建築物省エネ法の性能基準と計算方法
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更新日:2023年8月3日
建築物省エネ法 性能基準の概要
建築物の消費エネルギーを減らすためは「負荷の軽減」と「エネルギーの効率的使用」を行う必要があります。「負荷の低減」は、室温をある温度にするために必要となる熱量を減らすことを意味し、具体的には外壁・屋根等の断熱化があります。「エネルギーの効率的使用」は、なるべく少ないエネルギーで必要な熱量を発生させることを意味し、具体的には高効率の空調機や給湯器の採用があります。
建築物省エネ法の性能基準は、外壁・窓等の「外皮」からの熱損失量を計算して求めた「外皮基準」と予想される「一次エネルギー消費量」により構成されています。一次エネルギー消費量の「一次エネルギー」とは、石油や石炭など加工されていない状態のエネルギーです。二次エネルギーである電気の消費量は、電気を作るために使われる一次エネルギー消費量に換算して加算されます。
住宅における外皮性能
住宅の外皮性能は「外皮平均熱貫流率UA 」と「冷房機の平均日射熱取得率ηAC 」により構成されています。この2つが基準値以下になることが必要です。
外皮平均熱貫流率 UA
UAとηAC
室内から外気への熱の出入りの指標です。
値が小さいと、熱の出入りが少なく断熱性能が高いことを表します。
UA = 外皮総熱損失量 ÷ 外皮総面積
東京の基準値は UA ≦ 0.87(戸建て住宅の場合等)です。
冷房機の平均日射熱取得率 ηAC
太陽日射の室内への入りやすさの指標です。
値が小さいと、日射が入りにくく遮蔽性能が高いことを表します。
AC = 総日射熱取得失量 ÷ 外皮総面積 × 100
東京の基準値は ηAC ≦ 2.8 です。
一次エネルギー消費性能
一次エネルギー消費性能は、基準一次エネルギー消費量(標準的な設備仕様での一次エネルギー消費量) と設計一次エネルギー消費量 (設計の設備仕様での一次エネルギー消費量)で判定します。
一次エネルギー消費性能 BEI
BEI = 設計一次エネルギー消費量 ÷ 基準一次エネルギー消費量
基準値は以下になります。
新築および既存建築物の増改築 BEI ≦ 1.0
既存建築物(2016年4月に現存する建築物)の増改築 BEI ≦ 1.1
省エネ計算方法
建築物の用途・面積によって計算方法が変わります。対象となる建築物の計算方法を選んでください。2021年4月1日以降の計算プログラム等の扱いについては国土交通省の資料(外部サイト)で確認してください。
省エネ計算方法の概要
非住宅建築物の省エネ計算法
標準入力法
特徴 | 建物の情報を室毎に詳細に入力して計算する精密な評価方法 |
計算ツール | |
備考 | 複合建築物の場合、住宅部のBEIと合算して判定できる |
モデル建物法
特徴 | 建物の用途毎に計算する簡易な評価方法 |
計算ツール | |
備考 | 複合建築物の場合、住宅部のBEIと合算できない |
小規模版モデル建物法
特徴 | モデル建物法の入力項目を削減して、より簡易に計算する評価方法 |
計算ツール | |
備考 | 300平方メートル未満 |
戸建住宅の省エネ計算法
標準計算ルート
特徴 | 各部位毎の面積・長さを詳細に入力して計算する精密な評価方法 |
計算ツール |
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備考 |
外皮計算および一次エネルギー計算を詳細に知りたい方は住宅省エネルギー技術講習テキスト 基準・評価方法編(外部サイト)を参照してください。
簡易計算ルート
特徴 | 各部位毎の面積・長さの計算を省略した簡易な評価方法 |
計算ツール | |
備考 |
モデル住宅法
特徴 | 各部位毎の面積・長さの計算を省略した簡易な評価方法 |
計算ツール | |
備考 | 300平方メートル未満の戸建住宅 |
集合住宅の省エネ計算法
標準計算ルート
特徴 | 住戸毎に計算する精密な評価方法 |
計算ツール |
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備考 | 全住戸のUA ≦ 0.87かつ全住戸のηAC ≦ 2.8 |
外皮計算および一次エネルギー計算を詳細に知りたい方は住宅省エネルギー技術講習テキスト 基準・評価方法編(外部サイト) を参照してください。
2020年11月16日、廊下など共用部の計算を免除できるようになりました。
2022年11月7日、隣接住戸間の温度差係数が0.15から0に変更されました。
フロア入力法
特徴 | 各階毎に計算する簡易な評価方法 |
計算ツール |
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備考 | 全単位住戸(各階の妻住戸および中住戸)のUA ≦ 0.87かつηAC ≦ 2.8 |
2022年11月7日、外皮性能基準が変更されました。
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