平成20年度統合新校開校における検証について

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更新日:2024年6月19日

統合新校開校における検証について

<検証の目的>
 教育委員会では、平成17年10月に中野区立小中学校再編計画を策定し、これに基づき検討や準備を行なった結果、平成20年4月に中野区で最初の統合新校である桃花小学校と緑野中学校を開校した。
この2つの統合新校の開校について、今後の学校再編をより円滑に進め、中期の学校再編計画改定の参考とするために検証を行った。なお、検証にあたっては、学校再編計画において目指した効果である「集団の活力」「学力の向上」「学校行事の活性化」を中心に検証した。


<学校再編にともなう効果等>
1 集団の活性化
 ○学級内やその他の集団活動における児童・生徒数が増加したことによって、協力し合ったり、議論を深めたり、競い合ったりするなどの場面が増え、相互に刺激し合うことで、学級や学校全体が活性化した。
 ○児童・生徒数の増加によって、様々な子どもとふれあうことで、多様な人間関係の中で、一人一人の社会性をより育むことができるようになった。
 ○音楽の合唱や合奏、体育の団体競技など、一定数の集団を必要とする学習活動の活性化が図れた。
 ○児童・生徒数の増加により、休み時間なども集団で過ごす子どもが増えた。
 ○各学年に複数の学級が存在することで、行事や日常の学校生活の中で、学級間で切磋琢磨することにより、学級への所属意識などが生じ、より意欲的に行事や学習に取り組むようになった。また、学年単位で一定の人数が集まることで、学年活動が充実するようになり、発達に応じた自覚をもたせたり、学年集団としての意識をもたせたりすることができた。
 ○今後、クラス替えが行われることにより、人間関係が広がる機会ができ、新たな集団で自分を生かそうとする意欲の発揮が期待できる。

統合対象校の児童・生徒数

 統合前(平成19年5月1日現在)統合後(平成20年5月1日現在)
小学校桃園第三小学校;441人、13学級桃花小学校;527人、18学級(各学年3学級)
仲町小学校 ; 79人、 6学級
桃丘小学校 ; 94人、 6学級
中学校第六中学校 ; 73人、 4学級緑野中学校;275人、9学級(各学年3学級)
第十一中学校 ;212人、 6学級


2 児童・生徒の学力向上に向けた条件整備
 ○学級数及び教職員数が増えたことで、少人数指導を発展させ、児童・生徒の習熟度や興味・関心に応じた複数のコース設定など、多様な形態の授業を実施することができるようになり、より一人一人の実態に応じた指導が可能になった。
 ○中学校では授業時間数の多い国語、社会、数学、理科、英語の教科で専任の教員を複数確保することができ、少人数指導や、ティームティーチングによる指導を実施したり、教科部会で教材研究を行ったりするなど、教員同士が協力して授業の質を高めることができるようになった。
 ○教職員数が増えたことにより、一つの校務分掌を複数の教員で分担することができるようになった。
 ○多くの教員が補習や学習相談にかかわれるようになり、補充指導や個別指導を充実する体制ができた。
 ○新たな学校を創ろうとする教師の意欲や教員同士の切磋琢磨により、授業力を向上させようとする教師の姿勢が見られるようになった。
 ○中学校では、教員が増えたことにより、年間を通して生徒の興味・関心に応じた多様な選択教科のコースを設定することができるようになった。

統合対象校の教職員数
 統合前統合後
小学校桃園第三小学校;26人
(校長1、副校長1、全科14、音楽1、図工1、養護1、難聴言語5、事務1、栄養士1)
桃花小学校;34人
(校長1、副校長1、全科21、音楽1、図工1、家庭科1、養護1、難聴言語5、事務1、栄養士1) 
仲町小学校;13人
(校長1、副校長1、全科7、音楽1、図工1、養護1、事務1)
桃丘小学校;13人
(校長1、副校長1、全科8、音楽1、養護1、事務1)
中学校第六中学校;15人
(校長1、副校長1、国語1、社会1、数学2、理科1、音楽1、体育1、技術1、家庭科1、英語2、養護1、事務1)
緑野中学校;25人
(校長1、副校長1、国語2、社会2、数学3、理科3、音楽1、美術1、体育2、技術1、家庭科1、英語2、養護1、肢体不自由2、事務1、栄養士1)
 
第十一中学校;19人
(校長1、副校長1、国語1、社会1、数学1、理科2、音楽1、美術1、体育2、家庭科1、英語2、養護1、肢体不自由2、事務1、栄養士1)


3 学校行事等の活性化
 ○移動教室や修学旅行などの校外活動における引率教員を確保し、教育指導や安全確保をより充実できるようになった。
 ○運動会や学習・学芸発表会などの学校行事を多くの人数で実施できるようになり、互いに鑑賞し合ったり、競い合ったりするなどして、行事が活性化した。
 ○小学校のクラブ活動や中学校の部活動の種類が増え、子どもたちの希望や関心に対して幅広く対応できるようになった。また、一つの部活動に所属する人数も増え、日々の活動が活性化した。
 ○児童・生徒が主体的に、全校会議や生徒会運営を行い、自分たちで新しい学校の児童会・生徒会活動を活性化していく姿勢が見られる。

統合対象校のクラブ・部活動の数
 統合前統合後
小学校桃園第三小学校;10クラブ桃花小学校;13クラブ 
仲町小学校 ; 6クラブ
桃丘小学校 ; 6クラブ
中学校第六中学校 ; 7部緑野中学校;15部
第十一中学校 ;12部


4 統合新校の改修などに伴う教育環境の改善
 ○統合新校を設置した学校の改修などにより教育環境を改善し、あわせて、耐震補強なども早期に実施した。
【学校再編に伴う主な施設の改修等】
 ・両校共通
 屋上防水・フェンス改修、アルミサッシ改修、外壁塗装塗り替え、普通教室木床化等改修、教室・廊下の壁および天井等塗装塗り替え、便所洋式化等改修、電気・機械設備改修、校舎内のバリアフリー化、新JIS規格の机・椅子の導入、特別教室の机・椅子の整備、給食室の改修など
 ・桃花小学校
 体育館等改築
 ・緑野中学校
 エレベーター設置、メモリアルルーム整備、テニスコート整備、校門整備
<円滑な統合のために有効であり、今後も継続する方策>
1 対等な立場での統合
 ○対象校をいずれも廃止し新たな校名の学校としたことで、元の学校の仲間意識だけにとらわれることなく、子ども同士が一体感を持ち学校生活を送ることができている。
2 統合対象校の相互交流活動
 ○統合対象校合同での移動教室や校外学習、ボランティア活動や合同部活などの交流活動を行ったことにより、子どもたちが統合前に親近感を持つことができた。
3 統合前における対象校の教育課程や学校行事などのすり合わせ
 ○統合前から対象校の教職員が相互に何度も打合せをして、教育課程や学校行事などのすり合わせを行い、子どもたちがスムーズに新校での学校生活に入っていけるようにした。
4 学校指定品の支給
 ○統合新校の学校指定品を在校生に支給したことは、子どもたちが一体感を持つのに役立っている。
5 統合に伴う教職員等の増配置
 ○統合までの間、子どもたちが適切な教育を受けて充実した学校生活を送れるようにするため、また、統合に伴う教職員の事務量増などに対応するため、教職員等を増配置した。
6 統合対象校からの教職員の継続的配置
 ○統合対象となった各校から、可能な限り教職員を継続して配置した。
7 統合新校の施設の充実
 ○統合に伴う学校施設の改修や新たな備品の導入などにより、統合新校の教育環境が充実した。
<学校再編における今後の課題等>
1 保護者や地域住民への情報提供の強化
 ○特に、統合まで一定の期間がある学校については、保護者や地域住民などの不安を解消するために、適時適切な情報提供を行う。
2 学校ごとの課題に対する早期の対応
 ○通学の安全対策など、個々の学校の課題について早期に対策を示すとともに、保護者や地域住民などの意見を聞く。
3 学校統合委員会の設置時期
 ○統合新校のあり方や施設などについて十分に協議するため、学校統合委員会の設置時期を早める。
4 校舎改修の手順
 ○統合新校とする校舎の改修工事を、3か年に分けて夏季休業期間等に行ったが、夏季休業期間内に工事を完了することが難しい状況もあった。今後は可能な限り、統合新校としない学校などを仮校舎として一旦統合し、空いた校舎を1年で集中的に改修した後に移転することも検討する。

(関連ページ)

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