中野区基本構想(平成17年3月25日制定。平成22年2月19日の改定前)
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更新日:2023年8月3日
第1章 新たな時代に向けて
第2章 中野のまちの基本理念
第3章 中野のまちの将来像
第4章 10年後に実現するまちの姿
第5章 将来像の実現をめざして
中野区は、昭和7年(1932年)、中野・野方両町の合併により誕生し、以後70余年をかけて自治の営みを重ね、人々のきずなを強めてきました。
東京の発展とともに、その利便性や地理的環境を生かしながら、住宅地として発展してきました。区民は、戦争やその後の復興、これに続く高度経済成長といった大きな流れにもまれながら、暮らしを続けてきました。田畑の点在する風景から、ビルが建ち、家屋が密集する光景へと大きく変わっていく中で、人々は多様な営みを積み重ね、中野のまちを築いてきました。
長い歴史と人々のつながりによって、今、多くの人々が中野のまちに強い愛着を抱くようになっています。私たちは、このまちに誇りを持ち、さらに発展させながら、次の世代に自信を持って引き継いでいこうとしています。
昭和56年(1981年)1月に「ともにつくる人間のまち中野」を基本理念に、中野区として初めての基本構想を制定しました。その後、20年を超える時とともに、バブル経済の崩壊やこれに続く経済の低迷、地球環境問題や少子高齢化、国際化の進展、地方分権の流れなど、大きな社会環境の変化や新たな課題が数多く生まれており、当初基本構想が想定した社会状況と現状とに大きな隔たりが生じています。また、戦後の発展を支えてきた社会の諸制度は、行き詰まりをみせ、国や地方の財政は危機的な状況にあります。抜本的な解決のための改革は緒に就いたばかりであり、従来の社会のしくみや人々の生活はさらに大きく変わろうとしています。
社会の構造改革の流れは、中野区にあっても、区民の暮らしや行政の姿に大きな影響を及ぼすことになります。その流れを、心豊かな区民生活を築く未来へと方向づけることにより、このまちは今後も自治体として持続していくことが可能になります。長い歴史と先人の営みがつくり上げてきた、30万の人々が暮らす都市・中野区を、区民の意思と力によって、21世紀にふさわしい自治体へと発展させていくことが求められています。
時代が大きく変わる中でも、安心で生きがいのある生活を実現し、未来へと着実に引き継いでいくことのできる持続可能な地域社会を築くために、新たな基本構想を制定しました。基本構想では、真に豊かな地域社会をつくり上げていくための基本理念や、まちの理想像を将来像として掲げた上で、10年後に実現すべき姿を明らかにしています。
この基本構想は、これからの10年、日本全体が大きな変革へと進む中で、中野区に住む人だけでなく、中野のまちで働き、学び、活動する人々が力をあわせて互いの暮らしやまちの豊かさを高めていくための区民の共通目標となります。同時に、基本構想は、区が区民の信託にもとづき行政を進める上で、もっとも基本的な区政運営の指針です。
区は、基本構想の将来像を実現するため、「新しい中野をつくる10か年計画」を策定します。10か年計画では、将来像がどれだけ実現されてきているかを測るための具体的な「指標」を設定し、「指標」ごとの目標値を定めるとともに、将来像の実現に向けて区が取り組む施策について明らかにします。基本構想とこの10か年計画は、豊かな地域社会づくりを進める道筋を示すとともに、中野区が、区民や地域の視点に立った、自立性の高い21世紀にふさわしい自治体となることをめざすものです。豊かな地域社会は、みずからのことは主体的に決定し、責任を持って取り組むことと、自立と相互の支えあい、そして公の支援のそれぞれによって成り立つ「自助・共助・公助」にもとづいてつくります。
10年後の中野区を、将来像で描くような、「多彩なまちの魅力」に満ち、「支えあう区民の力」であふれるまち、「わがまち」として誇れる自治体にしていくため、すべての区民が力をあわせて行動します。
中野のまちに住み、働き、学び、そして活動する区民は、真に豊かな地域社会をつくり上げていくための普遍的な理念を共有します。
生かされる個性 発揮される力
私たちは、すべての人々の自由と尊厳を守り、大切にします。
私たちは、一人ひとりの個性を大切にし、みんなの幸せを考えて行動します。
私たちは、地球的視野に立って、平和な世界を築き、環境を守り再生させ、次世代の人々へ受け渡していきます。
私たちは、それぞれが持つ力を発揮して、ともに支えあいます。
私たちは、一人ひとりが、みずから決定し、行動し、参加して自治を担うことで、心豊かな、いきいきとしたまちをつくります。
多彩なまちの魅力と支えあう区民の力
将来の都市像を、「多彩なまちの魅力と支えあう区民の力」のあるまちとして描きます。
中野区は、これまで築いてきた歴史と個性を受け継ぎながら、まちに住む人の生活の質を高めていきます。同時に、多くの人々がこのまちを訪れ、幅広い活動を展開する、だれにとっても快適な、魅力あふれるまちをめざします。
そこでは、人々がいきいきと暮らし、ともに協力し、支えあいながら生活を営んでいます。その中から、地域に根ざした支えあいの精神が育ち、独創的、先進的な文化や芸術がはぐくまれ、社会を豊かにし、次代を切り拓(ひら)くような財やサービスが次々と生まれて、まちの魅力がさまざまな形で内外に向けて発信されている・・・、そんなまちの実現をめざしていきます。
4つの領域とその方向
1 持続可能な活力あるまちづくり
交通の利便性が評価され、住宅のまちとして発展してきた中野区は、人々の活力が最大の資源です。30万区民の活力をいっそう発展させるため、幅広い世代が暮らし、交流する良好な住環境をつくります。産業や学習、娯楽の拠点を備えた、にぎわいと活力のあるまちをめざします。
中野のまちに住み、働き、学び、そして活動する区民それぞれが、環境に配慮した暮らしを営むことで、循環型社会を築いていきます。
道路や公園などの都市基盤を整備し、災害に強いまちをつくります。すべての人が不自由を感じない、やさしいまちをめざします。
2 自立してともに成長する人づくり
核家族化や少子化などによって、家庭や地域の養育力が低下してきた中野のまちを変え、子どもたちが健やかに成長していけるよう、ともに子育てを支え、子どもを見守る体制の整った、豊かな地域社会を築きます。
子どもから大人まで、あらゆる人々が能力をのばし、生かしながら、いきいきと生活していけるまちをめざします。中野らしい文化・芸術が息づき、心のゆとりをもたらすことのできる地域社会を実現します。
3 支えあい安心して暮らせるまち
高齢化が進む中にあっても、一人ひとりが健康や生活を守り豊かな生活を営む努力をするとともに、互いの支えあいの活動をさらに発展させていくことで、支援の必要な人が地域で見守られながら安心して暮らせるまちをめざします。
区は、必要な支援を的確に提供するよう、さまざまな担い手が提供する保健福祉・医療などのサービスが質、量ともに整うための取り組みを進めると同時に、人々の権利を守りながら、区民の暮らしを支えていきます。
4 区民が発想し、区民が選択する新しい自治
これまで中野区内でさまざまに展開されてきた自治の取り組みを生かしながら、地域の課題は区民みずからが話し合い、みずからの行動によって解決します。区民は、区政の主役として、区政運営に積極的に発言し、参加します。
国際理解を深めて、平和の実現に向けた努力を続けていきます。
地域の力で、安全で安心な暮らしを実現します。
区は、区民にとっての価値を常に見きわめながら、区の仕事を改善し効率化を進め、説明責任を十分に果たすことのできる、質の高い、自立した自治体をめざします。
4つの領域でみた将来像
1 「持続可能な活力あるまちづくり」の将来像
1-1 産・学・遊・住の機能が調和し、人々の活力のもとでいきいきと暮らせるまち
- 特色ある企業の集積や個性ある教育・研究機関と、さまざまな人材を生かした、新しい都市型の産業が発展しています。
- 心踊る楽しさと豊かな出会い、交流にあふれた活気とにぎわいのあるまちになっています。
- 区内の交通環境が整い、まちの中で人々の行き来が活発になっています。
- 多様な雇用機会が増え、職住近接の生活様式が広がり、ゆとりある生活が実現しています。
- さまざまな種類の良質な住宅が確保され、多様な世代が住み、心豊かな地域コミュニティが形づくられています。
1-2 一人ひとりが環境に配慮し、暮らしの文化をともに育てるまち
- 区民一人ひとりが環境を大切にする意識を持ち、地球環境への負荷を減らした生活を実現しています。
- 資源の有効利用が進み、循環型社会が形成され、「ごみゼロ都市・なかの」が実現しています。
- 都市の暮らしの中で人々がみどりを育て、うるおいとやすらぎが感じられるまちとなっています。
1-3 安全で快適な都市基盤が整備されたまち
- 道路や公園などの都市基盤が整備され、景観に配慮した災害に強いまちになっています。
- 環境と調和し、共生する都市が形成され、みどり豊かで快適なまちとなっています。
- まちの中では、段差や障害物などが減り、あらゆる人々が不自由を感じないやさしいまちづくりが進んでいます。
2 「自立してともに成長する人づくり」の将来像
2-1 家庭を基本に、地域全体で子どもをはぐくむまち
- 家庭は、愛情と責任を持って子どもをはぐくんでいます。
- 子育て家庭を地域社会のつながりの中で支える体制が整っています。
- 子育て支援などのサービスが整い、子育て世代が不安を抱かずに暮らすことができるようになっています。
2-2 子どもから大人まで持てる力を生かしながら、地域の中でのびやかに暮らせるまち
- 子どもも大人も、地域社会の中で一人ひとりが自由に意見を述べ、互いに意見を尊重しあい、社会への貢献が実感できるようになっています。
- すべての人に個人の可能性をのばす機会が保障され、一人ひとりの権利が守られ、あらゆる差別を許さない地域社会が形成されています。
- 子どもは、豊かな情操をはぐくみ、知力・体力を高めながら、自分の将来に希望や目標を持ち、いきいきと学んでいます。
- 生涯を通して、自己を高める教育の機会が保障され、選択して学習・スポーツができる環境が整っています。
- だれもが中野らしい文化・芸術に親しみながら、生活の質を向上させ、ゆとりある生活を送っています。
3 「支えあい安心して暮らせるまち」の将来像
3-1 だれもがみずからの健康や暮らしを守り、自分らしく生きているまち
- 区民一人ひとりが健康の大切さを自覚し、健康づくりに努めています。
- 高齢者や障害者が、就労や地域活動などを通じて積極的に社会参加し、いきいきと暮らしています。
- 高齢者、障害者をはじめとして、区民一人ひとりが、自立に向けた努力を行うとともに、さまざまなサービスの中から自分にあったものをみずからの意思により選択して、日常生活を豊かに過ごしています。
3-2 地域で支えあい安心して暮らせるまち
- 個人や家庭だけでは解決が困難な課題については、地域のみんなで解決し、みんなで支える地域社会が形成されています。
- 近隣のつながりや趣味による交流など、多様なコミュニティが存在し、人と人とのかかわりによって、区民の生活には安心と心の豊かさがもたらされています。
- 各地域には、さまざまな形でボランティアの力をはぐくみ、生かす環境があります。
3-3 だれもがいきいきと安心して過ごせるまち
- 区は、区民の権利を保障し、必要なサービスや支援が受けられるよう、区民の暮らしを支えています。
- 保健福祉・医療など、制度として整備されるべきサービスが質、量ともに確保され、すべての区民の健康と暮らしの質が高まっています。
- 区は、さまざまな担い手が提供するサービスの質の確保や調整・支援の役割を果たしています。
4 「区民が発想し、区民が選択する新しい自治」の将来像
4-1 地域を基盤に、区民みずからまちづくりに取り組むまち
- みずから決定し、行動し、参加して自治を担うことを原則に、区民が主体となってまちのことを考え、地域の問題の解決に取り組んでいます。
- 区民は、必要な情報を入手することができ、区政に対し意見や提案を行ったりするなど、区政運営に参加しています。
- 区は、区民への説明責任を果たすために、コミュニケーションを構築しています。
- 事業者や民間団体が、さまざまな形で、公共サービスの担い手として区民生活にかかわっています。これらの団体と区は、お互いに知恵や力を出しあい、地域の活力を生み出す対等・協力の関係を築いています。
- 地域の協力体制や区、関係行政機関との連携などにより、まちの安全が確保されて、災害や犯罪、事故の危険に脅かされない、安心した生活が営まれています。
- 一人ひとりが平和の大切さを自覚し、平和を願う世界の人々と心を通わせ、地域での暮らしを営んでいます。
4-2 「小さな区役所」で、質の高い行政を実現するまち
- 区政運営は、区民の自治と参加をもとに進められています。
- 区は、常に区民の声を聞き、区民にとっての価値を見きわめながら、新たな政策をつくり出しています。
- 公共サービスの多くが、多様で豊かな民間活動によって提供され、区はそれらのサービスが質、量ともに適正に供給されるための体制を築いています。
- 区は、最少の経費で最大の価値あるサービスを提供するよう、効率的に区政を運営しています。
- 区は、情報通信基盤を整備し、区民と区との双方向の情報交換を実現しています。
- 公共施設は、多機能化や使いやすさを高めることで質の高いサービスを提供し、地域コミュニティの形成に寄与しています。
「多彩なまちの魅力と支えあう区民の力」のあるまちをめざして、向こう10年間で到達する将来の姿を、4つの領域ごとに描きます。
1 「持続可能な活力あるまちづくり」の10年後
1-1 産業と人々の活力がみなぎるまち
- 中野駅周辺は、にぎわいの中心として、業務・商業施設、住宅、教育機関などさまざまな施設が複合的に誘導され、広域避難場所としての機能とみどり豊かな空間を備えたまちとなっています。サンプラザや区役所、中野駅北口広場一帯の再整備が動き始めています。
- 地域の中心となる拠点では、その地区ごとの環境にあったまちづくりが、地域の人々とともに検討され、着実に進められています。
- 踏み切り問題の早期解決に向けて、西武新宿線の立体化と沿線のまちづくりが計画化されています。
- 便利で快適に移動できる交通環境が整備されており、人々が区内を移動しやすくなっています。
- 区内各所では、さまざまな施策の組み合わせによって、土地の適切な活用が進んでいます。
- 情報関連ビジネス、人材サービスなど、多様な都市生活のニーズに対応した産業が発展しており、区外から起業をめざす人が多く集まるなど、地域全体の経済力が高まっています。
- 商店街は、人とのつながりの中で楽しく買物ができる地域コミュニティの核として、消費者が新しい発見やおもしろさなどを体感できる場へと発展しています。
- さまざまな世代が集まり、活発に活動して、暮らしや文化をにぎわいのあるものにしています。
- 三世代向け、高齢者・障害者向けなど、多様で良質な住宅が、区内各所に増えています。
1-2 環境に配慮する区民生活が根づくまち
- 区民の日常生活の中で、温室効果ガスの排出量削減をめざしたエネルギー消費の抑制や、環境保全のための消費行動など、地球環境に配慮した取り組みが進んでいます。
- 太陽光発電など、自然エネルギーの利用が進んでいます。
- 区民や事業者、区が連携し、ごみの発生抑制の具体的な取り組みが広がっています。
- 区民や事業者、区がそれぞれの役割を果たすことによって、資源の再利用の取り組みが進んでいます。
- 庭木の育成やベランダ・屋上緑化など、身近なところでみどりを増やす取り組みが進んでおり、まちのみどりが、人々の心にやすらぎを与えています。
1-3 安全で快適な都市基盤を着実に築くまち
- 地区の特徴を生かしつつ、道路整備や建物の共同化、不燃化などが着実に進められています。
- 区内各所で建築物の耐震性の向上や防災体制の整備、備蓄物資の確保などが進み、まちの防災機能が高まっています。
- 狭あい道路が減少し、道路の安全性と快適性が高まっているとともに、消防活動の困難な区域が少なくなっています。
- みどりの拠点となる公園の計画的な整備や、今ある緑地の保全など、自然と調和し環境への負荷を低減する都市基盤の整備が進んでいます。
- 区内各所では、だれもが気持ちよく利用できる駅や道路、建物などの都市環境づくりが進んでいます。
2 「自立してともに成長する人づくり」の10年後
2-1 子育て支援活動など、地域活動が広がるまち
- 地域では、幅広い育成活動が実践され、家庭や学校などと連携して子育てにかかわっている人が増えています。
- 子どもが、地域の中で遊びや学習、世代間交流などを通じてさまざまな体験をする場が用意されています。
- 保護や特別な支援が必要な子どものために、状況に応じた適切な支援が提供されています。
- 子育て・子育ちのための相談機能や子育て支援のサービスが拡充され、安心して子育てができています。
- 地域で、子育て講座や親になるための準備教育が進められ、親が自信や喜びを持って子育てに取り組んでいます。
- 保育園や幼稚園など、乳幼児のための施設は、相互の連携が図られ、どの子どもにも同じように質の高いサービスが多様に提供されています。
- 保育を必要とする子どものために、柔軟に利用できる良質なサービスが整えられています。
2-2 子どもから大人まで、地域の中で自分の力をのばせるまち
- だれもが差別されることなく、社会参加の機会が平等に保障される取り組みが進んでいます。
- 女性の社会参画が進み、男女が等しく力をあわせ家庭生活における責任を担う努力を重ねています。
- 障害者は、社会生活におけるあらゆる権利行使の機会を奪われることなく、地域社会の中で自己実現できるようになっています。
- 外国人は、地域社会を構成する一員として、地域の中でいきいきと暮らしています。
- 学校では、自分をかけがえのない存在であると認識するとともに、生命や人権を尊重する教育が行われています。
- 障害のある子どもは、地域の子どもたちと交流しながら、自分の可能性をのばすことができる教育環境で、一人ひとりに応じた、きめ細かい教育を受けています。
- 学校では、子どもにとって適正な集団規模による教育が確保され、魅力ある授業が展開されて、子どもの基礎学力が向上しています。
- 地域と学校の協力によって、成長期の心の問題への対応や健全な生活環境づくり、多様で特色ある課外活動などが活発に行われています。
- 家庭と学校、地域が協力して、子どもの健康と体力が向上しています。
- だれもが学びながら能力を開発する場や、継続的にスポーツを楽しむ場など、区民が学習する機会とその成果を生かす場が、地域の中に広がっています。
- 中野らしいさまざまな文化・芸術活動が区内各地で活発に展開され、区民一人ひとりが身近に参加し、鑑賞できるようになっています。
3 「支えあい安心して暮らせるまち」の10年後
3-1 人々が自分の健康や暮らしを守るために努力しているまち
- 区民一人ひとりが、健康の大切さを自覚し、健康づくりの場や身近な医療を活用しながら、心身の健康や機能の維持、体力の向上に努めています。
- 高齢者が、体力づくりや食生活の改善など、自分にあった努力を行うことで、心身機能の低下の予防が進んでいます。
- 高齢者や障害者が、就労や地域活動を通じて社会に参加し、さまざまな交流や活動にかかわることで、いきいきと暮らしています。
- 障害者や介護を必要とする人が、多様なサービスの中から、自分にあったものを選択して利用し、地域で自立して生活しています。
3-2 地域活動を中心に、ともに支えあうまち
- 高齢者や障害者を含め、多くの人々が、ときには担い手として、ときには受け手として、相互に地域での支えあいの活動を実践しています。
- 就労形態などが多様化して、人々の働き方や暮らし方が変化し、勤労層が地域で過ごす時間も増えています。
- 仕事や子育てを終えた人々は、豊富な経験と能力を生かしながら、多様な地域活動や自治の場に参加しています。
- 青少年が地域活動の一翼を担っており、支えあいの活動に多数の若者が参加しています。
3-3 安心した暮らしが保障されるまち
- 支援が必要な人に対し、安定した日常生活のための相談援助と、適切なサービスの組み合わせによって、計画的に自立や機能維持を図る体制が確保されています。
- 感染症やさまざまな健康への脅威から、区民の健康を守る取り組みが進められています。
- 保健福祉・医療などのサービスがさまざまな担い手によって提供される市場が構築され、区はサービスの質の確保、利用者保護などの役割を担い、利用者が自身にあったサービスを主体的に選べる環境が整っています。
- 個人や地域の力を超えた、行政としての支えが必要な場面では、区が支援を用意して、暮らしを支えています。
4 「区民が発想し、区民が選択する新しい自治」の10年後
4-1 自治のしくみが効果的に機能し、さまざまな担い手によって多様なサービスが展開するまち
- 多くの区民によって、地域課題の解決のための話合いや共同行動などが積極的に進められ、暮らしやすいまちづくりの動きが広がっています。
- 町会・自治会は、地縁団体としての長い活動の経験をふまえて、大きな役割を担っています。
- 区民による協働の動きが広まり、地域の団体活動が活発になって、NPOなどの新しい形の活動形態も広がっています。
- 区民は、必要な情報を、情報通信技術をはじめとする多様な方法で、速やかに入手できるようになっています。
- 身近なところに人々が集う場、話合いの場があり、区民の意思にもとづいて運営され、多様な地域活動の拠点として生かされています。
- 政策等の「計画-実施-評価-改善」の段階ごとに区民が参加するしくみが整い、区民に開かれた区政運営が進められています。
- 地域で活動するさまざまな団体が、公共サービスの新たな担い手となり、区民にとって質の高いサービスを提供しています。
- 地域では、災害時への対応や防犯のための備えなど、安全で、安心な暮らしを支えるための取り組みが、人々の力を生かしながら幅広く実践されています。
- 区の内外でのさまざまな交流を通じて、世界の国々や民族との相互理解の輪が広がり、平和な世界の実現に向けた努力が重ねられています。
4-2 「小さな区役所」で、質の高い行政を実現するまち
- 区は、区民の参加を保障する区政運営を行っています。
- 区は、税財源の確保、歳出の抑制、民間活力の活用など財政構造の改革に努め、持続可能な、安定した区政運営により、区民にとって満足度の高い、効率的な行政を進めています。
- 区民の安心な暮らしを守るため、区は適切な危機管理のしくみを整えています。
- 民間が行う公共サービスの質、量を確保するため、区による評価・監視のしくみを整えています。
- さまざまな手続や相談などについて、情報通信技術の利用によって区民の利便性が高まるとともに、区民と区との双方向による情報交換へと情報の伝達方法が変わっています。
- 情報通信技術を活用して、区民が情報を得たり、安全に取引したりすることが可能になるなど、生活の質を高める環境が整備されています。同時に、電子化された個人情報の保護が図られています。
- 区立施設が適正に再配置され、使いやすい施設により、必要なサービスが効率的に提供されています。
1 基本構想と計画体系
基本構想は、区の計画体系の最上位に位置し、「新しい中野をつくる10か年計画」は、基本構想の理念と将来像を実現するための取り組みや目標を示す基本計画となります。この計画では、基本構想が描く将来像について、10年後に達成する「指標」と目標値を明らかにし、その実現をめざします。
個別計画の策定や事業の実施は、基本構想と「新しい中野をつくる10か年計画」にもとづいて行われ、これらをさらに具体化していくものとなります。
区は、あらゆる機会をとらえて基本構想の考え方を広く区民に周知し、区民とともにその理念を共有し、取り組みを推進していくとともに、現状の把握や検証・評価にあたって、幅広い区民の参加を進めていきます。
「新しい中野をつくる10か年計画」をはじめ行政計画は、常に時代の変化をとらえ、必要な見直しを行っていくこととします。
2 行財政運営の基本原則
区は、次の原則を基本にして、基本構想が示す基本理念を推進し、将来像の実現に向けた取り組みを進めていきます。
持続可能な行財政を確立する
民間の力と地域の資源を生かし、効率的な財政運営や職員の削減を進めて、「小さな区役所」を実現することで、持続可能な行財政を確立します。
公共サービスを多様な担い手に開放し、公助を確保する
区は、行政としての支援が必要な区民のために、社会的な安全網としての施策を実施します。民間や地域活動団体などの多様な担い手によって、より効率的で柔軟なサービスが区民に提供される中で、区はそうした活動が適正に行われ、区民から信頼されるものとなるよう、評価するしくみをつくるとともに、サービスの質と量を確保するため監視・指導・支援を行っていきます。
参加と地域自治を進める
区政運営への区民参加と、地域における自己決定・自己責任にもとづく地域自治によって、中野の自治を推進します。
開かれた公正な行政を確立する
区民の声を反映するしくみを活用して、広く区民の意見を求めながら行政運営を行います。あわせて、発生主義会計の考え方にもとづく財務状況や、外部評価による施策の評価結果の公表など、行政の説明責任を果たし、行財政の目標と成果についてわかりやすく情報提供を行います。また、サービスに対する苦情などを行政全体として受け止め、公正な立場で解決していきます。
目標と成果による行政を経営し、行政組織を整備する
区民の立場に立った目標を明確にして、その達成をめざす行政システムを確立します。達成すべき目標にあわせて予算、組織を編成し、区民に公表して、「計画-実施-評価-改善」のプロセスを進めます。同時に、区の組織を簡素で効率的なものにするとともに、組織の縦割りによる弊害をなくし、現場への権限委譲を進めて、迅速で柔軟な意思決定を行います。あわせて、人材育成を進め、価値の高い行政運営を図ります。
自治体としての自己決定・自己責任を実現する
さまざまな制度改革などに対して、自己決定・自己責任により対応できる、自立した自治体をめざします。
中野区基本構想(平成22年2月19日の改定前の基本構想)と中野区自治基本条例の冊子
「中野区基本構想 中野区自治基本条例」冊子を見る(PDF形式:387KB)
中野区基本構想(平成22年2月19日の改定前の基本構想) パンプレット
- 中野区基本構想(内容と制定・改定の経緯)
- 「新しい中野をつくる10か年計画(第2次)」(内容と策定の経緯)
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