【まるっと中野】中野人インタビュー かわる・つながる・ひろがる「中野駅」
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更新日:2023年8月3日
ナカノ観光レポーターの「つくし」と申します。鉄道ファンの私は、駅舎改良工事中の中野駅に興味津々!どのような駅になるのか、新たな中野のシンボルの誕生を心待ちにしています。そこで、JR東日本 中野駅第55代 宍田孝明(ししだ たかあき)駅長をお訪ねしました。多くの人に親しまれている中野駅ですが、知られざる一面を聞くことができました。
中野駅の歴史
-中野駅の歴史を教えてください。
「大量輸送の草分けとして、明治初期に玉川上水で羽村(現・羽村市)と新宿を結ぶ舟運事業が始まりましたが、水質汚濁を理由に、わずか2年で事業は中止になりました。代替として計画された馬車鉄道が途中で動力を機関車に変更し、明治30年代に新宿~立川間に甲武鉄道が開通、中野駅が開業しました。
その後、東京市内区間での旅客が増えたことから、中野~飯田町(現在の飯田橋駅近く)間は電化され、日本の鉄道で初めての電車運転区間として、大量高速鉄道の礎を築いています。
甲武鉄道の国有化、その国鉄の民営化を経て、現在の東日本旅客鉄道株式会社(JR東日本)中野駅となりました」
中野駅はこんな駅
-中野駅には、私も通勤通学などでお世話になり、仕事帰りには駅近くの居酒屋さんにずいぶんと通いました。中野駅はどのような駅ですか。
「中央本線・中央総武緩行線・東京メトロの駅として、2021年度は一日約21万人のお客さまにご利用いただいています。北口には、中野区役所をはじめ中野サンプラザ・大学・病院のほか、新井薬師方面に商店街が続き、南口には、老舗有名店をはじめ多くの飲食店が軒を並べるなど、共に昼夜を問わず賑わっています。
私たち約80名の社員は、「地域と共に!」「お客さまを大切に!」を合言葉に、安全で安心して利用していただける駅を目指して、日夜業務に取り組んでいます。また、明るい接客のための勉強会などを通して、社員一同日々研鑽に励んでいます」
「地域と共に!」中野駅の目指す姿
-駅長が力を込めて話す「地域と共に!」とはどのようなことですか。
「架道橋壁面での絵画展、駅頭におけるパンフレット配布など、中野を知ってもらうための活動や、地元町会・商店会等と連携したお祭りやイベントなどのにぎわい創出に取り組んでいます。最近では、中野チャンプルーフェスタへの参加や、近隣の大学と連携した独自イベント「謎解きウォークラリー」を開催しています。
中野の玄関口として、中野区のお客さまはもちろん、区外や地方からのお客さまに来訪していただくためにも、これまでの中野のまちの強みに加え、最先端の業務拠点、豊かな文化発信拠点、最高レベルの生活空間といった多彩な魅力を知っていただくことを目指しています」
かわる・つながる・ひろがる=中野駅
-今、中野駅は大きな工事を行っていますが、どのような駅になるのでしょうか。
「2026年に新改札と西側南北通路の完成を目指して工事を進めています。お客さま・地域の皆さまと共に「かわる中野駅」として、ホームドアの設置など、より安全安心で快適な駅を目指し、改良工事を行っています。
また、「つながる中野駅」として、西口改札口の新設、西側南北通路や橋上駅舎化などで、新たな動線を作り、現在の南北改札口の混雑を大きく改善することに取り組んでいます。
さらに、北口の中野サンプラザや駅周辺の再開発、南口のロータリーの改良などにより、駅前空間を「ひろがる中野駅」として快適化します。
これらの工事によって、これまで悲願であったバリアフリー化も完成し、より安全で安心してご利用いただける駅となります。
また、東海道本線などに連結されているグリーン車がいよいよ中央本線(快速線)にも連結します。その準備も佳境に入り、中野駅改良工事と共に大きな期待をいただいています。中央本線は、大月・塩山・甲府など山梨県から諏訪・松本方面へと繋がっており、中野から多くのお客さまにお出かけいただくとともに、線路の先からも多くの方においでいただき、中野の楽しさを知ってほしいですね」
駅長の夢
-多くの人に愛される鉄道、その憧れの駅長となった宍田駅長の夢は何ですか。
「駅にはそれぞれ個性があります。この個性を発揮し、多くのお客さまに愛される「駅」を創りたいと思っています。そのためには、地域の皆さまやご利用のお客さまから「再び訪れたいまち・駅」として認知していただくことが大切だと考えています。そして何より、社員一同がお客さまの身になって接客・ご案内できるような「中野駅」にしたいですね。
個人的には、趣味である釣りの極意に近づくため、船舶操縦免許取得に挑みたいと考えています。「鉄道と船舶」は無縁に思えますが、鉄道はもちろん、底板一枚に命を預ける船も安全がすべて。共通するものを感じています。
何事にもチャレンジ精神を忘れずに「挑み続ける」ことが何より大切です。現在の職である「駅長」として、その姿を多くの後輩・社員に見て感じてもらいたいと考えています」
いつも利用している中野駅。直接駅長にお話を聞くことなどできないと思っていましたが、とても温かく迎え入れてくださいました。
宍田駅長は、「お客さま第一・現場を知る・現場で考える・現場の人の身になる」など熱く厳しい姿勢でありながら、気さくにお話しできる優しい人柄で、社員の皆さんから親しみをもって「マスター」と呼ばれる身近な存在(「おやじ」と呼ばれていた時代もあったとか)。知れば知るほど興味が呼び起こされる素敵な方でした。
ぜひ、中野駅近くの居酒屋で、よもやま話を伺いたいです。
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このページは区民部 文化振興・多文化共生推進課が担当しています。