【まるっと中野】中野人インタビュー 「第二力酒蔵」黒田店長が語る藤子不二雄Aさん

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更新日:2023年8月3日

黒田店長

JR「中野駅」北口徒歩3分の場所にある、「第二力酒蔵」(中野区中野5-32-15)は、豊洲市場直送で、その日の一番旬の鮮魚を味わうことができます。いつも多くの常連客でにぎわっていますが、カウンター席も多く、一人でも気軽に立ち寄れる居酒屋です。「忍者ハットリくん」や「笑ゥせぇるすまん」をはじめ、多くの作品で日本の漫画文化の礎を築いた藤子不二雄Aさん(以下、「藤子Aさん」)が、生前に常連客として通っていました。今回は、その第二力酒蔵の店長、黒田哲郎さんに藤子Aさんとの思い出を伺いました。

想いを語る黒田店長
(思い出を語る黒田店長)


お気に入りだった「定位置」

 ‐藤子Aさんはいつ頃から通われていたんですか

「初めてお店に来たのは、10年以上も前になります。テレビや雑誌で拝見するままの方でしたから、すぐ分かりました。他のお客さんからも”先生””先生”って声をかけられていましたしね。月に2回は来店してくれていましたよ。先生が麻雀をする友達がたまたま中野にいて、その人がうち(第二力酒蔵)の常連さんでした。それで、その常連さんが先生を連れてきてくれたのが始まりでしたね。とにかくおしゃべりが好きな人で、たわいもない話をずっとしていたかな。他のお客さんとも笑顔で交流していましたよ」

‐お店ではどんな様子でしたか

「定位置っていうんですか。先生は、個室には入らず決まって同じテーブル席に座っていました。広い店内を見渡せるのもあるけど、先生が初めて来店した時に座って、ずっとそこで飲んでいたから落ち着いたんじゃないかな。実は、お店の奥にもう一つ定位置があって、そこの席も心地よかったみたいでよく座っていましたね。新型コロナウイルス感染症が拡大してからは1、2回しか会えず、最後にお会いしたのは1年ほど前でした。今年会う予定があったんですけど、一緒に来る常連さんが来れなくなって、話が流れてしまいました」

定位置1(店内奥にある「定位置」)


定位置2
(直筆サインが飾られた「定位置」)


とにかく気さくで、ふるさとを愛していた

‐どんなお話をされていましたか

「お店では、漫画や仕事の話をすることはなく、たわいもない話でいつも盛り上がっていました。よく覚えているのは携帯電話。今の子どもは、生まれた時にはもうスマホが当たり前の時代だけれども、その子たちが、どのような大人になっていくのかが興味深いって。私たちは、世の中の長い成長の過程でスマホが登場したりとか、そんな時代でしたから、先生は新しい世代に興味があったんじゃないかな」

‐お客さんとの交流もあったとか

「声をかけられることはしょっちゅうありましたよ。写真もよく撮っていましたし、子どもが『先生サインちょうだい』って色紙を持ってきたら、『オバQ(オバケのQ太郎)』の絵を描いてあげたのが印象深かったです。嫌な顔をすることなく、『ライフ(近所のスーパー)で色紙でも買っておいで』と、気さくに対応していましたね。絵を貰った子どもはもちろん、親の世代も嬉しいですよね」

怪物君サイン
(直筆サイン入りの怪物くんポスター)


‐どんなメニューを注文していましたか

「地元・富山県の日本酒「立山」や芋焼酎「武蔵」がお好きでした。食事は、お寺の出身だったので、肉や魚ではなく、野菜が中心だったかな。でも、富山の名物ブリの刺身や白エビの唐揚げなどが出たときには、召し上がっていましたね。地元愛に溢れた人でした」

想いを語る黒田店長2
(当時を思い返す黒田店長)


立山
(藤子Aさんのお気に入りのお酒)


藤子Aさんからの贈り物

「お店を改装した時に、店内の柱が少し寂しかったので、先生に色紙を書いてもらえないかお願いしたことがあります。そうしたら、すぐに書いて持ってきてくれたんですよ。言われたことはすぐにやってくれる。お願いしたら嫌な顔せず引き受けてくれる人でしたね」

店内のあちこちに藤子Aさんが生み出したキャラクターの直筆イラストやサイン入りポスターが飾られています。その生き生きとした筆遣いから、第二力酒蔵を愛していた藤子Aさんが偲ばれます。

黒田店長ありがとうございました。

藤子不二雄Aさん
(藤子Aさんと黒田店長)


店内
(店内に飾られた直筆のサイン)


第二力酒蔵

所在地:中野区中野5-32-15
アクセス:JR「中野駅」北口より徒歩3分
電話:03-3385-6471
営業時間:月~土、祝日:14時~23時(料理LO.22時)
定休日 日曜日

外観

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このページは区民部 文化振興・多文化共生推進課が担当しています。

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