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最終更新日 2011年6月24日
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個人情報保護審査会答申(第11号)

答申第11号
1997年3月27日

中野区教育委員会殿

中野区個人情報保護審査会
会長 井出嘉憲

中野区個人情報の保護に関する条例第33条第2項の規定に基づく諮問について(答申)

1995年7月27日付、7教学庶第193号による下記の諮問について別紙のとおり答申します。

諮問事項

自己情報不開示等決定処分に係る異議申立てについて(諮問)

1 審査会の結論

 異議申立人○○○○さん(法定代理人、○○○○さん・○○○さん)に関するいじめおよび長期欠席の学校報告は、文書として存在していないと認められる。また、その不存在が不合理であるとは断言できないが、本件いじめをめぐる公的な記録のあり方には問題があったと判断される。

2 異議申立ておよび不服審査の経緯

 法定代理人に代理された異議申立人(以下「申立人」という。)は、平成7年5月30日、中野区教育委員会(以下「実施機関」という。)に対し、申立人本人に関するいじめおよび長期欠席の学校報告につき、中野区個人情報の保護に関する条例28条に基づく自己情報開示請求を行ったが、同年6月14日付けで実施機関から、文書不存在を理由とする不開示の決定通知を受けたので、同年7月17日異議申立てをした。

 当審査会は、同年7月27日付けで実施機関より諮問を受け、本件の不服審査に当たってきた。実施機関は同年10月20日付けで理由説明書を提出し、これに対して申立人は、同年11月29日意見書を提出するとともに、平成8年4月2日に当審査会に置いて口頭意見陳述(文書資料の提出を伴う)を行った。

3 審査会の判断

(1) 当審査会による実施機関事情聴取(平成8年5月13日)等を主とする職権調査の結果、申立人が求めている本件請求は、文書として存在していないと認められる。

(2) 現行法制度において、いじめまたは長期欠席の学校報告書は、つぎの場合に限られている。

1) 学校教育法施行令20条により、「中学校・・・・の校長は、・・・・学齢生徒が、休業日を除き引き続き7日間出席せず、その他出席状況が良好でない場合において、その出席させないことについて保護者に正当な事由がないと認められるときは、速やかに、その旨を・・・・教育委員会に通知しなければならない。」また、毎年度文部省が実施する学校基本調査において、「学校調査票(中学校)」に「30日以上の欠席者」の数を記入する様式となっている。

2) 近時、文部省が求める毎年度の「児童・生徒の問題行動等に関する調査報告書」において、「公立の・・・・中学校・・・・におけるいじめの状況」に関する東京都教育委員会あて報告書に関し、各区立学校からのいじめ発生件数が区教育委員会に報告される様式となっている。

 そのほか、中野区教育委員会が用いている文書様式に「傷害事故発生報告書」が存するが、これは主に事故見舞金の支給にかかるもので、児童生徒の人身傷害を生じた事故についてその発生・処置状況を報ずる限られた内容の様式となっている。

3) 申立人本人に関するいじめおよび欠席の事実関係について、申立人側の主張によると、本人が区立中学1年生の平成4年9月に塾において始まった暴力的ないじめが学校内の部活動などに及び、その結果平成5年度にかけて、学校教師の指導にもからんで不登校と入院にいたり(欠席は各年度30日未満)、平成5年8月に他市の学校に転校を余儀なくされたという。この事実関係であると、上記1)の就学義務違反ないし長期欠席の報告要件を充たさず、また上記2)の制度上の事故報告事項に明確に該当するとまでは認定されえない。この点は、後述する”いじめ”事件の特性に関連していると考えられる。

4)申立人本人が本件当時在学していた区立中学校から、上記2)の文部省調査に際し区教育委員会に対して、平成4年度のいじめ発生件数が「1」と報告されていた。これにつき実施機関は、「この数字をもって、本人にかかわる特定の情報と判断することは不可能」であると主張し(理由説明書)、それに対して申立人側は、本人のいじめ事件がその内容であるむね当時の関係者から回答を得ていたと主張する(口頭意見陳述)とともに、件数1の公的報告内容を特定せず本件の報告書を学校がそれとして提出しないことは無責任であると批判している(意見書等)。

 この”いじめ件数1”の内容特定の問題に関しては、当審査会において、長時間論議を継続した。問題の難しさは、生徒間のいじめに対する学校の公的な把握及び報告のあり方の特殊性にかかわっている。

 見解の一つは、「1」といいう数字の幅に注目するものであった。いじめにともなう人権侵害に対しては教師・親・生徒をはじめ関係者の真剣な個別処の努力が必要であるが、元来いじめは学校生活における生徒間の流動的な出来事であるため、人身被害や長期欠席以外にすべて学校から教育委員会へ報告書を出すということにはなじまないのではないか。そこで文部省によるいじめ件数の全国調査は社会的対策の基礎データ収集として有意味であっても、各学校からの報告件数は、現場的ケース対応とは次元が異なり、一種の”見積り”の整数であってやむをえず、報告件数1の場合も”1前後”の意味であり、一種の見積りの数字と考えられる。

 一方、対極に、「1」の数字がもつ重さを強調する見解があった。集会的に論議を呼んでいたいじめについての公的調査で、明瞭に「1」と報告するにあたっては、無を象徴する「0」、また逆に事実と完全に照合させるのが困難な「数件」と記入する場合とは自ずから異なった意識が働いたとの受け止め方である。

 いずれの見解にあっても、学校で「1」と表現するに至った経緯とか、文部省への報告とかかわりなく対応に動いた記録とか、学校と教育委員会とのやりとりとか何らかの記憶にとどまる事態が起きていたのではないかとの推測があった。

 しかし、審査会の職権の範囲内では、学校内の何らかの資料とか、学校と教育委員会と電話のやりとりなど異議申立人が求める文書の存在を確認できなかった。

4 本件不服審査の処理経過

  1. 1995年7月17日、申立人は、1995年5月30日付の自己情報開示請求に対する自己情報不開示等決定処分に不服があるとして、条例33条1項の規定に基づき、実施機関に異議申立書を提出した。
  2. 1995年7月27日、実施機関は、本件異議申立てにつき、条例33条2項の規定に基づき、当審査会に諮問を行った。
  3. 1995年9月5日、審査会は、実施機関に対して不開示等理由説明書の提出を求めた。
  4. 1995年10月20日、実施機関から審査会に対して不開示等理由説明書が提出された。
  5. 1995年10月31日、審査会は、実施機関から提出された不開示等理由説明書の写しを申立人に送付し、意見書の提出を求めた。
  6. 1995年11月30日、審査会は、申立人からの意見書を受理した。
  7. 1995年12月4日、審査会は、申立人から提出された意見書の写しを実施機関に送付した。
  8. 1996年4月2日、審査会は、申立人からの口頭意見陳述を聴取した。
  9. 1996年5月13日、審査会は、実施機関からの意見を聴取した。
  10. 1996年6月10日、審査会は、実施機関からの意見を聴取した。
  11. 審査会は、本件異議申立てにつき、1995年12月26日、1996年1月22日、2月21日、4月2日、5月13日、6月10日、7月4日、8月13日、9月27日、10月28日、11月13日、12月20日、1997年1月29日、2月27日、3月27日と審議を重ね、上記結論を得た。

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