エイズを正しく理解しましょう
エイズ(ADIS:後天性免疫不全症候群)は、HIV(ヒト免疫不全ウイルス)に感染することによって、体の免疫力が低下する病気です。病状が進行すると、健康なときにはほとんど発病することのないウイルス、細菌、カビなどの病原体に感染(日和見感染)して、肺炎などの病気になり発症します。
HIV感染者、エイズ患者の発生動向
世界中で、HIV/エイズの治療ケアや感染予防に関する研究・取り組みが進むなか、エイズ関連死の年間死亡数は2004年の180万人をピークに、2020年末時点で69万人にまで減少するなど、成果が見られています。
世界でHIVとともに生きる人の数は2020年末には3770万人、新規感染者は150万人と推計されています。(UNAIDS「ファクトシート2021」)
2021年日本の、新規HIV感染者は742人、新規エイズ患者は315件で、5年連続で減少しています。
しかし、新規報告(感染者+患者)件数に占める患者の割合は、およそ30%のままです。
HIV感染者は20歳代から40歳代が多く、性的接触による感染者は全体のおよそ80%(同性間およそ70%、異性間およそ10%)です。
エイズ患者は30歳代から50歳代が多く、性的接触による感染者は全体のおよそ70%(同性間およそ50%、異性間およそ20%)です(令和3年エイズ発生動向年報)。
感染経路は主に三つ
HIVは血液、精液、膣(ちつ)分泌液を介して感染します。感染の可能性があるのは、次の三つです。
-
性交渉による感染
- 現在の感染原因はほとんどが性的接触によるものです。セーファーセックス(安全なセックス)を心がけ、コンドームを正しく使用することが感染予防になります。
-
血液を介しての感染
- HIVに感染した人の血液が体内に入ると感染します。医療機関での注射器による感染は心配ありませんが、麻薬使用などでの注射器の共用は非常に危険です。
- HIVは感染力の弱いウイルスです。握手、軽いキス、せき、くしゃみ、食器の共用、おふろ・プール・トイレの共用、蚊などの虫さされ等、日常生活でうつることはありません。
-
母子感染
- お母さんがHIVに感染していると妊娠中や出産時に赤ちゃんに感染することがあります。母乳による感染の例もあります。
日本では、お母さんがHIVの治療薬を飲むことや母乳を与えないことで、赤ちゃんへの感染を1%以下におさえることができます。 感染の心配がある場合には必ず医師に相談してください。
不安があれば検査を、治療法も進歩しています
HIVに感染しても発症するまで自覚症状はほとんどありません。感染しているのではないかと少しでも不安があったら、血液検査(HIV抗体検査)を受けましょう。検査は、保健所でも受けることが出来ます。
もし、HIVに感染していることがわかっても、適切な時期に適切な治療を受けることでエイズという病気に進行するのを防ぎ、健康な状態で長く生きていくことが出来るようになっています。 HIVウイルスを完全に排除する薬や治療法は、まだ開発されていませんが、現代の医療、科学技術を結集した取り組みによってこの病気のしくみなどがわかるようになり、多くの抗HIV薬が開発されて多剤併用療法も進歩しています。
今では、
HIV感染=エイズでも、
エイズ=死でも、
ありません。仕事を続けていくこともできます。適切な治療を適切な時期に始める。そのためには、感染している人が早く自分の感染を知ることが必要になります。
感染者とともにくらしやすいまちを
最近ではエイズ患者・HIV感染者のためにさまざまな社会支援が整いつつあります。エイズは病気の程度によって、身体障害者福祉法上の身体障害者として認定され、さまざまな福祉サービスを受けることができるようになりました。また、全国にエイズ治療を行う拠点病院が整備され、地域の医療機関と連携して身近なところで治療を受けられる体制が整っています。
しかし、治療法の進歩や治療体制・福祉制度の整備によって、長期の社会生活が可能になっても、HIVに感染した方は、発症の不安に苦しむだけでなく、エイズについての周囲の理解が充分でないことによって、差別や偏見にもさらされているという現実があります。
エイズを身近な問題として考え、この病気についての正しい知識を身につけることは、感染の拡大を防ぐためだけではなく、感染している人と感染していない人が同じ社会に暮らす人間として安心して暮らしていくためにも、今必要とされているのです。
エイズに関する相談・検査を行っています
HIVに感染しているかどうかは、自覚症状などがないので検査を受けなければわかりません。検査は医療機関か保健所で受けられます。保健所では、匿名・無料で検査を行っています。またエイズに関する相談を保健所で受け付けています。相談や検査結果について、プライバシーは固く守られます。
詳しくは、「よし、明日は検査に行こう」エイズ検査のお知らせ」 をごらんください。(新しいウインドウが開きます)
このページについてのお問い合わせ先
健康福祉部 保健予防課(中野区保健所) 結核・感染症予防係
中野区保健所2階5番窓口
電話番号 03-3382-6500 |
ファクス番号 03-3382-7765 |
メールフォーム
受付時間 午前8時半~午後5時
このページを評価する
ウェブサイトの品質向上のため、このページについてのご意見・ご感想をお寄せください。
より詳しくご意見・ご感想をいただける場合は、お問い合わせ・ご意見フォームからお送りください。