令和7年度第1回 中野区交通安全対策協議会の記録
ページID:681142633
更新日:2025年9月10日
中野区の交通安全対策の立案及び実施に際し、区と関係行政機関ならびに関係民間団体が密接な連絡調整を図り、区民の意思を対策に反映させることを目的とし、中野区交通安全対策協議会を開催しています。
令和7年度第1回 中野区交通安全対策協議会 会議録(要旨)
日時:令和7年9月1日(月曜日)午前10時から11時
場所:中野区役所8階 801・802会議室
出席者:委員
中野警察署長代理、野方警察署長代理、中野消防署長代理、野方消防署長代理、東京都第三建設事務所長、新宿労働基準監督署長代理、中野区議会議員、野方交通安全協会会長、中野区町会連合会会長、中野区民生児童委員協議会会長、中野区民生児童委員協議会副会長、中野区立小学校PTA連合会代表代理、中野区立PTA連合会代表代理、中野区私立幼稚園連合会代表、東日本旅客鉄道株式会社中野駅長、関東バス株式会社丸山営業所長、新中野個人タクシー協同組合代表、東京都個人タクシー共同組合野方支部代表代理、東京都自転車商協同組合中野支部代表、東京都自転車商協同組合野方支部代表、中野区福祉団体連合会代表代理、中野区友愛クラブ連合会代表、中野区立小学校校長会代表、中野区立中学校校長会代表、中野区教育委員会事務局次長、中野区総務部防災危機管理担当部長
事務局:中野区防災危機管理官、生活・交通安全担当課長、生活・交通安全係長、生活・交通安全担当
会議次第
1 会長挨拶
2 中野区内の交通事故発生状況
3 議題 令和7年秋の中野区交通安全運動実施要領(案)について
4 情報交換
5 その他
自転車典型整備助成事業の実績について
自転車用ヘルメット購入補助事業について
議事要旨
1 会長挨拶 中野区町会連合会会長
2 中野区内の交通事故発生状況について
◯事務局より
交通事故の発生件数の推移は、令和4年には592件、令和5年には682件と増加し、令和6年には622件とやや減少した。しかし令和7年上半期では317件と、前年同期の296件から21件増加しており、依然として高い水準にある。
死傷者数は、令和7年上半期では336人が交通事故により死傷しており、内訳は死亡者が1人、重傷者が12人、軽傷者が323人となっている。軽傷者が大半を占めているが、重傷者は前年同期の8人から増加しており、注意が必要である。
子ども(0から15歳)の交通事故は、令和7年上半期では2件の事故が発生し、関与件数は22件、関与率は6.9%となっている。これは前年同期の5.7%から上昇しており、49区市中の順位も29位から18位へと上昇している状況である。
また、高齢者(65歳以上)の交通事故は、令和7年上半期で134件発生し、関与件数は112件、関与率は35.3%と、全体の約3分の1を占めている。前年同期の33.1%から増加しており、49区市中の順位は19位と、高い位置にある。
中野区では交通事故の件数自体が増加傾向にあるだけでなく、特に子どもや高齢者といった交通弱者の関与率が上昇していることが分かる。交通安全対策においては、こうした層への継続的な取り組みが不可欠と考えている。
◯中野警察署より
令和7年の交通事故発生状況は、昨日の段階で、事故の件数は211件。上半期の死者数は1名であったが、8月17日に中野署管内で本年2件目の交通死亡事故が発生しており、現段階で交通事故死者数は2件、2名となっている。死亡事故の状況概略であるが、1件目は、4月22日火曜日の午前8時56分頃、弥生町5丁目1番の方南通りで、95歳女性歩行者の方が車と接触して死亡した。2件目は、8月17日日曜日の午後4時10分頃、中央4丁目2番先の青梅街道で、自転車を運転していた53歳男性が普通乗用車に追突されて死亡した。中野署管内の昨年の交通死亡事故は1名だったので、今年すでにその件数を上回る死亡事故が発生している。
秋の交通安全運動を含めて、これから年末にかけて、より一層の安全対策等々、取締りも含めて取り組んでいく。
〇野方警察署より
令和7年の交通事故発生数状況は、昨日の段階で217件。上半期6月末までの統計数は重軽傷者合わせて158件、164人。様々な事故があるが、例を挙げると、狭い道路での出会い頭の衝突。そして普通乗用車と自転車の同方向進行中の接触などがある。幸い重傷事故は発生しておらず、死亡事故も昨年3月から発生していない。野方警察署管内の事故発生状況で特徴的なのは自転車の事故が多いことである。全事故中の自転車が関与した事故の割合が令和7年上半期112件、関与率70.9%と高くなっており、これは警視庁の警察署で島しょ部を除いた97の警察署の中で1位である。また自転車側に過失のある事故が半数を超えており、人身事故に集計されない自転車と歩行者の軽微な事故も多数発生している。
自転車の交通事故を1件でも減らすために、様々な対策を行い、取締りなども強化推進していく。
質疑応答
〇委員
交通事故が増えたと報告があったが、増えた要因はなにか。
〇事務局
交通事故が増えた要因について、これが原因だとピンポイントであげるのは難しい。ただどうやって事故を減らすのかというのを、複合的に考えて対策をしていかなくてはいけないと思っている。まず広報・啓発を今後もしっかりと続けていくということ、今回の秋の全国交通安全運動は良い機会なのでしっかりと取り組んでいく。
〇委員
子供の安全対策について、暑い日が続いていて雨の日だけでなく晴れの日に日傘を差して登校している子供もいる。どのような対策をしているのか。
〇委員
教育委員会の取り組みについて、猛暑で日傘を使用する子供たちも増えている。傘の利用については雨天時と同じように、学校を通して指導していく。
〇委員
区では歩きやすい街づくりを目指していると思うが、ハード面の安全対策について教えてもらいたい。
〇事務局
先ほど警察から話があったとおり、裏道等での事故が多い。計画的に安全を確保するため、所管と連携して取り組んでいく。
〇委員
若者と行政がつながっていないと感じている。若者によるモペットや自転車の事故が多いと報告があったが、若者に働きかけるような対策は考えているのか。
〇事務局
交通安全講習会等を開催しても20から40代の参加者が少ない。交通事故の件数が多い世代の参加者が少ないことを課題として認識しており、その世代に特化した周知等について検討中である。
3 議題 令和7年 春の中野区交通安全運動実施要領(案)について
〇事務局より
交通運動の実施期間は、令和7年9月21日(日曜)から9月30日(火曜)までの10日間である。交通事故死ゼロを目指す日は、運動の最終日である9月30日(火曜)である。運動の目的は、区民に対して交通安全思想の普及・浸透を図り、交通ルールの遵守および正しい交通マナーの実践を習慣づけることである。また、区民自身による道路交通環境の改善に向けた取り組みを推進し、交通事故防止の徹底を目指すものである。運動は、各構成機関・団体が地域や職域の特性に応じた取り組みを行い、中野区全体で交通安全運動として推進するものである。
運動重点1は、歩行者の安全な道路横断方法等の実践と、反射材用品や明るい目立つ色の衣服等の着用促進である。令和6年に中野区で発生した歩行者事故は117件であり、事故全体の18.8%を占めた。令和7年上半期では66件と前年同期より8件増加しており、特に子どもと高齢者の事故が増加している。歩行者側の違反も一定数見られる。この重点における推進項目は、歩行者の交通ルールの理解・順守の徹底、歩行者の交通事故防止対策である。
運動重点2は、ながらスマホや飲酒運転等の根絶と、夕暮れ時の早めのライト点灯やハイビームの活用促進である。令和7年上半期の中野区では、午後4時から8時に97件、午後8時から翌朝6時に54件の事故が発生しており、事故全体の約47.6%を占めている。視界が悪くなる時間帯に事故が集中している。飲酒運転による事故は1件と少ないが、重大事故につながる危険性が高いため、根絶が求められる。この重点における推進項目は、ながらスマホの根絶、飲酒運転の根絶、妨害運転等の防止対策、夕暮れ時以降の交通事故防止対策、運転者の歩行者優先意識等の徹底、後部座席を含めた全ての座席のシートベルト着用とチャイルドシートの正しい使用の徹底、高齢運転者の交通事故防止対策、二輪車の運転者に対する広報啓発である。
運動重点3は、自転車・特定小型原動機付自転車の交通ルールの理解・遵守の徹底とヘルメットの着用促進である。令和7年上半期の中野区では、自転車関与事故が206件発生し、関与率は65.0%と都内平均を大きく上回っている。特に高齢者の関与が多く、単独事故も目立つ。特定小型原動機付自転車については、警視庁本部に依頼して違反取締件数と交通事故発生状況を入手した。令和7年上半期に中野区で確認された違反は、通行区分違反:696件(最も多い)、信号無視:107件、
一時不停止:67件、飲酒運転:3件であり、事故類型としては、出会い頭衝突が5件、単独事故が4件、歩行者との接触事故が1件発生している。この重点における推進項目は、自転車利用時の交通ルールの理解・遵守の徹底と新たなルールの周知、自転車利用者の乗車用ヘルメット着用促進と安全確保対策、特定小型原動機付自転車利用時の交通ルール理解・遵守の徹底とヘルメットの着用促進である。
地域重点について、東京都は「二輪車の交通事故防止」を掲げている。令和7年上半期における中野区の二輪車交通事故は54件であり、前年同期より4件減少している。一方、都内全体では、昨年の原動機付自転車を含む二輪車乗車中の死者数が全死者数の約26.0%を占めており、全国平均の18.3%を大きく上回っている。このため、二輪車の交通事故防止を推進する必要があり、地域重点として設定されている。
質疑応答
〇委員
自転車のライトがまぶしいと言われたことがあるため、正しい付け方について啓発してもらいたい。同じく車のハイビームが増えていると感じており、ルールがどうなっているのか聞きたい。
〇事務局
自転車のライトについては、交通安全講習会等を通じて周知していく。車のハイビームについては、車間距離が充分取れている場合、歩行者に認識してもらいたい場合、歩行者をより遠くまで認識する場合等に活用が有効である。その時々に応じて使用してもらいたい。
4 情報交換
(1)各団体における交通安全に対する取組
◯中野区立中学校PTA連合会より
七中PTAによる新通学路体験ウォークである。改築に伴い仮校舎に通う児童生徒と保護者が、来年度からの新通学路における危険箇所の把握と共有を目的に実施している。地図とアンケートを準備し、体験の中で改善要望があればそれをまとめることとしている。改善要望は毎年提出している。北中野中PTAによる安全パトロールである。校外委員が当番制でパトロールを行っており、範囲は委員の自宅周辺となる。交通量が多く危険な場所や、自転車のマナーに対する注意喚起を行っている。緑野中PTAによる交通安全啓発活動である。野方警察署による講話やDVD上映、保護者による交通安全宣言を実施している。参加後は家庭内で内容を共有している。なお、校舎とグラウンドが道路を隔てているため、体育祭時には保護者が誘導を行っている。南中野中PTAによる見守り活動である。文化発表会で路線バスを利用する際に見守りを実施している。体育祭や文化発表会などのイベント時に活動することが多く、通常時は安全パトロールや全体会への出席が主な活動である。
◯新中野個人タクシー協同組合より
中野区には、野方警察署管内に2つ、中野警察署管内に2つ、計4つの個人タクシー組合がある。それぞれが安全協会に所属している。 新中野の組合では、月1回、ハイヤータクシー部会が行う、交差点での安全確認の旗振り活動に参加している。個人タクシー協会全体としては、都道府県単位で「個人タクシー総合安全プラン2025」を策定し、年ごとの目標に基づいて安全活動を行っている。今年は10か年計画の最終年にあたり、総点検を実施する年である。当組合では、救護義務違反を絶対に起こさないことを徹底しており、小さな接触事故であっても必ずその場で警察に連絡し、事故の通知を行っている。
◯東京都自転車商組合野方支部より
我々が日常的に取り組んでいるのは、修理を通じて整備不良の自転車を減らすことである。ライトがまぶしいという指摘については、車でいうハイビームと同様の状態であり、ライトが上向きになっているケースが多い。パンク修理などの際に、そうした点を確認し、必要に応じて修正している。お客様にも注意を促し、指導を行っている。
また、自転車保険の加入促進や交通安全ポスター・チラシの配布も行っている。近年、外国人のお客様が増加しており、交通法規に適合しない自走式電動自転車に乗っているケースが多く見受けられる。これらは正式には自転車ではないが、修理の依頼があるため、外国人向けのポスターやチラシの整備も必要であると考えている。
5 その他 自転車点検整備助成事業の実績について
〇事務局より
(1)自転車点検整備助成事業の実績について
中野区では交通安全に関する講習会に参加いただいた方に、TSマーク保険を取得するための2000円を上限とする助成券を配布している。助成券を利用し、自転車店で点検整備を受けるとTSマーク保険が付帯される。
令和6年度は、講習会を30回開催し、参加者は489名、助成券の利用者は約4割弱となっている。区内在勤の方も参加でき、自転車自体に保険が付くため、事業者の方も利用できるので、個人で保険に加入するより、融通が利くのでぜひ講習会に参加して助成券を利用していただきたい。
(2)自転車ヘルメット購入補助事業について
昨年の7月10日から自転車ヘルメットの補助事業を開始した。自転車ヘルメットを購入する際に、販売価格から2000円割り引いた金額で購入できるよう、区が補助をする事業である。対象は区内在住者、本人と同居する家族の方が対象となっている。法人は対象外である。補助の対象となるヘルメットはSGマーク等、安全基準を満たしたヘルメットである。中野区内の事業協力店に保険証等を提示し、購入申込書に記入する。来年度も継続するので、多くの方にご案内していただきたい。
自転車ヘルメットを購入する際に、販売価格から2000円割り引いた金額で購入できるよう、区が補助をする事業である。対象は区内在住の方で、本人と同居する家族の方が対象。対象となるヘルメットはSGマーク等、安全基準を満たしたヘルメットである。購入時に、中野区内の事業協力店で、区内在住であることを確認できる身分証等を提示して購入申込書に記入する。来年度も継続するので、多くの方にご案内していただきたい。
<閉会>
以上で中野区交通安全対策協議会を終了する。
お問い合わせ
このページは総務部 防災危機管理課が担当しています。