当窓口まで、申請してください。
参考
結核を予防するために心がけること
- 予防のポイントは、BCG予防接種、咳(せき)エチケット、健康診断の3つです。
- また、結核の発病には、体力(抵抗力・免疫力)が大きく関与しています。
高齢者、乳幼児はもとより、若い人でも無理なダイエットや睡眠不足など不健康な生活によって、体力が低下すると発病しやすくなります。詳しくは、感染症を予防する生活習慣へお進みください。
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