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最終更新日 2011年6月24日
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個人情報保護審査会答申(第8号)

答申第8号
1995年3月13日

中野区教育委員会 殿

中野区個人情報保護審査会
会長 井出嘉憲

中野区個人情報の保護に関する条例第33条第2項の規定に基づく諮問について(答申)

1993年8月6日付、5中教学庶第241号による下記の諮問について別紙のとおり答申します。

諮問事項

自己情報不開示等決定処分に係る異議申立てについて(諮問)

1 審査会の結論

 本件異議申立人の開示に係る長期欠席生徒報告書について、実施機関(中野区教育委員会)が文書不存在を理由に不開示と決定したことは、妥当である。

2 異議申立ての趣旨および経緯

 異議申立人(○○○○、法定代理人○○○○。以下「申立人」という。)は、1993年6月1日、中野区個人情報の保護に関する条例(以下「条例」という。)22条にともづき、実施機関である中野区教育委員会(以下「区教委」という。)に対して、その自己情報であるとする長期欠席生徒報告書の開示を請求したが、区教委から同月7日、当該文書は存在しないとの理由で不開示の決定を受けた。

 申立人はこの処分の取り消しを求めて、同年8月2日教育委員会事務局に対し異議申立をした。そして、同月6日付で、区教委から当審査会に対し、条例に基づく本件諮問がなされている。

 当審査会の審理において、実施機関・区教委から同年9月13日付で「理由説明書」が出され、これに対して申立人側は、同年10月22日付で「意見書」を提出したうえ、1994年10月6日に、申立人である法定代理人が申立人の母親と補佐人1名とともに、当審査会で口頭意見陳述を行った。

3 審査会の判断

 当審査会は、申立人側と実施機関・区教委との間における各争点につき、以下のように審理し判断する。

(1)本件請求文書の存否について

 申立人側は、申立人本人は1992年度中野区立中学第3学年のときに、校内でのいじめによって欠席を余儀なくされた日数が20日にものぼったので、学校長から教育委員会への報告がなされてしかるべきであると主張し、あるべき長期欠席生徒報告書の開示を請求している。

 これに対し実施機関・区教委では申立人本人の欠席の件は、学校教育法施行令20条に基づく学校長の教育委員会通知義務には属しない場合であって、申立人が請求する長期欠席生徒報告書といった文書は存在していない、と主張している。

 この点につき当審査会は、職権を持って関係文書の存否を調査した結果、本件で開示請求された長期欠席生徒報告書、又はそれに類する文書は存在しない、という事実を認める。従って、当該公文書の不存在により、本件不開示の決定(開示請求を認めない処分)は合法であると解される。

(2)本件請求文書が不存在であることの法的問題について

 本件請求文書が不存在であることについて、申立人側は、学校教育法施行令19条に反して違法であると主張し(意見書)、区教委は同施行令20条に照らして合法であると主張し、この点が本件における他の争点を形成しているので、当審査会としてはこの争点についてもあえて判断を行うことにする。

 たしかに、学校教育法施行令19条は、「中学校……の校長は、常に、その学校に在学する……学齢生徒の出席状況を明らかにしておかなければならない。」と定めているが、学校長から教育委員会への報告に関しては、同施行令20条が次のとおり規定している。「中学校……の校長は、当該学校に存学する……学齢生徒が、休業日を除き引き続き7日間出席せず、その他出席状況が良好でない場合において、その出席させないことについて保護者に正当な事由がないと認められるときは、速やかに、その旨を……教育委員会に通知しなければならない。」

 この点区教委は、20条の解釈について、校長に報告義務があるのは、「保護者側の事情により生徒が義務教育を受ける機会を害されていると校長が認めた場合」であるとし、本件の場合にあっては「保護者から当該生徒の病気診断書(6月24日付)が提出されたこと、その他の状況から保護者側に就学義務履行に問題のある欠席ではないと判断したため教育委員会へ通知しなかったもの」であると説明している(理由説明書)。これに対し申立人側から、そこに言う「その他の状況」とは何かが問われている(意見書)。

 そこで判断するのに、学校教育法施行令20条は、伝統的な親の就学義務の履行を教育委員会が監督することを主旨とする規定であり、そのことは、同施行令21条が「教育委員会は、前条の通知を受けた時その他…保護者が…義務を怠っていると認められるときは、その保護者に対して……生徒の出席を督促しなければならない」と定めているところから、明らかであると解される。この政令規定の伝統的な法意が今日かなり現実ばなれしているとしても、現行法令上校長の報告義務がそのように限定されていることは前提とせざるをえない。

 本件申立人の20日に上る長期欠席をめぐる状況については、詳密な検討を要すると認められるが、その長欠が申立人両親の責めに帰すべき事情になかったという点については、申立人側と区教委との間に不一致はないので、結局、前記の法令規定に基づく校長の報告義務は本件に関して生じなかったと解さざるをえない。

 ところで、申立人側の主張は前記政令規定の範囲をこえて、別途校長の報告義務が存するはずだという趣旨をも含むようなので、当審査会としては、さらに職権調査を行った。

 その結果によると、毎年度文部省が実施する学校基本調査において、「学校調査票(中学校)」には「理由別長期欠席者数」の欄があり、「病気、学校ぎらい、その他」などの理由別に、「30日以上の欠席者」「50日以上の欠席者」の数を記入する形式になっている。

 申立人本人の欠席日数は「30日以上」には当たらないので、この調査の対象外であることのほか、この調査は無記名の数値情報のみを取り扱うものであるため、これに対する学校長からの回答は生徒各人の個人情報を成していないと認められる。

 かくして、現行法規上では、本件申立人本人の長期欠席について学校長から教育委員会への報告書が存しないことを違法とする根拠は見いだされないのである。生徒の長欠に対し責任ある対応をする努力は、何よりもまず、各学校の父母を含む自治的とりくみに求められていると解される。

4 本件不服審査の処理経過

  1. 1993年8月2日、申立人は、自己情報不開示等決定処分に不服があるとして、条例33条1項の規定に基づき、実施機関に異議申立書を提出した。
  2. 同年8月6日、実施機関は、本件異議申立てにつき、条例33条2項に基づき、当審査会に諮問を行った。
  3. 同年8月24日、審査会は、実施機関に対して不開示等理由説明書の提出を求めた。
  4. 同年9月13日、実施機関から審査会に対して不開示等理由説明書が提出された。
  5. 同年9月22日、審査会は、実施機関から提出された不開示等理由説明書の写しを申立人に送付し、意見書の提出を求めた。
  6. 同年10月22日、申立人から意見書が提出された。
  7. 同年10月25日、審査会は、申立人から提出された意見書を実施機関に送付した。
  8. 1994年8月31日、審査会は、実施機関からの意見を聴取した。
  9. 同年10月6日、審査会は、申立人からの意見を聴取した。
  10. 審査会は、本件異議申立てにつき、1993年8月23日、9月20日、11月8日、1994年8月31日、10月6日、12月1日、3月9日と審議を重ね、上記結論を得た。

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