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最終更新日 2011年6月27日
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個人情報保護審査会答申(第7号)

答申第7号
1994年7月29日

中野区長 神山好市 殿

中野区個人情報保護審査会
会長 井出嘉憲

中野区個人情報の保護に関する条例第33条第2項の規定に基づく諮問について(答申)

1993年4月28日付、5中総総第45号による下記の諮問について別紙のとおり答申します。

諮問事項

自己情報不開示等決定処分にかかる異議申立てについて(諮問)

1審査会の結論

 異議申立人の開示請求にかかる本件公文書は、全部不開示とすべきではなく、後記の判断基準に従い部分開示とすることが妥当である。

2 異議申立ての趣旨及び経緯

 異議申立人(以下「申立人」という。)は、1993年2月3日、中野区個人情報の保護に関する条例(以下「条例」という。)22条に基づき、実施機関である中野区長(以下「区長」という。)に対して、その自己情報である「保護課に於ける私自身のすべての情報」として、「面接記録」、「ケース記録」、「マスターカード」、「算定書」、「戸籍」、「住民票」、「扶養照会回答」、「医療台帳」、「要否意見書」、「レセプト」の開示を請求したが、同年2月17日付で、「面接記録」、「ケース記録」、「扶養照会回答」、「医療台帳」、「要否意見書」、「レセプト」については、不開示の通知を受けた。

 申立人はこの一部不開示決定を不服とし全部の開示を求めて、1993年4月18日区長に対し異議申し立てをした。そして、同年4月28日付で区長から当審査会に対し、条例に基づく諮問がなされたものが本件である。

 当審査会の審理において、実施機関・区長から1993年8月5日付で「理由説明書」が出され、これに対して申立人側は、同年9月10日付で「意見書」を提出するとともに、同年10月18日、当審査会委員に対する口頭意見陳述を行った。

3 実施機関の主張

(1)条例上の不開示理由に該当する。

1)a ケース記録には、第三者から得た情報が記載されており、これを開示した場合は、第三者である特定の個人が識別されることになり、それによって第三者の近隣における平穏な生活を阻害するおそれがある(条例26条2号該当)。

 更に、ケース記録の第三者から得た情報を開示した場合は、区と調査依頼先との信頼関係を損ない、公正又は適正な職務執行が著しく妨げられる(条例26条4号該当。理由説明書)。

b 面接記録、ケース記録には、職員の所見等が記載されており、その内容が、要(被)保護者の認識や主張とは相違する場合がある。これを開示した場合、「要(被)保護者の誤解によって自立助長への意欲が損なわれるおそれがある」(条例26条3号該当)。

 ケース記録・面接記録の職員の所見等を開示した場合は、職員と要(被)保護者との信頼関係を損なうので、公正又は適正な職務執行が著しく妨げられる(条例26条4号該当。理由説明書)。

c また、申立人の反論((1)-c)については、いちいち職員の所見等の当否を要(被)保護者に確かめていては、事務処理が膨大となり行政の円滑な執行の障害になる(条例25条4号該当)。仮に、実施機関の処遇に不服があるのであれば、これらの書類を開示されなくても不服申立てをする手続(福祉オンブズマン制度、不服申立制度)が別にあり、それを利用すべきである(口頭意見陳述)。

2)a 医療台帳、要否意見書、レセプトには、病名の記載をはじめ、医師の所見が含まれている。これらを開示した場合、医師らと医療を受ける者=要(被)保護者との信頼関係が損なわれるおそれがある(条例26条3号該当)。仮に、個別具体的に信頼関係を損なわない場合であっても、あるケースで開示し、別のケースで開示しないという対応を採ると、開示しないという対応によって、開示しないのは何病棟開示できない理由があるからだと判明してしまう場合があり、一般的に不開示とするのが相当である(口頭意見陳述)。

b また、これらの文書はいずれも、医療機関から得た情報であり、これらを公開した場合、調査依頼先との信頼関係を損なうなど、公正又は適正な職務執行が著しく妨げられる(条例26条4号該当)。

(2)国の指導監督を考慮する必要がある。

 生活保護行政は、機関委任事務として国及び東京都の指導監督を受けるものであり、厚生省は、本人からの閲覧請求について「戸籍簿等の場合と異なり、法律上保護台帳の閲覧請求を認めた規定はないから、要保護者といえども閲覧請求の権利をもつものではない」との見解を示している(昭和38年4月1日付社保第34号厚生省社会局保護課長通達「生活保護法による保護の実施要領の取扱いについて」)。また、東京都からは、厚生省の口頭指導として、本人又はその同意を得た第三者からの閲覧請求のあった場合について、「第三者のプライバシー侵害に至ることろがないか、将来の生活保護行政の円滑な執行を妨げることがないかについて検討を加えなければならない。安易に閲覧させることは、守秘義務違反の問題が生じるところである」としている(平成5年3月22日、東京都福祉事務所長会)。

 このような国の指導監督を考慮すると、開示することにより国との信頼関係が損なわれ、実施機関の信頼性を失墜することになり、公正又は適正な業務執行が困難になる(条例26条4号該当。理由説明書、口頭意見陳述)。

4 申立人の主張

 申立人の主張は多岐にわたるが、生活保護行政について、一方的独断的であってはならなず、「個々の被保護者の生活実態への配慮と人権の尊重」が基本になければならないと主張している。そして、保護申請の面接の当初に、独断的にレッテルを張るような職員の人格的評価のやり方や、面接票をめぐる職員の行動に対し、強く抗議している(異議申立書、口頭意見陳述)。

 本件異議申立てに関する主張は以下のとおりである。

(1)1)a 自分自身に関するこれらの書類は、本人自身の「知る権利」があり、個人情報の保護は、「自己情報の開示と訂正権」が基本である(異議申立書、意見書)

b そして、たとえ第三者から収集された個人情報であっても、それについて本人に弁明の機会が与えられなければ公正とはいえず、本人のチェックが必要であり、また、それを糾すためにも、第三者が誰かということについても明らかにされなければならない(意見書、口頭意見陳述)

c また、職員の所見等の記載については、一方的で独善的になりやすい面があり、必ずしも正しいとは限らず、これを開示することにより、実施機関と本人がお互いに考え方や主張を調整することができる(意見書)。

2) 医療台帳・要否意見書・レセプトに記載されている医師の診断やそれに基づく病名等の記載についても、「患者の知る権利」が保障されなくてはならない(意見書、口頭意見陳述)。

(2)生活保護行政について、「国の指導の下に自治体が運営している」ということを理由にして開示を拒むことは、地方分権、住民自治の考え方からして、自治体の独自性を否定するものである(意見書)。

5 審査会の判断

(1)扶養照会書について

 実施機関が不開示とした文書のうち、扶養照会書は本件の場合存在していない。実施機関は、1993年2月24日開示決定した文書を開示した際に、その旨申立人に説明したと主張しており(理由説明書)、この点について申立人は争っていない。

 よって、その余の面接記録票・ケース記録・医療台帳・要日意見書・レセプトの各文書の不開示決定について判断する。

(2)本件対象情報の内容について

1)面接記録票

 面接相談員が、相談者の相談内容を中心に記録するものであるが、相談内容に対する問題点等、相談員の所見や評価・処置概要、処置方針(指導)等の事項が記載され、被面接者に関する医療機関や民生委員等第三者に対する照会結果・調査結果・確認事項も記載される。また、相談者が本人以外場合もある。

 本件申立人の請求文書には、本人が相談した内容、相談員の所見及び処置概要について記載がある。

2)ケース記録

 世帯台帳、要約記録及び経過記録で構成されており、被保護世帯の実情を明らかにし、保護決定の根拠を示す基礎資料として、その世帯の実態(家族構成、経歴、生活実態、病状等)をはじめ、訪問調査活動結果や指導指示の内容、この後の処遇方針等、その世帯に関する事項を記録するものである。

 本件申立人の請求文書には、被保護者の本籍・住所・世帯構成、開始事由、世帯の生活歴及び現況、扶養義務者の状況、住居の状況、資産の状況、他法他施策の活用状況、医療機関の意見、世帯の認定及び訪問類型等保護の決定内容、開始時の処遇方針、保護の開始・変更、家庭訪問、関係先の訪問、処遇方針の変更、就労指導・療養指導の記載がある。

3)医療台帳(正式名称は「医療扶助台帳」)

 受療者の氏名、世帯主名、医療扶助の開始・廃止、社会保険に加入している場合はその内容、給付券の発行等処理状況が記載される。

 本件申立人の「医療台帳」には、受療者の氏名、世帯主名、医療扶助の開始・廃止、給付券の発行等処理状況、主傷病名についての記載がある。

4)要否意見書(正式名称は「医療要否意見書」)

 医療機関に対して、被保護者の医療継続等の要否について実施機関が意見を求めるものであるが、被保護者の氏名・生年以外に、傷病名または部位、主要症状及び今後の診療見込、診療見込期間、概算医療費、福祉事務所への連絡事項、医療の要否、実施機関の嘱託医の意見等が記載される。

5)レセプト(正式名称は「生活保護法医療券・診療報酬明細書」)

 診療報酬の請求書として社会保険支払基金の審査を受けた後に、実施機関に返戻されるものであるが、被保護者の氏名・性別・生年・居住地等の他に、傷病名・投薬内容・注射・処置・検査等の記載がある。

 本件申立人の「レセプト」には被保護者の氏名・性別・生年・居住地等の他に、傷病名・投薬内容・注射・処置・検査等の記載がある。

(3)第三者から得た情報部分等の開示について

1)自己情報開示請求権は、自己情報コントロール権を住民に保障するものであり、個人に関する情報は原則として本人に開示されなくてはならない(条例22条)。しかし、この権利も、絶対的なものではなく、条例26条は例外として4項目の本人不開示にできる場合を定めている。条例26条2号において、第三者のプライバシー保護との関係によって、合理的制約を受けることを定めている。

 本件では、ケース記録及び面接記録に第三者から得た情報の記載があり、特定の個人を識別させる個人名、身分、職業を不開示とすべきであるが、更にその記載されている情報の内容によっては、第三者の生活の平穏が害され、プライバシーが侵害されるおそれのある部分もある。この部分については、条例26条2号に該当するものとして、本人不開示が妥当である。

2) また、実施機関は、第三者から得た情報部分を開示することは、調査依頼先との信頼関係を損なう旨主張する(条例26条4号該当)が、本件においては、前述のように、不開示部分を分離し、第三者のプライバシー保護が十分なされれば、第三者と実施機関との信頼関係は確保されると考えられ、その他の著しい職務の執行障害が具体的に生じるとは解されない。

 なお、本人が区の担当者に対して話した第三者の個人的情報及び本人が同席した際に話された第三者の個人的情報に関しては、本人が知っているものであるから、そのままではこれらの情報は不開示理由にあたらない。しかし、本人にこれらの情報を開示したために、開示した内容が何らかの事情により他に知られると、第三者は、反射的に事故の個人情報を他に公開されてそのプライバシーを侵害されることになりかねず、また、それによって第三者と実施機関との信頼関係が損なわれるおそれがある。

 従って、これらの情報のうち、第三者のプライバシーが侵害されるおそれのある部分は、条例26条2号、4号に該当するものとして本人不開示が妥当である。

(4)職員の所見等の記載の開示について

1) 面接記録・ケース記録の記載は、大部分が事実の記載であるが、職員の所見等が記載されている部分がある。しかし、職員の所見等の記載が直ちに条例26条3号に該当するものではなく、本人に開示しないことが正当である具体的理由が必要である。

 確かに、本人自身の認識と異なる評価・所見等の記載は本人の意欲を削ぎ自立助長への障害となり、結果として、本人の不利益となりうるであろう。しかし、不利益だから隠さなければならないとは直ちにならない。それが不利益な評価・所見であっても、本人に対し知らせた上で問題解決を図ることにより本人の自立助長に役立たせるべきである。本人の不利益になるとしても、その判断は、基本的には本人自身に任せるべきであり、それだけでは、不開示の理由としては十分ではない。

 従って、その後の相談や生活指導が全く効果を上げられなくなるような評価・所見等に限って、不開示とすべきである。

 本件ケース記録のうち、精神状態の評価部分の中には、本人に開示することにより無用の誤解を受け、信頼関係を損なう恐れがあると認められる部分があり、この部分については不開示とすることが妥当である。他方、面接記録中の職員の本人の精神状態に関する所見部分の一部は、たまたま本人の既知の情報であるので、不開示部分にあたらないと判断する。

 なお、不利益な情報の記載の仕方や本人への伝え方について、今後実施機関側が検討して改善することにより、不開示とすべき記載はさらに減少させることができるであろう。

2)実施機関は、職員の所見等を開示することにより、職員と本人との信頼関係を損なう(条例26条4号該当)旨主張しているが、申立人は、実施機関との信頼関係が持てなくなったからこそ開示請求をしたのであって、これをもって不開示の理由となしうるものではない。そもそも条例は、区が区民に対し自己情報開示請求権を保障することにより、区と区民との信頼関係を構築し、区民から信頼される区政を実現していくことを目的としているのであり(条例1条)、本人に知らせないことによって信頼関係を保つという考え自体が、条例の趣旨・目的に反している。むしろ、申立人の主張している如く、本人に開示して、本人とのやり取りの中で、実施機関の評価・所見の客観性を高めていく努力が必要であろう。

 実施機関の主張する行政争訟法上の不服申立制度や中野区独自の福祉オンブズマン制度を区民が十分に利用するためにも、自己情報開示請求権はその前提として保障されなければならない。これらの制度があるから開示する必要はないという考えは、むしろ本末転倒である。

 これらの文書を開示することにより、職員の評価・所見等の記載について、多少の混乱が生じるとしても、事務の公正が失われたり、目的を達しがたいほど職務執行に著しい支障を及ぼすとは解されない。条例の趣旨・目的を達成するために、今後実施機関側の所見・評価の記載の仕方を工夫し、内容の客観性を高めることにより、前記の混乱は十分防ぐことができるであろう。

(5)医療機関の診断・所見等の記載の開示について

1)これらの文書中の医療機関・医師名などの特定の個人や団体を識別させる部分は、本人に既知の情報もあるが、これが他に知られた場合、医師と本人との信頼関係を損ない、また、実施機関の職務執行上公正又は適正な執行を困難にするおそれがあり、不開示とすべきである。

2)実施機関は、これらの文書について一般的に全て不開示とすべき旨主張しているが、条例は、できるだけ本人に自己情報を開示することを原則としているのであって、例外は厳密に検討すべきである。

 開示請求された医療台帳・要否意見書・レセプトは、いずれも医師の診断を元に病名の記載がなされており、要否意見書には、診断に基づく簡単な医師の所見の記載がある。

 前記で述べた如く、基本的に信頼関係は、情報をできるだけ開示し共有することによって構築されるものであり、患者と医師(医療機関)の間も同様であろう。

 今日では、インフォームドコンセントの重要性が基本的に承認され(1990年1月日本医師会生命倫理懇談会「説明と同意」についての報告他)、世界的には、精神医療におけるインフォームドコンセントの重要性も承認されている状況にある(1991年12月 国連総会採択-精神疾患を有する者の保護及びメンタルヘルスケア改善のための諸原則)。

 こうした医療機関の判断による診断情報告知の努力とともに、さらに患者の知る権利の保障のための手だてが用意され、十分な努力が尽くされる必要があると考えられる。医療機関の責任ある診断情報が、条例対象の公文書に記録されている以上、条例に基づく患者本人の開示請求に原則的に応ずべきものである。

 本件の場合、請求文書を開示しても、申立人に対し現に行われている診断及び予備医療に著しい支障を及ぼすおそれがあるとは認められない。まして、申立人は、すでに医師からおおよそ病名を告知されており、記載されている所見も、医師から既に説明を受けている内容と解され、本人に開示することによって意思と本人(患者)との信頼関係を損なうものではない。

(6)国の指導との関係

1) 生活保護行政は、法律に基づき区長に委任された国の機関委任事務(地方自治法148条3項、別表第4、2の(19))であり、厚生省の監督下における国の行政として、区長は、主務大臣及び東京都知事の指揮監督を受ける(地方自治法150条)。

 しかし、国の機関委任事務であっても、その事務に関する公文書の作成・管理は自治体の事務であると自治省は解釈しており、条例でも、生活保護行政の公文書を個人情報保護の対象としている。

 国は、実施機関の指摘する通達の中で、本人に閲覧請求権を認めた法律が存在していない点を問題にしているが、個人情報保護条例は、そもそも本人開示請求権が法律に明定されていない場合でも、原則として開示請求権を認めているのである。国は、口頭指導において、「第三者のプライバシー保護や生活保護行政の円滑な執行を妨げないかを十分検討すべき」としており、原則として閲覧を禁止するとまでは言っていない。

2) ところで、国は、本人に対する開示について、公務員の守秘義務違反を問題にしている。確かに地方公務員法は、「職員は職務上知り得た秘密を漏らしてはならない。その職を退いた後もまた同様とする」(34条1項)と定め、違反した場合には罰則を課している(60条)。しかし、この守秘義務は、一般に、職務上知り得た本人の個人的秘密を一般第三者に漏らして、本人のプライバシーを侵害することを禁止したものであり、本人に対してまで秘密にすることを当然に要求した規定ではない。

 従って、守秘義務違反については、本人に対しても秘密にしなければならない個人情報内容があるか否か、行政執行上の支障が著しいのか否かの具体的理由を、検討しなければならないということに帰着する。

 審査会はこれらの点について個別に十分検討し、その結果、第三者のプライバシー保護や生活保護行政の円滑な執行を妨げる部分を除き、部分開示すべきであるという結論に達したものである。

 もっとも、本答申に沿って実施機関が部分開示する場合、国及び東京都知事との間における行政上の協力関係を継続せしめるように配慮する必要はあると考える。

(7)不開示部分

 以上のような検討の結果、審査会が本件文書のうち開示すべきでないと判断した基準は、以下のとおりである。

1)実施機関が第三者から入手した情報で、本人によって特定の個人が識別され、当該第三者に不利益を及ぼすおそれのあるもの
2)本人が話した内容及び本人同席の際に実施機関が入手した情報で、何らかの事情によって、それが他に知られた場合、特定の個人又は団体が識別され、当該第三者に不利益を及ぼすおそれのあるもの
3)その他、評価情報等で本人に開示しないことが正当と認められるもの、及び開示により実施機関の公正又は適正な職務執行が著しく妨げられるもの

 審査会は、この判断基準に基づき本件不服申立ての審査を行うため、実施機関に対し開示請求文書の全部の提出を求め、これを閲覧して、不開示とすべき部分を具体的に特定した。それは、別添の開示請求文書の写しの中で抹消を指示した部分である。

 なお、審査会の委員が開示請求文書の不開示とすべき部分を含めて閲覧することは、不服申立ての実質的な審査機関(条例34条)としては当然のことであり、委員に職務上の守秘義務が課せられていることからも問題はない。ただし、実施機関がこの答申を公表し、又は本件異議申立てに対する決定でこの答申を引用する場合においては、当然ながら、別添の開示請求文書の部分は公表又は引用を避けるべきである。

(8)付帯意見


 本件で開示することとした文書の中には、本人が区の担当者に対し話した第三者の個人情報及び本人が同席しているところで話された第三者の個人情報なども記載されている。これらの情報の中には、本人自身には既知のものであるが、第三者としては、個人が識別され一般に公表されたくない情報もある。条例は、本人に対し自己情報開示を認めるとともに、第三者のプライバシーを侵害しないように区民の責務を定めている(条例4条)。従って、条例が個人情報の保護を目的としたものであることに留意し、本人は、開示された文書をみだりに一般に公表し第三者のプライバシーを侵害しないように取扱いに注意して欲しい。そのような区民側の自覚があってこそ、条例の目的とする区民の基本的人権の擁護と信頼される区政の実現を図ることができよう。

 また、区も、生活保護行政に必ずしも必要ない本人以外の第三者の個人情報を、安易に記録に記載しないよう、改善していくべきである。

6 本件不服審査の処理経過

  1. 1993年4月18日、申立人は、自己情報不開示等決定処分に不服があるとして、条例33条1項の規定に基づき、実施機関に異議申立書を提出した。
  2. 同年4月28日、実施機関は、本件異議申立てにつき、条例33条2項に基づき、当審査会に諮問を行った。
  3. 同年5月24日、審査会は、実施機関に対して不開示等理由説明書の提出を求めた。
  4. 同年8月5日、実施機関から審査会に対して不開示等理由説明書が提出された。
  5. 同年8月6日、審査会は、実施機関から提出された不開示等理由説明書の写しを申立人に送付し、意見書の提出を求めた。
  6. 同年9月10日、申立人から意見書が提出された。
  7. 同年9月17日、審査会は、申立人から提出された意見書を実施機関に送付した。
  8. 同年10月18日、審査会は、申立人からの意見を聴取した。
  9. 同年11月8日、審査会は、実施機関からの意見を聴取した。
  10. 1994年3月28日、審査会は再び実施機関からの意見を聴取した。
  11. 審査会は、本件異議申立てにつき、1993年5月20日、9月20日、10月18日、11月8日、12月17日、1994年1月26日、2月16日、3月28日、4月14日、5月12日、6月2日、6月13日、7月13日と審議を重ね、上記結論を得た。

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