令和6年度第2回 中野区交通安全対策協議会の記録
ページID:811105540
更新日:2025年4月10日
中野区の交通安全対策の立案及び実施に際し、区と関係行政機関ならびに関係民間団体が密接な連絡調整を図り、区民の意思を対策に反映させることを目的とし、中野区交通安全対策協議会を開催しています。
令和6年度第2回 中野区交通安全対策協議会 会議録(要旨)
日時:令和7年3月26日(水曜日)午前10時~11時
場所:中野区役所8階 801・802会議室
出席者:委員
中野警察署長代理、野方警察署長代理、中野消防署長代理、野方消防署長代理、東京都第三建設事務所長代理、新宿労働基準監督署長代理、中野区議会議員、野方交通安全協会会長、中野区町会連合会会長、中野区民生児童委員協議会会長、中野区民生児童委員協議会副会長、中野区立小学校PTA連合会代表代理、中野区私立幼稚園連合会代表、東日本旅客鉄道株式会社中野駅長代理、関東バス株式会社丸山営業所長代理、京王バス株式会社中野営業所長、新中野個人タクシー協同組合代表、東京都個人タクシー共同組合野方支部代表代理、東京都自転車商協同組合中野支部代表、東京都自転車商協同組合野方支部代表、中野区福祉団体連合会代表代理、中野区友愛クラブ連合会代表代理、中野区立小学校校長会代表、中野区立中学校校長会代表、中野区教育委員会事務局次長、中野区総務部防災危機管理担当部長
事務局:中野区防災危機管理官、生活・交通安全担当課長、生活・交通安全係長、生活・交通安全担当
会議次第
1 会長挨拶
2 中野区内の交通事故発生状況
3 議題 令和7年春の中野区交通安全運動実施要領(案)について
4 情報交換
5 その他
自転車典型整備助成事業の実績について
自転車用ヘルメット購入補助事業について
議事要旨
1 会長挨拶 中野区町会連合会会長
2 中野区内の交通事故発生状況について
◯事務局より
令和6年中に区内で発生した交通事故は622件、死傷者数は659件で、令和5年と比較して事故件数で60件、死傷者数で66人減少した。
死亡事故は2件で、昨年3月、丸山1丁目の環七通りを歩行者が横断中、軽乗用車と衝突した事故及び、昨年5月、本町4丁目の青梅街道の横断歩道を歩行者が横断中、普通乗用車と衝突した事故であった。昨年中の重傷者は25人、軽傷者は632人である。
令和6年中の子どもの交通事故は29件で、令和5年と比較して16件減少、負傷者数は31人で7人減少した。高齢者の交通事故は216件で、令和5年と比較すると47件減少し、高齢者の交通事故の約5割、105件が自転車事故となっている。
自転車事故は、頭部損傷を伴う危険な事故に発展する可能性が高いことから、自転車用ヘルメットの正しい着用を啓発していく。
自転車事故の状況は、昨年、中野区で発生した交通事故のうち、58.2%が自転車の関与する事故であった。これは、都内平均の45.8%を大きく上回り、都内で7番目の高さである。自転車が関与する事故の件数は362件で前年に比べると30件減少した。自転車事故の相手当事者は、 転倒や工作物に衝突、駐車車両に接触するなどの単独事故が34.3%で最も多く、自動車との事故が32.6%、自転車同士の事故が16.9%になっている。また、車道から歩道へ乗り上げる時や歩行者を避けようとして転倒する事故など、高齢者の単独事故も多くなっている。
自転車事故のうち7割以上が、自転車側に違反があり、運転操作誤りが23.2%で最も多く、すれ違い時や自転車が並進している時の接触が13.7%、ブレーキやハンドル操作などの前後左右の安全不確認や交差点での安全進行を怠ったことによる事故が13.5%になっている。
こうした状況から、引き続き自転車安全利用の啓発が必要であるので、区と警察が連携して開催している自転車安全利用講習会の受講を呼びかけていただきたい。
◯中野警察署より
中野署管内の昨年の事故の発生状況は、人身事故の発生が314件で18件減となっている。負傷者数は331名で22名減という状況である。そのうち重傷者数は9名で、一昨年から3名減となっているが、痛ましい事故が1件発生し、尊い命が奪われており、残念な結果となっている。
管内においては、事故全体の件数、怪我人は減少しており、取締りや各種対策活動を行った結果が効果としてあらわれているのではないかと考えている。
死亡事故は、青梅街道で歩行者と自動車による事故で、前年、前々年時も同じく青梅街道で歩行者と貨物車が接触し亡くなられており、2年連続、青梅街道上で死亡事故が起きている状況となっている。昨年の交通事故は主要な道路での発生が多く、青梅街道、山手通り、中野通りの3路線で事故の全体の約44%を占めている。
自転車が関与する事故が非常に多く、昨年は186件で、前年比17件増となり、自転車の事故が増えている。さらに、自転車が関与する事故の割合が昨年は59.2%で都の平均より上回っている。自転車事故の約3分の1が単独の事故となっている。その中で、70代以上が約半数を占め、20代以下も11件、50代も10件と、高齢者のみならず幅広い世代において自転車のマナーの浸透が必要であると考える。今年は2月末現在で、さらに自転車事故関与率が増加し、約69%となっているため、中野署管内でも自転車対策にも力を入れている状況である。
令和6年中の事故発生状況を踏まえ、歩行者対策、特に横断禁止場所を横断する歩行者対策を始め、事故多発路線の対策並びに自転車の事故防止対策を強化し、事故抑止を図っていきたい。
4月6日から始まる春の全国交通安全運動に先駆け、4月4日になかのゼロ小ホールで、「中野交通地域安全のつどい」を開催する。こちらは交通のみならず、特殊詐欺被害防止の寸劇等、地域の安全安心のための集いとなっているので、ぜひ会場に足を運んでいただきたい。
引き続き、悲惨な交通事故を1件でも減らすように努力していくので、協力をお願いしたい。
◯野方警察署より
昨年の交通事故件数は、12月末現在、305件で令和5年比43件減少し、自転車事故は45件の減少となった。自転車事故関与率は2年連続で約65%だったが、57%まで減少した。これも皆さんの啓発のおかげで、少しでも減らすことができたのかと思う。野方交通安全協会会長にも様々な場でヘルメットの着用や自転車の安全利用を訴えかけていただいた成果と思っている。
昨年の野方署管内の高齢者、自転車、貨物車、タクシー、飲酒運転、歩道の事故は、全て減少しているが、二輪車事故だけが減少していない。都内の交通情勢と連動して、二輪車の事故が増加しているため、本部の会議等で都内全体の数値を減らしていくよう指示があった。
今年は二輪車事故対策にも力を入れながら、自転車を中心に各種活動を行っているところである。新青梅街道での事故が多く、続いて環七通りとなっている。
また、子どもが当事者の事故が増えており、家族や近所の方で声掛けや見守りが子どもの事故を防ぐ手立てではないかと思う。ひとつの町や会社、町内会等から事故をゼロにすることは可能であるので、協力しあい、中野区の事故だけでもゼロにしていけるよう、対策を強化していければと思う。
3 議題 令和7年 春の中野区交通安全運動実施要領(案)について
事務局より
今年の春の交通安全運動は、4月6日(日曜)から15日(火曜)までの10日間で、「交通事故死ゼロを目指す日」は、4月10日(木曜)が指定されている。
運動重点は3点で、東京都独自の地域重点は、「二輪車の交通事故防止」となっている。
運動重点の1点目は「こどもを始めとする歩行者が安全に通行できる道路交通環境の確保と正しい横断方法の実践」である。
昨年の中野区内における歩行者の事故は117件で、交通事故全体の18.8%を占めている。そのうち、子どもの歩行中の事故は7件で、こどもの事故全体(29件)の24.1%と高い割合を占めている。特に、春は新入学児童の登下校時の事故が懸念されることから、運転者が安全確認に注意を払うことはもちろんのこと、子どもに対する安全教育の充実が求められている。
推進項目は2点で、1点目は、「子どもを始めとする歩行者が安全に通行できる道路交通環境の確保」である。通学路、未就学児を中心に子どもが日常的に集団で移動する経路等における見守り活動等の推進や、通学路交通安全プログラム等に基づく点検や対策の推進などを挙げている。
区では毎年、警察署やPTA、学校、第三建設事務所などと連携して、通学路安全な点検を行っている。昨年9月から10月にかけて、区内7校で通学路点検を実施し、通学路上の危険箇所などについて共有し、対応を図ったところである。今後もこうした活動を通じて、通学路の安全確保に努めていく。
2点目は、「歩行者の正しい横断方法の実践」である。交通事故の中には、歩行者側の違反が原因であることがあるため、歩行者に対し、横断歩道の利用や信号機に従うことなどの基本的なルールの周知に加え、横断時には安全を確認してから横断を始めること、横断中も周囲の安全を確認することなどを促す呼びかけの推進をあげている。
また、幼児・児童の飛び出しの事故が多いことや、高齢者の横断中の事故が多いことから、事故の特徴を踏まえた安全教育の充実が求められている。
運動重点の2点目は「歩行者優先意識の徹底とながら運転等の根絶やシートベルト・チャイルドシートの適切な使用の促進」である。
昨年の中野区内における交通事故のうち、人対車両(自転車含む)の事故件数は117件で、うち59件は道路横断中に発生している。
3月に発生した死亡事故は、歩行者が横断禁止場所の道路を横断中に走行中の軽乗用車と衝突した事故で、運転者だけでなく、歩行者側の十分な安全確認が求められている。特に、夜間は運転者から歩行者を視認しにくくなることから、運転者はスピードを減速したり、安全確認を徹底したりするなど、特段の注意を払う必要がある。
推進項目は7点。「1.運転者の歩行者優先意識等の徹底」「2.ながら運転の根絶」「3.飲酒運転の根絶」「4.妨害運転等の防止対策」「5.高齢運転者の交通事故防止対策」「6.二輪車運転者に対する広報啓発」「7.後部座席を含めた全ての座席のシートベルト着用とチャイルドシートの正しい使用の徹底である。
運動重点の3点目は、「自転車・特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルールの遵守の徹底」。
昨年の中野区内の自転車関与事故は362件と一昨年に比べて30件減少した。一方、自転車事故関与率は58.2%で0.7ポイント増加し、都内平均の45.8%を上回っている現状にある。
年齢層別では、65歳以上の事故が24.8%で最も高く、次いで30歳代40歳代でともに16.1%で、引き続き、自転車事故の多い世代に向けた啓発が必要である。
乗車用ヘルメットの着用を促進するため、区では来年度も購入費の補助を継続していくので、ぜひ活用を促していただきたい。
推進項目は3点で、1点目は、「自転車利用者のヘルメット着用と安全確保」である。
令和5年4月1日に自転車用ヘルメットの着用が努力義務とされたことに伴い、区では令和5年7月10日から購入補助事業を開始した。引き続き、ヘルメット着用の必要性・効果に関する理解の促進と、広報啓発の推進に努めていく。また、区では平成31年度から自転車点検整備助成事業を実施している。これは、区や警察が主催する講習会を受講した方に、区内の自転車店で点検整備を受けられる助成券を配布するもので、点検整備を受けた自転車には1年間のTSマーク保険が適用されるというものである。引き続き、区では自転車の定期的な点検整備の推進と損害賠償責任保険等への加入促進を図っていく
2点目は、「自転車の交通ルール遵守と新たなルールの周知」である。自転車安全利用五則に従った通行方法や、自転車通行空間が整備された箇所における通行方法の周知と遵守の徹底を促す取組の推進。信号の遵守や交差点での一時停止をはじめとした基本的な交通ルール順守の徹底を促す取組の推進に加え、「ながらスマホ」の禁止、酒気帯び運転に対する罰則の創設に関する広報啓発の推進などを挙げている。
3点目は、「特定小型原動機付自転車利用時のヘルメット着用と交通ルール遵守の徹底」。販売事業者、シェアリング事業者等と連携した乗車用ヘルメット着用を促す取組と特定小型原動機付自転車の交通ルールの周知と遵守の徹底を促す取組の推進を挙げている。
東京都独自の地域重点は、「二輪車の交通事故防止」。昨年の区内における交通事故のうち、二輪車が関与した事故は127件で、事故全体の20.4%を占めている。二輪車関与事故件数は一昨年に比べて10件減少している。二輪車が関与する事故は重大事故に発展する可能性が高いことから、安全教育やヘルメットの正しい着用、胸部プロテクター装着の推進など継続した取組が必要である。
推進項目は2点で、1点目は、「二輪車利用者の法令順守と運転マナーの向上など、二輪車の安全利用についての啓発推進」。2点目は、「一般ドライバーに対する二輪車の特性の理解度の醸成、交差点での安全確認の励行などの啓発推進」を挙げている。
4 情報交換
(1)各団体における交通安全に対する取組
◯新宿労働基準監督署より
運送業者を中心に合同災害の防止について活動を行っている。運送業者、トラック等の道路運送事業者に対しては、交通労働災害防止のためのガイドラインがあり、厚生労働災害を防止するための年間計画の策定とそれに伴う労働者教育の実施などをお願いしているところである。
また、ガイドラインに基づき、ヒヤリハットなどの収集に努めていただき、配送ルートなどを中心に危険箇所の洗い出しなどを行っていただいているところである。また、運送業に限らず、トラック、バス、タクシー、全ての自動車運転者を雇用する事業者向けに、令和6年4月に自動車運転者に対して、残業について労働時間の上限規制が始まったのに伴い、改善基準告示の改正が適用された。対象事業所に対する集団指導や個別に事業所を訪問し、体制、内容の周知を行っているところである。
◯中野区立小学校校長会代表より
入学時に交通安全の事故防止の啓発を入念に行っている。昨年の事故で、下校時間中ではなかったが、正門前のガードレールに車が衝突するという事故があった。
自転車の事故に関しては、小さな事故や怪我をしたという報告が上がっているので、自転車の乗り方については警察と連携して、学校の校庭等を使用して啓発を行っている。
◯中野区立中学校校長会代表より
通学時のマナーや歩き方などを指導しているところである。部活動が終わった夜など様々な場所を歩くことが多いため、広がって歩かない等の交通マナー守ることで、自分から安全を徹底するように指導している。
また、特別支援学級もあるので、4・5月で歩行学習を行い、交通マナーを守りながら歩くこと実践をしているところである。
今年度は、第二中学校でスケアード・ストレイト式講習会を開催し、スタントマンによる実際の事故再現を見て、振り返りをする指導を行なった。
5 その他 自転車点検整備助成事業の実績について
事務局より
(1)自転車点検整備助成事業の実績について
中野区では交通安全に関する講習会に参加いただいた方に、TSマーク保険を取得するための2000円を上限とする助成券を配布している。助成券を利用し、自転車店で点検整備を受けるとTSマーク保険が付帯される。
令和6年度は、講習会を30回開催し、参加者は489名、助成券の利用者は約4割弱となっている。区内在勤の方も参加でき、自転車自体に保険が付くため、事業者の方も利用できるので、個人で保険に加入するより、融通が利くのでぜひ講習会に参加して助成券を利用していただきたい。
(2)自転車ヘルメット購入補助事業について
昨年の7月10日から自転車ヘルメットの補助事業を開始した。自転車ヘルメットを購入する際に、販売価格から2000円割り引いた金額で購入できるよう、区が補助をする事業である。対象は区内在住者、本人と同居する家族の方が対象となっている。法人は対象外である。補助の対象となるヘルメットはSGマーク等、安全基準を満たしたヘルメットである。中野区内の事業協力店に保険証等を提示し、購入申込書に記入する。来年度も継続するので、多くの方にご案内していただきたい。
自転車ヘルメットを購入する際に、販売価格から2000円割り引いた金額で購入できるよう、区が補助をする事業である。対象は区内在住の方で、本人と同居する家族の方が対象。対象となるヘルメットはSGマーク等、安全基準を満たしたヘルメットである。購入時に、中野区内の事業協力店で、区内在住であることを確認できる身分証等を提示して購入申込書に記入する。来年度も継続するので、多くの方にご案内していただきたい。
〇福祉団体連合より
福祉団体連合会には、様々な障害のある人達が所属している。自転車を停める場所が点字ブロック上にかかっているケースが多く見られる。視覚障害の方たちにとって危険であるので、ぜひ注意していただきたい。
〇関東バス株式会社より
弊社の車庫の前でワゴン車が車線を逸脱してガードレールに衝突して横転するという自損事故が発生した。現場に居あわせていたため、横転した車内から職員と一緒に救出したという貴重な体験をした。車は大破したが、後部座席でシートベルトとチャイルドシートをしていたため、全く怪我を負わずに済んだ。改めて、後部座席のシートベルトとチャイルドシートの正しい装着の重要性を再認識した。
近隣の小学校と交流があるので、後部座席のシートベルトとチャイルドシートの着用の普及啓発を図っていきたいと考えている。
〇野方警察署より
自転車の単独事故が多い原因について、荷物の積みすぎやハンドル操作、急ブレーキ、道路の段差で転ぶといったところがある。特に、道路脇の駐車禁止場所の黄色のプリントの箇所が危険である。啓発する機会があった際には、ペイント部分に乗らないようにと伝えていただきたい。2、3年連続で1日3件ほど単独転倒がある時もある。他にもスピードの出しすぎや、雨天時のすべりやすさ、慌てている状態での運転等がある。自転車の安全な走り方についても、啓発していただけたらと思う。
<閉会>
以上で中野区交通安全対策協議会を終了する。
関連ファイル
お問い合わせ
このページは総務部 防災危機管理課が担当しています。